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人権口コミ講座 125

聞こえの共生社会づくり条例

公益財団法人
世界人権問題研究センター登録研究員
龍谷大学非常勤講師 松波 めぐみ

 「手話は言語である」と聞いて、皆さんはどう感じられますか。「その通り」と思う方もいれば、「考えたこともなかった」という方もおられるのではないでしょうか。
 聴覚障害者が最も自然に意思疎通できる手段が、手話という言語です。手話は手の動きだけでなく顔の表情なども含めて複雑な文法構造を備えており、音声言語と対等な言語なのだ―ということがまだまだ知られていません。2006年に採択された障害者権利条約で「手話は言語である」と明記されたのは、手話の大切さへの認識を促し、聴覚障害者が生活しづらい状況を変えていくためでした。
 手話を使える人が少ない社会の中で、聴覚障害者はさまざまな情報のバリアに直面します。「移動中に急に電車が止まり、音声でのみ情報が流れている」という場面を想像してみましょう。とても不安ですね。また、急病で入院した時に手話通訳を受けられないといった場合も大変心細いものです。筆談に応じてもらえたとしても、それだけでは十分に意思疎通できない人もいます。社会全体で手話への理解を「底上げ」していく必要があります。
 京都府では、2018年3月より、「聞こえの共生社会づくり条例」を施行しました。この条例は、「手話を言語として認め、広めていくこと」と、「聴覚障害の特性に応じたいろいろなコミュニケーション方法を選択できるようにすること」を目指しています。聴覚障害者の中には、手話がいちばん意思疎通しやすい言語だという人もいれば、中途失聴などのため手話よりも文字での情報提供が必要な人もいます。聴覚と視覚の両方に障害がある盲ろう者には「触手話」や「指点字」などが意思疎通の手段となります。「選べる」ことは、とても大切なのです。
 京都府はこの条例のもとで「手話学習の機会の提供」や、環境整備(手話通訳者や要約筆記者、盲ろう者向けの通訳介助者を育てるなど)を進めていきますが、「聞こえの共生社会」を実現していくためには、府民一人ひとりの協力が不可欠です。あなたも新しい言語を学んでみませんか。

◎ 平成31年3月発行の「人権口コミ講座20」の内容を加筆・修正し、再掲載しています。

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