外形標準課税
1.外形標準課税の概要
(1)外形標準課税の対象となる法人
資本金の額又は出資金の額が1億円を超える普通法人
(2)課税標準
税収中立を前提に、課税標準のうち4分の1が所得基準から外形基準に変更されました。
(3)課税標準の内訳
ア 所得割
所得
イ 付加価値割
付加価値額(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料±単年度損益)
※ 報酬給与額が収益配分額(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料)の70%を超える場合には、当該超える額(雇用安定控除額)を収益配分額から控除
ウ 資本割
資本金等の額(資本金の額又は出資金の額+資本積立金額)
※ 一定の持株会社については、資本金等の額から、当該資本金等の額に総資産のうちに占める子会社株式の帳簿価額の割合を乗じて得た金額を控除
※ 資本金等の額のうち1,000億円を超える部分を段階的に圧縮
2.付加価値割・資本割の概要
(1)付加価値割額
付加価値割額=付加価値額×0.504%(※1)
※1
・資本金3億円超の法人: 一律、0.504%の税率適用
・資本金3億円以下の法人
ア 付加価値額(全国ベース)が1億4,000万円以下の法人:0.48%の税率適用
イ 付加価値額(全国ベース)が1億4,000万円超の法人:0.504%の税率適用
※2
報酬給与額のうち収益配分額の7割を超える部分については、課税標準から控除
(2)資本割額
資本割額=資本金等の額(※1)×0.21%(※2)
※1
一定の持株会社については、総資産に占める子会社株式の割合分を課税標準から控除。
資本金等の額のうち、1千億円を超える部分を段階的に圧縮。
1兆円を超える部分は課税標準に算入しない。
※2
・資本金3億円超の法人:一律、0.21%の税率適用
・資本金3億円以下の法人
ア 算定期末の資本金等の額が1億6,000万円以下の法人:0.2%の税率適用
イ 算定期末の資本金等の額が1億6,000万円超の法人:0.21%の税率適用
3.付加価値割について
(1)収益配分額
収益配分額は、報酬給与額、純支払利子、純支払賃借料の合計額です。いずれも原則として法人税の所得の計算上損金の額に算入されるものに限ります。ただし、棚卸資産、有価証券、固定資産又は繰延資産に係るものについては、損金算入される事業年度ではなく、法人が支払う事業年度に計上することとなります。また、計算にあたっては、消費税及び地方消費税を除いた金額が基礎になります。
ア 報酬給与額
<報酬給与額とは>
(ア) 法人が各事業年度において雇用関係又はこれに準ずる関係に基づいて提供される労務の対価として支出されるべき報酬、給料、賃金、賞与及び退職手当並びにこれらの性質を有するもので、原則として、所得税において給与所得又は退職所得とされるものが該当します。ただし、いわゆる企業内年金制度に基づく年金や、死亡した者に係る給与等で遺族に支払われるもの、また、所得税法上の非居住者である役員又は使用人に対して支払われる給与等は、報酬給与額となります。
(イ) 法人が役員又は使用人のために支出する退職金共済制度、確定給付企業年金などいわゆる企業年金の掛金等が該当します。
(ウ) 労働者派遣契約に基づき労働者派遣の役務の提供を受けた法人は、下記により計算された金額が報酬給与額に該当します。
a 派遣労働者の派遣を受けた場合については、当該派遣労働者に係る労働者派遣契約の契約料(これに相当するものを含みます。)のうち当該事業年度に係るものに75%を乗じた金額が報酬給与額となります。
b 派遣労働者の派遣を行う場合については、報酬給与額から、当該派遣労働者に係る報酬給与額を限度としてa により計算した金額を控除して得た金額が報酬給与額となり ます。
イ 純支払利子
純支払利子は、各事業年度の支払利子の合計額から、受取利子の合計額を控除したものです。 支払利子とは、法人が各事業年度において支払う負債の利子(経済的な性質が利子に準ずるものを含みます。)のことをいい、原則として法人税における「負債の利子」の範囲と一致します。また、受取利子とは、法人が各事業年度において支払いを受ける利子(経済的な性質が利子に準ずるものを含みます。)のことをいい、原則として支払利子の範囲と一致します。
なお、支払利子から受取利子を控除したものがマイナスとなった場合にはゼロとします。
ウ 純支払賃借料
純支払賃借料は、各事業年度の支払賃借料の合計額から、受取賃借料の合計額を控除したものです。支払賃借料とは、土地又は家屋の使用又は収益を目的とする権利の対価の額で、使用又は収益できる期間が連続して1月以上であるものをいい、受取賃借料は、原則として、支払賃借料における土地・建物等の賃借料の範囲と一致します。
なお、支払賃借料から受取賃借料を控除したものがマイナスとなった場合はゼロとします。
エ 雇用安定控除
雇用安定控除は、収益配分額に占める報酬給与額の割合が7割を超える場合に、その7割を超える金額を控除する制度です。
したがって、雇用増を図った法人や、雇用を維持した法人の方が税額が低くなる仕組みとなっています。
具体的な雇用安定控除額の算出式は以下のようになります。
雇用安定控除額=報酬給与額-収益配分額×0.7
※ この計算式でマイナスとなった場合には、ゼロとなります。
(2)単年度損益
単年度損益は、各事業年度の益金の額(個別帰属益金額)から、損金の額(個別帰属損金額)を控除したものです。
したがって、単年度損益は、現行の法人事業税の所得から繰越控除の影響を遮断したものと同じになります。
なお、当期の単年度損益がマイナスの場合には、ゼロにはならず、当該マイナスの額を収益配分額から控除します。
<具体的な例>
| 繰越控除に係る当期控除額がない場合 | 繰越控除に係る当期控除額がある場合 | |
|---|---|---|
| 利益計上法人 | 単年度損益=法人事業税の所得全額 | 単年度損益=法人事業税の所得全額+当期控除額 |
| 欠損法人 | 単年度損益=当期欠損額 (参考)法人事業税の所得はなし | 単年度損益=当期控除額 (参考)法人事業税の所得はなし |
(3)国外で事業を行う内国法人の付加価値額の算定
国外に事業の用に供する恒久的施設を有する法人の付加価値額の算定方法は、全世界ベースの付加価値額の総額から国外事業に係る付加価値額を控除したものとなり、結果として、国内事業に係る付加価値額を算定していただくこととなります。
なお、この算定法方法は、直接国外に事業の用に供する恒久的施設を有し、直接国外で事業を行う場合についてのみ適用されますので、海外現地法人を設立されているような場合には、この算定方法を用いることはできません。
※ 国外事業に係る付加価値額の算定が困難な場合には、全世界ベースの付加価値額に国外従業者数を乗じて、全世界ベースの従業者数で除したものを国外事業とみなすことができます。
4.資本割について
(1)課税標準
(2)課税標準の算定に係る留意点
ア 持株会社に係る特例措置
資本割の課税標準である資本金等の額(資本金の額又は出資金の額と資本積立金額の合計額)の算定に当たり、持株会社(発行済株式総数の50%超を保有する子会社の株式の帳簿価額が、貸借対照表上の総資産の帳簿価額(※)の50%を超える法人)については、当該総資産に占める子会社株式の割合に相当する額を課税標準から控除します。
※ 総資産の帳簿価額の算定に当たっては、次の1から5までを減算し、6を加算します。
- 固定資産の帳簿価額を損金経理により減額することに代えて損金経理により引当金勘定に繰入れ、又は利益若しくは剰余金の処分により積み立てている金額
- 特別償却準備金として積み立てている金額
- 土地再評価法に基づく土地の再評価を行った場合の再評価差額
- その他有価証券に係る評価益等相当額
- 特定子会社に対する貸付金及び特定子会社の発行する社債の金額
- その他有価証券に係る評価損等相当額
イ 国外で事業を行う内国法人の資本金等の額の算定
資本金等の額に、全世界ベースの付加価値額の総額(雇用安定控除をしない場合のもの)に占める国外事業に係る付加価値額(雇用安定控除をしない場合もの)の割合を乗じたものを、資本金等の額から控除します。
なお、この算定方法は、直接国外に事業の用に供する恒久的施設を有し、直接国外で事業を行う場合についてのみ適用されますので、海外現地法人を設立されているような場合には、この算定方法を用いることはできません。
※ 国外付加価値額がマイナスとなった場合や、全世界付加価値額に占める国内付加価値額の割合が2分の1未満の場合については、資本金等の額に国外従業者数を乗じて全世界従業者数で除したものを控除します。
ウ 資本金等の額が1千億円を超える法人の資本金等の額の圧縮特例
資本金等の額(アの持株会社に係る特例措置、イの国外で事業を行う内国法人の資本金等の額の算定、の順で控除後の金額)が1千億円を超える場合には、段階的に圧縮します。
この場合、1兆円を超える部分は課税標準に算入しないこととしています。
資本割の課税標準である資本金等の額は、下表の「資本金等の額」の区分に応じ、それぞれ各欄の算入率を乗じて得た額の合計額となります。
| 資本金等の額 | 算入率 |
|---|---|
| 1兆円超の部分 | 0%(※) |
| 5千億円超、1兆円以下の部分 | 25% |
| 1千億円超、5千億円以下の部分 | 50% |
| 1千億円以下の部分 | 100% |
※ これにより、1兆円以上の場合には、一律4,250億円になります。
5.その他の事項
(1)中間申告納付
外形標準課税の対象となる法人は、原則、常に予定申告若しくは仮決算に基づいた中間申告を行っていただくこととなります。
(2)徴収猶予制度
3年連続赤字かつ地域経済への影響大とされる法人及び創業後5年以内の赤字ベンチャー企業で地域経済の発展に寄与するとされる法人については、事業税を納付することが困難と認められる場合には、担保の提供を前提として、延滞金の納付(年率4%+公定歩合)を行うことにより、最大6年間、事業税の徴収を猶予できます。
6.京都府からのお知らせ
京都府では、外形標準課税における適正な課税の推進を目的として、申告内容の確認のための調査を実施しております。
また、調査を実施するに当たり、申告額の内容を把握するため「付加価値割積算内訳書」の提出を求める場合がありますので、御協力をお願いします。
