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メバル
春から初夏の内湾の藻場でのことです。舞鶴湾や宮津湾等の内湾にはアマモの仲間が繁茂した藻場がありますが、海草の間に見え隠れする小魚がいます。メバルの幼魚でしょうか。
メバルは全国の沿岸に生息する卵胎生魚で、カサゴの仲間です。釣人には馴染み深い磯魚でしょう。晩秋から冬に交尾して、雌は寒い時期に仔魚を産みだします。成魚は岩場に多いのですが、幼稚魚は藻場で生活することがよくあります。かくれんぼの好きなメバルにとって、藻場は幼稚魚期の格好の寝室であり、餌をとれる台所として、とても重要なのです。でも、成長の遅いのが難点。 メバルは脂肪分が少なく淡白な味なので、煮付けに最適なヘルシーな食材ですが、鮮度がよければ刺身としてもいけます。
京都府立海洋センター 主任研究員 中津川俊雄
京都新聞掲載
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