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はじめに
  海洋センターで開発したトリガイ養殖技術をもとに、平成12年から漁業者による本格的なトリガイ養殖事業が開始されました。平成14年は初めて販売金額が1千万円を越え、平成16年には過去最高の3千万円を越えて順調に生産が伸びています。生産された全重量100g以上の養殖トリガイには、「丹後とり貝」というブランド名を付けて販売されており、このような大型トリガイを養殖して生産販売しているのは、現在のところ、全国的に見ても京都府だけです。
養殖されたトリガイは大、中、小貝に厳密に規格分けして出荷されていますが、単価が高く消費者ニーズも高い大型貝の生産貝に占める割合がまだ低いのが現状です。したがって、大型貝の生産割合や生産数をいかにして高めるかが大きな課題となっています。
大型貝の生産割合や生産数を高めるには、季報79号の中で示しました養殖マニュアルどおりに作業をすることが大切です。しかしながら、マニュアルどおりの飼育管理を行っても、同じ飼育コンテナ内のトリガイの成長に多少のバラツキが見られることから、生まれつきの性質がある程度影響しているのではないかと考えられました。そこで、農業や畜産分野で盛んに行われている品種改良がトリガイでも応用可能か検討しましたところ、トリガイの品種改良が短期間に効率的に可能となる手法が明らになりました。
この冊子では、水産分野における育種研究の現状および今回開発したトリガイの品種改良の手法や残された課題について紹介します。
 
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