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第6回条例検討専門委員会概要

1 日時

平成17年6月16日(木曜)午後4時~午後6時

2 場所

京都府福利厚生センター 3階 第2、3会議室

3 内容

(1) 開会

(2) 議題検討

委員長 議事進行

府民意見募集状況の報告及び専門委員会における府民意見聴取

参考資料に基づき、事務局から府民意見募集状況を報告(6月16日現在で11件)するとともに、浅岡委員から、6月11日に京都府地球温暖化防止活動推進センターの主催で開催した条例意見交換会の結果報告を受けた。

事務局による資料説明

資料1及び2に基づき、最新の京都府における温室効果ガス排出量速報値の報告と、2010年度の排出量予測数値について説明。

【委員からの主な意見】(「⇒」は委員長、「→」は事務局回答等)
資料1及び2に基づいて、各論点について各委員から意見をいただいた。

京都府における温室効果ガス排出量と2010年度の排出量予測について

・2010年度の排出量予測について、全体数値が提示されているのに部門別数値が提出されていないのは何故か。

→ 予測に当たり、全部門に共通する項目の割り振りが未だできていない部分がある。

・排出量の計算根拠については、開示されるのか。

→ 根拠となる一部のデータについて開示できないものもあるが、基本的には数値確定後は開示する予定である。

・いつ頃、確定数値は出てくるのか。

→ 後一ヶ月くらいで部門別の予測も提示させていただけると思う。

・以前の専門委員会で提示された1995年度の部門別排出量の構成比と2002年度の構成比が大きく異なるのは何故か。

→ 主な理由は電力の排出係数の違いである。先の「京と地球の共生計画」では全国電力の排出係数を用いていたが、今回は関西電力の排出係数を用いたため、部門毎のエネルギー使用量における電力使用量の差が構成比の差として影響を与えている。

・全国の係数を使った場合はどうなるのか。

→ 2002年度で1.8%増。2010年度でマイナス5.6%となる。

・1990年度から2002年度までの国と京都府の排出量の推移を比較すると、京都府の削減目標(案)として提示されている「1990年度比10%削減」という数字は、国の目標と比べてまろやかなものとなっている。国においては、2002年度比で約14%の削減であることを考えると、1990年度からマイナス3.5%となった京都府においては、もう少し削減できる余地があるのではないか。

→ (資料2の説明)京都府においては、関西電力の排出係数を用いているが、この係数が高くなるため2010年度には、国とは逆に2002年度の排出量から増加する見込みとなっている。2010年度の予測排出量で国と比較すれば、国の12%削減に対し、京都府が10.6%削減となり、大きな差はない。また、国の12%には森林吸収源と京都メカニズムが含まれており、排出量削減としては、6.5%である。
部門別の削減目標については、推進計画の中で検討をしていきたい。

・京都市の10%削減目標はどのような内容の目標か。

→ 温室効果ガス削減で10%である。

⇒ とりあえずは仮の10%という数値目標ということとして、今後部門別の排出量予測を見ながらもう一度議論をするということとしたい。

⇒ 2002年度の排出量実績を見ると、1990年度に対して「廃棄物」と「民生部門業務系」の伸び幅が大きいのが気になる。

・先ほどの説明で、色々な部分で電力の排出係数の影響がでているとの説明があったことからもわかるとおり、電力事業者の影響が大きいことがわかる。大規模事業者は、報告制度などである程度、削減状況を把握し、その努力を促す仕組みができるが、個人・中小企業においてはそのような仕組みがない。電力会社は個人や商店などの中小事業者まで幅広く接触するネットワークを有していることから、何らかの形で、個人や中小事業者の省エネ努力を促してもらうような協力を求める必要性がある。

・ごみの減量化の問題は、地域組織での対応が重要となる。小さな市町村では、職員の多くがごみ収集に携わっていることから、これらの職員が半公的に住民へごみの分別について協力を求めることができるのではないか。大阪府内の某市で、清掃部門の職員が紙ごみの分別を呼び掛けた結果、紙ごみ量を半減させ、それまで2基稼働させていた焼却炉を1基に減らすことができたという事例もある。

⇒ 一般廃棄物の問題は、市町村の果たす役割が大きい。各市町村に具体的な削減目標を定めた廃棄物処理計画を策定するよう、府の廃棄物処理計画に基づき、府が市町村に指導を行っていくという形で関与することも考えられる。

・民生部門家庭系、廃棄物部門における温暖化対策の活性化を図るには、どのように住民を取組に巻き込んでいくかという仕組みが大切であるが、その点ではごみを地域ぐるみで削減するという取組が有効と思われる。京都市のプラスチック分別回収モデル地区で、市民が地域ぐるみで分別に取り組んだ結果、ごみ量が半減した実績がある。ごみの分別のような市民生活に身近な取組が住民の温暖化対策への理解と関心を高めることにつながる。

⇒ 京都市は分別したプラスチックごみを燃やしている。ごみは半減しても温暖化対策としては、疑問が残る部分である。

・あまりこの部分を強調するとしらけてしまう。取組の発展性を図るということで、現在の京都市内のモデル地区におけるプラスチックの分別回収は意義があると思いたい。

→ これまでいただいたご意見の中で、「地域」というキーワードを数多く指摘いただいていることから、資料の中では記述していないが、今後、広域振興局を念頭に、条例の中で地域を取り入れた特色を検討していきたい。

⇒ 是非お願いしたい。これまでの議論は、排出部門別のセクターアプローチであったが、これに加えて、地域毎の削減目標を検討するリージョナルアプローチを条例に京都府が取り入れれば先駆的なものとなる。条例を受けて策定する計画について、セクターアプローチとリージョナルアプローチを取り入れることができれば、重層的なものとなる。

・民生部門業務系の2002年度の排出量が、家庭系の伸びが低いのに対して大きく増加した要因は何か。

→ オフィス床面積の増加や、OA機器の増加などが考えられる。

・とすると、排出係数の軽減でカバーできないほど業務系の電力使用量が増加したということを意味する。民生部門においては業務系が先にまず拡大し、次に家庭系がつづく傾向があることから、2002年度以降民生部門家庭系が大きくのびることが予測される。従って、この部分への対策の検討が必要になってくる。

⇒ 欧米では進んでいるが、日本がやや立ち後れている分野として、サービスサイジング、PSS(プロダクト・サービス・システム)がある。民生部門業務系の排出量の伸びは、オフィスにおける電力使用量等の伸びが大半であるが、これからオフィスのサービスサイジング等が進めば、業務系の排出量の伸びについても抑制されていくことが推測される。

→ 京都市域はオフィスの床面積は頭打ちになることが予想されるが、府域においては京都市近郊を中心にこれからまだ伸びることが予想される。

・府域においては、住居も含めてこれから増加する可能性がある。

地球温暖化対策(部門別)

●前回委員会での検討部分について(資料3、1~5まで)

⇒ ヨーロッパの環境先進国では、地球温暖化対策について2050年までに温室効果ガスを50%~80%削減するなどの長期的な目標をたてている。条例の前文においては、国際社会、特にヨーロッパの環境先進国の動向を注意し、温室効果ガス削減に向けた長期的な視野を持つということを書き込む必要があるのではないか。

⇒ 地球温暖化防止活動推進センターの役割については、環境保全活動団体とは別に、もう少しはっきりと定義するべきである。

→ 地球温暖化対策推進法の規定との関係で検討する

⇒ 自動車交通に関する温暖化対策については、数多くの観光地を抱える京都においては、バスやタクシー(特に客待ちタクシー)への対策を盛り込んでいくべきである。

・「はじめに」の部分に、京都市とのダブルスタンダードを排除するという趣旨をいれるべきである。
・産業部門における温室効果ガス排出量の減少は生産額の減少によるとあるが、生産額は1990年度から2010年度にかけて横這いであり、生産額の減少だけが温室効果ガスの排出量減少の要因ではない。企業の削減努力についてもふれるべきである。

・長期的視野については、「環境先進国の動向を注意し…」よりも、もう一歩踏み込んで記述するべきではないか。
・排出量取引について、環境省の自主参加型排出量取引制度は、実態は排出量の買取り制度である。仮に、京都府でもこの制度を検討するとしても、数値目標の中に国と同じように目標を設定しないと企業もやりがいがないのではないか。
・一定規模以上の大規模建築物については、基準がまだわからないが、省エネルギー法の2,000平方メートルではなく、1,000平方メートルに縮小するべきではないか。
・住宅の環境情報とは何を意味するのかわからない。

●電気機器等に関する温暖化対策

・家庭用の機器だけが対象で、業務系機器が野放しとなっている。

⇒ 業務系の電気機器についても意識して書き込む必要がある。民生業務系は別項目で起こす必要あるのではないか。

・報告の対象となるのは、事業者ではないのか。

⇒ 事業所をターゲットにしないと対象が明確にならない。

・地球温暖化対策条例について、省エネ機器についての情報提供はわかるとして、グリーン購入はどんな関係があるのかよくわからない部分がある。廃棄物の減量化と重なるのではないか。

・グリーン購入は広い概念(水質汚濁も含む)であり、条例に書くならばもう少しわかりやすく整理しないといけない。

・要は、グリーン購入の促進と地球温暖化対策とのつながりが見えにくい。

⇒ グリーン購入についても、促進により購入量が増えると、ライフサイクルアセスメント上はCO2の増加につながるのではないか。一度、検討してみてほしい。

●廃棄物、自然エネルギー

・想定される府内に電力供給事業者はどれくらいあるのか。

→ 現在のところは、関西電力以外には、大きな事業者はない。府外への電力供給を行っている事業者としては、舞鶴に1社ある。

・自然エネルギーの買い取りについて計画書の作成提出を義務付けるというくだりがあるが、自主作成ということであればあまり高い数値は期待できないのではないか。

→ RPS法において電力供給事業者に対する買い取り計画書の作成提出制度があるが、都道府県に対する情報開示は行われていない。今回の規定の狙いは、事業者に計画を提出してもらい、それを公開することで、府民の評価を受けさせるというところにある。

⇒ 廃棄物については、市町村との連携が重要になってくるが、その点での府の役割についてはどうなっているか。

→ 市町村の取組に対する広域行政である府の補完性という部分については、地方自治法で明記されている事項であり、条例であらためて明記するということが必要かどうかについては検討が必要であると考えている。

・廃棄物行政は広域化する傾向にある。この部分における府の補完性は他の分野に比べて大きなウェイトがあるのではないか。

・府の条例に書き込むのであるから、府の関わりについては明記するべきである。

●環境学習・環境教育について

⇒ 環境学習・環境教育については、推進員の役割が大きいのではないか。推進体制のところで推進委員がふれられているが、特にこの分野については、はっきりと推進員の役割を明記した方が良いのではないか。

・「多様な主体の参加と協働」という課題に対応する支援施策がない。

→ 推進員の役割については地球温暖化対策推進法の中で明記されており、条例の中であれこれと定義をするのは検討が必要ではないかと考えている。

・地球温暖化対策推進法には確かに推進の役割について規定があるが、全国的に推進員がどれくらいの活動をできるかわからないので、かなりアバウトに規定したものであり、地域の温暖化対策を進めるに当たり、推進員の役割を制限するような規定ではないはず。もしも、条例で推進員の役割を規定することが、法に抵触するというのであれば、法を改正するべき問題である。

・地域をひっくるめて温暖化対策を進めるという規定が必要である。

・多様な主体の参加という点で、地域を捉えることは重要である。

・そういう街づくりをするという視点を条例に書き込む必要があるのではないか。

・学習、教育というと学校の先生が担当するというイメージであるが、これからは環境保全の活動体験などを伝えるということが学習・教育になるのではないか。活動体験の積み重ねこそが、本当の環境学習・教育という気がする。

・環境学習・教育というよりも、環境交流といった方がよいかもしれない。

●国際環境協力、環境産業の振興

⇒ (施策レベルの話であるが)先日、知事と懇談した際に話していたことであるが、インターネット環境家計簿を使って府民が省エネに努めた分を、府民のCO2削減の森というものとして目に見えるものを作れば、府民の活動を促進できるのではないか。さらに、環境家計簿で優秀な取組をした家庭には、国際環境協力のところにあげられている中国陝西省での植林活動に招待するというようなことができれば、さらに府民の参加を促すプログラムにできるのではないか。

・商工会議所では、ODAを活用した国際環境協力の検討を開始しているが、アジアへのODAということで中国陝西省に限定せずもう少し幅広く書き込む方が良いのではないか。

・国際交流は、日本の優れた技術の移転という視点だけでなく、海外のライフスタイルなどで省エネルギーに優れたものを取り入れるなど相互関係を築くという視点が必要ではないか。

●推進体制

・推進体制整備というくだりには、「地域」「まちづくり」の視点を表す言葉を入れるべきである。地域に存在する企業や学校も、推進体制に組み込まれるべきである。

●留意点等

・エネルギー供給義務については、自然エネルギーだけか。省エネルギーについても府の方から提案していただければと考えられる。

条例検討スケジュールについて

次回の専門委員会は6月22日(火曜)午後2時から環境審議会企画部会との合同会議として開催することを確認。

(3) 閉会

お問い合わせ

総合政策環境部脱炭素社会推進課

京都市上京区下立売通新町西入藪ノ内町

ファックス:075-414-4705

datsutanso@pref.kyoto.lg.jp