[心の健康について]
〈うつ病(気分障害)〉 青年期のうつ状態について
いわゆる「うつ病」という診断ではありませんが、青年期に多い慢性のうつ状態が注目されています。最近では「気分変調症」といわれている症候群もこの中に含まれます。
本人の気持ちの悩みの中核に
- 自分に自信が持てない
- これからの生活の方向性が十分に定まっていない
- 心の支えになる仲間が少ない
などがあり、そのことが不安、ゆううつ、焦り、むなしさなどを引き起こし、長期間にわたる引きこもりを起こすことがあります。
さらに、もともと本人の持つ過敏さ、傷つきやすさが重なり、周囲からするとささいな出来事から、衝動的に自殺しようとしたり、暴力や八つ当たりなど行動面に現れることがあります。
これらの治療は、基本的には「休養と服薬」という中年期のうつ病の治療で目指される「停滞状態からの回復」という方向性とは、違う視点で治療が必要となります。
- 不安、ゆううつ、あせり、むなしさなどの精神的な症状に対して抗うつ薬などの薬物療法で軽減しながら、
- 自分に自信がもてない、これからの生活の方向性が十分に定まっていない、心の支えになる仲間が少ないという中核の悩みに対する支えや心の整理を助ける精神療法(心理療法、カウンセリング)を行うことが必要になります。
そして、うつ状態が軽減したところで、現実場面での経験(人の中で慣れるとか、アルバイトを試しにしてみるとか)とそこでの満足あるいは成功体験も重要になってきます。