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令和6年1月4日知事年頭あいさつ

みなさま、おはようございます。京都府知事の西脇です。

年頭あいさつの前に、この度の令和6年能登半島地震におきまして、甚大な被害が発生し、多くの方々がお亡くなりになられました。謹んでお悔やみを申し上げますとともに、避難生活を余儀なくされている皆様をはじめ、すべての被災された皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

さらには、一昨日、羽田空港におきまして、地震の支援物資を輸送しようとしていた海上保安庁機と日本航空機の事故により、海上保安庁の隊員5名が亡くなられました。謹んでお悔やみ申し上げますとともに、負傷された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

京都府では、地震発災直後から京都府警察、府内の全消防本部が、救助活動等を行っているところであり、一日も早く日常が戻りますように、引き続き、復旧・復興に向けた支援をしてまいります。皆様の御理解と御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

改めまして、職員の皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたことと、心よりお祝い申し上げます。今年も皆様とともに、京都府民の幸せのため、京都府の発展のために、力を尽くしてまいりますので、どうかよろしくお願いします。年頭あいさつ_知事

本日は、石田府議会議長をはじめ、京都府議会議員の皆様、市町村長の皆様、府政の推進に協力いただいております様々な団体の皆様をはじめ、多くの皆様にもお立ち会いをいただき、誠にありがとうございます。また、文化庁からもお越しいただいており、感謝を申し上げます。

警察、消防、そして病院関係者をはじめ多くの皆様には、令和6年能登半島地震への対応も含め、年末年始も休日・夜間を問わず、府民の皆様の安心・安全のために御尽力いただきましたことに、心から感謝申し上げます。

こうして対面であいさつをさせていただくのは4年ぶりということで、日常が戻ったと感じております。

新型コロナウイルス感染症は、昨年の5月に5類に位置づけが変更になりました。医療従事者をはじめ、関係の皆様に、現場の最前線で御奮闘いただきますとともに、府民の皆様・事業者の皆様にも、感染防止に御協力いただきましたことに、この場をお借りして、改めて心から感謝を申し上げます。そして、何より、職員の皆様の尽力がなければ、この危機を乗り越えられなかったと考えております。ありがとうございました。

私の座右の銘でもあります「雲外蒼天」という言葉があります。困難を努力して乗り越えた先には、明るい未来があるという意味であり、我々が経験したコロナとの闘いをよく現している言葉だと思っております。ようやく雲が晴れて、コロナ禍の中で準備をしてきたたくさんのことが花開いてきております。

昨年を振り返りますと、京都府と京都市が核となり、オール京都で誘致に取り組んできた文化庁の京都移転が実現し、「文化の都・京都」の歩みが始まっております。

文化庁では、移転を契機として、長官の直轄組織として、食文化の推進本部と文化観光の推進本部を新設され、京都府をはじめ、多くの自治体と連携した取組が動き始めております。地方移転の成果が出始めているのではないかと感じているところです。

昨年の祇園祭では、都倉長官に山鉾巡行に参加いただきましたが、文化庁の職員の皆さんが直接、京都の文化に触れることで、現場感覚を活かした新しい文化政策が展開されることを期待しております。

また、昨年は、「あたたかい京都づくり」の実現に向け、新しい総合計画をスタートさせました。

私が就任以来、一貫して取り組んでおります「子育て環境日本一」におきましては、総合計画に掲げた「社会で子どもを育てる京都」の実現に向け、取組を更に進化させるため、「子育て環境日本一推進戦略」を改定しますとともに、その戦略の推進のエンジンとなる「子育て環境日本一・京都の実現に向けた取組の推進に関する条例」を、昨年の12月府議会定例会で御議決をいただきました。

加えて、戦略の改定に先立ち、「子育て支援医療助成制度」を拡充するとともに、「子どもの教育のための総合交付金」を新設し、市町村の地域の実情に応じた取組の後押し、また、教育環境の向上につなげてまいりました。

また、目玉の一つであります「産業創造リーディングゾーン」については、その第一弾として、「アート&テクノロジーヴィレッジ京都」をオープンいたしました。アートとテクノロジーの融合によります新しい価値の創出拠点として、国内外の新たな企業・大学を巻き込みながら、オープンイノベーションを促進し、世界に通用する人材や産業を輩出してまいりたいと思っております。

さらには、昨年は、国内最大規模のスタートアップカンファレンスであります「IVS2023KYOTO」を開催することができました。海外の2千人を含む1万人以上の参加を得て、スタートアップにおける京都のポテンシャルをアピールできたというふうに考えております。今年も既に京都で開催することが決まっております。

引き続き、オール京都でスタートアップ・エコシステムの形成を目指してまいりたいと考えております。

一方で、今回の能登半島地震をはじめ、自然災害は激甚化、頻発化し、物価高騰も長引き、そして、構造的な課題である少子高齢化や人口減少も深刻化するということで、多くの課題が立ちはだかっております。

さらには、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナの紛争など、国際情勢は極めて不安定な状況が続いております。

我々は、こうした社会情勢を踏まえ、昨年、「あたたかい京都づくり」を発進させましたが、こうした社会状況をしっかりと見極めつつ、軌道に乗っているプロジェクトについてはさらに加速し、新たな課題が生じているプロジェクトについては柔軟に見直しを行って、総合計画の期間である2026年、さらには将来構想に掲げる2040年に向けて歩みを進めなければならないと考えております。

長引く物価高騰につきましては、影響を受けておられる事業者への事業継続、それから生活に困窮されている方への支援など、雇用情勢、社会情勢の変化に応じた経済対策を、時機を逸することなく取り組んでまいります。

また、今回の能登半島地震では、京都府でも津波注意報が発表され、避難指示が発令されました。年々、激甚化・頻発化する自然災害、そして、南海トラフ地震の発生が想定される中で、自然災害を含めた、あらゆる危機事象に迅速かつ的確に対応するために、常設の「危機管理センター」を設置し、「危機に強い京都」を構築してまいります。

さらに、長引くコロナ禍の中で、子どもや子育て世代をめぐる環境は大きく変化し、我が国の少子化も加速化しております。こうした状況を踏まえ、府民の皆様や企業、地域、関係団体等と手を取り合いながら、改定をいたしました「子育て環境日本一推進戦略」に掲げた4つの重点戦略と20の重点プロジェクトについて、今年から実行に移してまいります。

戦略に基づくプロジェクトを、京都府が先駆的・モデル的に推進し、全国に波及させることで、我が国全体の子育て環境の充実・少子化対策へと繋げていきたいと考えております。

今年のNHK大河ドラマは、京都が舞台となる「光る君へ」でございます。源氏物語を生んだ紫式部の生涯がテーマであり、多くの観光客の皆様に、ゆかりの地を含む府内全域に訪れていただけるよう、市町村と連携して、積極的なPRにも取り組んでまいります。

また、源氏物語は、千年以上にわたって読み継がれてきた、最も有名な古典とも言われております。社会情勢が大きく変化している今だからこそ、日本の重要な文化である古典の価値を再認識し、その魅力を発信していきたいと考えております。

そして、文化庁が移転してこられて2年目となる今年は、文化庁との連携をさらに本格化させるとともに、新たな文化政策を展開して、全国へと波及させることで、地方創生にもつなげてまいりたいと考えております。

そのターゲットの一つとなる「大阪・関西万博」の開催が、いよいよ来年に迫ってまいりました。万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であります。いのちが輝くには、衣食住や健康だけでなく、精神や文化という要素も重要であり、京都が担うにふさわしいテーマだと思っております。

万博会場には、関西パビリオンも建設され、京都もブースを展示いたします。京都ブースをはじめ、万博会場全体をゲートウェイとして、2,800万人ともいわれる来場者を京都に誘致し、京都の発展にもつなげてまいりたいと考えております。

京都では、京都府、京都市、経済団体などの関係団体、有識者で組織された「大阪・関西万博きょうと推進委員会」におきまして、昨年、アクションプランver.1を策定いたしますとともに、機運醸成や誘致の取組を認証、応援する制度を創設しましたが、今年は万博に向けた取組の輪をさらに広げていきたいと考えております。

その中でも、最も進んでいるのが、けいはんな学研都市における取組でございます。高い研究開発力と豊かな歴史や文化を有しておりますこの地域におきまして、「けいはんな万博」を開催したいと考えております。

さらには、新名神高速道路の全線開通に対する期待が高まりますとともに、山陰近畿自動車道の整備などの交流基盤が整うことが、北部から南部まで京都府全域の産業振興や地域活性化につながっていくことが期待できます。そうした将来にわたる様々な出来事も見据えながら、「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府」を目指しまして、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

職員の皆様におかれましては、通常の業務に加えまして、災害対応など、速やかに取り組んでいただき、本当に努力されていることに、心から感謝申し上げたいと思います。

ただ、年々複雑・多様化する社会の課題を解決することは、容易なことではありません。

私も、長いコロナとの闘いの中で、行政が施策を推進するためには、府民の皆様との信頼関係が最も大切であることを改めて痛感しました。どうか職員の皆様におかれましては、府政をしっかりと進めるためにも、府民の皆様と十分に意見交換をし、そして信頼関係を築いていただくことを改めてお願いしたいと思います。

改定いたしました「子育て環境日本一推進戦略」の中には、「日本一働きやすい京都府庁」づくり宣言が盛り込まれております。「隗より始めよ」の精神で、私も先頭に立って、働きやすい職場づくりを目指しますとともに、その取組を京都府全域にも広げていきたいと考えています。

十干と十二支を組み合わせました今年の干支は、「甲辰」でございます。「甲」は十干の始まりにあたり、生命や物事の始まりを表しますし、「辰」は、草木が伸長して、形が整い、活気のあふれる姿を表していると言われております。「甲辰」という年は、これまでの成長をさらに加速化させる、その成長を形作っていく1年になると言われております。京都府の総合計画に掲げた多くのプロジェクトを皆様とともに、新しい成長を形作っていくべく推進したい、そうした1年にしたいと考えております。

どうか、この1年、年のスタートに様々な出来事が起こっておりますけれども、しっかりと地に足をつけて、府政の推進のために努力をしてまいりますので、ご参加の皆様の御支援、御協力を心からお願いいたしまして、年頭のあいさつとさせていただきます。

今年もよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

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