丹後広域振興局

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出前語らい(世屋川が昔と変わってきたのはなぜ?)

宮津市にある世屋川について、「昔と比べて変わってきたのはどうしてだろうか」ということをテーマにして、小学生3年・4年生を対象に出前語らいを実施しました。

はじめに

今日は「昔と比べて世屋川が変わってきたのはどうしてだろうか?」というテーマでお話をします。
京都府丹後土木事務所河川砂防室から来ました。

丹後土木事務所とは?

丹後土木事務所って何をしているところでしょうか。
国道・府道の道路、2級河川、砂防、海岸施設などの建設や管理をしています。
管内には宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町があります。

管理している道路等

管理している道路、河川、急傾斜地(きゅうけいしゃち)、天橋立公園の写真です。

今日のおはなし

今日のお話の内容です。世屋川の水はどこから来るの?

なぜ昔より世屋川の水が少なくなったのか?
なぜ昔より世屋川の生き物が少なくなったのか?

世屋川の水はどこからくるの?

世屋川の水はどこからくるの?
川が水を集める地域全体のことを流域(りゅういき)といいます。
川を流れる水は流域に降った雨と大きな関わりがあります。

川の大きさは流域面積(りゅういきめんせき)、川の長さは流路延長(りゅうろえんちょう)で表します。世屋川の流域面積は16.2平方キロメートルで甲子園球場の約4百個分に相当し、流路延長は6.8キロメートルです。

世屋川の特徴は流域のほとんどが山林で、人家集落は少なく、比較的きれいな水が流れてきます。扇形のような形をしており、水が集まりやすく大雨が降ると洪水が発生しやすい川です。
大雨の時は危険ですから世屋川に近づかないようにしましょう。

どうして世屋川の水は昔に比べて少ないの?

原因の一つは山林の保水力(水をたくわえる力)が低くなっているからです。
山林には水をたくわえて川へ少しづつ流すはたらきがあります。

山林保水力(さんりんほすいりょく)を高くするにはどうすればいいの?
山林の手入れ、間伐を行う必要があります。

木が混み合って生育が悪く根の張りが悪い。地面に太陽の光が当たらないので下草が生えない。結果、水がしみこみにくい土になり雨水はすぐに川に流れてしまいます。

手入れを行うと木の生育が良くなり根の張りが深い。地面に太陽の光が当たり下草が生える。結果、水がしみこみやすい土になり雨水は地下水となってゆっくり川に流れるようになります。

間伐(かんばつ)前と間伐後の様子

間伐前と間伐後の山林の様子です。
間伐前の山林は真っ暗ですが、間伐後は日が差し込んでいます。

どうして世屋川の水は昔に比べて少ないの?

間伐することにより、地面にまで日が差し込み、下草が茂り、木の根が深く張る強い山林になります。

降った雨が土にしみこみ、ゆっくりと川に流れていく保水力が高い山林になります。

晴れの日が続いても川に水が流れているのは、山林に保水力があるからです。

世屋川上流の山林の状況

今と昔の山林の状況や間伐がどのように行われているのか調査してみよう。

川は水循環(みずじゅんかん)の一部です

川は水循環(みずじゅんかん)の一部です。
地球規模で環境の変化、異常気象(いじょうきしょう)など水循環に影響するいわれています。

あゆと河川

アユと河川のはなしをします。
秋に川で孵化(ふか)したアユの稚魚(ちぎょ)は、川の流れに押し流されて海に入ります。海ではあまり沖のほうには行かず、寒い冬の間川に比べて暖かい海の中で生活しています。桜が咲くころになると、体長は5から7センチメートルになって海の生活を終え、しばらく河口でその体を真水に慣らしてから、群れをなして川を遡り始めます。

川に入ると岩についた藻を食べながら上流へと向かっていきます。5から6月頃になると体長10センチメートル前後となり藻の多いところになわばりをつくります。どんどん育ちながら上流に向かっていったアユは、9月下旬から10月頃、中流から下流の水のきれいな流れのある川底の小石の上に産卵します。雌(めす)は産卵後間もなく死んでしまいますが、雄(おす)は体力の続くかぎり産卵に加わり、ついには流れに抵抗できずに死んでいきます。

このようにアユの一生は海と川を行き来するものです。
ここで川の途中に先ほど言ったような落差工があったとします。

アユは泳ぐスピードのある魚なので、大雨で水位が高い時には、少しくらいのアユはのぼっていきますが、大部分のアユはそこから上流には行けません。上流に行けないということは、エサである、藻を食べる範囲が限られてしまうということです。つまり大きくなれないということであり、子孫を残せないということです。

またコンクリートの護岸などがあると、洪水の時に隠れるところがないため、時には海まで流されてしまうこともあります。

魚道工

河底の深掘れ防ぐため、落差工(らくさこう)を作って勾配を緩くしていますが、以前は魚が遡上(そじょう)することができないようなものも作られていました。

近年では生態系にも配慮して階段形状にするなど、小さな魚でも上流にいくことができるような魚道工(ぎょどうこう)を作ります。

魚道工がないと洪水で魚が流されてしまったとき、魚がいなくなってしまう場所が出来てしまいます。

ゲンジボタルについて調べてみよう

今度は私たちがよく知っている、川に住む代表的な昆虫であるゲンジボタルについて調べてみよう。

ゲンジボタルとヘイケボタルのちがいを見てみよう。
ゲンジボタルとヘイケボタルは体の模様、大きさ、光る部分、食べ物など、色々なところでちがいがあります。

みなさんが見かけるホタルは、ほとんどが田んぼなどに住んでいるヘイケボタルです。なぜ、ゲンジボタルが少なくなったのでしょうか。

ホタルの一生

ゲンジホタルの一生を見てみよう。

卵は川の岸にあるコケなどの上に生みつけられる。
幼虫は川の中で生活します。川の中でも少し流れがあって石がごろごろしているところで生活します。

さなぎになるときは川から陸に上がって土を掘って小さな家をつくります。この家のことを「土繭(つちまゆ)」といいます。

成虫になるとオスのゲンジボタルは川の周辺を飛び回りメスと結婚して交尾します。その後メスは卵を産みます。

世屋川はホタルにとって住みごこちがいいのかな?
カワニナが生活しやすい川かな?エサがたくさんあるかな?
たまごを産めるところがあるかな?夜、蛍の光を見ることが出来るかな?

ホタルとみんながいっしょに暮らしていくには?

ホタルといっしょに暮らしていくには?
人は水害から生活を守りたいと考えます。

ホタルはきれいな水と植物にかこまれた生活がしたい生き物です。
人がいいと思う環境と昆虫がいいと思う環境にはちがいがありますね。

これからの地球の環境を考えると自然と人が気持ちよく生活できる川になったらいいですね。

みんなは、どんなことをしたらいいのか考えてみよう。これからの地球の環境を考えると自然と人が気持ちよく生活できる川になったらいいですね。 

お問い合わせ先

丹後土木事務所 河川砂防室 ダイヤルイン電話 0772-22-7986

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