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インターネットの普及によってコミュニケーションの輪が広がる一方、それを悪用した他人への誹謗(ひぼう)中傷や差別的な書き込みなどが増えています。軽い気持ちで書き込む一言が誰かを傷つけてはいないか、考えてみませんか。
平成28(2016)年12月に部落差別解消推進法が施行されて今年で5年。昨今は同和地区だと示して地区名や動画を公開するなど、ネット上の部落差別も問題となっています。法務省は、ネット上で特定の地域を同和地区であるなどと指摘する行為は人権侵害のおそれが高く、違法なものといえるとしています。府ではこうした書き込みに対し、モニタリングと削除要請を行っています。
令和2年中に新たに救済手続きを開始したネット上の人権侵犯事件は、依然として高水準で推移しているのが現状です。
高水準で推移
出典:法務省「令和2年における『人権侵犯事件』の状況について(概要)」より作成
匿名性
匿名で書き込みができ、加害者の特定が困難。
加害の容易性
誰でも簡単に書き込める。画像合成なども容易。
被害の拡散性
掲載されると世界中から閲覧可能に。
被害回復の困難性
削除できない情報は半永久的に残ることも。
ネット上の書き込みに対して、被害者が発信者の氏名や住所などを開示請求できる権利などを規定した法律です。
令和3年4月に改正(令和4年10月までに施行予定)
現行法では困難だった発信者の特定を容易に
プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会顧問
桑子 博行氏
インターネットやSNSはとても便利なツールとして普及しており、私たちの生活にも欠かせないものになっています。しかし、一方で激しい誹謗(ひぼう)中傷など重大な人権侵害が起きています。
こうした人権侵害から被害者救済を図るために「プロバイダ責任制限法」が施行されていますが、今年4月には改正が加えられ、発信者情報の開示が簡略化されることになります。また、現在ネット上での誹謗中傷対策として、侮辱罪の厳罰化が検討されています。
ネット上の人権侵害に関する裁判に、同和地区の地名リストがネット上に掲載され、掲載差し止めなどを求めて訴訟になった事例があります。今年9月の判決で東京地裁は、書籍やネット上で地名などの情報を公表しないことや賠償を命じました。このような地名の公表は重大な人権侵害だといえます。
表現の自由は重要な権利ですが、同和地区であると示す内容やヘイトスピーチなど、不当な差別を助長する書き込みや人を傷つけてしまう誹謗中傷などにより、他者の人権を侵害することがあってはなりません。
たとえ一言の書き込みでも、悪質な誹謗中傷に当たる場合には懲役刑などが科せられる可能性もあります。誰もが加害者にも被害者にもならないように、ネットで書き込みを発信するときは冷静に見つめ直すことが重要です。
もっと詳しく知りたい方は桑子氏による講演動画へ(外部リンク)
京都府人権啓発キャラクター「じんくん」
インターネット上の人権侵害をなくすため、府で進めている取り組みを紹介します。
さまざまな角度から人権に対する意識を深めていただける動画をYouTubeで公開しています。
誰もが被害者にも加害者にもなりうるネット上において、発信する一言の重みについて伝えます。
インターネット上の人権侵害が起こる状況をドラマ仕立てで描き、その違法性や犯罪性を解説します。
新型コロナウイルス感染症に関する誹謗中傷や差別の不当性、エッセンシャルワーカーへの感謝を伝えます(京都精華大生の皆さんが作成)。
インターネット上での人権侵害をモニタリングし、削除要請を行っています。
日時 2022年3月31日(木曜日)まで
主なコンテンツ
など
[トークショー講師]
建築デザイナー
ファッションモデル
サリー楓さん
少しでも早く問題を解決し、被害を回復できるよう、これらの窓口を活用してください。
0570-003-110(平日8時30分から17時15分)
TEL:075-741-6321((第1・3火曜日)14時から16時)
TEL:075-605-7830(平日9時から17時)
メール:seisho.net@pref.kyoto.lg.jp
人権に関する相談窓口などをご案内しています。
[お問い合わせ]
人権啓発推進室
TEL:075-414-4271 FAX:075-414-4268
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