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人権口コミ講座 123

いわゆる「土地差別問題」について

公益財団法人
世界人権問題研究センタープロジェクトチーム2
リーダー/同志社大学非常勤講師 井岡 康時

 京都府と宅地建物取引業者団体による、府内の業者を対象とした「人権問題についてのアンケート」が実施されました。取引物件の所在地が同和地区か否かについて客から質問されたか、という問いに対して「ある」とする回答が25%にのぼっています。前回、平成22年度調査では44%ということですから、かなり減少しているといえますが、それでも4分の1となる数値をみると、同和地区を忌避する意識の克服には、まだなお時間がかかると思わざるを得ません。
 一方、こうした質問をどのように考えるか、という問いに対して、「差別につながる」との回答が27%(前回28%)、「差別と関係ない」との回答が8%(前回12%)、「一概に言えない」との回答が64%(前回60%)ということでした。「つながる」の比率が前回とほぼ同じです。住居地を選ぶにあたって、交通の便や、学校・病院などへの距離を考慮するのは当然としても、同和地区か否かを確かめる必要はなく、不適切なことです。「つながる」の比率はもっと増えるべきですが、だからといって、ここで業者の皆さんを一方的に批判しても実りがあるとは思えません。同和地区か否かを確かめる質問を許している社会風潮を形成しているのは、私たち自身であると捉えた上で、「差別につながる」と理解しつつも顧客との板ばさみで悩んでおられるであろう27%の人びとをどのように支えていくか、この人たちが業界の多数派となるためには、どのような手立てが必要か、私たち自身が問われているといえるでしょう。
 同和問題以外にも、賃貸住宅への入居に関わって憂慮すべき結果が出ています。高齢者、障がい者、外国人、母子(父子)家庭の入居を家主から断るように言われた経験があるとする回答が少なくないのです。これについても家主の方々の人権意識を言い立てるだけでは問題解決に向けた前進はないように思います。入居拒否へと追い込む社会のあり方を反省し、地域から改めていく努力がすべての府民に求められているのではないでしょうか。

◎ 平成31年3月発行の「人権口コミ講座20」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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