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京都の医師コラム

上田 朋宏先生

京都府医師会理事、京都市立病院泌尿器科部長

Dr. Tomohiro Ueda

上田 朋宏先生

― 先生のご専門と医師会でのお仕事についてお聞かせください。

専門は泌尿器科で、京都市立病院に勤務しています。また、勤務医として日常診療に従事しながら京都府医師会理事として、臨床研修あり方検討委員会と勤務医部会を担当しています。その他に、NPO法人快適な排尿をめざす全国ネットの会の理事長もしており、私のライフワークでもあります。

― 京都府での医師不足・偏在に対する現状をどうお考えですか。

2006年の新医師臨床研修制度の導入で、研修医は自由に研修先を選ぶことができるようになりました。その結果、研修医の都市部集中と大学離れが加速しました。いわゆる「医局制度の崩壊」です。これが全国の地方病院での医師不足にさらに拍車をかけた結果となりました。

さて、京都府では全国的にみても医師の充足率は高いとされています。しかし、現状は医師の不足・偏在が起こっており、京都府北部や南部の一部の地域ではそれが顕著に現れています。これらの問題はずいぶん前から起こっていたことで、京都府では全国でもトップクラスの予算措置を医師確保対策として講じてきましたが、実際にはその事業のアウトカムが適正に評価され、次の施策へとステップアップされてきたかどうかは疑問の残るところです。まずは、京都府内の各医療圏単位での医療提供体制の現状をきちんと把握することが大切だと考えています。北部地域では一人の医師が疲弊し辞めてしまえば診療科閉鎖という事態に陥ってしまう病院もあると聞きます。地域ごとの医療提供体制は十分なのか、地域住民の医療へのニーズはどうなのか、をしっかり現状を調査したいですね。

― 今後、医師会が取り組んでいきたいとお考えの事業についてお聞かせください。

キーワードは「情報共有」と「face to faceによる連携強化」です。

京都府医師会では、2006年より臨床研修に関する検討委員会を立ち上げ、研修医と指導医の交流や、指導医のための講習会などを企画・運営してきました。京都府には多くの優秀な指導医がいます。しかし、どこの病院にどんな指導医がいるのか、研修医自身が情報を掴めていないのが実情です。いわゆる研修医間で教育指導内容にばらつきがあるのです。そこで、京都府医師会では研修医が情報交換できる交流の場を設定してきました。京都にくる260名ほどの研修医は全て高い志もって研修しています。だからこそ、私たち医師会が熱意を持っている研修医・若い医師たちの受け皿となり、サポートしていかなければならないと考えています。

また、昨年、京都で初期研修を終えた研修医が5年後どのような境遇にあるのか調査しましたが、その半数の研修医の現状を把握できていないことが判明しました。これでは、京都で良医を育てようとする京都府医師会の活動のアウトカム評価ができるはずはありません。特に医局に属さず他府県で勤務していた京都府出身の医師が、京都に戻って勤務したいと思っても、現実は「どこに相談していいのか分からない」という話を聞きます。また、多くの研修医が10年後の自分を想像することは難しいでしょう。そこで、京都に「縁」のある研修医を、京都府医師会でサポートしようという事業を立ち上げることになりました。その一つがface to faceで接する場を提供しながらメーリングリストで情報交換する事業です。

まさに「里親精神」ですね。志を高くもった若い医師が、一生懸命やれる場を提供してあげる。そして、評価される場を提供していきたいですね。「京都で研修してよかった」「京都で働きたい」と思ってもらえるような「京都府モデル」を作っていきたいと思います。

そして、もう一点、忘れてはならないことは、指導医の問題です。多くの勤務医が疲弊する中で、指導医する立場にある上級医師は、日常診療とともに「研修医の指導」という役割も担っています。これは京都府医師会勤務医部会が2009年に実施した勤務医の勤務環境にかかる意識調査でも明らかになったのですが、指導医に対する手当が十分ではないことです。早急な改善が求められます。

やはり、医師確保対策には研修医と指導医とをセットで考える必要がありますね。

― これから医師を目指す人へメッセージをお願いします。

教科書に書いてあること必死になって覚えることも大事ですが、それ以上に、若い時から、コミュニケーションの重要性を知ってほしいと思います。医療現場では患者さんとのコミュニケーション力の向上は良質な医療の提供のためには避けて通ることのできないスキルですから。そして、医師として研修を重ねる中で、その場その場で的確に状況を判断して、責任を取る覚悟のある医師になってほしいと思います。

― 先生にとって医師として働く魅力とはなんですか。

医師の必要条件は、治療してあげた患者さんに「ありがとう」と言ってもらうことなんですね。その一言で医療者も頑張れるんです。兵庫県の柏原では一度は医師不足によって医療が崩壊してしまったところでも、地域住民や患者さん自らが立ちあがり「医師を守る」ための活動を起こし、それによって地域の医療提供体制が守られた実例もあります。

医師のモチベーションは、給料でも充実した設備でもないんです。やはり、患者さんの「ありがとう」が一番のエネルギーになります。

新自由主義が広がりいろいろな価値観があると思います。その中で基本なのは弱き病人を助けるという使命です。市場原理主義により医療も一つの営利事業体に組み込まれつつあります。私は、金もうけは必要だと考えています。しかし、重要なのは、金もうけは目的ではなく、そのお金で何をするかだと考えています。私がNPOを作って活動しているのは、適切な医療を国民に提供するために使うのです。

若手医師へのメッセージ

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