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新春対談 京都の魅力とは

新春対談 京都の魅力とは

本流を守りつつ柔軟に進化する

洛中伝承の造り酒屋に生まれ、家業を継ぐつもりがなぜか演劇の道へ。
今では、テレビに、映画に、舞台に、第一線で活躍する俳優の佐々木蔵之介さん。
その素顔は、離れていても京都を思う京都人。
公開間近の主演映画が、自身初となる京都が舞台の現代劇とあって郷土愛が高まるなか、さまざまな角度から「京都の魅力」について、西脇知事と語り合っていただきました。

佐々木蔵之介さん

俳優 佐々木蔵之介(ささきくらのすけ)さん
1968年京都市生まれ。神戸大学在学中に劇団「惑星ピスタチオ」の旗揚げに参加し、演劇の道へ。2000年、NHK連続テレビ小説『オードリー』で注目を浴びて以降、多くの映画、舞台、ドラマに出演。主演映画『嘘八百 京町ロワイヤル』は1月31日公開。2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』では、藤吉郎(後の豊臣秀吉)役で出演する。


1月31日に公開の『嘘八百 京町ロワイヤル』について詳しくはこちら 嘘八百 京町ロワイヤル QRコード

京都府知事 西脇隆俊

京都府知事
西脇 隆俊


対談場所「府民ホール ALTI(アルティ)」
府民ホール ALTI 府民ホール ALTI QRコード

クラシック音楽をはじめさまざまな舞台芸術の公演を行っています。公演スケジュールなどはホームページ


海、森、お茶、竹 豊かな個性を持った「もうひとつの京都」

知事 今日は本当によくおいでくださいました。ところで、佐々木さんのご実家は、洛中に代々続く造り酒屋なんですね。

佐々木 ええ。豊臣秀吉が建てた聚楽第(じゅらくだい)の南端に位置していまして。私、1月から始まる大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』で藤吉郎(とうきちろう)、後の秀吉を演じるのですが、これもご縁かなと。

知事 『麒麟がくる』の放送、とても期待しているんですよ。京都には明智光秀ゆかりの地がたくさんありますし、今年1月11日に、亀岡市に府内初となる球技専用スタジアムが竣工するのですが、そこには「大河ドラマ館」も入るんです。

京都スタジアム

1月11日に竣工する京都スタジアム

佐々木 ドラマで注目されて、京都府が盛り上がるのは良いことですね。

知事 はい。佐々木さんの藤吉郎、秀吉も楽しみにしています。

佐々木 ありがとうございます。

知事 秀吉が聚楽第を建てる土地を選んだ理由の一つに「水の良さ」があったそうですね。

佐々木 あの位置は、お酒を造るにはいいんですよ。きれいな水が出ますから。実家から少し東に歩いたらお豆腐屋さんがあり、お麩(ふ)屋さんがあり…。府庁の近くにはお醤油(しょうゆ)屋さんもありますよね。小川通りには茶道の三千家※がいらっしゃいますし。私も実家では、当たり前のように地下水、井戸水を使っていましたね。
※ 三千家=表千家、裏千家、武者小路千家の総称

知事 佐々木さんは、当初は家業を継ごうとしておられて、大学でバイオや酒米の研究をされていたんですよね。いつから演劇を?

佐々木 大学で演劇部に入って。家業を継ぐという話は父に諦めてもらい、芝居の道になぜか進んでしまって、こうなりました(笑)。

知事 今、大変なご活躍ですよね!故郷を離れ、俳優として過ごされてきた経験から、改めて気付かれた京都の良さなどはありますか?

佐々木 15年くらい前に『クラウディアからの手紙』という舞台で、蜂谷弥三郎(はちややさぶろう)さんというシベリア抑留された方を演じる機会がありました。その時に、抑留された方たちが(日本に)帰ってくる引揚船が京都舞鶴港に来ていたということを知って、私、行ったんですね。そしたら赤レンガ倉庫がずらりと並んでいる。舞鶴引揚記念館があり、『岸壁の母』の桟橋がある。「こういう場所が京都府にあったんだ」と思った記憶があります。そして今、引揚船が到着していた港に、クルーズ船がどんどん来ていると聞いて、それにも驚きました。

知事 最近は、日本人向けの舞鶴発着のクルーズ船もあるんですよ。これがものすごい人気で。もちろん、外国発着のクルーズ船も寄港しますよ。

クルーズ客船

京都舞鶴港に寄港するクルーズ客船

佐々木 外国からの観光客にとっては、飛行機に乗らずに京都に行けるのがいいですね。関空が空からなら、京都舞鶴港は海から受け入れる。

知事 クルーズ船だけでなく、貨物船やコンテナ船も今はどんどん増えています。

佐々木 京都府の北から南まで、高速道路がつながったことが大きいんでしょうね。

知事 おっしゃる通りです。今、佐々木さんにご紹介いただいた舞鶴は「海の京都」と呼ばれるエリアですね。そのエリアだと丹後半島なども素晴らしいですよ。

佐々木 ああ、丹後でしたら伊根もいいですよね。あそこには造り酒屋もありますし。京都は洛中、伏見だけじゃなく海側にも造り酒屋がたくさんありますね。

知事 ええ。京都には京都市だけでなく舞鶴や丹後などの「海の京都」や、美山などの「森の京都」、茶畑が広がる「お茶の京都」、そして向日市、長岡京市、大山崎町の「竹の里・乙訓」と、豊かな個性を持った「もうひとつの京都」があります。発信力のある佐々木さんに、ぜひ、広めていただければ。

佐々木 海、森、お茶、竹ですか。

知事 ええ。そのようなキャッチフレーズというか、そう呼称して、京都市以外の府域への周遊や滞在型観光をPRしているんですよ。

「海の京都」「森の京都」「お茶の京都」「竹の里・乙訓」

府では「もうひとつの京都」を、世界有数の観光ブランドとして確立させる取り組みを進めています

旬をおいしくいただけるのが「和食」の醍醐味

京都の人は伝統にこだわるけれど縛られていない あらゆる文化が生活に根差しているのが京都のすごさ

知事 これは京都に限らないのですが、日本に来る外国人観光客に「何に一番興味があるか」と聞くと、実は、圧倒的に「和食」が多いんです。お寺や史跡を見るとか、さまざまな体験があるなかで「和食」なんですね。

佐々木 東京でもいろんな食材がやってくるし、おいしいものは食べられるのですが、京都で食事をしたときの方が、お店でも家でも、季節を感じますね。家業を継いだ弟は「和食と日本酒は一体である。お互いが相乗効果を高めていけたらいいんじゃないか」と、そのようなことも言ってました。つまり、旬をおいしくいただけるのが和食の醍醐味(だいごみ)ではないかと。

知事 その時期ならではの味わいですね。

佐々木 私は、お酒にも四季があると思っています。例えば11月に仕込んだら生酒(なまざけ)が大晦日(おおみそか)やお正月に飲める。気温の低い冬場に仕込んだら吟醸が春先にできる。それを貯蔵したら夏になり「ひや」で飲める。そして「ひやおろし」で、秋になる。和食も旬を意識して、その時々のおいしさを大切にしますよね。だから日本酒との相性が良いのかなと。

知事 和食はその食材を見たら「あ、秋になったな」とか、季節が分かりますよね。しかも器の柄も変えるでしょう?

佐々木 ええ、和食は器まできめ細やかで…。

知事 中華やフレンチも魅力的なんですが、器、それから部屋のしつらえなども含めると、和食って本当に奥が深いですよね。

佐々木 深いですね。でも、京都の人は伝統にこだわるけれど縛られていないな、とも感じますよね。例えばほら、和食がありつつ、めっちゃパン食べる、めっちゃ肉食べる(笑)。

知事 確かに(笑)。残すべき文化を大切にしつつ、柔軟に他所(よそ)からも取り入れるところも、京都の魅力ですよね。

佐々木 そう言えば、先日、弟が講師として府立大学に行っておりました。今年度から和食文化学科が開設されましたよね。

知事 ええ。弟さんにも講師になっていただき、ありがとうございます。

和食

2013年、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。府では和食文化の中心地として「和食」を発展させ、継承させていくため2019年に京都府立大学に和食文化学科を開設しました

映画や工芸など京都の文化を守り育てるために

知事 京都は映画発祥の地として、とりわけ時代劇が盛んでした。でも、それが最近はちょっと活気がなくなってきたのかなという…。

佐々木 そう感じていますか。5年くらい前に、『超高速!参勤交代』という映画をやらせていただいたのですが、一時期よりかは時代劇もちょっとポップなものが増え、盛り上がってきたなという思いはあります。

知事 確かにそうですね。殺陣(たて)のシーン、見応えがありましたよ。

佐々木 ありがとうございます。

知事 府では民間と協力して、デジタルリマスターなどの取り組みをはじめ、京都に残る映像文化や映画などの活性化を図っています。デジタル化の技術は本当に進化していますね。

佐々木 本当に技術は進んでいます。その、映像の技術もですが、京都で言えば、カツラなど小道具も改良しようと努力しています。

知事 では、映画の話になったところで、この話題に。1月31日に主演映画『嘘八百 京町ロワイヤル』がいよいよ公開されますね。

佐々木 京都は時代劇で来ていましたが、実は現代劇をやるのは初めてなんですよ。

知事 映画では陶芸家の役をされていますが、陶芸や工芸品に対する見え方が、これまでと変わったことなどはありますか。

佐々木 …何でしょうね。骨董や茶器とか「茶道」になるとちょっと(日常と)隔たりがあるような気がしていたのですが、自分が陶芸家の役をやるとすごく身近なものに思えましたね。伝統文化への接し方として、そこまで格式張らなくても「本当はもっと身近なものなんだよ」っていう気はしています。

知事 府では今、そんな工芸品を気軽に購入できる機会づくりとして「KOUGEI NOW」を実施しています。ホテルの客室を利用した展示販売で、作った職人さんから直接話を聞いて、工芸品を触ってみて、その場で買える。購入につながらなければ職人文化は育たないですからね。

佐々木 その通りですね。見るだけと、実際に手に取ってみるとでは大きく違う。やっぱり機能美を体感したら「欲しい」と思うようになるんじゃないかな。

映画ポスター風

映画のポスター風の撮影もしてみました

2020年新しい総合計画で新しい京都府づくり

知事 昨年10月に、新しく「京都府総合計画(京都夢実現プラン)」を策定したんです。これは、20年後の2040年に「こんな京都府にしたいな」というもので、おおむね4年間で取り組む具体方策も掲げています。今年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が日本で開催されますが、この大会は、スポーツの祭典であるとともに文化の祭典でもありますよね。例えばこれを好機と捉え、文化の力で新たな価値を創造するなど、京都の持つ強みを生かしていこうと考えています。佐々木さんが思う「こんな京都府になってほしい」というものを聞いてもいいですか?

佐々木 今、インバウンドなどで外国の方が京都を目指してみんなこぞって来ていますよね。それに対するおもてなしはもちろん大事だと思うのですが、同時に、府民の普段の生活がしやすく、そして私のように外に出ていった人も「故郷っていいな」と思える京都府になればいいなと思いますね。府民の日常が幸せであって、その日常を(府外の方に)紹介したいと思っている、日常を誇りに思っている、というようなね。

知事 日常を誇りに思える京都府、素晴らしいですね。理想を実現していけるように、未来に向けた施策を軌道に乗せなくては、と身が引き締まる思いです。

佐々木 ええ、期待しています。

知事 今年は「京都夢実現プラン」を策定して初の予算編成となり、将来構想に掲げた「一人ひとりの夢や希望が全ての地域で実現できる京都府をめざして」本格的に始動します。本日お話しいただいた、地域の魅力、食の魅力、文化の魅力など国内外の方々を引き付けてやまない京都ならではのポテンシャルを生かして、新しい時代の京都をしっかりとつくり上げていきます。

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