ここから本文です。

平成18年度当初予算編成方針

第1 京都府財政の現状と今後の財政運営

 人口減少・超高齢社会の到来や地球規模でのグローバル化の進展など時代の潮流が大きく変動する中、日本経済はバブル崩壊後の負の遺産から脱却し、民需主導の経済成長が実現しつつあるとされているものの、本府財政においては、バブル崩壊後大幅に落ち込んだ府税収入が未だ本格的に回復しておらず、予断を許さない状況にある。

 また、国においても、危機的な財政状況の下、平成18年度の予算編成に当たっては、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」を踏まえ、歳出水準を実質的に前年度水準以下に抑制してきた歳出改革路線 を堅持・強化することを基本に、歳出の抑制と所管を越えた予算配分の重点化・効率化を実施するという内容の概算要求基準が示されたところであり、特に平成18年度における地方財政については、概算要求時点で地方交付税が前年度比2.7%減とされるなど、厳しい抑制基調の続くことが懸念される。

 加えて、現在、国・地方にわたる税財政システムの構造転換を図る三位一体改革の検討が進められているが、改革の全体像や道筋が不明確である一方、教育、福祉、治安、雇用等複雑・多様化する様々な行政課題への対応が求められる中、義務的に支出しなければならない経費の増嵩等により本府の財政構造も硬直化しつつある。

 こうしたことを踏まえると、本府では平成18年度においても、予断を許さない極めて厳しい財政運営を強いられることが見込まれるところである。

 こうした中、当面する様々な行政課題に対応しつつ将来にわたって魅力ある京都府づくりを推進するとともに、府民ニーズに基づく成果重視の行政運営を実現していくためには、行政の運営手法を根本的に見直すことによる行財政体質の構造改革と施策体系の再構築が不可欠となっている。

第2 平成18年度当初予算編成の基本方針

 平成18年度当初予算編成の基本方針は、次のとおりとする。なお、諸般の事情を考慮し、骨格的予算として編成する方針であり、新規事業に要する経費については、当面の緊急課題や年度当初からの事業執行に不可欠な新たな経費を除き、当初予算への計上は見合わせる。

 なお、具体的な見積もり方法については別途指示する。

(1)「人・間(にんげん)中心」の京都づくりの実現

 新京都府総合計画実現のための中期ビジョン『「人・間(にんげん)中心」の京都づくり5つのビジョン』に基づく重点施策を着実に推進する。
 このため、中期ビジョンの目的を効果的に達成するという視点から、既存施策の事業手段及び事業効果について徹底的に検証・検討を行い(目的効果基準による事業の集中と選択)、真に必要な事業に限られた財源を重点的な配分を行うことにより、中期ビジョンに基づく施策体系の再構築を進める。

(2)京都府経営改革プランの推進

 分権時代にふさわしい持続可能な財政構造を確立するとともに、府民発・府民参画・府民協働による府民本位の京都府づくりを実現していくため、「京都府経営改革プラン」等に基づく行財政体質の抜本的な構造改革を進めているところである。
 平成18年度当初予算編成においては、次の事項に留意願いたい。

1.人件費及び福利厚生関係経費
  厳しい財政状況の下で府民本位の京都府づくりを進めていくためには、行政経営の改革に取り組み、限られた経営資源(人的・財的)の有効活用を図ることが不可欠である。
  このため、「業務プロセス予算」【別添資料1】(PDF形式:69KB)(PDF:68KB)により人件費を含めたトータルの財源の配分状況が、事業効果に見合ったものであるかどうかの検証・見直しを行うとともに、個々の事務事業に係る業務プロセスを点検し、より効果的な予算編成と人員配置を進める。
  こうした取組みにより、「京都府経営改革プラン」に基づく定数1000名削減を着実に進める。また、職員の福利厚生関係経費について、抜本的に見直しを行う。

2.公共事業費(単独公共事業費を含む。)
  公共事業費については、国の概算要求の状況等国の予算の動向を的確に把握し、その状況を勘案するとともに、広域振興局による優先順位の整理を踏まえ、事業の緊急性や事業量・事業費の妥当性等を十分精査の上、事業の重点化を徹底する。
  また、地域特性に合ったローカルルールの策定や透明性・競争性を一層高める入札契約制度の導入、公共工事コスト縮減対策新行動計画などを踏まえ、公共事業改革の取組みを推進し、コスト縮減を図ることとする。

3.施設の管理運営に係る経費
  施設の管理運営に係る経費については、平成18年度から原則として定額交付金制度を導入することとしているが、自律的な団体運営の確立を図るため、交付金の算定に当たっては、人件費も含めた施設管理水準のあり方や人員配置等を十分精査するとともに、各施設の費用対効果の分析を徹底し、統廃合も含めた施設のあり方を検証していくこととする。

4.一般行政経費

  • 地域戦略予算【別添資料2】(PDF形式:71KB)(PDF:71KB)
     現地・現場主義の一層の徹底を図り、府政の第一線にある広域振興局が責任と権限を持って総合的な地域戦略を進めていくことを推進する。そのため、広域振興局による予算編成に重点を移していく一方、本庁部局の予算をスリム化し府民や市町村のニーズを的確に府政に反映していく。
  • 施策目標達成予算システム【別添資料3】(PDF形式:100KB)(PDF:100KB)
     中長期的視点に立って、施策目標を確実に達成する観点から、特に重要な事業については、個々の事業を一つの事業群としてグループ化し、弾力的な予算編成や予算執行を行えるようにする「施策目標達成予算システム」に引き続き取り組む。
  • 発生主義的予算【別添資料4】(PDF形式:23KB)(PDF:22KB)
     施策の創設・継続を検討するに際しては、長期的視点に立った費用対効果を十分見極める必要があることから、事業終息までの総費用と事業実施により得られる効果を総合的に検証する「発生主義的予算」に引き続き取り組む。

5.府債の発行
 臨時財政対策債等を除いた通常の府債発行を抑制し、実質プライマリーバランスを黒字化するとともに、平成20年代半ばに府債残高が減少に転じるよう発行総額を抑制することとする。

6.その他
 特別会計及び事業会計の予算については、業務運営の合理化及び効率化を徹底し、安易な繰入れ等のないよう独立採算の堅持を徹底する。
 特に、病院経営については、責任や権限の明確化、業務運営の改善など、抜本的な経営改善を進めていく。
 また、府立の両大学については、大学改革を着実に推進していく。

 

お問い合わせ

総務部財政課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-441-7308

zaisei@pref.kyoto.lg.jp