丹後特用林産物情報誌 山の幸からこんにちは(平成17年3月発行)
初めの号 平成17年3月発行
今回の主な内容はこんな感じです。
- 森林・林業講座 三回シリーズで枝もの勉強
- 府生シイタケ品評会で藤岡さん入賞
大宮土曜スクールできのこ教室開催される
皆様、初めましてでございます。突然、何の脈絡もなく始まってしまいました「山の幸からこんにちは」でございますー。
「なんじゃ、それは、こら」
「あっ、いえ、すみません」(意味もなく謝ってしまう私)
実は丹後半島(ここでは宮津・与謝・京丹後)地域ではシイタケやエノキタケなどのきのこ類、またワサビなどの山菜の栽培に取り組まれている方々がたくさんいます。また、近くに広がる山々にはたくさんの資源(山の幸)が隠されているんです。でも、生産者同が知り合う機会や隠された資源に関する情報を知る機会って少ないですよね。
その機会づくりのお役に少しでも立てればということで始めましたのが、今回の「山の幸からこんにちは」でございます。「おっ、こんなことやっとる奴がおったんかい。」とか「こんな行事があったんかい。」とか「こんなことやっとるからちょっと見に来い。」とか言うてくれはったら、とってもうれしいですので、よろしくお願いいたします。
枝もの講座(前編)森林・林業講座 3回シリーズで開催
《枝もの》
ちょっと聞き慣れない言葉ですか?
華道などで使われる木々の枝のことをこのように呼ぶんだそうです。「なにっ、木々の枝やと、そんなもんこの辺やったらなんぼでもあるやないか。」そうなんです。木の枝が売れるんやったらまさに丹後は資源の宝庫なんです。そして丹後の振興局では今年度、この《枝もの》を取り上げて講座を行ったのであります。
ただ実はこの講座、4回シリーズのはずだったんですが、台風23号の影響で3回シリーズになっちゃいました。でも、講座自体は台風にも負けず、とっても楽しく行われたんですよ。
まず、最初に行ったのが「京都生花市場」 京都市伏見区にある市場に到着すると、さすがは生花市場、一面《花》《花》《花》です。そして、その一角にクリやマツ・シキミ・ヒサカキ等の《枝もの》が並べられています。中には「これは栽培されてるやろ」という品物もありますが、多くは直接山で切られて運び込まれたものです。丹後でもよく見かける《柴グリ》、ツル性でいろんなものに巻き付き熟したら食べても美味しい《アケビ》、さらには丹後地域でもお供え用に販売され、山に行けば必ずといっていいほど見かける《ヒサカキ(丹後ではヘダラ・ヘンダラともいう)》・《アセビ》、加悦町滝では長寿で有名な《ツバキ》も運び込まれています。この他たくさんの枝ものが、セリにかけられていきます。
「百円、二百円、さあ次ないか、ないか。」ってな感じで進むのかと思いきや、市場も電子化の波に飲み込まれており、思ったよりも静かにしかも非常に速やかにセリは進んでいきます。ちょっと乗り遅れたら、これなんぼやったんやろ?となってしまうくらい早いんです。
落札価格は様々です。えっ、なんで、と思うほど高い値がつくものもあれば、これがこんな値段やったら絶対やってられへんわ、というものまで。例えば右の写真のツバキが350円やったら手間から考えても絶対儲かりませんよね。
それに【ただ山から持ってくる】だけでは売れません。華道の知識を持ち、こんな枝がこんな風に使えると考えながら取ってくると良い値がつきます。さらに、欲しいと思う人が多い品ほど高い値がつく(セリなので特に)ので、必要な時期(お供え用はお彼岸やお盆前はかなり高くなります)に必要な品物を出す、ということをすれば、結構お金にもなるようです。
「そうは言っても、やっぱりどんなものが売れるのかわからん」という声が聞こえてきます。そのご要望にお応えするため、まずはヒサカキの栽培~販売用の結束までの実習を行いました。ここで活躍していただいたのが、藤田信雄指導林家です。
藤田さんは以前からお供え物に使われるヒサカキの栽培に取り組んでおられ、すでにヒサカキ畑も造成、一年中コンスタントに出荷をされています。販売は市場には出さず、無人販売とお寺等からの注文販売が主となっておられ、お盆やお彼岸には作業で腱鞘炎になるほど注文が殺到するそうです。これだけの注文に応えられるのも、畑と山にヒサカキ畑を造成されたからこそです。
ヒサカキ栽培の良い点は植えて一年半で収穫できるようになり、しかも時期を選ばず肥料もやらず、そして重労働を伴わないといった点です。これまで藤田さんはヒサカキの造成と管理の方法を独自で研究してこられ、今回の実習ではその知識を惜しみなく教えてくださいました。
畑には写真のように揃ったヒサカキが整然と育っています。これだけ揃っていれば、毎日一定量の出荷ができます。ただ、やっぱり知識のない悲しさ、どんな形状で切り取り結束すれば売り物になるのかがわかりません。「お墓に供えたときに見栄えがええように結束するんじゃ。」だそうですが、枝ごとに向きも違い長さも違い、生えてる枝のどれを切って、次にどんな芽が出させたらええのか、うまいこと切らなきゃ次につながりません。それでも、おっかなびっくり枝を切り、結束をしてみると何となく形になりました。でもやっぱり見栄えが悪い。「こりゃ商品にならんで」と藤田さんには笑われる。一日の講義だけで全てを知るのは難しかったですが、まず参加者の皆さんも第一歩を踏み出すことができたことと思います。
いま丹後で最も栽培方法がわかり育てやすく、売りやすい《枝もの!》それはヒサカキだと思います。このヒサカキを核にその他の山の幸も販売につなげることができたらなぁ、と考えています。
木竹酢液認証システム
2月2日、システム運用に向けた準備が始まりました。認定機関は「木竹酢液認証協議会」が行います。
《木竹酢液》は薬効がある、農薬として使用できる等、様々な用途で使用できる夢の資材です。でも、飛ぶように売れません。なぜか? この理由の一つに販売されている品物の成分が安定していない、そのため薬としても農薬としても認定されていない、ということがあります。
成分が安定しないのは、様々な形状の窯で様々な種類の樹種が焼かれているのですから当然といえば当然です。そこで、ある一定の品質・規格・製造方法の木竹酢液を認証して、木竹酢液に対する信頼性を高めよう! という趣旨で始まったのがこのシステムです。
審査方法はおおまかには、「原材料」(広葉樹か針葉樹か竹か等)により区別した後、木竹酢液の「pH」「比重」「酸度」「色」を計測し、一定の基準を満たしたものが認定されます。
全国基準を満たした木竹酢液が出回り、その効用が認められれば将来は薬や農薬として使うことができるようになるかも。こうなれば「木竹酢液が足らん~」とうれしい悲鳴を上げるほど売れに売れるかもしれません。
なんだか夢のような話をしておりますが、丹後炭生産者の会も独自に木竹酢液の品質調査に向けて準備を進めています。今後情報が入り次第、丹後での動きを含めて報告していきます。
藤岡静子さんの椎茸が入賞「府生椎茸品評会」開催される
すばらしい椎茸の集う場所。それが「生椎茸品評会」です。今年度は11月26日に開催され、農林水産フェスティバルの展示期間中、多くの方がびっくり眼で「こんなすごい椎茸が京都府で採れるの!」と感心しておられました。フェスティバル会場には知事も登場! 展示された椎茸の前でしばし御満悦の表情でした。
今年は天候の影響(台風23号め、もうちょっと逸れてくれたらええのに)もあり、出品数はちょっと少なめの42点。丹後局管内からは野田川町の藤岡さんと京丹後市の野村さんが出品してくださり、藤岡さんの椎茸が見事「府特用林産振興連絡会長賞」を受賞されました。
発生の時期が少しはずれたり、お忙しい時期だとは思うのですが、他の方の椎茸を見る良い機会にもなりますので、来年は是非ご出品をお待ちしております
子供のための「食と環境」講座で、きのこ教室が開催される!!
平成16年10月2日、京丹後市大宮町にある延利公民館で小学生・引率教師・保護者等14名を対象としてきのこ教室が開催されました。
この講座は、京丹後市立大宮第3小校区の児童を対象に、地域の農林水産業やその環境保全に果たす役割を学習し、理解してもらうために開催されています。今回は、「きのこ」に関して学ぶ講座が開講されました。
まず、大宮町在住のきのこ収集家田中氏が、きのこが自然界で果たす役割等きのこ全般について説明され、その後、振興局からきのこの人工栽培、クイズを交えたきのこの豆知識についての話をしました。
今回は特産林家(宮津市河田氏・岩滝町白数氏)の方々に協力していただき、
丹後で栽培されているきのこ(しいたけの原木栽培・えのきたけの菌床栽培等)に実際に触れることができました。
参加した子供たちは講義に熱心に聴き入り、有意義な活動となりました。また、10月16日には
野外に出てのきのこ採取等の活動も実施されたため、子供たちのきのこの知識はとっても深まったことと思います。
河田様、白数様、きのこ教室に協力して頂きありがとうございました。
終わりのひとりごと
忽然と始まってしまいました「山の幸からこんにちは」、楽しんでいただけましたでしょうか。こんなもんでは満足いくかい、というご意見も含め、電話でも何でも結構ですので教えていただければとってもうれしいです。
ところで「丹後半島山の幸研究会」という会はどんな会か、と思っておられる方もいるのでは。実はこの会以前は違う名前でマツタケの振興を中心に取り組んでいたのですが、近年の松枯れの進行により発生量が減少、そのため会の活動も停滞しちゃってました。これではいかん、でもマツタケだけでは元気が出ない、というわけで、そんなことなら山の幸全体を研究しよやないかと始まったのが、この研究会です。門戸は広いので皆様の積極的な御参加をお待ちしてます。
