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2 トリガイ養殖の現状と課題

 トリガイ養殖は平成12年から漁業者により本格的に開始されました。生産された殻付重量100g以上の大型の養殖トリガイには、「丹後とり貝」というブランド名を付け販売されています。「丹後とり貝」の生産状況を図1に示しました。販売金額は開始当初は380万円でしたが、平成14年に初めて1千万円を越え、16年には過去最高の3千万円を越える生産額となり順調に生産が伸びています。図1 丹後とり貝の生産状況
   「丹後とり貝」は大・中・小貝に厳密に規格分けされて出荷されています。選別基準は大型貝:殻長8.5cm以上かつ殻付重量150g以上、中型貝:殻付重量130g以上、小型貝:殻付重量100〜129gです。大型貝の1個当たりの価格は、中型貝の1.4倍、小型貝の2.6倍で大型貝はかなり高価です。しかも大型貝は消費者ニーズが最も高く他のサイズのものよりも早く売れてしまう人気の商品です。大型貝は特に肉厚で甘みも強く独特な歯ごたえがあることから、全国の消費者に高級食材として認知されつつあります。しかし、銘柄別の出荷割合を見てみますと、単価の安い小・中型貝の割合が生産貝の2/3ほどを占め、大型貝は1/3ほどです(図2)。
 1つの飼育コンテナ当たりの生産可能個数は一定ですので、大型貝の生産割合を高めれば収益性が上がります。消費者ニーズの面からだけでなく経営的にも、いかにして大型貝の生産割合を高め大型貝の生産数を増やすかが大きな課図2 丹後とり貝の銘柄別出荷割合題でした。
 そのためには、まずは養殖マニュアル(季報79号参照)に基づいた養殖作業を確実に実施することが必要ですが、養殖マニュアルどおりの養殖作業を実施しても、同じ飼育コンテナ内のトリガイの成長にばらつきがあることも事実です。そうしたことから、トリガイの成長や生残には飼育環境だけでなく生まれつきの性質(遺伝的形質)がある程度影響しているのではないかと考えました。
 今までは養殖用種苗の親貝については、遺伝的な形質が著しく偏らないようにできるだけ起源の異なる多くの貝を用いるように配慮してきましたので、品種改良については取り組んできませんでした。そこで、平成11年頃から成長が早く生き残りの良い等のトリガイの優良品種の作出を目指して、品種改良の研究に本格的に取り組むことにしました。
 

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