丹後の海の恵みを生かすアクションプラン 第5回政策検討会議事録
開催日時
平成18年9月4日 10時30分から12時30分まで
開催場所
京都府福利厚生センター3階 第4会議室
検討委員
池田委員、倉委員、中江委員、滑田委員、宮崎委員、森川委員、森田委員、鷲尾委員
座長
鷲尾委員
各委員の発言内容
- 今後、養殖トリガイの数を計画どおり増やしていった場合に、天然ものが増えて相場が崩れたときに、果たして現在の値段が維持できるかが問題であり、またその時にブランドの力が発揮できるかも問題となってくる。
- ブランド化を考えるときに、市場流通のあり方、値段設定自体をどういうところで決定しているのかを、消費者なり関係者に理解してもらえるしくみも必要ではないか。
- このプランで、値段がきちんと確保できれば、誰が恩恵を受けるのかを考えると、漁業関係者と流通に携わる人であり、ブランド化のエネルギーがそちらに向いている気がする。
- 「消費拡大とブランド品づくり」という大きなテーマの中で、消費拡大に結びつくものが、プランとしてもう少しないと、ただ値段が確保できるということだけで終わってしまう気がする。
- ・ 商品価値が上がれば、商品が京阪神等の府外に流れてしまうのではないかと心配である。
「消費拡大」というのは、量的拡大もあるが、質的な向上も非常に求められているので、品質の向上も一つの論点になると思う。 - 商品が高価格になれば、都市部に流通するのではという指摘は大切な問題であるが、地元にやや強制的に、地元配分枠を設けたときに、独占禁止法に抵触しないかという問題も出てくるのではということも考えないといけない。漁業者をどう育てるかということ、また漁業者をきちんと育てていかないと、良い製品はできていかないと感じる。
- 丹後ブランドをつくるという中では、漁業者がどれだけ品質の良いものを出荷していくかという意識付けが必要ではないか。
- 特にトリガイに関しては、きちんと大きなものを出荷していくということが高価格に結びつくと思う。
- 出荷の際の規格等を第三者の機関で判断するのではなく、漁業者自らでどうやって決めていくかということも、漁業者の意識を高めていく上で大切だと思う。
- これから、ブランド産品を販売していく上で、漁業者がどれだけ消費者と関わって販売していくか、例えば、漁協に頼るだけでなく、自分たちも出ていって消費者の声を聞くということも必要である。
- 丹後にある他のブランド品と水産物をどう組み合わせていくかを考えることも必要。
- 夏には、すいかやメロン狩り等があるが、こういうものに海の体験が一緒にできるような取り組みができればよいと思う。
- ブランド化推進体制の中で、漁業者の顔が見えてこないという指摘があったが、農産物等でよく言われる「顔の見える関係」という点で配慮が必要ではないかというのは、消費の質を考える上でもとても重要である。
- 宮津のトリガイは、自然のプランクトンを食べて、海の中に宙づりになっているので、従来の養殖の概念とは異なっているので、決して養殖ではないととらえており、それを消費者の方に説明するのも価格をある程度上げていく工夫なのではないかと思う。
- ブランド化は、誰のためのブランド化なのかをうまく調整していかないとだめだと思う。
消費者側ばかりに偏ると、生産者側は嫌になるし、反対になると、大都市に固めて出荷すれば、手間もかからず高く売れるということになって、消費が地元でなされなくなってしまう。 - ズワイガニに続く観光客の集客に結びつく丹後の水産物が、非常に欲しいし、トリガイがそうなってほしいが、それはなかなか難しいところがある。
- 天然ものと、育成もののトリガイの味は、決して変わるわけではない。大きさで言うと、天然ものでかなり大きいものがあるが、値段は育成ものの倍以上する。
- おそらく地元の家庭では、トリガイを一つも食べていないということがあるが、育成ものだと、しょっちゅうは無理かもしれないが、夏の間に1~2回は食べられるのではないかと思う。
- ブランド化するのはいいが、ブランド化する方法を消費者に説明する過程が非常に重要ではないか。
- 今年は天然ものがたくさん捕れて、育成ものと出荷時期が全く重なって、お互いに足をひっぱるという結果が出ているので、生産と出荷時期と値段を全てコントロールできないとだめだと実感した。
- 具体的な施策の中の、関係者による意見交換会の参加メンバーに、一番大事な「足」である交通機関が抜けている。意見交換会を開催する場合には、鉄道、バス、タクシー、レンタカー等の関係者の参加が必要である。
- 漁業者を育てるのと同じくらい、消費者を育てていくということも大切である。
- 観光にも、農林水産業を実際見てもらって、理解をしてもらって、消費者の拡大につなげるという「産業観光」という分野が出てきているので、ぜひこの分野で観光のプランづくりを図っていただきたい。
- 丹後で捕れるものを使って、料理教室や食文化の講座を開いたり、丹後の観光ツアーの企画をうまく作って、ただ単なる募集の団体のツアーではなく、持続可能な交流という分野に力を入れてはどうか。
- 現場の実態を知るということが、魅力を呼び、これまでの一度きりの観光客から、リピーター、さらにはファンになっていただけるような方が育っていく取り組みが注目されているが、その中でブランドを育てていく人の関与が重要である。
- トリガイは、価格の問題で、夏に宿泊に来られるお客様にいつも提供することは難しい。
- 丹後に来ても、なかなか手に入らない状況のものが、ブランド化されるのは、カニのように地元の人も滅多に食べられないという形になってしまうのではないかと不安である。
- いつ丹後にきても安心して、ある程度の価格で食べられるということが大切である。
- たくさん捕れて、いつでもたくさん食べてもらえるようなもの、そして、おいしい、新鮮だと感じてもらえる様なものがブランドになっていかないのかと思う。
- 観光客が、漁師から直接いろんな話を聞きながら、目で見て、買って、食べることができると丹後を身近に感じてもらえることにつながると思う。
- 高嶺の花になって、地元の人も馴染みがないと、丹後に来られた方に説明できないことになる。もしも、地元の人が説明できれば、コミュニケーションができて、親しみを持ってもらえると思う。
- 皆さんに安心して食べていただけるちゃんとしたものがブランドだと思う。
- アワビ・トリガイ・イワガキだけに限って言うと、本当に地域で消費するブランドの商品にするのがいいのかどうかもう少し考えるべきではないか。
- カニは知名度が全国区だが、トリガイやイワガキはそうではないということも、頭に入れておくべきで、カニと同じように、たくさんのお客様が来てくれるかどうかは疑問である。
- 丹後で消費を増やすことだけにこだわると、なかなかいい案は出てこないのではないか。この三品に限ると、あまり地元にこだわらない方がいいのではないか。
対象がアワビ・イワガキ・トリガイという高級品で、一部の人を対象にしているような気がする。これから将来を考えた時に、消費拡大の一番底にある、「より多くの人達に丹後の魚を認識してもらう」という視点が、今回のプランの中に欠けているのではないか。 - もっと京都府民に丹後の魚を知ってもらえるような、底上げ的な対策も一つ取り入れてはどうか。それが 継者の育成にもつながるのではないか。
- 食育という観点からの底上げも必要だし、その中で、現地の人たちに魚づくりの良さを伝えていくことも大事だと思う。
- ブランド化の対象品を扱う生産者には、消費者に説明していく、顔を見せていく努力を求めていく必要があるのではないか。
- 「ブランド化推進協議会」「ブランド品認定機関」という新たな組織は、どういう位置づけで、どういう役割をするのか?
→ ふるさと産品協会という機関がJAの中に作られており、今は京野菜が中心に進められているが、こういうところを、ブランドの認定機関として活用していけないかと考えている。
「ブランド化推進協議会」では、トリガイ、イワガキ、アワビに続くものとして、どういうものがあるかを検討していきたいし、それぞれのブランド品の認定基準の策定や販売経路についても考えていきたい。(事務局) - 「ブランド推進協議会」の構成メンバーは?
また、誰が中心となって動き出すのか?府の指導があるということなのか?
→ 現時点では、漁協、漁連、旅館、ホテル、料理店等を考えている。場合によっては、流通業者も含まれてくるのではないかと思っている。漁協、漁連、漁業者主体の設置なり運営をしていただいて、府から支援するということを考えている。ふるさと産品協会は、基準に従って、格付けする組織なので、品目の育成や、認定基準の策定については、少なくとも水産に関連する各業界に集まってもらい、そこでつくってもらう必要があると思う。(事務局) - 「ブランド認定基準」は、生産販売側が主体となって考えると、「自分たちの作ったものは全ていいものだ」ということになりがちで基準が少し甘くなるのではないか?
→ ブランド品の基準については、天然ものであれ、育成ものであれ、一定の基準に達したものは、同じように考えていくべきではないかと思っている。ただ、行政も関与して、きちんとチェックしていく体制を作っていかなければならない。(事務局) - 大きいトリガイだけをブランド化すると、残りの小さいものはほとんど値が付かなくなるので、その辺を考えてやらなければ、高い品物をよけいに高くするという傾向になってしまう。
- 地元消費ということに限って言えば、ある程度長い期間で、ある程度の値段で安定して供給できる、もう少し一般的なものを(例えば、カレイやキス等)地元で増やして、それを応援していく方がいいと思う。
- トリガイ、イワガキ、アワビに限って言えば、鮮度さえ良ければ売れていくという側面もあるので、乱獲にならないように、持続的に供給していくのも、重要なポイントである。
- 舞鶴の底びき網で、MSCという自主的な資源管理の基準を持って、生産販売していこうという取り組みがされていると聞いているが、どのようなものなのか?
→ ロンドンに本部がある国際的な団体で、資源管理、漁業管理がしっかりした漁獲物について、認証されれば、ブランド品のような扱いができるというものである。ただその漁獲物がおいしいか、おいしくないかという観点の基準ではないというところで、一般のブランドの認定と大きく違う。今後それをどのように消費者の方に届けていくのか、流通の段階を協議している段階である。(事務局) - プランの中の「品質・衛生管理」は誰によって担われるのか。
→ 漁業者を中心に考えている。(事務局) - 新鮮かどうかは漁業者でも分かるが、ノロウイルスなどが含まれているか等は、保健衛生部局の協力も必要だと思うが。
→ ノロウイルスや、食中毒に関しては、食品衛生部局が定期的に検査はしている。一方、漁業者も貝毒の検査は自主的に行っていて、それに基づいて出荷の判断をされているので、基本的には漁業者中心だと考えている。
(事務局) - 衛生管理についてマニュアルをつくり、漁業者に研修を行うなど、漁業者が一体何を要求されているのかを理解させるためには、支援が必要ではないか。
- 安心・安全のためには、生産現場と流通をきちんとセットで考えなければならない。
- プランの中では、安心・安全については、養殖ものを中心に考えているような印象があるが、行政の考え方はどうなのか?
→ 安心・安全面の確保については、天然ものと養殖ものでは、天然ものの鮮度管理を含めて、区別することなく考えている。アクションプランの中では、規格だけではなく、消費者の方に、安心・安全ということを理解していただけるしくみをきっちりつくっていきたいと考えている。(事務局) - 流通の初期段階で、浄化施設の海水の品質があちこちで問われている。水産物の安全のための基盤整備という点では、ブランド化の安全・安心の底支えになると思うがその辺りの取り組みはどうなっているのか?ノロウイルスへの対応は、特段の配慮が必要であり、漁業者の意識向上も必要である。
→ 生産サイドの安心・安全に向けても、府も施設整備等、精力的に支援させていただいているところである。
(事務局)
「漁業者が安定して生活できる経営モデルづくり」とあるが、生産、働き方、生活面、家族の役割分担までも考えた経営モデルを考えるべきではないか。 - 丹後地域での消費拡大については、既存の流通先とは別に、新規市場の開拓を図るのか。
→ 新規市場の開拓を中心に考えている。(事務局) - 既存の流通ルートについても、ブランド化に対して役割があると思われるので、その部分もプランに反映しては
どうか。 - ランド化の中には、ズワイガニも含まれるのか。
→ 当面は、トリガイ、イワガキ、アワビを中心にブランド化を図るが、ズワイガニも念頭に置いている。(事務局) - 今後の消費拡大については、地元以外でも広く拡大する必要があるのではないか。
- トリガイ、イワガキ、アワビのブランド化の次への可能性として、丹後地域全体の意識を盛り上げていく取組を、プランの中に盛り込んでいけないか。
→ トリガイ、イワガキ、アワビを消費者に認知してもらい、将来的には、他の魚種に拡大し、丹後地域の認知度向上につなげていきたいと考えている。(事務局)
観光としてとらえた場合、単にものにブランド商標をつけて人気を高めるということだけではなくて、見学や、体験も事業計画に盛り込むなど、ソフト面での充実もプランに反映できたらよいと思う。
→ 例えば、トリガイの養殖現場を見学してもらったり、生産現場を見ていただいて、食べていただくような取り組みもできれば良いと考えている。(事務局) - これからの課題だが、漁業者の生活を、取組の中でどのように向上させることができるのか、また向上した上で、豊かさを消費者に届けていけるような面が持てれば、より丹後の良さ、温かさを消費者に感じていただけるのではないか。
既存の流通で役割を果たしている仲買人が、関係者の意見交換会等のメンバーに入っていないが、仲買人の問題はどのように考えているのか。
→ 仲買人を介さない新しい販売形態を考えているが、安心安全の観点からは、既存の流通ルートについても一定の役割があり、必要に応じて意見交換会等のメンバーに入っていただきたいと考えている。(事務局) - 新しい販売形態は漁業の全体の底上げにつながるものであり、この点への理解を仲買人に求める必要がある。 また、仲買人は、加工による利用方法の拡大の面でも 参考となる意見を持っており、必要に応じて意見を求める等の配慮をされたい。
