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令和2年5月21日臨時知事記者会見

緊急事態宣言解除後の対応について

本日政府におきまして、京都府に対する緊急事態宣言の解除が決定されました。この決定を受けまして、先ほどの京都府の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で今後の対応方針を決定しました。宣言の解除につきましてはこれまでの間、外出自粛要請や休業要請にご協力いただきました皆様をはじめ、新型コロナウイルス感染症から人々の命を守るために日々治療にあたっていただきました医療関係者の皆様、そして感染リスクのある中で社会生活維持のために仕事をしていただきましたエッセンシャルワーカーの皆様をはじめ、全ての京都府民の皆様のご協力の結果であり、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

 

まずは、この間の流れを振り返りたいと思います。4月には新型コロナウイルス感染症による病床の利用率が7割に達し、感染経路不明の方が約4割になったことにより、非常に危機感を覚え、国に対して緊急事態宣言の発出を要請しました。幸いにもこの間に生じたクラスター事案については、早期の積極的疫学調査によりなんとか押さえ込むことができ、爆発的な感染拡大を避けることができました。更に、大型連休前に府民の皆様に徹底した移動・行動の自粛をお願いしたこともあり、連休明け2週間となる今週の感染状況は5月15日以降に新たな感染者が発生していません。現在、病床の利用率は1割程度で感染経路不明の方は2割を切るまでに改善しています。また、本日も新規感染者は京都府・京都市共にゼロと聞いています。長きに渡る皆様の取組に感謝しています。

 

ただ、「自粛要請の緩和=収束」ではありません。まさに、新型コロナウイルスと共存する「withコロナ社会」のスタートだと思っています。新型コロナウイルスとうまく付き合いながら社会経済活動を取り戻す、そのためには緊急事態宣言が解除された後も感染拡大予防のための慎重な行動が必要になります。モニタリング指標として感染拡大の兆しを早期に探知して、警戒を呼びかけるための「注意喚起基準」、それから、段階的な外出自粛等により、徹底した感染拡大を防止するための「行動自粛基準」を定めております。これまでは緩和判断基準をホームページ等でお示ししておりましたが、今後はこうした「注意喚起基準」、「行動自粛基準」により第2波に備えることが必要だと思っています。

 

緩和の判断基準については先日5月8日の発表以降、連続して基準をクリアしています。この数値、それから「注意喚起基準」、「行動自粛基準」を府民の皆様と共有しながら新しい生活様式の定着に取り組んで参りたいと考えています。

 

今回、緊急事態宣言の解除によって明らかにステージは変わったと思っています。これまでは「STAY HOME」をお願いしておりましたが、そこから一歩踏み出すことになると思います。行動を自粛するということではありません。あくまで不要不急の都道府県をまたぐ移動の回避、3密の回避、新しい生活様式の定着等、感染予防対策を意識した行動として、アラートという言葉がよく使われていますが、「STAY ALERT」(警戒を怠らない)、ということが求められていくと思います。イベントについても引き続き、感染リスクの高い全国的かつ大規模なイベントは、リスクへの対応が整わない場合には開催しないよう協力を求めて参りたいと思います。その他のイベントについては屋内・屋外を問わず、感染リスクを低く抑えていただくことにより開催が可能になると考えています。

 

今回の解除に伴い、使用制限を解除する施設については5月23日午前0時からクラスター発生等施設等を除き解除したいと思います。また飲食店については、元々施設そのものは休業要請対象ではありませんが、前回2時間延長し午後10時までとしていた営業時間の制限の要請は撤廃します。学校についても南丹地域以南の休業要請を解除します。一方、これまでにクラスターが発生した施設等については引き続き休止を要請いたします。大学については、京都は大学の街であることと大学側からも要請があることから、府と大学が一緒になり、学生の生活環境も含めたガイドラインを作成することによって、安心して再開できる環境を整えた上で再開を目指すことにしています。いずれにしても、引き続き休止の協力を要請する施設以外については施設の使用制限を解除するということです。残った施設についても段階的かつ慎重に判断をしたいと思っています。

 

新しい生活様式のお願いです。これまで府民の皆様の命と健康を守るために、まずは重症者などの入院治療が必要な方に対して、適切な治療を行うことができるように、医療体制・検査体制の確保を行って参りました。ご本人はもとより医療従事者の二次感染を防ぐために京都府が独自に進めてきましたのは、緊急手術時における医療機関が行うPCR検査への助成と、希望する全ての妊産婦に対するPCR検査への助成です。これらについては今、最終段階にあると思いますが、国において制度化されたものや、二次補正予算に向けて制度化されてようとしているものがあります。

 

大学生の方のアルバイト先がないことや、京都の場合他府県から来られている学生が非常に多いのですが、帰省された実家の状況が苦しいということで、再三、全国知事会の場を通じて大学生に対する支援を国に訴えて参りました。少しでも国を動かすことができたのではないかと思っています。特に学生の街京都として、大学生を支援し、再び大学生がいきいきと生活できる環境を整えて参りたいと思います。

 

今回の感染症への対応は医療・産業・雇用・生活・学校教育等、過去の様々な危機に比べると多岐に亘る課題が浮かび上がって参りました。残念なことに新型コロナウイルスは現在も身近にありますし克服されたわけではありません。有効な治療方法の確立やワクチンの開発、集団的免疫が獲得されるまでは長期戦になることを覚悟しなければいけないと思っています。第1波が落ちつこうとしている今だからこそ、先ほど申し上げた課題や、これまでの感染の状況について、一つの都道府県だけではサンプルが少ないのでオールジャパンで分析して新型コロナウイルス感染症の正確な知識を得る、そうしたことも含めて検証した上で第2波に備え、対策を講じるべき時期だと思っています。

「withコロナ社会」は、これまでとは異なる社会の出現に他なりません。通勤から在宅勤務、外食から中食とこれまでの常識が変化してきており、家庭で過ごす時間が増えています。視野を広げると、京都はものづくりの街ということで医療用資材についても、京都の様々なメーカーが協力しようとされています。更にはスモールツーリズム(地域旅行)が改めて注目される等、色々な変化の兆しが現れています。

京都がこうした動きを支えていきたいという思いから4月補正に加えて、明日の京都府議会に5月補正予算を提案し、必要な対策を講じていくこととしております。ただ5月補正予算だけでは十分だとは考えておりません。私自らが先頭に立ち、更に様々な方の声を聞き、府政運営を進めて参りたいと思います。

最後に、京都は元々地域の絆が非常に強く、日本の心を大切にしてきた地域だと思います。思いやりの心や支え合いの心を持ち、府民一人ひとりが感染しない、させないという意識を持って、感染拡大を防ぐ取組を引き続き徹底していただきたいと思います。府民の皆様には引き続きご協力をよろしくお願いいたします。

 

緊急事態宣言解除後の対応について(PDF:711KB)

 

主な質疑応答

記者

残っていた関西圏の緊急事態宣言が一斉に解除されることによる気の緩みが心配される。知事は、どのように端緒をつかみ取って、第2波がこないように押さえ込むか。

 

知事

感染状況を第2波に備えていち早く兆候をキャッチすることが重要なので、注意喚起の基準と行動自粛の再要請の基準を的確に設定することが必要になると思います。それから、京都府医師会が先日発表した「京コロナマップ」によって、かかりつけ医で病気の兆候、感染が再拡大する時の兆候をいち早くキャッチした上で、注意喚起基準であれば改めて咳エチケットやマスク着用、感染拡大防止のガイドラインの遵守などソフトのところからはじめ、危険が高まったところでは順次行動自粛をお願いし、緊急事態宣言のような一定の厳しい措置までいかないように感染拡大を抑えることが重要だと思います。

 

記者

第2波が来てしまう可能性がある。現在の北海道の感染者の状況を見て何が一番大事だと思うか。

 

知事

北海道や北海道医師会から話を聞いたところ、7都府県に緊急事態宣言が出ている時に、北海道は出ていなかったため、北海道は安全だと思い首都圏から人の入り込みがあったことが感染拡大につながったのではないかということを検証されているそうです。今日の時点では首都圏の1都3県と北海道は緊急事態宣言が解除されていません。全国的に緊急事態宣言が解除されるまでは慎重になることが重要だと思います。

感染者がゼロになったわけではなく、新型コロナウイルスは身近に存在しています。新規感染者が発生した場合に、保健所を中心に積極的疫学調査を行い、いかにクラスターの発生を捉えるか、いかにクラスターの発生前に抑えるかが重要です。そのための準備もこの第1波が収まった時にするべきことだと思っています。感染者が出てきた時に、早く兆候を捉える、感染が拡大しないように積極的疫学調査をやってクラスターを抑え込んでいく、このことを繰り返し進めていくことが重要だと思います。

 

記者

京都は大学の休業要請を継続するが、大学からどういった要請があるのか。

 

知事

ほとんどの大学は5月中に対面授業を再開することはなく、かなりの大学が夏休みまでオンライン授業をするということでした。また、京都の場合、4分の3の学生が他府県出身で、その半分の方が今は帰省しているそうです。大学の対面授業を再開するということは居住も移ることになり、例えば寮が3人部屋だがどうしようという声もありますので、生活の面も含めて学生が安心して戻ってこられるようにしなければならないと思います。細かな施設の基準よりも、どういう方針で再開のメッセージを出せばいいのか、大学の規模や種類、他府県の多いところもあれば地元が多いところもあるので、全体の考え方を大学で一緒に整理し、それを共有して個別の予防策を作っていきたいとのことです。悩みはクラブ活動のことなど色々ありますが、キャンパスの中だけではないということで、緊急事態宣言との関係が深いということを相談されたということです。

 

記者

国が、残りの地域の緊急事態宣言を解除できるかについて5月25日に検討するということだが、京都府では29日に予定されていた判断が早まる可能性はあるか。

 

知事

情報として5月25日ということは得ていませんでした。5月29日というのは、大阪・兵庫と相談の上、国の次の方針の節目が5月28日であることを前提にしておりました。今日の基本的対処方針では一部、事前修正や地域の入れ替えがありましたが、考え方としては緊急事態宣言が出ている都道府県が残っている前提の対処方針です。もし全面解除された場合は違うフェーズに入るのではないかということで、5月29日としていました。もし国の全国的な取り扱いの方針の決定が早まれば、それに合わせて早めることは必要だと思います。

 

記者

クラスターが発生した施設等は休業要請が続いているが、休業要請の解除も早くなる可能性があるか。

 

知事

国の基本的対処方針の中で、クラスター発生施設に関しては要請を継続する方針が示されていたので、関西3府県はこれを準拠する形で引き続き休業の依頼をしようと決めました。先週、先行的に解除された39県の中でも引き続き休業を要請しているところもあります。想定としては、いずれ緊急事態宣言が全国的に全て解除された時にはそうした施設をどう扱うか一定の方針を示していただきたいと思っていて、それ次第だと思っています。今のところは基本的対処方針に準拠した形で3府県の足並みを揃えました。

 

記者

関西の3府県の連携を振り返って評価をしてほしい。また、第2波に備えて3府県でどのように連携するのか。

 

知事

連携という意味では、発生初期の段階では3月の3連休の時の例で申し上げると、大阪と兵庫の往来自粛の直後は、京都に他府県ナンバーの車がたくさん押し寄せたことがありました。あの頃から府県域を超えた移動が感染拡大に非常に影響を及ぼすのではないかという不安もありましたし、認識もしました。

特に府県域を超えた移動を伴うことは連携して取り組む必要があり、例えば取り扱いに大きな差があれば人の移動を発生させると国でも認識されています。基本的には連携を意識して対処してきたつもりです。

先週、特定警戒都道府県のままで一部休業要請を緩和した時も、今回の休業要請の解除にあたってもなるべく3府県で調整して揃えようという努力をしました。京都では大学の要請を継続するなど、地域別に対応の差はありますが、うまくいったと思います。関西広域連合では初期段階から、医療資材や医療機関の連携の話もあり、マスク不足の際の府県間融通の仕組みを作りました。3府県だけでなく滋賀、和歌山、奈良も入れて進めるなどの課題がありますが、少なくとも府県間移動を誘発するようなことがないように協力するという意識が統一されたのではないかと思います。

 

記者

休業要請の対象の足並みを揃えることで効果が出たという評価か。

 

知事

府県間移動については、大型連休の時に47都道府県一斉に緊急事態宣言を発することによりもっと大きな移動を抑えようとしたので、どの対策による効果が出たのかはわかりません。しかしながら府県間の移動を伴うと感染拡大リスクが増えるということで、全国的にもうまく収まったと思います。

 

記者

第2波に備えての連携は、関西広域連合の枠組みでの課題に尽きるのか。

 

知事

全国知事会は先日も、40以上の知事が参加して統一的に連携していこうとしています。関西広域連合でもそうした話になると思います。これはどちらにしても一つの都道府県だけで解決できないと意識していますので、より連携は進むと思います。

 

記者

経済活動や企業活動が休業により疲弊しているが、withコロナ社会の中でどのようなものが必要か。どんな支援をして施策を打っていきたいか。

 

知事

昨日、危機克服会議を作ると言いましたが、「商店街・小売り、伝統産業、ものづくり、観光、食」の5分野でwithコロナを前提にどのように社会経済活動を戻すかを早急に議論したいと思います。感染する前の状況に戻ることはありません。どのように共存していこうかと考えていきます。明日からの議会で認めていただければ、5月補正予算で再出発の補助金を提案しました。金額は10万円ですが、4月補正で作った30万円の応援補助金(グループでは最大500万円)との併給もでき、新たに踏み出そうという方に着目して支援します。これは休業要請をしたかどうかに関わらず行います。危機克服会議では最近のスモールツーリズム(地域旅行)に注目されるのではないかと言われていますが、そういうもので予算が必要であれば6月の定例会で応援したいと思います。どうすればコロナと共存しながら経済活動がより活性化できるか今の段階ですぐに簡単な答えはでませんが、できるものからやっていこうと思っていますし、理念的な戦略より具体的なもので考えていきたいと思います。京都府の応援補助金、再出発の補助金、必要であれば更に新しい制度を作っていきたいと思います。

 

記者

全国知事会で経済対策として国に対する臨時の交付金を3兆円まで引き上げてほしいと要望している。西脇知事は全国知事会でコロナ対策の副本部長を務められているが、自身がどのような役割を果たしたいか、またどのような役割を果たせるか。

 

知事

全国知事会の副本部長として全国の知事を代表する話をしたり、また京都の知事として京都が抱える大学生の話や、京都府が先行的にやっている施策を国に提案しています。例えば、民間金融機関の3000万円まで無利子・無担保保証料無しの制度については京都府がかなり早くから行いました。今は3,000万円の限度額の引き上げについても進めています。

また施策の先進性についても考えています。妊婦のPCR検査についても、府市協調として京都独自の支援でやっていますが、こちらも国の制度の俎上に上っています。検査して陽性が出たらどこで産めばいいのか、設備があるのかなど、妊婦の方の不安が広がっているということがわかり、周産期の医療体制の拡充も国が支援すべきではないか等、京都が持っている独特の先進性や課題を国に投げています。

地方創生臨時交付金については足りないことがわかっているので、私から西村大臣や厚生労働大臣に対して直接強く訴えています。各現場の知事が苦労していることがわかっているので、その声を直接伝えています。

 

記者

大阪と兵庫の調整があったということだが、今回の解除にあたって次は5月29日に判断することやクラスター発生施設の扱いについて調整をしたということだが、ほかに調整したことはあるか。また、京都独自の判断はあるか。

 

知事

調整については、全ての過程を説明できませんが、調整した内容という意味においては今回の措置が全てだと考えていただいて結構です。5月23日午前0時という発効時期もそうですし外出やイベント開催、全ての項目について事務的には相談しています。全て一致しているわけではありませんが、大きな齟齬がないように調整を行いました。

京都府独自の判断という部分は、一番は大学です。兵庫・大阪では以前から大学は休業要請が解除されていましたのでそこが大きな違いだと思います。

 

記者

クラスター発生施設について段階的に解除されると思うが、解除にあたり改めてどういう対策を取る必要があると考えているか。

 

知事

クラスター発生施設は国の基本的対処方針でも示されておりますが、感染リスクが高いので段階的に慎重に解除すべきという考え方に基づいており、防止策が無いという観点ではないと思います。全ての施設についてですが、業界団体などがガイドラインを作っていますし、府でも示しています。基本的にはガイドラインに沿った形での業種ごとに感染拡大防止対策を決め、確実に実行した上で事業を再開していただきたいというのは共通しています。特にクラスターが発生した施設は元々潜在リスクがあるので、感染防止策についてはより慎重かつ有効な対策を取られるのが当然だと考えています。

 

記者

大学について、休業要請をお願いしているという認識でいいのか。5月31日までにマニュアルを作成したら休業しなくていいのか。

 

知事

大学は、5月31日まで休業の協力を依頼している施設で、クラスターが発生している施設と同じ扱いです。位置づけが違いますが、形としてはそれらと同じになります。

 

記者

それはマニュアルを作成するまでは再開しないでほしいと要請しているということか。

 

知事

5月31日までに再開する予定の大学はないということで、休業依頼する施設の中に残しているということです。再開のガイドラインを作りながら大学でも再開の準備を進めていってもらう必要があると思います。クラスターが発生している施設と同じように、大学の再開についても全国的に緊急事態宣言が解除される時に一つの判断をしないといけないと思っています。

 

記者

マニュアルに関しては5月31日以降になるのか。

 

知事

来週早々には大学側とある程度合意した再開のガイドラインを示したいと思います。マニュアルはそれぞれの大学が個性や特色に合わせて作られると思います。

 

記者

緊急事態宣言が解除された中での要請というのは、法的な立て付けとしてどのようになっているのか

 

知事

政府に確認しましたが、緊急事態宣言が解除されたので特定警戒都道府県ではありませんが、残っている分については24条9項に都道府県本部長の仕事として要請できることになっているので、4条9項に基づき要請として整理すべきだと言われています。

 

記者

大学について、前期に関してはオンライン授業が多いと聞いたが、ガイドラインを作成し、課外活動や個人学習の場として図書館など、5月31日を超えれば順次そうした施設を利用してもいいのか。

 

知事

5月31日以降であれば、再開ガイドラインを示し、それに準じて感染拡大防止策をとっていれば、再開はいつでもかまいません。大学の中には体育館や図書館などの施設がありますので、各大学がそれぞれについてどのように感染拡大防止策を取るか考えておられます。

オンライン授業については我々が要請しているわけではなく、大学側がこの際、前向きに取り入れようというところもあれば、対面ができないのでオンラインでやるしかないというところがあり、大学側の自主的な判断でされています。府として要請しているのは、大学を1つの施設として考えて休業するかしないかの観点です。基本的には6月になれば、大学として再開していただけるような環境を整えるべく知恵を出し合っています。

 

記者

大阪・兵庫との調整の中で、言葉を選びながらかなり慎重な伝え方をされていた印象を受けた。結果として大学などを除き、同じような内容に合致したが、調整の中で難航した、京都府と他府県で考え方の違いがわかった部分があれば教えてほしい。

 

知事

調整が難航したとは聞いていません。調整中に結果を言わないだけで、質問されたのが慎重に話さざるを得ないタイミングだっただけのことです。歩調を合わせようという意識のもとに行い、それぞれの府県の事情もありますので、調整が難航したわけではありません。

 

記者

第2波がきた場合の対応として、大阪や兵庫など隣接する府県で感染が確認された場合、休業要請を行う際に足並みを揃える考えがあるのか。京都府内で感染があった場合に他府県に対してどういったことを求めるか。

 

知事

緊急事態宣言が発出されないように感染拡大を抑えていくことをしますが、仮定の話ですが、もし出ればこの春の手続きと同じように緊急事態宣言の発出は国が行い、それが全てのスタートラインになります。

今回の第1波を参考に考えられるかはわかりませんが、国も検証されるはずなので、首都圏や関西圏一体を緊急事態宣言の発出の時にどう考えるかどうかということです。京都府は先に緊急事態宣言が発出された大阪・兵庫と隣接していることから、非常に危険を感じたのと、京都府の感染状況も拡大の局面にあると思ったので発出を要請しました。しかし元々同時の発出でもよかったのではないか等、今後恐らく国の方でも今回の過程に基づく検証は行われると思いますし、必要な意見は言っていかなければいけないと思います。当面はそうならないようにまずは第2波に備えながらモニタリングをして早めはやめのクラスター対策をやっていこうと考えています。今回の第1波の時と全く同じように緊急事態宣言が出るとは思いませんし、北海道の例を見ても独自の緊急事態宣言を発出されて収束後に第2波が来た等、状況にあわせた色々なパターンがあると思います。

昨日発表がありましたが、4月は日本に2900人しか外国の方が来られませんでした。

前年同月比-99.9%と言っていました。そうした国際的な観点も入ってくるかもしれません。第2波に備える話は国の枠組みとしても課題が出てくると思いますので我々も歩調を合わせて検討していきたいと思います。

 

記者

3府県一体でということを強く要望されていたが、今回3府県一体で解除されたことの

率直な感想は。

 

知事

元々府県間を伴う移動が感染のリスクを増やし、京阪神は経済圏、生活圏でも非常に密接なつながりがあることが前提となっていますので、人と人との接触が感染を拡大する可能性があるという意味では一体に扱うことは極めて合理性があると思っています。解除の局面でしたが、常に府県間の移動に着目しながら政府において取り扱っていただけるのは今後の第2波に備える上でも有効な認識だと思っていますので、引き続きそうした取り扱いをお願いしたいと思います。

 

記者

大学について、5月31日まで休業を要請している状況でガイドラインが作成され、マニュアル等が完成したことを受けて京都府として休業要請を解除するのか、それとも6月になれば自動的に解除されることになるのか。

 

知事

元々休業要請が5月31日までなので、延長しない限り休業要請は解除されることになります。マニュアルの作成は、京都府が個別の大学について休業要請の解除の条件にするつもりはなく、ガイドラインに沿って感染拡大防止をしてくださいということです。今のところ5月31日の時点で解除する前提ですが、政府全体で方針があれば、場合によっては早まる可能性はゼロではありません。

 

記者

今日の緊急事態宣言の解除が一つの区切りだと思うが、京都府で陽性者が発生してから、この間の京都府の対応を改めて振りかえってどのように評価されているのか。

 

知事

新型コロナウイルス感染症への対応は、世界的にまさに初めて経験することばかりでした。この間、PCR検査も含めた保健所の対応、医療機関の病床の確保、ホテルの療養施設の確保等含めて、緊急事態宣言の解除は京都府民の皆様が総力をあげて努力した結果だと思っています。オーバーシュート・医療崩壊を招くことなく今日の日を迎えたことは本当に多くの方のご協力によるもので、改めて感謝を申し上げたいですし、力の結集の成果だと思っています。この間、課題も見えてきています。特に最初の大学由来のクラスターが発生した時に、急に感染者が増えると病床の確保や保健所における積極的疫学調査の体制など困難を極め、ご心配をおかけする場面もあったと思います。そうしたことが二度と起こらないように、今回のこの間の対応について検証をしたいと思います。また、京都だけでは新型コロナウイルス感染症がどのようなものかわからないので、昨日の全国知事会でも、多くの知事から、オールジャパンで新型コロナウイルスの感染メカニズムについても調べて情報を提供してほしいという意見がありました。全国的にも検証しなければなりません。両面から検証して第2波に備えなければならないと思います。

 

記者

新型コロナウイルスに関する検証はこれからされるということでしたが、今の時点で京都府の行政の対応として反省点があれば。

 

知事

今すぐには思いつきませんが、新型コロナウイルス感染症への影響は当初、保健や医療の面だと思っていました。しかし実は社会経済活動や学校の休業による子どもさんへの影響や介護施設や障害者施設など社会福祉施設の院内感染によって弱い立場に影響があることなど、社会・経済全体に渡って影響が出ることが、最初にはそれほどイメージができなかったと思います。医療崩壊を招かないというのが一番重要ですが、医療の問題が最初に浮かび、リーマンショック以上に社会経済に影響を与えていることについては当初そこまで思いがいかなかったということは率直な感想として持っています。

 

記者

3月時点の段階では病床確保の目標数等を公表されなかったように思うが、この間の検査体制や病床の確保は適切に進められてきたか。

 

知事

医療機関の多大なご協力によって病床数等を確保でき、なんとか医療崩壊を招かずにいられました。目標数等の公表については、陽性者の疫学調査とも関係しますが、感染者を受け入れている病院や陽性の方の人権侵害や風評被害のある中での初期の対応だったので、全体の数字を含めて公表が難しい場面もありました。実体的な医療機関の協力については、極めて多大なご協力をいただいて病床確保につながったと思います。今後の話になりますが、今回は緊急的に対応した部分もあるので、当然第1波が収束したこの時点で第2波に備えて医療提供体制を再構築していかなければいけないと思います。

 

記者

緊急事態宣言では知事に権限が付与されたことにより、全国の知事の対応に注目が集まっている。京都府でも動画配信などされているが、この間の発信についてどのように評価しているか。

 

知事

全ての新型コロナウイルス感染症対策は京都府民や事業者の皆様による協力によるものなので、協力していただける方に対して感染の状況や自粛の要請についてどれくらい緊迫感をもって伝えられるかということ、また、支援策についてどこまで伝えられるか、どのようにより多くの方に直接情報を届けるのか、ということが極めて重要だと認識しました。反省といいますか、今までの都道府県行政と違うということは実感しましたし、改善していく余地が十分あると思います。

 

記者

緊急事態宣言が解除され、緩みが出ると言われている中で発信は重要になる。府民への発信として、例えば大阪のようなライトアップ等は考えているのか。

 

知事

通天閣のようなライトアップが京都府民に向くのかは検討したいですが、ホームページ上で黄色・赤の注意喚起基準と行動自粛の再要請基準は常に数字等を表していきたいと思います。しかし、そういったものが出た時にどれだけ切迫感を持って皆さんにお伝えできるかということについては、今のご質問を踏まえて検討して参りたいと思います。

 

記者

府民に対しては不要不急の都道府県をまたぐ移動自粛を要請している。京都府は観光都市だが、京都府外から来る方には京都に来ることを遠慮してほしいのか、どのような姿勢か。

 

知事

全般的には京都は観光都市なので、新型コロナウイルス感染症が完全に収束した時には、多くの方に来ていただきたいと思います。今日発表している行動自粛は、5月31日までの10日間の話なので、全国に緊急事態宣言が残っている間はこの方針でやっていただきたいということです。新型コロナウイルスはなくなっているわけではないので、京都観光は今後どうあるべきかを考えていく必要があります。この1カ月で2,900人しか外国の方が来ていませんし、首都圏がこうした感染状況なので、以前のような状況に戻ることはありません。コロナがある状況でどうやって観光施策を取り戻すかは非常に難しい課題ですが、チャレンジしていこうと思っています。今どういう方針かと言われるとwithコロナ社会における観光戦略を観光産業に従事されている方と真剣に考えていきたいと思います。

 

記者

5月31日までは他府県から来てくれる方には遠慮して欲しいということか。

 

知事

今と同じく不要不急の移動は避けてほしいということです。今でも多くの方が必要に迫られて毎日大阪から、あるいは京都からも通勤しています。ゴールデンウィーク時には旅行や帰省について言いましたが、私の思いとしては不要不急の用事であれば、6月以降にしてくださいというイメージです。

 

記者

関西広域連合があまり開かれなかったようだが、開催されなかった理由は。

 

知事

「関西・GWも外出しない宣言」の発表等、ゴールデンウィークの時に2回開催しています。ウェブで行った際は、この会場で京都市長と私が関西広域連合としての要望を出しました。その時は吉村知事が家賃補助の法制化と支援制度について話されて、当初「検討する」となっていましたが、与党でもやっていますので「実現する」にすればいいのではと私から言いました。そしてそれがそのまま全国知事会の要望になりました。ですので、それなりに活動したと言う認識です。

 

記者

引き続き休業を依頼する施設の中に京都府には性風俗店があるが、大阪府の資料を見ると入っていない。どのような調整があったのか。

 

知事

そこまで細かいところまで調整していませんが、クラスターが発生した施設など、基本的対処方針の中の類似施設に入っていると思いますし、兵庫県は性風俗店が休業を依頼する施設の中に入っていると思います。

 

記者

大学の件で、府がガイドラインを作成し、それぞれの大学が感染拡大予防マニュアルを作成すれば、6月1日以降順次再開していくのか。

 

知事

府でガイドラインを作成し、各大学で独自にマニュアルを作られます。今、私が聞いている中で一番早い再開の希望は6月5日です。6月1日から再開するとしているところはなく、夏休みまでは再開しないと決めている大学があるなど、再開の判断は各大学によりかなりばらばらです。

 

記者

府のガイドラインが現段階で策定中ということは、遅れが生じているのか。理由はあるのか。

 

知事

遅れておらず予定通りです。

 

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