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日本茶インストラクター松石三重子さん(和束町)

宇治茶の主産地和束町で、社団法人日本茶業中央会認定の「日本茶インストラクター」の資格で、「お茶の入れ方教室」等でおいしい入れ方等を指導・助言されてます。
写真が松石さん。

どうして「日本茶インストラクター」の資格を取ろうと思われたのですか?

私は、主人の母、私達夫婦、息子夫婦と孫の四世代で住んでいるんです。それで、孫が産まれたらかわいいし、この孫がいつまでも和束で生活できるようにと考えましてね。今、和束町は過疎化が進んでいるんですよ。この和束町を活性化するにはやはりお茶しかないと思いまして。和束町は上質のお茶ができますし、宇治茶の主産地ですから。
  でも、和束のお茶が上質のお茶であることを人に知ってもらえないとあきませんしね。皆さんに宇治茶の主産地、和束と和束茶のお話をして、和束茶を知って頂きたいと考えると、資格があった方がいいかなって。それで、「日本茶インストラクター」に挑戦したの。私、和束町は「洋服の内ポケットのような町」と思っているんです。

「洋服の内ポケットのような町」ですか?

ええ。国道163号線から和束に入る府道信楽線の入り口が狭くって、出口も滋賀県信楽町に続いているけれど、やはり狭いですしね。国道は申し訳程度に少ししか通っていませんし、鉄道も通ってませんしね。

「日本茶インストラクター」の資格はいつとられたんですか?

四期生だから、平成14年に受験して、平成15年4月1日付けで認定を受けました。

試験は、やはり難しかったですか?

なかなか横文字が覚えられなくって。お茶の化学・お茶の医学があって、例えば、がんにお茶が効くとしたら、がんの初期にはどういうふうに効くかとか。年齢の関係で暗記もしにくいですし。
  しかも、主人の父の三回忌とか、うちの娘が結婚するとか行事が重なって、夜に勉強していても、朝になると 家事一般の諸々ですぐに忘れてしまう。二次試験の時は、娘の結婚式の打ち合わせと重なって・・・・・

どうされたんですか?

結婚式の日にちは決まっていたし、打ち合わせだけだから、それに、母親が行ったらついつい余計な口出ししますし、試験の方に行かせてもらいました。

がんばられて取られた日本茶インストラクターの資格で、お茶の入れ方教室の講師をしておられるんですよね。

松石さんの講義を聴きいる受講生

はい。日本の方だけでなく、和束に来られた外国の方々にもお話させていただく機会があるんです。
  先日、外国から来られた医学生の方から「カフェイン中毒の方は、日本茶を飲まれたらいいと指導されているが、日本茶のカフェインとコーヒーのカフェインの違い、日本茶のカフェインはどうして体に良いのですか?」って質問されて。それで日本茶のカフェインについて少し調べたの。そしたら日本茶にはカフェインをやわらかくする成分があって、いくら飲んでも中毒にはならないけど、コーヒーの場合は、カフェインがストレートに体にきいてくるからカフェイン中毒になりやすいそうよ。

この間、ロシアの方に「日本の方は、この小さなカップのお茶の量で満足するんですか?私たちは、これだけのお茶の量を飲んでも満足できません。」って言われてね。外国の方は、大きいカップで沢山飲まれるから、小さな茶器に少ししか入ってないって思われたんやろうね。生活習慣が違うから。そやし、「満足するだけ何杯でもお茶を飲んでください」って言ったの。

講義中の松石さん

外国の方だけでなく、日本の学生の方々にも講義をされているんですよね。

昨年の8月、農業体験ツアーで来られた東京の中学生にお茶の話をする機会があったんです。和束にお茶摘みを体験に来られて、その中で「お茶の美味しい入れ方教室」をさせてもらったんです。
  中学生やしね、私語が多くて話を聞いてもらえないかなと思ったんですけど、まじめに聞いてくれてね。うれしかった。でも、家庭に急須がない子もいるんよ。

8月にお茶摘みってできるんですか?

お茶の樹は一番茶、2番茶の後の8月頃からもお茶の芽が伸びるの。それを摘んでもらうの。でも、急斜面の茶畑に登ってもらうのも大変やし。近くまで車で行けて、田舎道をちょっと、そうやね、10分ぐらい歩く体験もでき、トイレも借りられるそのような場所にある茶畑が良いかなと思うし・・・。ちょうど姉の家がそういうところに茶畑をもっているので、茶摘み体験用の畑にしてもらったの。

茶摘み風景

お姉さんに怒られませんでしたか?

姉には、「あんたも町の発展のためにつくさんとあかんねんで」って言うています。
  でも、入園料は一人いくらかもらうようにしたほうがよいと思うの。有料になると農家の方々にも茶摘み体験茶畑のお願いがしやすいかと思うの。
  町民の方々が自主的に「うちの畑も茶摘み体験に使ってほしい」って言ってくれはったら、一回摘んだら次の芽が伸びるまで日時がかかるから、今日はこの茶畑に入って、次はあの茶畑に入ってもらうってことができるでしょ。
  茶摘み体験にも初級・中級・上級をつくってね。中級以上になると少し急斜面の茶畑に・・・ そしたら、茶摘みの大変さも知ってもらえるかな。

畑に初級とか段階を設けるっておもしろいですね。
ところで、お茶の話しになるんですが、「荒茶」って聞いたことがあるんですが、この「荒茶」ってどんなお茶なんでしょう?

「荒茶」とは、農家の方が茶畑で刈り取って、茶工場で製造されたすぐのお茶です。でもね、今日、茶畑で刈り取って工場で製造されたお茶と、次の日同じ畑で刈り取って製造しても同じ味、香りにならないの。一日一日お茶の芽は伸びるし、芽が伸びると同じ味と香りは出せないしね。自然相手の仕事だから大変なんよ。毎年同じように肥培管理をしていても、その年の気象条件でお茶の味、香りも違ってくるしね。
山並みに沿った茶畑での農作業は大変だけど、半日お日さんが当たって、半日日陰になるので上質茶ができるんよ。
  でも ほんとに、大変よ、急斜面だから乗用摘採機(トラクター)が入られへんし、2人用の茶刈機で二人がかりでお茶を刈るんよ。

和束町の茶畑風景

これからどのようにしたいって考えておられますか?

和束の茶を全国の人、世界の人に飲んでもらいたい。
以前、ある人に「和束のお茶ですけど」ってあげたんやけど、その人は「わずかなお茶」と思ってはったんよ。和束町でお茶が栽培されているのを知らんかったやて。
  だから、私は「和束茶」の広報担当だと思っているの。このホームページのお話も「うれしい」って思って。「和束の茶」のことを宣伝できると思ってこれだけおしゃべりしましたの。
  消費者の方々から「和束の茶を飲みたいのです」って言ってもらいたい。でも、言ってもらうには、一口でも和束の茶を飲んでもらわないといけないでしょ。 それで、和束茶を飲んでもらえるように話をしていこうと思っています。日本茶インストラクターの仕事は私の老後のライフワークだと思っているの。

インストラクターのお仕事の中で、中学生にお話されたとおっしゃってましたが、中高生のお子さんをお持ちの親御さんに何か一言いただけませんか?

ちょっとだけでいいから、手間暇かけたものを食べさせてあげてほしい。お弁当も、冷凍食品もいいけど、そればかりでなく、何か一品、鶏肉を前の晩に味付けておいてそれを焼くだけでいいから、ちょっと手間暇かけたものを入れてあげてほしい。手間暇かけたものは、子どももちゃんとわかるから。午前中にイヤなことがあっても、お弁当で心が和み、そして午後からがんばろうって思える。
  今、「食育」って言われているでしょ。食は人間形成に大きく関わってくるから、大切にしてほしい。
  「茶の間」っていうじゃないですか。昔は「茶の間」に家族が集まってお茶を飲んだんですよ。会話をしながらね。そういう日本の食文化に誇りをもって欲しい。

最後にお薦めスポットを紹介してください。

ここの裏手に正法寺というお寺があるんです。紅葉がとってもきれいでね。ライトアップとかされるから、ぜひ見に行ってみてください。
松石さんに、このインタビューを受けて下さるようお願いの電話をしたところ、第一声が「うれしい!」だったので、こちらも「うれしい」と感激しました。「初めての人に自分から話しかけたりしない」とおっしゃる松石さんですが、「和束のお茶のことをいっぱい書いてほしい」とお話してくださり、そのお話が楽しかったので、時間が経つのを忘れてしまいました。
  「町の活性化」と言うのは簡単ですが、そのために何か行動を起こすのはとても大変だと思います。行政からの押しつけでなく、自分たちで「今、自分にできることは何だろう」と考え、行動する。それが、活性化に繋がる一番の力だと思います。
  「孫たちがずっと住めるように」和束のすばらしい茶畑や自然環境を残してあげたいという松石さんの想いが、こちらに伝わってきて、その想いをなんとか皆さんにお伝えしたいと思いました。
  あなたの町にも、自分の子ども、その子たちに伝えていきたい自然やものがありませんか?そのために、あなたができることは何でしょう?秋の夜長、ちょっと想いを巡らせてみませんか?

松石三重子さんの連絡先
〒619-1213
京都府相楽郡和束町南大生水46
電話0774-78ー3033
メールアドレス   m-mieko@apost.plala.or.jp

ブログ blogs.yahoo.co.jp/tya_waduka/MYBLOG/yblog.html


写真左が松石さん

やましろ観光ちょっとメモ

正法寺(和束町)

正法寺は、天平年間の昔より、和束と深き地縁で結ばれた古刹です。臨済宗永源寺派の末寺でもあり、永源寺(滋賀県)のヤマモミジが参道の石畳の脇や境内の建物の回りに移植されているそうです。
そのモミジが鮮やかに色づく頃、観楓会(かんぷうえ)が開催され、境内紅葉のライトアップが行われます。

正法寺紹介のページ
紅葉のライトアップ

境内の紅葉