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令和2年7月29日知事記者会見

令和元年度一般会計決算ついて

1点目は、令和元年度一般会計決算の概要について御報告申し上げます。

細かな計数については、会見後、財政課長より改めて説明いたします。

 

(資料1ページ)

主なポイントを申し上げますと、府税については、新型コロナウイルス感染症の影響が出る前の企業業績等を反映しており、法人2税が増加しております。そのほか、地方消費税が増え、約82億円の増となっておりますが、このうち約78億円が地方消費税の増となっており、都道府県間の清算後の地方消費税収入については、約14億円の増となることから、実質的な府税収入の増は約18億円程度となります。

歳出では、社会保障関係経費が、医療費や介護給付費のほか、幼児教育無償化等の影響により約43億円増加しております。

なお、決算規模につきましては、歳入・歳出共に前年度より増加しておりますが、これは、消費税率引上げに対する支援策として新たな融資制度を創設したことによる中小企業融資預託の増や、防災・減災、国土強靭化のための基盤整備、京都スタジアム、府警察本部庁舎、保健環境研究所などの各種施設の整備等によるものです。実質収支は黒字を確保しておりますが、今後も、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費の増や新型コロナウイルス感染症への対応等を考えますと、引き続き厳しい財政運営が続く見通しだと考えております。

 

(資料2ページ)

府税決算については、先ほど申し上げたとおり、実質的な府税収入としては約18億円の増となっております。府税徴収率は引き続き高い水準を維持しており、98.8%でございます。

 

歳出決算については、先ほど申し上げたとおり、社会保障関係経費が約43億円の増となっているほか、商工費が中小企業融資預託の増等により約8億円の増となっております。また、防災・減災、国土強靭化のための基盤整備や、府警察本部庁舎の整備等により、それぞれ土木費や警察費が増加しております。

 

(資料3ページ)

歳出決算の主な取組と成果については、例えば、子育て環境日本一で申し上げますと、企業訪問等を通じて、子育てに優しい職場づくりを進める企業を支援し、336の企業に職場づくり行動宣言をしていただきました。また、新型コロナウイルス感染症につきましても、府内での感染者が確認されて以降、感染拡大防止に万全を期すために随時の補正予算を編成しておりますが、これについても今後とも万全を期していきます。

 

(資料4ページ)

府民利用施設の充実については、京都スタジアムや府警察本部庁舎、今もフル稼働しております保健環境研究所など、府民利用施設の充実を図ったところであります。

 

(資料5ページ)

最後に府債残高については、昨年度より545億円増加しております。臨時財政対策債を除く府債残高については、防災・減災、国土強靱化のための基盤整備のほかに、地域経済の活性化や府民の安心・安全の確保につながる各種施設の整備等に積極的に取り組んできた結果、207億円の増となっております。引き続き、後年度負担が過度とならないように、府債残高にも配慮しながら、持続可能な財政運営に努めます。

 

令和元年度一般会計決算ついて(PDF:829KB)

 

新型コロナウイルス感染症対策について

次に新型コロナウイルス感染症の関係についてです。

 

はじめに先日、京都市内におきまして、医療機関に入院されておられました新型コロナウイルス感染症患者のお二人の方がお亡くなりになりました。お亡くなりになられた方には心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様には心からお悔やみを申し上げます。

 

それでは発表項目に戻らせていただきます。

先日7月15日に「新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン推進京都会議」の合同記者会見において、ステッカーのデザインを発表いたしましたが、この度、関係機関との調整が整いましたので、明日7月30日から交付を開始しますので、お知らせします。

このステッカーは、ガイドラインに基づき、自ら対策に取り組むことを宣言する証として交付するものです。事業者の皆様におかれましては、感染拡大防止に取り組んでいただき、このステッカーを貼ることにより、対策の「見える化」に結びつき、お店や施設を利用する府民の皆様にとりましても、安心・安全が享受できることになると考えています。

ステッカーの入手方法につきましては、明日から開設する経済団体等の窓口へ申込書をご提出いただきたいと思います。おって、京都会議のホームページからもお申し込みいただけるよう準備をしております。

事業に関するお問い合わせは、「中小企業緊急経営支援コールセンター」や商工会、商工会議所等経済団体の窓口までお尋ねいただきますようよろしくお願いします。

なお、明日の午前10時30分から京都市内の飲食店、同じく11時から京都市内の旅館にてステッカーの掲示を行う予定です。詳細は改めてお知らせさせていただきたいと思いますので、是非とも取材についてのご協力をよろしくお願いします。

 

それから、店舗等の指導につきまして、ご説明申し上げます。

亀岡市におけるクラスターで、15名の陽性患者が発生しましたが、このクラスターの発生した店舗について、保健所の積極的疫学調査に続き、南丹保健所、南丹広域振興局、亀岡市等の職員で構成する新型コロナウイルス感染症拡大防止対策チームによる店舗の調査を実施します。

店舗の感染拡大予防ガイドラインの遵守状況等を確認し、改めてガイドラインの徹底や接触確認アプリの導入等を要請することとしております。

今回は初めての経験ということもあり、このような形で調査をさせていただきますが、今後は、場合によっては京都府警察本部のご支援をいただきながら、感染が発生してクラスター発生の危険性のある店舗に対する取組を市町村とも連携して進めて参りたいと考えています。

なお、明日7月30日午後1時30分から南丹広域振興局において、南丹広域振興局長出席のもとでいわゆる結団式を実施します。

なお、報道に当たっては、個人情報の保護に十分ご配慮いただきますとともに、店舗及び店舗周辺での取材及び撮影につきましては、ご遠慮いただきますようご協力をお願いします。

 

それから、政府の方で一定の方針が示されておりますが、イベントの開催制限等の扱いについて、政府の方針に沿ったものですが、現行のイベント開催制限を8月末まで維持したいと考えております。具体的には、屋内・屋外ともに5,000人以下、この要件に加えて、屋内では定員の半分程度、屋外でも人と人との距離をできるだけ2メートル確保をお願いしたいと思います。

なお、全国的な移動を伴うイベントや参加者が1,000人を超えるイベントについては、相談窓口を設けておりますので、京都府に事前に相談をしていただきますようお願いします。

お祭り、花火大会、野外フェスティバル等につきましては、全国的なものや広域的なもので、参加者の把握が困難なものについては、引き続き中止を含めて慎重に検討いただきますようお願いします。

なお、地域で行われる盆踊り等、参加者がおおよそ把握できるものについては、引き続き適切な感染予防措置を講じた上で開催していただきますようお願いします。

従来は8月から緩和される予定でしたが、コンサート、展示会、プロスポーツ等、全国的・広域的なお祭りや野外フェス等については、8月末まで(開催制限を)維持させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 

私からは以上です。よろしくお願いします。

 

「ガイドラインス申宣言事業所ステッカー」の交付(PDF:328KB)

京都府新型コロナウイルス感染症拡大防止対策チームによる店舗指導の実施について(PDF:168KB)

クラスター発生店舗への調査の実施(PDF:296KB)

8月末までのイベント開催制限等(PDF:372KB)

 

質疑応答

一般会計決算について

記者

決算は新型コロナウイルス感染症の影響の反映前となるが、その分を含めたとしても知事として、主に歳出についてこの程度の増加に収まってよかったと思うか。

 

知事

もともと財政状況は厳しい状況ですし、構造的には社会保障関係費の増も含めて厳しいです。特に令和元年度は、防災・減災や国土強靱化のインフラ整備、また、施設整備においても、スタジアムや府警本部庁舎、保健環境研究所が供用される年にあたり、一定の増がありました。そうした中では、比較的経済状況が良かったことを反映して府税も伸びていますので、なんとか持続可能な財政構造は維持できたと思います。ただ、今後のことを考えますと、今年度、来年度に向けて相当財政状況が厳しくなりますし、新型コロナウイルス感染症の影響が歳出側でもどれくらいの影響を与えるか予断を許さないので、全く違う次元のフェーズに行財政運営が入らざるを得ないという危機感を持っております。

 

記者

「違う次元のフェーズの行財政運営」に関して、今後必要になることや想定されるシナリオを考えていれば教えてほしい。

 

知事

当面は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防に伴う財政需要と社会経済活動を維持するための財政需要をどう対応するかで精一杯で、それを今後どう持って行くかというシナリオは今のところありません。これは京都だけの問題でなく全国的に解決しなければいけない課題であり、政府の方にもそうしたことを申し上げないといけません。

 

記者

どこの自治体も財政運営が厳しいと思うが、特に国や政府に要望したい、望んでいくべきことはあるか。

 

知事

もともと地方財政対策として一般財源総額の確保を言っておりましたので、今回地方で対応しないといけない財政需要がかなりたくさんありました。まずは、地方の声に十分耳を傾けていただきたいです。税収の見込みが立ちにくいと思いますが、的確に見通しながら、国には地方の声を反映するようお願いしたいと思います。

 

記者

地方消費税収入の約14億円の増は、京都府の規模からは妥当な額だと思うか。

 

知事

歳入の決算額全体は78億円の増ですが、都道府県間で清算する仕組みがあり、これが約14億円の増となっています。我々は妥当だと思っていますが、全国で様々な声があり、より実態に近づける努力は常に国にやっていただきたいと思います。ただ、今回の額については異論をはさむものではないと思います。消費税は最終消費でかけますが、税の納付は一括して企業から入って、そこを調整していますので、誰から見ても公平に税負担をしている人に戻っていると思える制度であるべきだと思います。

 

記者

今後、消費税だけでなく交付金分配の問題が大きな問題になると思うが、知事の意見はあるか。

 

知事

これは、全体の問題というよりも東京一極集中の是正の問題で、以前から言われていることです。企業所在地において独自財源である地方税収が高いのは、都道府県間の財政の格差を生んでいるのは事実だと思います。それがいったん国で吸い上げて分配するのがいいのか、地方分散を図って税源自体を分散すればいいのか、いろんなご意見があると思います。東京に地方税収が集中しすぎているのはずっと問題だと思っていることなので、東京一局集中の是正を図るうえで大きなポイントだと思います。

 

新型コロナウイルス感染症関連

記者

昨日、新規陽性者が31人と過去最高となり、重症者が増えて死者も出ている。連休前と連休後で状況が変わってきていると思うがどのように考えるか。

 

知事

昨日、1日あたりの新規感染者数が31名と過去最多となりました。少し前には京都大学で課外活動に伴うクラスターが発生し、新たな感染流行期に入ったと思っております。より緊張感をもって警戒すべき時期にきていると思っています。全体の傾向としては引き続き30歳代以下の比率が高く、飲食を伴う会合に起因するものがおよそ半分という傾向は変わりません。ただ、ご指摘のとおり徐々に重症者の方が出るとか、比較的若年層の方から比較的年齢の高い方への感染が確認されており、警戒をして感染拡大予防に万全を期さなければいけないと思っております。

 

記者

徐々に感染者数が増えている中で、どのようなことを府民に励行してもらいたいか。

 

知事

一つは、以前からも言っておりますが、感染が発生する、特にクラスターが発生している事例をみると3密の状態で起こっていることが非常に多いです。改めて3密を回避する、そのうえで手洗い・マスク着用等の基本的な感染予防対策を心がけていただきたい。

それから、今後はターゲットを絞った感染リスクの高い事柄に対する対応として、飲食については、大声での会話やカラオケを伴うもの、回し飲み、大皿からの取り分けるといったことがしばしば感染につながっているので、そういうことを特に注意をしていただきたいです。その中でも接待に伴う飲食店での感染も発生しておりますので、そういうところに行かれる方には特に注意していただきたいと思います。

事業者の方にはガイドラインを守っていただくことをお願いししますとともに、利用者の方にはガイドラインを遵守しているところに行っていただき、遵守していない店舗の利用はなるべく控えていただきたいと思います。

また、大学の後期の授業がいずれ始まります。春先の緊急事態宣言解除時にはヒアリングしてガイドラインを決めましたが、どういう状況でそれぞれの大学が後期の授業を予定されているのかを把握した上で、改めて今の感染状況を踏まえた大学の後期授業の再開に向け、新しい観点も入れながら様々なお願いをしていかなければいけないと思います。これは今、内部で検討中です。

 

記者

ステッカーについて、貼っていても100%安全ではないが、貼ってあればガイドラインを守っている証ということであるが、どういった効果を期待するか。

 

知事

一つは、利用される方にガイドラインを遵守している店舗を見える化をすることによって、府民の皆様に利用にあたっての安心感を与えることができます。もう一つは業界団体等を通じて自主的な取組として行っているものですが、最終的には、事業者の方が真剣になってガイドラインを遵守するという姿勢になってもらわないといけませんから、ガイドラインに沿った感染予防措置を取っていただく店舗がより増えることが重要です。ステッカーの交付を通じてガイドラインを遵守する店舗の拡大につなげたいと思っております。

 

記者

もし本日37人の新規陽性者が出た場合、特別警戒基準に達するが、最近の感染状況からすると絶対にないとは言えないと思うが、この数字をどのように認識しているか。

 

知事

基準に達すれば自動的に何かを行うということではなく、今の感染拡大期のフェーズはターゲットを絞ってより効果的な対策を講じていく局面だと思います。これまでも検討を重ねておりますので、対策は適宜必要に応じて講じていきます。ただご指摘のとおり20人は一つのラインなので、それを達成したということであれば、改めて呼びかけも含めて府民や事業者の皆様にお願いしないといけないと思っています。

7日間移動平均なので、20人前後が続いていますが、瞬間風速的にはそのレベルに達していると思います。1週間平均して20人に達したから急に危機感を持つということではなくて、今の感染状況についてはずっと危機感を持って注視して対応を検討しておりますので、改めて何かを検討することではありませんが、20人に達することを踏まえて対応を検討します。

 

記者

特別警戒基準に達した場合の対策は決められたものがあるわけではないのか。

 

知事

今のところターゲットを絞った対策となりますと、感染経路がわかっている中で比較的多い飲食店に絞るとか、既に大学由来のクラスターも発生していますので、京都の特徴である大学生が戻ってくることにどう対応するかなどについて検討しております。また、今日発表した亀岡のクラスター発生店舗への調査や、京都市も全体の取組の一環として個別店舗への働きかけをしています。そういうことも合わせて、今まで感染が発生した施設、また今後クラスター発生のおそれのある施設にターゲットを絞った対策を講じていこうと考えています。

 

記者

一度クラスターが発生した店舗を調査しても、その時の状況が分かったとしても、もう一度そう簡単にクラスターは出さないと思う。むしろクラスターを出していない店舗への調査の方が効果的だと思うが、当面はクラスター発生店舗に働きかけをする方針のままか。

 

知事

ご指摘のとおりだと思います。ただ、出発点としては、クラスター発生施設についてはもともと積極的疫学調査にもご協力いただいておりますし、その過程でガイドラインが遵守されていなかった部分はどこかとか、どのように発生して、今後営業を再開する際にはどのような注意するかはおっしゃっていますが、そこはまずきちっと調査して固めたうえで、いずれ、更にクラスターが発生するおそれのある施設に広げていこうと思います。ただし、京都の発生状況は、東京や大阪のような大都市のような発生状況があるかというと、エリアの問題や地域の個性がありますので、対策は同じではないと思いますが、ご指摘はそのとおりだと思います。いずれ感染拡大予防の観点に立てば、調査や取組の範囲を徐々に広げていくことは必要だと思います。

 

記者

大阪府では飲食店で5人以上の会食をしないとか、東京都では高齢者福祉施設を中心にPCR検査を重点的に行うなど、個性に合わせた対策打ち出しているが、京都府では具体的に考えていることはあるか。

 

知事

感染状況の分析の中でも飲食店での飲食を伴う会合での感染が大きな割合を占めているので、ここにターゲットを絞った対策を行うことがいいと思っています。人数制限について、5人のラインがいいかは別にしても、一定程度の人数以上の会食になれば声が大きくなり、席の移動もあり、間仕切りをしても意味がなくなるなどいろんな事例があります。西村大臣も観光との関係で大きな宴会を伴うような旅行は控えるようにと言われているようにリスクは高いと思います。

京都のクラスター発生事例でも、最初は合理的な行動をしていてもだんだんコロナのことを忘れて、長時間にわたって何軒かを一緒に移動するということもあったので、そういう時間のこともあります。大阪府の場合は8月20日までですが、感染状況とどこまでターゲットにするかは検討中です。いずれにしても効果があるものでないと駄目だと思いますし、しかも守ってもらわないと影響範囲が大きいと思いますので、そこも含めて検討しているところです。

 

記者

わかりやすい数字というのは検討しないのか。

 

知事

わかりやすい数字はそれだけ根拠が求められると思いますが、それほど時間をかけて検討することはありません。

 

記者

検討ということは、ガイドラインを守るだけでなく踏み込んだ対応を検討し、飲食店に対し何かやっていくということか。

 

知事

事業所に対してはガイドラインを守ってもらうことが一番重要で、ガイドラインを遵守している店舗にステッカーを貼り、ステッカーのある店を使っていただくという流れを普及したいと思っています。先ほど出ている人数については、利用される側への呼びかけで、ガイドラインとは別で、利用する側の心がけについてどう呼びかけるかということを検討しているので、ガイドラインそのものを変更するような検討をしているということではないです。

 

記者

店舗だけでなく利用者に対しても踏み込んだ対応が求められると思うがどう考えるか。

 

知事

感染予防は施設側だけで対応していても、使い方を間違えば感染は防げません。客と店の関係では、店側が例えば客にマスクを着用してくださいと言いにくいという声も大きいです。利用する側の感染予防措置とセットでないと感染予防の効果は出ないと思います。ターゲットを絞った効果的な施策でないと意味がありません。春のようにすべてを止めるようなことはできないので、踏み込んだ対応はしなければならないと思いますが、それを検討しているとご理解ください。

 

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