[心の健康について]
〈統合失調症〉 統合失調症の症状について
幻聴−実際にない声が聞こえてくる
誰も何も言ってないのに、人の話し声が聞こえてくることがあります。幻聴といいます。声は実在しませんが、本人には「聞こえる」ので無視できません。内容は悪口や脅しなど怖いものが多く、本人は苦しみます。
妄想−実際にあり得ないことを信じる
他の人に脅されている、テレビで自分のことを放送している、自分は天使の生まれかわりだなど、ありえないことが本当であるように信じ込んでいることがあります。これを妄想といいます。本人にとっては、「うそ」「いつわり」のない体験なのです。
思路障害−考えが混乱してくる
ものごとを順序立てて考えることが難しくなり、話がまとまらず、混乱してくることがあります。ひどくなるとまったく会話にならない言葉のられつになることもあります。
感情の変化がみられます
上述のようなさまざまな体験が続くために、不安が非常に強くなります。また、過敏さと鈍感さが同居しており、ささいなことに反応して感情のコントロールができなくなり、怒ったり、泣いたりするかと思えば、重大な出来事にも動じないという状態がみられ、何かと不安定になりがちです。
行動にも影響を及ぼします
今まで述べた症状のために、周囲の人には理解できない行動をとる場合もあります。「声」の命令にしたがって、とっぴな行動をとったり、周囲が怖くて閉じこもる場合もあります。また意欲がうすれて何かと消極的になりやすく、周りの人の援助が必要になることがあります。
目立たない症状に本人も苦しみます
その他に、ストレスに弱い、対人関係が苦手、一度にたくさんのことができない、集中力・持続力が続かなくなる、生活リズムが乱れるなど、統合失調症の人が共通して苦しむことです。
これは症状ともいえますし、障害ともいえます。これらについては、薬の服用と合わせてリハビリテーションが大きな効果を発揮します。