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[心の健康について]

〈うつ病(気分障害)〉 うつ病の回復期

うつ病の経過

うつ病の治療を続けていくと、まず「不安・いらいら感」や「ゆううつ感」は減少してきます。しかし、周囲からほとんどよくなっているように見えても、軽いおっくうさがあったり、人に会いにくい、仕事に行くことをためらう、集中力がいまひとつ、おもしろさや楽しさを実感できない、軽い体の不調などが続くことがあります。これが回復期の特徴です。

「とりあえず何かしようと思いさしあたって手をつける」段階から、「根気よく続けることが出来る」段階、そして「面白いという感覚が出てくる」段階へと回復していくようです。残念ながら特効薬はありません。時間をかけてじっくりと回復していくことが大切です。

 

対処の原則 1.少しずつ「休養」から「社会復帰」へ

主治医とも相談し、回復期に入ったら少しずつ「休養」から「社会復帰」へと移していきます。散歩など少しずつ身体を動かします。決まった時間に少しずつ外出する時間を増やします。興味のあることを試しに始めてみます。このように活動の範囲を無理のない範囲で少しずつ広げていきましょう。

対処の原則 2.薬はすぐにやめない

少しずつ回復していくのですが、ここでも良くなったり少し悪くなったりを繰り返します。再発の危険性を減らすためにも、服薬は続けましょう。早くやめたい気持ちは十分に理解できますが、主治医とも相談して、うつ病の状態が改善してからも、数カ月間は服用を続ける必要があります。

対処の原則 3.自殺にも注意を

自殺はうつ状態ではいつでも起こる可能性があるものですが、特にその回復期に自殺をとげてしまう危険性が高くなります。それはうつの回復とともに意欲が高まり、自殺への行動につながりやすくなるためです。周囲の者も引き続き注意が必要です。

対処の原則 4.職場復帰への注意ーならし運転が大切です

特に事情がないかぎり、原則としてこれまでの職場に復帰することがいいようです。最初はあいさつ程度、できれば最初の1〜2週間は「ならし運転」で2〜3時間程度の勤務というように助走期間がもてればいうことはありません。復職して3カ月程度を一応の目安として仕事の質・量をもとに近づけるようにしていければなおさらです。確かにこの3カ月は病状の波がありますので、本人、家族、職場も十分な配慮が必要です。



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