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医師コラム

石野 秀岳先生

京都府立与謝の海病院 呼吸器内科 医長
京都府立医科大学大学院医学研究科 免疫内科学 講師(併任)

Dr. Hidetake Ishino

石野 秀岳先生

― 医師を目指したきっかけを教えてください。

きっかけは自分の将来像をイメージした時です。具体的には京都府立宮津高校に通学していた高校2年生の夏、自分がどうして生きていくのかを考えてみたのです。職業の事はさておき、どこで、どのように生活したいのか?そもそも結婚したいのか?などをじっくりと考えてみました。高校生の自分が出した結論は、「ゆくゆくは、人も自然も素晴らしい故郷で暮らしたい、この地で子育てをしたいという思い」でした。

次に、いわゆる過疎地の故郷伊根町でも就職できる仕事は何か?と考えた時に、自分の祖父を自宅で看取ってくれた診療所の先生の事が思い出されたのです。その高校2年の夏以降から「医師になりたい」という気持ちを強く持つようになり、クラスの友達にも医学部進学の夢を公言するようになりました。また京都府の診療所で働くのですから、進路先としては京都府立医科大学が一番良いと当時判断しました。
この高校生の時に決断した進路先の選択については、医師として10年以上働いた今でも正しかったと感じています。

― 出身は伊根町とのことですが、ふるさとのよいところを教えてください。

自分の生まれ故郷ですので良い所はたくさんあげる事が出来るのですが、一番良いのは地域の方々の人柄でしょうか。
みなさんとてもやさしく、他人を気遣う気持ちにあふれています。最近都会では希薄になった近所付き合いや人付き合いが色濃く残っており、私は良い地域だと思っています。

あとは自然が豊かな所ですね。伊根出身と言えば最近は多くの人が「あぁ、あの舟屋の所ですね!」と言ってもらえるくらい有名にもなりました。朝起きた時、あるいは夕暮れ時に波一つない伊根湾の水面を見ていると、とても落ち着いた穏やかな気持ちになります。最近ではお祭りにも帰って参加しましたが、みんな温かく迎えてくれて、とても楽しく過ごしています。
伊根湾の上で櫓を漕ぎながらお祭りの笛の音を聞いていると「故郷に帰ってきたなぁ」と実感します。

  

  

虹のかかった伊根湾

  

  

伊根祭

(左)今年の夏にたまたま撮影できた、虹のかかった伊根湾の写真です。
(右)伊根祭に神楽社の一員としても参加しました。この木造の祭礼船にはモーターがついておらず、みんなで櫓を漕いで伊根湾を渡ります。

― 京都の魅力とは?

京都市内ならば、やはり「観光都市」の側面は無視できないでしょうね。
市内中心部の祇園では、日常のありふれた風景の中に、舞妓さんの歩いている姿を見ることができます。

また、1200年の歴史を持つ日本最古の都市の一つであることも魅力です。皇居は東京にしか無いですが、逆に御所は京都にしかありません。
京都はある意味で最も日本らしい日本、和の空気が日常的に漂っています。町を歩くだけで通りの名前に歴史を感じ、漂ってくるお茶の香りに和を感じます。かと言って硬直的に旧態然としているわけではなく、市内でも町家の再利用などが進んでおり新旧一体となった町づくりも魅力の一つです。
患者さんを診察していても、京都弁ははんなりしていて、こちらも気分が穏やかになりますね。

― 専門分野を選んだ理由は?また、いつ頃決めましたか?

実は専門分野はいくつか有りまして、その中でも最も得意な分野は膠原病リウマチです。
1999年に研修医として京都府立医科大学附属病院に就職し、近藤元治先生(元第一内科教室教授、現名誉教授)のもと全人的医療を目指していた第一内科へ入局しました。1999年当時は出身大学の医局へ入局するのが当然でした。大学病院での辛くも楽しい研修医生活の後に、関連病院(舞鶴)での一次出張を終えて大学院生として2003年に京都府立医科大学へ戻りました。
専門分野を決めたのはこの時(医者になって4年目の秋)です。2002年頃から内科は臓器別に別れ出し、現在の体勢へつながっていきます。

専門分野を決めるときに、高校生の時と同じように「自分がどうやって生きていきたいのか、どこで生活したいのか?」を、もう一度自分自身に問い直しました。
答えは、やはり変わらず「生まれ故郷の伊根町で暮らしたい!」でした。
とすれば伊根町の診療所勤務になります。そこで思ったことは、地域の一つしか無い診療所にどんな医者がいれば良いのか?という事です。

自分で出した結論は「内科、しかも全身を診ることができる一般内科」でした。

2003年時には、「総合内科」という分野は京都府立医大には無く、一番近いと考えたのが膠原病・リウマチ・アレルギー科でした。
膠原病リウマチの診療は、医学生、臨床の医師に到るまで「難しい、ややこしい」と思われていますが、実際に学んでみるとこれほど興味深い領域はないと断言できるほどです。
膠原病というのは、免疫システムの異常に伴って引き起こされる疾患群であり、その症状は多岐にわたります。
様々な臓器に発症するありとあらゆる症状や、それに伴って出てくる多彩な訴え、全身の診察所見、検査結果の考察が、診断そして治療に必要になります。
まさに臓器だけでなく全身を診ることが重要で、一般内科(総合診療)の要素に加えて専門性も合わせ持つ科とも言えます。

幸いな事に2003年という年は、京都府立医科大学 免疫内科学 膠原病・リウマチ・アレルギー科の川人 豊先生(現病院教授)が着任して間もない頃であり、その人柄、臨床能力、患者さんへの姿勢など、全てにおいて強く影響を受けました。川人先生のもとで指導を受けた8年間は、今振り返ってみても素晴らしい経験でしたし、自分の医師としてのあり方や姿勢の、とても大事な核となる部分を育てていただきました。臨床面だけでなく、研究でも2007年にはアメリカリウマチ学会、2009年には欧州リウマチ学会でも発表する機会に恵まれました。医学部卒業後の進路を悩んでいる医学生にも自信を持っておすすめできます。

― 仕事上のやりがい、ご苦労されることなど

やりがいは患者さんから感謝の言葉をかけてもらったり、患者さんが元気になっていくのを見たりすることですね。月並みですが、臨床医としての醍醐味、やりがいは、やはりそこに尽きると思います。

実際の患者さんへの治療は、決断の連続です。「早く病気を治して欲しい。」「痛み、苦しさをとってほしい!」と切に願っている患者さんに正面から向き合うこと、そして出来るだけ早く、また副作用の少ない方法で治療することが求められます。もちろん「どうして良くならないのか!」と、焦る家族に分かりやすい言葉で説明する事も重要です。

実際に医師になるとわかるのですが、一つの症状、例えば痛みや発熱を引き起こす原因はたくさんあります。
その原因がなにかによって、治療方法も変わるわけです。ある原因(例えばリウマチ)が由来の痛みには、A(免疫抑制剤)という薬が良く効くが、実はその薬は、B(細菌感染)という原因が由来の痛みに対しては、むしろ悪くする。ということもあり得ます。
そういった症状の原因を、診察検査で突き止め、「これだ!」と決断して治療を開始するのです。その治療が効果を発揮したときの充実感、そして患者さんに「先生、楽になりました。」と、言ってもらえた時の気持ちは、何物にも変えられません。

反対に苦労する面は、なかなか良くならない時や、どうにも手の施しようがない患者さんを担当した時ですね。
同僚に相談したり、治療法を調べたりしますが、つらい治療を継続するよりも、緩和療法を選択する事も最近は認められてきています。

仕事以外での苦労は、プライベートの時間がなかなか取れない事です。
内科医は、平均して10〜15名の入院患者さんを担当してします。もちろん24時間365日、入院中の担当患者さんが居るという事なのです。もちろん病院にずっと居るわけではないので、夜間休日は当直の先生にお願いすることも有ります。それでも、夜間の急な病状悪化に主治医として家から病院にかけつけたり、休日の回診などをすれば患者さんは安心しますが、その分お休みは取りにくくなります。患者さんの急変がありそうな時には遠出は控えたりもしますね。

  

石野 秀岳先生

  

石野 秀岳先生

― 休日は何をして過ごされますか?

基本的には家族と過ごしています。伊根の実家に帰ったり、与謝の海周辺で過ごしています。子供たちのお気に入りは、丹後海と星の見える丘公園のアスレチックです。自然が多く、空気も綺麗で食べ物も美味しい、この北部の生活を楽しんでいます。

― 医師を目指す人たちへ、メッセージをお願いします。

石野 秀岳先生

  

医師という職業は特殊な職業です。人の命を預かるという事は、とても重い責任を追わなければいけません。そして、職業選択の自由が今はありますが、医師という職業は社会的インフラの一部とも言える側面もあります。

どんな仕事でもそうですが、仕事が楽しい時よりも、辛い時のほうが多いです。そんな時にお勉強の成績がいいからとか、将来の収入が良いからという理由だけで医師になってしまうと、長い医師人生のどこかで無理がくると思います。自分がどのような医師になりたいのか、よく考えてみて下さい。

その結果「医師になって患者さんの為に頑張ろう」と思えたなら、結果(大学入試や国家試験)はおのずとついてくると思います。将来みなさんと一緒に京都府で、地域医療の現場でお会いすることを楽しみにしています。

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