技術情報 安心・安全支援チーム [丹後農業改良普及センター]
「エコファーマー」になりませんか
昔から農業生産は、自然と共生しながら営まれてきました。
今、この自然循環機能を守り、活かす生産が求められています。 国では、「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持続農業法)」を制定し、環境保全型農業に取り組む農業者を支援しています。
あなたも、環境にやさしい農業に取り組み、安心・安全な農産物を生産する「エコファーマー」になりませんか?
エコファーマーとは
「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」(平成11年7月)に基づいて、「持続性の高い農業生産方式の導入計画」(以下「導入計画」)を作り、その計画が都道府県知事に認定された人の愛称です。
全国では平成18年9月末時点で111,273人、京都府内では平成19年3月末時点で324人、丹後農業改良普及センター管内では平成19年3月末時点で67人が認定を受けておられます。
要件は
対象作物ごとに府の指針で定められている、以下の技術に取り組むことが必須です。
※ [1]の中から1項目以上+[2]の中から1項目以上+[3]の中から1項目以上」を選択。
[1] 土づくり技術(土壌分析結果に基づいて適当な量を)
たい肥等の有機物施用、緑肥作物の利用
[2] 化学肥料低減技術(通常と比較して3割減らせるように)
局所施肥、肥効調節型肥料施用、有機質肥料施用
[3] 化学農薬低減技術(通常と比較して有意に減少するように)
機械除草、除草用動物利用、生物農薬利用、対抗植物利用、被覆栽培、フェロモン剤利用、マルチ栽培
例:水稲 [1]堆肥+[2]局所施肥(側条施肥)+[3]機械除草
また、次の事柄も必須です。
- 同一品目のうち、およそ5割以上の面積でこの方法に取り組むこと。
- 導入計画は、達成の見込みが確実なものであること。
- ほ場の土壌分析を行うこと。
手続きは
[1] 5カ年の計画書を作ります。
(導入する技術や面積、たい肥や設備の利用計画など)
[2] 土壌分析をします。
[3] 上記の書類に「ほ場地図」を添えて、普及センターへ申請します。
[4] 約1ヶ月後に、認定証が交付されます。
メリットは
- 農産物のイメージアップにつながります。
- 集団で取り組めば、みんなの意識が高まります。
- 農業改良資金の貸し付けに、て、特例があります。
義務や責任は
- 変更:計画が変わるときは、再度認定を受けないといけません。
- 報告:計画の実施状況報告を求められることがあります。記帳が必要です。
- 罰則:報告をしなかったり、嘘の報告をすると、罰則の規定もあります。
- 取消:計画の実施状況によっては、認定が取り消されることもあります。
注意してほしいことは
- 申請できる人は、農業経営者です(営農組合、部会は不可、法人は可)。
- 府の指針で、各品目ごとに使える技術が決まっています。
- 府の指針に無い品目は申請できません。
- 「誰がどこで何をどんなふうに作るか」という「計画」の認定であり、農業者自身が認定されているのではありません。
- 認定を受けた作物のうち、認定を受けた栽培方法で作った作物だけに、エコファーマーのマークなどを表示できます。
- 5年後に更新の必要があります。
- 栽培記録を記帳して保管する必要があります。
エコファーマーの認定を希望される方は普及センターまでご相談ください。
環境にやさしい農業技術-安全・安心な農産物の生産のために-(IPM技術の紹介)
防虫ネット
害虫にとってハウスの中は、過ごしやすい天国のような環境です。
いったん侵入を許せば、大きな被害が待っています。
ハウスの中に害虫を入れないことがもっとも大切な防除方法です。
キスジノミハムシ・アザミウマ類等の微小な害虫の侵入を防ぐには、1ミリメートル以下の目合いのものでないと、効果が期待できません。
なお、防虫ネットを被覆したハウスでは温度が高くなる傾向があるので換気に注意しましょう。
近紫外線カットフィルム
昆虫が見ることのできる光の領域は紫外線~近紫外線といわれています。
この領域の光線を通さないフィルムを施設に被覆し、病害虫の生育・活動を抑制し作物を保護します。
また、病原菌には繁殖するためには、紫外線が必要な種類があります。
なお、有用昆虫を利用する場合やアントシアン系の色素で着色する花やナスの果実等の栽培では着色不良となる場合があるので注意が必要です。
簡易太陽熱消毒
葉菜類を対象に、畦成形後、晴天時に2週間~3週間太陽熱を利用して土壌を消毒する方法です。
従来の太陽熱消毒よりも、期間及び作業方法が簡易化された技術です。
この技術によって、農薬等を使用せずキスジノミハムシ等の害虫防除や雑草防除が、効果的かつ簡易に実施できます。
下の写真は、試験的に消毒を行わずに雑草を残したものです。
スベリヒユ、シロザ、タデといった雑草が見られます。
蒸気土壌消毒
土壌病害対策に使用していた臭化メチルの代替え技術として、網野町で取り組まれている環境にやさしい技術です。
病原菌、害虫、雑草種子に対し防除効果があります。
作業者の健康に影響がない、民家近くの施設において安心して使用できる、残留ガスによる作物への薬害の恐れがない、消毒日数を大幅に短縮できる等の利点があります。
天敵の利用
現在、土着天敵ばかりでなく、様々な天敵製剤が利用されています。
ハウス園芸を中心に、ハダニ・アザミウマ・ハモグリバエ等の防除に利用されています。
天敵利用のメリット
- 減化学合成農薬栽培
・農薬散布作業の省力化
・農薬残留・人畜毒性の心配がない。
・農薬による環境負荷が軽減できる。 - 抵抗性発達の心配がない。
- 天敵が定着すれば持続的な効果が期待できる。
粘着トラップ
害虫が好む色に着色されたプラスチック製の粘着テープです。
コナジラミ、アブラムシ、ハモグリバエが好む黄色と、アザミウマが好む青色があります。
害虫の侵入しやすい施設の周囲・出入り口に張って害虫を大量誘殺します。
また、施設内で害虫の発生予察・天敵放飼のタイミングを決めるためにモニタリングしたり、侵入した害虫の誘殺等に利用されています。
黄色蛍光灯
ヤガ類(成虫)のほ場内への侵入を防止し、ほ場内にいるものに対しては交尾阻害・産卵防止の効果があります。
また、コナジラミ類、ハモグリバエ、アブラムシ類が黄色光に誘引される習性を利用して捕獲器に吸引し捕獲殺虫するものも市販されています。
有用菌を利用したダクト散布
自然界から分離した有用微生物製剤を既存の暖房機や送風機のダクトを利用して効果的に散布する技術です。
野菜類の灰色かび病、うどんこ病等の予防として利用されています。
農薬の使用回数にカウントされない生物農薬は、特別栽培農産物や有機農産物生産に適しています。
ギニアグラス栽培
緑肥作物のギニアグラスを120センチメートル程度まで生育させてから、すき込み・腐熟させることで、良質な堆肥(緑肥)となります。
また、すき込まずに持ち出すことで除塩効果が得られます。
バンカープランツ(ソルゴー障壁)
バンカープランツの利用は、天敵を利用した環境にやさしい農業技術です。
ソルゴーにつくアブラムを捕食する天敵(ハナカメムシ、クサカゲロウ、テントウ虫、クモの仲間等)が増え、なすに害を与えるアブラムシ・コナジラミ等の害虫を補食することによって、農薬散布の削減が期待できます。
ナギナタガヤ草生栽培
ナギナタガヤは1年生のイネ科雑草で、原産地の西アジアから日本に入ってきた帰化植物です。
この草は生育期間に雑草を抑制すると共に、5月になると穂を出し、6月以降、倒伏して地表を覆い、その後も雑草の繁殖を抑えます。
大麦マルチ栽培
春に播くことで、出穂しせずに7月下旬に立ち枯れる大麦をマルチとして活用する技術です。
マルチとしての効果(除草剤削減・敷きわらの確保・労力の削減)の他に次作への有機物の補給の効果も見込めます。
多くの野菜、果樹で利用が可能です。
温湯種子消毒
無病の種子を用いる事が米作りの第一歩です。
一般の栽培では、4種類以上の農薬成分を使って種子消毒をしています。
農薬を使わず水稲の種籾を殺菌する「温湯種子消毒(温湯浸法)」が技術的に確立され注目されています。
低コストの効果も期待されています。
米ぬか除草
環境保全型稲作にとって除草が一番の課題となっています。
除草には、多くの労力が必要で面積拡大の阻害要因となっています。
この技術は、米ぬかを水田に撒き、米ぬかが分解するときに発生する有機酸を利用して雑草を防除する方法です。
紙マルチ栽培
水田を紙マルチで被覆することで雑草の発生を抑制する技術です。
あらかじめ紙マルチを敷いてから田植えを行います。
マルチをすることで光が遮られ雑草の発生が抑えられます。
日光を遮ることで地温が上がりにくく初期生育が遅れるという欠点をカバーするために黒色のマルチを利用しています。
あいがも農法
あいがも農法は、水田にカモを10アール当たり10羽~20羽放して水田の除草させ、水稲を育てる方法です。
水田の周囲にネットを張り外敵から守ってやる必要があります。
除草の他に害虫駆除・養分補給・根に酸素を供給する効果もあります。
