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知事の部屋 議会での発言 令和3年2月12日

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令和3年2月 施政方針及び提出議案説明要旨

令和3年2月12日

本日、ここに2月定例府議会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、御多忙の中お集まりいただき、まことにありがとうございます。
それでは、令和3年度の京都府政の施政方針及び提出議案の概要を申し上げます。

【令和3年度の府政運営】

京都府におきましては、昨年末から新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、1月13日には再び緊急事態宣言が発出されました。これを受け、府内全域を対象に、外出の自粛、イベント等の開催制限、施設の使用制限等の緊急事態措置を講じているところであり、この間の府民の皆様、事業者の皆様の御協力に対し、心より厚く御礼を申し上げます。
また、府民の命と健康を守るために昼夜を分かたず御奮闘いただいております医療従事者の皆様、福祉などの現場で府民生活を守るため献身的に活動されている皆様に、改めて感謝を申し上げます。
2月2日には、当初の期限であった2月7日以降も緊急事態宣言が延長されることとなりましたが、直近の府内の新規感染者は、府民の皆様、事業者の皆様の御協力もあり、減少傾向にあります。医療現場の逼迫を軽減するためにも、不要不急の外出を控え、新規感染者を更に抑制できるよう、引き続きの御協力をお願いいたします。
昨年1月30日に京都府で初めての新型コロナウイルスの感染者が確認されて以来、府民の命と健康を守ることを第一に考え、医療現場のニーズや感染状況に応じた対策を講じてきました。さらに、京都府の産業と雇用を守るため、国の持続化給付金や雇用調整助成金に加え、実質無利子・無担保・無保証料の融資制度、「緊急応援補助金」や「事業再出発支援補助金」など、あらゆる施策を総動員して中小企業等の事業の継続と雇用の維持に全力で取り組んできたところです。
引き続き、府民の命と健康を守ることを最優先に必要な体制整備等に取り組むとともに、時宜に応じた感染防止対策や経済・雇用対策等を講じてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響は、医療、経済活動にとどまらず、日々の生活、働き方、教育から文化、介護・福祉、地域社会に至るまで、あらゆる分野に及んでおり、私たちの日常を変えました。
とりわけ、テレワークやオンライン会議等をはじめ、ICTやデジタル技術の活用が格段に進み、私たちは新しい生活様式に適応することが求められています。
その一方で、リモートやバーチャルではなく直接触れる「本物」には格別の感動や魅力があることや、当たり前であった人と人との絆や地域とのつながりが極めて貴重であることが改めて強く認識されました。
私たちは、こうしたコロナ禍での変化や気づきを踏まえて、府民一人ひとりの活躍につながる社会を再構築していくことが必要です。
そして、POSTコロナ社会は、単に新型コロナウイルス感染症が確認された以前の社会に戻るのではなく、コロナ禍を契機に更なる成長を遂げ、飛躍した社会を目指さなければなりません。
令和3年度当初予算は、京都の総力を結集してこの困難を乗り越え、府内全ての地域が、活力にあふれ、誇りの持てる新しい時代の京都を築き上げていくための予算、「コロナ危機克服・新しい京都実現予算」であります。
京都府総合計画で掲げた、一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府を目指して、コロナ禍においても確実に進む人口減少・少子高齢化にも対応しながら、京都の文化、観光資源が持つ「本物」の魅力や強み、脈々と受け継がれてきた人と人との絆や地域とのつながりを大切にし、生活様式の変化に対応した施策を府域全体で展開することにより、府民の皆様、府議会の皆様と共に「未来に夢や希望が持てる新しい京都」を実現してまいりたいと考えております。

【命・健康・生活・事業を守るコロナ対策】

1つ目の柱は、命・健康・生活・事業を守るコロナ対策です。

(医療提供体制等の確保と感染防止)
感染防止対策の切り札とも言えるワクチンの接種が始まります。準備が整い次第、医療従事者への接種を開始し、続いて、高齢者、一般府民の皆様の接種を開始します。京都府では市町村や医療機関等がワクチンの接種を円滑に実施できるよう必要な支援を行うとともに、コールセンターを設置し、副反応など専門相談に関する問い合わせにきめ細やかに対応してまいります。
万が一新型コロナウイルスに感染したとしても、安心して療養していただけるよう、すぐに使用できる病床の更なる確保と、効率的な病床の活用に努めるとともに、十分な宿泊療養施設を確保するなど、引き続き医療提供体制の充実に努めてまいります。
自宅療養者に対しては、パルスオキシメーターを貸し出すなど、自宅で容体が変化した場合にも迅速な対応ができるようフォローアップを強化します。
また、新型コロナウイルス感染症の受入病床については、看護体制等を考慮した確保病床の総数と併せて、すぐに使用できる病床の数も公表しております。その結果、病床使用率として公表している数値が上昇し、府民の皆様、府議会の皆様には、混乱を招き御心配をおかけいたしました。今後、いち早く実態に即した情報をお伝えできるよう努めてまいります。
新型コロナウイルスの感染拡大を何としても食い止めるため、緊急事態措置の一つとして府内の飲食店等に対し、営業時間短縮の要請を行っております。協力いただいた事業者の皆様には、1日当たり6万円の協力金を支給いたします。

(生活・雇用の安心強化)
国内の新型コロナウイルス感染症の影響による解雇・雇い止めは8万人を超え、更に増加が見込まれており、地域経済の疲弊とともに、非正規雇用を中心に雇用情勢が厳しさを増しています。
府内の雇用を守るため、京都ジョブパークに巡回相談員を配置し、コロナ禍において就労支援が必要な方を確実に支援機関につなぐとともに、「京都未来塾」を令和3年度も実施し、コロナ禍における離職者の就労を後押しします。
新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けている子どもや女性には、特に寄り添った支援が必要です。
ひとり親家庭自立支援センターに心理カウンセラーを令和3年度も引き続き配置し、心理面でのサポートを充実します。また、子ども食堂やこどもの居場所を安心・安全に御利用いただけるよう感染防止対策に要する経費を支援するとともに、遠距離移動を要する子どもの送迎費用を支援します。
さらには、マザーズジョブカフェのキャリアカウンセラーを増員して女性の就労支援体制を強化するとともに、「京都未来塾」に女性コースを設け、コロナ禍の中、思うように働くことが出来ていない非正規雇用の女性の就労を重点的にサポートします。
雇用情勢の悪化が長期化することにより、新規学卒者の就職への影響が懸念されます。
第2の就職氷河期世代を絶対に生み出さないという強い決意のもと、高校生と大学生の府内企業への就労支援策を強化し、徹底した就職機会の確保と卒業後の早期離職の防止につなげます。

(京都経済を支える対策)
京都には観光業をはじめ、外出自粛やインバウンドの減少の影響を受けやすい業種が多く、京都経済を守るためには、緊急事態宣言等により深刻な打撃を受けている業種に対して緊急的な支援が必要です。
まず、観光業、伝統産業、食関連産業において、コロナ禍の難局を乗り越えるために、複数企業が連携して行う工夫を凝らした新しい取組みを支援します。
また、農業において、農産物の生産継続と産地維持を図る観点から、農産物の品目転換や再生産へのチャレンジを支援します。
さらに、文化芸術活動については、文化庁の国庫補助制度の対象とはならない、活動実績が少ない舞台芸術団体が府内で行う制作活動等について、きめ細かく支援してまいります。
加えて、金融機関と経営支援団体が一体となった支援ネットワークを構築し、コロナ禍を乗り越えようとする中小企業等の事業継続を伴走支援し、経営改善につながる取組みを支援します。

【府民の暮らし安心強化】

2つ目の柱は、府民の暮らし安心強化です。

性別、年齢、職業等を問わず、誰もが相互に人格と個性を尊重して支え合い、生きがいを感じながら安心して暮らすことができる共生社会の実現に引き続き取り組んでまいります。
社会的に弱い立場にある子どもの学習やひとり親家庭の生活、就労等を総合的に支援するとともに、非正規労働者や離職者に対しては、京都ジョブパークにおいて、相談から職業訓練、マッチングまでをワンストップで支援し、希望に応じた就労を実現します。
人生100年時代に対応して、ミドル・シニア層がその技術や能力を様々な分野で発揮できるよう、京都経済センターに「生涯現役クリエイティブセンター」を開設し、産業界や大学等と連携してリカレント研修を実施するとともに、経験ある人材を求める中小企業等とのマッチングを行い、意欲のある方が年齢に関わりなく仕事や地域活動に取り組むことができる基盤を整備します。
また、ライフステージの変化等により地域活動の継続が難しくなっている女性を応援するための支援策を講じ、地域で活躍し続けられる女性リーダーを育成します。
住み慣れた地域で安心して過ごすためには、医療体制の確保・充実は欠かせません。
舞鶴地域で不足する麻酔科医を確保し、複数病院間で勤務する新しい診療体制を構築します。また、京都府立医科大学の医療機能等の整備について検討を行います。

【子育て環境日本一に向けた取組強化】

3つ目の柱は、子育て環境日本一に向けた取組強化です。

コロナ禍を契機として、子どもや子育て世代を社会全体であたたかく見守り支え合うことの重要性が改めて認識される中、子育て環境日本一の京都を目指して、子育て施策を総合的に推進し、誰もが安心して子育てできる環境づくりを進めます。
行政、経済団体、保育・教育団体等に加えて、大学や金融機関、企業等も参画したオール京都の「子育て環境日本一推進会議(仮称)」を新たに設置し、子育てにやさしいまちづくり、風土づくり、職場づくりを総合的かつ強力に推進します。
子育てにやさしいまちづくりに向けては、人と人との絆や地域とのつながりを活かして、様々な主体と連携しながら、地域全体で取組みを展開していくことが重要です。今年度4つの市町で実施した子育てにやさしいまちづくりのモデル事業を更に発展させ、地域の企業や団体等と連携して、子どもが遊び、学び、体験する場所やその支援体制を地域の身近な場所に作り上げる新しいモデルの構築を目指します。
京都府の妊娠届出数は、緊急事態宣言が発出されていた2020年5月に前年比約18%減となるなど、前年を大幅に下回る数で推移しており、本年の出生数への影響も懸念されます。
親族等のサポートを受けることが難しいコロナ禍においても妊産婦が安心して出産できるよう産前・産後のケア体制を充実し、妊産婦を包括的に支援します。また、国の制度拡充に呼応し、特定不妊治療の費用負担の軽減を図ります。
子育てにやさしい風土づくりについては、オール京都で「きょうと子育て環境日本一サミット」を開催し、共同宣言を行うなど、社会全体で子どもを大切にする機運を醸成します。併せて、地域サミットを開催し、その機運を府域全体に広げるとともに、地域子育て環境充実度「見える化」ツールも活用し、地域特有の課題の解決を図ります。
また、子育て家庭等の外出・移動支援に民間事業者が取り組むモデル事業を実施し、今年度、京都府が率先して行ってきた「きょうと子育て応援レーン」の導入等の取組みを、民間事業者にも波及させることで、府民の意識や行動の変革につながる風土を構築します。
働きやすい職場は子育てしやすい職場です。
昨年までに「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」を行った521の企業の現場の声を踏まえ、テレワークの導入をはじめ、子連れ出勤のための社内スペースの整備や、時間単位有給休暇の導入など、子育てにやさしい職場づくりの取組みへの支援を充実いたします。併せて、男性社員が育児休暇を進んで取得できる職場づくりを支援します。
子育て環境日本一の実現のためには、教育環境日本一は欠かせません。
京都府の教育において目指すべき人間像と育みたい力を明らかにした上で、「第2期京都府教育振興プラン」を策定し、児童生徒の「1人1台端末」を基盤として学びとつながりを保障するとともに、ICTを積極的に活用したデータ分析による新しい学習支援を進めるなど、「教育環境日本一プロジェクト」を展開します。

【文化首都・京都から伝える文化の力】

4つ目の柱は、文化首都・京都から伝える文化の力です。

令和4年度の文化庁移転に向け、新行政棟の整備を着実に進めています。明治以来初となる中央省庁の移転は、コロナ禍の経験を経て東京一極集中から地方への分散の機運が高まる中で、ここ京都から文化行政を推進するものであり、より一層その意義が高まっています。
文化首都・京都として、生活に息づく文化の中から新たな創造が次々と生まれるまちを目指して、文化の保存・継承から発展、創造、活用まで文化政策を総合的に推進します。また、この絶好の機会を活かして、歴史に裏付けられた京都の「本物」の文化、そして日本の文化の価値を、京都から国内外に発信してまいります。
文化庁移転の前年度となる令和3年度は、文化庁や関西広域連合構成府県市とも連携し、「地域文化フェア(仮称)」を開催するとともに、親子で伝統文化に触れる機会を創出する「伝統文化体験フェスティバル(仮称)」を開催し、京都に根付く文化の発信を行います。さらに、世界発信の第一弾として、日本におけるフランス祭との共催イベントを京都府において開催します。
地域の祭りなどの伝統行催事は、人と人とをつなげる交流の場であるとともに、地域文化を支える基盤であり、後世に引き継いでいかなくてはなりません。このため、「文化観光サポーター」をDMOに配置し、地元市町村や保存会等と連携して伝統行催事を文化観光資源として磨き上げるなど、地域文化の保存、継承を支援します。

【京都産業の強み再構築】

5つ目の柱は、京都産業の強み再構築です。

(WITHコロナ・POSTコロナ社会の経済対策)
昨年6月に、「新型コロナウイルス感染症対策危機克服会議」を設置し、府民の生活・消費行動や社会構造の変化に対応し、業界全体における構造改革やビジネスモデルの再構築を進めるため、POSTコロナ社会も見据えた分野別の産業戦略や京都産業全体のあり方について議論を重ねてまいりました。
昨年12月には中間取りまとめを行っており、順次、施策展開を図ってまいります。
商店街・小売業については、商店街を様々なサービスを担う地域コミュニティの中核として再整備するため、デジタル技術や空き店舗の活用等を通じて多機能化を図りつつ、多様な主体と連携して地域課題解決に取り組む商店街を支援します。
ものづくり産業については、市場の変化に対応するための業種の垣根を越えた企業連携を後押しするため、技術紹介交流会を開催するとともに、形成された企業グループが新事業創出に取り組むために必要な経費を支援します。
伝統産業については、「シルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアム」を設置し、西陣織、京友禅、丹後ちりめんの3つの産地の連携によるマーケット開拓等を支援するとともに、「丹後オープンセンター(仮称)」の開設を推進し、産地の構造改革を進めます。
観光産業については、歴史、文化、伝統、食など、京都ならではの「本物」の魅力を更に磨き上げ、新たな価値を創出していくため、観光関連データの収集・分析とそれらを利活用できる人材育成を一体的に実施するとともに、新たな観光サービスのアイデアを公募し、その成果を観光施策等に活用します。
食関連産業については、外食需要の減少により、飲食店等に食材等を供給している農林水産業にも大きな影響が及んでいるため、中食需要の増加を踏まえ、府内産農林水産物を使用し、京の食文化を体現する最高品質の「京都プレミアム中食」の開発を支援します。
今後も、POSTコロナ社会に向けて、より進化した京都産業を再構築できるよう危機克服会議で議論を深め、産業戦略として取りまとめてまいります。
昨年7月、国の「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」のグローバル拠点都市に「大阪・京都・ひょうご神戸コンソーシアム」が選定されました。京阪神のネットワークも活用しながら、スタートアップ企業の資金獲得等を支援し、ユニコーン企業の創出を目指します。
また、けいはんな学研都市に「スマートシティ連携協議会(仮称)」を設置し、新たに参画する企業等の技術力を活かして、「スマートけいはんなプロジェクト」を発展させるなど、官民連携デジタルトランスフォーメーションを推進し、来たるべき新しい時代を実感できるまちづくりを進めます。

(農林水産業の新展開)
農林水産業についても、京都府の課題に応じた構造改革が必要です。
京都府の農業は、集落営農の組織化を進めてきたものの、経営面積10ha未満の割合が約81%と、全国の約38%に比べて高く、規模拡大が進んでいない現状にあります。
このため、京都府農業会議やJAとも連携して、「集落連携100ha農場づくり推進チーム(仮称)」を発足し、営農の効率化と高収益作物の生産を可能とする100ha超の広域的な営農体制の構築に向けた伴走支援を行います。
昨年、開発を進めてきた京都府オリジナル米新品種を「京式部」と名付け、公表しました。
「京式部」と言う名称には、薫りの物語と言われる「源氏物語」の作者、紫式部を連想させ、華やかで、平安の雅を感じることができる上質なイメージとなるようにとの思いが込められています。
本年10月に「京式部」のデビューイベントを開催するとともに、高級京料理店において新米フェアを実施し、高級感あるブランドイメージの構築を図ります。

【防災対策等の強化】

6つ目の柱は、防災対策等の強化です。

(危機管理体制の強化)
本年は、1万5000人を超える犠牲者を出し、数え切れない人々から日常を奪った東日本大震災から10年という大きな節目の年です。
節目の年を迎えて、改めて命の尊さを痛感するとともに、府民を災害から守るため、これまでの災害の教訓を活かした未来への備えの重要性を強く感じております。大規模災害時における感染症の蔓延といった複合的なリスクも十分考慮に入れ、ICT等も活用した最先端の危機管理体制を構築してまいります。
災害時の避難円滑化のため、市町村で進めている水害等避難行動タイムラインの作成を加速させ、感染症の蔓延も想定した避難訓練を支援します。併せて、6時間先までの水位と氾濫時の浸水範囲を予測するシステムの開発を行い、より正確な情報を速やかに住民に伝え、早期の避難につなげます。
また、あらゆる危機事象に対する初動体制を強化するための危機管理センターについて、令和5年度の稼働に向けて基本設計を実施します。

(防災・減災、国土強靭化)
ハード面では、国の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、緊急輸送道路のバイパス整備や橋梁の老朽化対策、河川や砂防施設の整備に可能な限り前倒しして取り組んでまいります。
令和3年度は、いろは呑龍トンネル南幹線の暫定供用を予定しており、こうした施設も活用して総合的な治水対策を進めるほか、ソフト・ハード両面から、土砂災害対策、地震・津波対策等に全力で取り組み、府民の命と暮らしを守る対策を加速してまいります。

(地球温暖化防止の推進)
昨年、国に先駆けて、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを宣言いたしました。
これは、府民の安心・安全を守る観点からも、気候変動に適応し、脱炭素で環境にやさしい社会の実現を早期に目指さなくてはならないという思いからです。
このため、多様な再生可能エネルギーの創出を一層推進するとともに、新たに民間事業者のサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減の取組みを支援いたします。併せて、京都市と協働で「地域気候変動適応センター(仮称)」を設立し、適応策の検討を行うなど、行政、民間事業者を含め、オール京都の連携により地球温暖化対策に総合的に取り組み、環境・経済・成長の好循環を創出してまいります。

【魅力ある地域づくり・基盤整備】

7つ目の柱は、魅力ある地域づくり・基盤整備です。

京都府の南北140kmを貫く高速道路や令和5年度に全線開通を予定している新たな国土軸である新名神高速道路のアクセス道路の整備を進め、それらの整備効果を府域全体に行き渡らせます。
京都舞鶴港の取扱貨物量の増加に対応できるよう国際ふ頭の2.期整備に着手するとともに、JR奈良線の高速化・複線化や、アウトレットモールのオープンを見据えた木津川運動公園北側区域の整備を着実に進め、地域の生活・交流基盤の充実を図ります。
昨年オープンした「サンガスタジアム by KYOCERA」において、京都サンガF.C.のホームタウンと連携した賑わいづくりを進めるとともに、VR・eスポーツのメッカを目指し、大規模大会の誘致に取り組みます。
海・森・お茶の京都の各DMOに地域の実情に応じた専門人材を配置し、DMOを「観光地域づくり法人」から地域の課題解決も支援する「まちづくり支援法人」へと進化させ、地域の個性を活かした魅力ある地域づくりを加速させます。
京都市域では、憩いの緑と躍動するまちが融合した「文化創造の森」の創出をエリアコンセプトとして北山エリアの整備検討を進めます。また、京都府立大学については、老朽化した4号館の解体を行うとともに、新たな教育・研究体制の具体化に向けて調査等を行います。
このほか、文化、観光、産業の融合や多様な主体の連携・協働を進めることにより地域に新しい価値を創出し、その魅力を高めて持続可能な住みやすい地域づくりを進め、地方居住への流れを受け止めることができる受け皿づくりを進めてまいります。

【行財政運営】

次に、施策を支える京都府財政の状況でありますが、府税収入は、新型コロナウイルス感染症の影響による府内景気の低迷を反映し、法人2税が約213億円の減収となるなど、全体として2,530億円と前年度に比べ260億円の減収を見込んでおります。加えて、社会保障関係経費は約53億円の増加が見込まれるなど、極めて厳しい財政状況が続いております。
このため、WITHコロナ・POSTコロナ社会を踏まえ、積極的に事業の見直しを行うとともに、更なる歳入確保に取り組むなど、約75億円の行財政改革を行うことにより、施策の展開に必要な財源の確保に努めてまいります。併せて、公共分野のデジタル化を進め、納税証明書発行等の行政手続きのオンライン化や運転免許更新等予約システムの導入など、デジタル社会にふさわしい行政サービスの提供を実現し、府民の利便性向上に努めてまいります。

以上が、令和3年度の府政運営に対する私の基本的な考えであります。
府議会の皆様の御理解と御協力を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

【提出議案】

最後に、今定例会に審議をお願いしております議案についてでありますが、ただ今申し上げました施政方針に基づき編成いたしました令和3年度当初予算案及び国の経済対策を踏まえた令和2年度補正予算案のほか、条例の制定・改正や財産の無償貸付け、指定管理者の指定に関する案件など、全50件の議案の審議をお願いしております。

御議決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

お問い合わせ

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