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鴨川真発見記<187から192>

 

 

2015鴨川 春から初夏へ 新緑の中で過ごすひととき(第192号)

鴨川を満喫するエトセトラ その3

 

 前回まで「その1」、「その2」として春から初夏の鴨川の様子をご紹介しました。今回は「その3」としてご紹介したいと思います。

 

 ある日の朝8時頃、出町橋の上流を歩いていると、視界に茶色いものが入りました。その方向に視線を向けると、トビのひながジッと佇んでいました。

<視界に入った茶色い物体 トビの幼鳥>

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 “ひな”といっても猛禽類ですから、小さくても近寄りがたい風格があります。少し様子を見ながら日本野鳥の会京都支部の中村桂子さんに連絡しました。

 あまり近づくと親鳥の攻撃を受けるかもしれません。「そっとしておいてあげて」とアドバイスを頂いてその場を離れました。

 

 トビの幼鳥を間近で見るのは初めてです。まだ羽も生え揃っていない様子で、飛べるのだろうかと少し心配になりました。

<目を閉じる>                                                   <遠くまで見通せる大きな瞳>

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 次に姿を見せてくれたのは、セグロセキレイの幼鳥です。第190号でご紹介しました“アオサギ”同様に脚の関節を前に曲げて水の中を歩いていました。

 その傍では親鳥でしょうか?全身に水を浴びて、幼鳥の様にくしゃくしゃの姿になっていました。

<セグロセキレイ 幼鳥>                                      <水浴びをするセグロセキレイ 成鳥>

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 巣立ちの季節を感じます。

 

 こんもりと丸く剪定された“ビョウヤナギ”が黄色い花を咲かせています。早く咲いた花は盛りを過ぎましたが、北山を借景に大きな黄色い花びらが存在感を示しています。

 

<綺麗に除草された鴨川公園で>

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<咲き始めのビョウヤナギ>                                     <盛りを過ぎたビョウヤナギ>

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 ビョウヤナギとは対象的に小さな花を沢山咲かせているのは、“シモツケ”です。ピンクや白の花から小さな突起物が出て紗(シャ)がかかっているようにみえます。

 

<ジモツケ>

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 小さな花の周りでは、これまた小さなハチの様な昆虫が飛び回っていました。この春生まれた新しい命でしょうか。

<静かに飛んでいた昆虫も葉の上で一休み>

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 前号でご紹介しました人工的に残したワンドの鯉の卵はどうなったのかと、再び現場に行ってみました。澱みにあった草は流されたようですが、ワンドの中には鯉が入っていました。川底には草が生えていて、これなら流される心配はないでしょう。

 

 

<ワンドの草は流されたようです>

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<代わりに川底に草>

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黒いマゴイに混ざって、金色の錦鯉もワンドに入ってきました。ひところ世間で話題になった「人面魚」というのがありましたが、この錦鯉も人の顔の様な模様でした。

<黒いマゴイ>                                                  <人面魚のような錦鯉>

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白い雲の切れ間から青空が覗いています。周りの白が青空を際立たせさせて、川面に映し出されていました。雲一つない青空の時には、川面が全体的に青くなるのであまり意識しませんが、とても綺麗に映っていました。

<水面に空を感じる風景>

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 空を旋回する大きな“トビ”を眺めていると、朝見た“トビ”のひなのことが気になりはじめます。あれから6時間、時刻は午後2時を回っています。際ほどの場所に戻ってみると、同じ場所に佇んでいました。

<かれこれ6時間 同じ場所に佇んでいました>

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 エサもなく寂しそうに大きな瞳をこちらに向けていました。自然のものは自然のままに、自力で塒(ねぐら)に戻っていくことでしょう。翌日にはその姿はありませんでした。

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 高野川の浚渫現場では、4月初旬には背の低かった雑草が、天に向かって背丈を大きく伸ばしています。草むらに身を隠そうとヘビもその中へ消えていきました。色んな生き物のすみかになっています。

<4月11日の様子>                                         <6月6日の様子>

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<陽気に誘われてヘビも“にょろり”>

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 高野川から引き入れられた農業用水で満たされた田では、マガモがエサを探して歩き回っています。これぞ自然の合鴨農法(あいがものうほう)といった感じです。

 

<田んぼの中にカモ発見>                     <エサを探して歩き回る>

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 3回に分けて2015年の春から初夏の様子のご紹介でした。御覧頂いた方から、「いつでもどこでも自然観察」とのコメントを頂きました。

 

 これからも鴨川の“気になる”を探してご紹介させて頂きたいと思います。

                                    平成27年6月8日 (京都土木事務所Y)

2015鴨川 春から初夏へ 新緑の中で過ごすひととき(第191号)

鴨川を満喫するエトセトラ その2

 

 今回は、前回「その1」としてご紹介しました同タイトルの「その2」をご紹介したいと思います。

 

 5月の初旬、鴨川源流雲ヶ畑を日本野鳥の会京都支部の皆さんと一緒に歩きました。雲ヶ畑に到着してすぐに出迎えてくれたのは“オオルリ”でした。木のてっぺんに留まって綺麗な声で鳴いています。

 

 日本三鳴鳥(にほんさんめいちょう)に数えられる美しい鳴き声の野鳥が「ピリーリー」と澄んだ青空に響いていました。

 

 あまりに遠く、デジカメではハッキリと撮影は出来ませんでしたが、スコープで覗いた“オオルリ”はまさしく「ルリ色」に輝いていました。

<木のてっぺんに“オオルリ”>                               <少し拡大すると>

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<スコープや双眼鏡で観察>

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 この“オオルリ”全く人の手の届かない木のてっぺんで鳴いていますが、その“巣”はというと、なんと人の手の届く場所に作るそうです。そんな話を聞きながら進んでいくと、道路沿いの窪み(人の腰辺りの高さ)に杉の葉や苔で作られた巣がありました。

 

 今季の繁殖用の巣ではなく、過去のものだそうです。ひながヘビなどに襲われないか心配になるような場所でした。

 

<“オオルリ”の過去の巣>

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 野鳥の鳴き声は響いていますが、姿はなかなか見ることができませんでしたが、雲ヶ畑の植物を堪能する事が出来ました。以前紹介しました「クリンソウ」が、あちらこちらにかわいい花を咲かせています。

 

 今回初めて知ったのが、「ハナイカダ」です。その花は葉の上にイカダに乗った様に咲く植物です。その名の由来が一目でわかる植物でした。

 

 

<クリンソウ>                                             <陽に照らされて葉に浮かび上がる影>

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<小さな花のつぼみが乗っている“ハナイカダ”の葉>

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 参加者の中に、折り紙の指導員資格をお持ちの手先の器用な方も参加されていました。おもむろにハサミを取り出し葉をカットされました。出来上がったのは、笑い顔のお面でした。

 

 参加者の一人に手渡されると、受け取った方も満面の笑みでカメラに向けて頂きました。

<チョキチョキとハサミを入れると>                           <お面の出来上がり>

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 また、茶色い濃淡模様の折り紙を取り出されて、歩きながら折り目が入っていくと、見事に枯葉の出来上がりです。折る前に名前を書いて名刺にすると、相手の印象に残りますよと頂戴しました。

<折り紙で枯葉>

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 影、ひなたと光の演出が続きます。ホウバなどの大きめの葉が陽の光に透かされて、緑の光が注ぎます。葉脈が透かされています。「手のひらを太陽に透かしてみれば」のフレーズが思い浮かびます。

 

<緑に輝く大きな葉>

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 地表では、自生のフタバアオイの光沢ある葉の表面が陽の光に輝いています。

<自生するフタバアオイ>                                   <光輝いて>

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 地表で光輝いているのは、植物だけではありませんでした。ぴかぴかのフンコロガシが陽の光を反射して宝石の様に輝いていました。

<ぴかぴか光る>                                        <フンコロガシ>

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 紅葉の青葉からこぼれる「木漏れ日」を仰ぎ見ながら雲ヶ畑をあとにしました。

 

<青い紅葉の葉の間から木漏れ日>

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 再び街中の様子をご紹介します。新聞でも報道されましたが、高野川の浚渫現場(鴨川真発見記第186号参照)で人工的に作ったワンドの様子です。

 

 賀茂川漁業協同組合の方が、ワンドに草を投入されて、鯉の産卵場所となるよう期待されていました。

 

 その後の調査で、鯉が沢山の卵を産卵しているのが確認されました。澤組合長から情報を頂きましたので、現場に行ってみるとお話しにあったとおり、葉の裏側に小さな卵が産み付けてありました。コチラも陽の光に照らされてキラキラと光っていました。

<草を投入した当日の様子>

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<数日後の様子>                                        <一見変化はわかりません>

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<葉を裏返すと>                                          <光るつぶつぶの卵を確認>

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 ワンドの外では、大きなナマズが川底の土を“はむはむ”しています。自然界の食物連鎖を連想させる光景でした。

<大きなナマズが>                                      <土を“はむはむ”>

画像:ナマズの様子 

 

 高野川の飛び石でも、保護者の方が幼い子どもを補助しながら渡っておられます。飛び石が、親子のふれあいを繋ぐツールとしても活躍してくれているようです。

<両手を取って>                                          <さあ次へ>

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 親子のふれあいといえば、高野川から取水された綺麗な水が流れる泉川で微笑ましい遊びをしている親子と出会いました。

 

 泉川は網目の様に松ヶ崎地区を流れています。田植えのシーズンを迎えていつもにまして豊富で綺麗な水が流れています。京都工芸繊維大学のグラウンド北側にも小さな水路が流れています。

 

 その水路沿いをお父さんと娘さんが、水路の中を覗き込みながら走ってこられました。小さな水路に手作りの舟を2つ浮かべて、どちらの舟が速いか競争です。

<スタート>                                              <あっ、見えた>

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 側溝蓋で塞がれた中で、抜きつ抜かれつ、何度も競争されていました。途中何かに引っかかると、覗き込んで救出す。  この親子、水の綺麗なこの土地へ最近引っ越してこられたそうです。水が繋ぐ親子のふれあいを感じました。

<走れ!走れ!>                                        <まだかな?>

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<散歩中のワンちゃんも何してるの?>                    <おっと引っかかったか?>

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<お母さんも見守ります>                                  <さあもう一度>

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 家庭にあるもので作られた手作りの舟を見せてもらいました。古きよき時代を彷彿とさせる遊びです。安全につきあえば、遊びの可能性は無限に広がる水なのでした。

<食品トレイに割り箸 どっちが早いかな?>

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 街中でも野鳥をご紹介します。目に特徴のある小さな野鳥2種類です。動きが素早く、普段あまりうまく撮影出来ないでいた野鳥です。一種類目は“コチドリ”です。

 黒目の周りが金色で、ごろごろ石の礫河原で“トコトコトコ”と素早く移動します。止まったところでピントを合わせてパチリ。目のまわりが金色に輝き、金環日食のようです。

<白い襟巻きの様な首元>                               <コチラを向きました>

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<草の陰から鋭い目>                                    <いつ撮るの、今でしょ>

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 日本野鳥の会京都支部から、コチドリが礫河原の中州で営巣しているとの情報を頂きました。写真に写っている“コチドリ”が卵を抱いていたそうです。そっと見守ってあげてください。

<営巣するコチドリ 写真提供:日本野鳥の会京都支部>

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 そして2種類目は、その名のとおり目の周りが白い“メジロ”です。コチラも素早く飛び回りカメラで追うのが難しいです。サクラの葉が保護色となって目立たない中、太めの枝の上で静止しました。

 

 よし今だと白い目にズームを寄せると、その時振り上げたくちばしの先には虫が咥えられていました。「捕ったぞ-」といわんばかりのポーズで一枚撮影させて頂きました。

<写真中央に目が見えます>                            <ローアングルで>

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 春から初夏にかけて繰りひろげられた様々な様子を2回に分けてご紹介させて頂きました。都会を流れるこの川が豊かなまま次世代に引き継ぐ事が出来る様に願いつつ失礼いたします。

                                          平成27年6月4日 (京都土木事務所Y)

【おまけ】

 知り合いと電話で話していた時の事です。雲ヶ畑で止めておいた車の中に小鳥のひなが迷い込んで甲高い声で囀っていると電話口で騒ぎだしました。とりあえず写真に撮って送ってもらい、野鳥の会の中村桂子さんに送ると、“ヤブサメ”のひなとの事でした。

 中村さんからのコメント「車に野鳥が迷い込むなんて。なんと幸せな方でしょう」。その後ひなは無事自然に帰って行きました。

<車に迷い込んだ“ヤブサメ”のひな>

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2015鴨川 春から初夏へ 新緑の中で過ごすひととき(第190号)

鴨川を満喫するエトセトラ その1

 

 鴨川真発見記では、季節毎に移り変わる鴨川の風景や様々な営みをご紹介してきました。今回も春から初夏にかけて出会った光景をつなぎあわせてご紹介したいと思います。

 

 前回の第189号では、鴨川上流域のコンクリートガラなどの撤去の様子をご紹介しましたが、市街地の鴨川で個人やグループでゴミ拾いをする方に出会いました。

<高野川の右岸の寄州にて>                          <ゴミを拾い上げる>

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 高野川沿いを下流に向かって歩いていくと、若者がゴミ袋を手に川の中や園路のゴミを拾ってくれていました。お話しを聞くと同志社大学のボランティアサークル「ASUVID今出川」の皆さんでした。

<前方からもゴミ拾いグループがやってきました>

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 彼等のサークルは京都周辺で地域に根ざしたボランティア活動を展開されています。その一つが鴨川での清掃活動で「鴨川清掃」、通称“かもそう”だそうです。

<「ASUVID」の皆さんこれからもよろしくお願いいたします>

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 京都市から支援を受けた指定ゴミ袋に、川の中のゴミを拾い集めて頂きました。学生の街京都を感じるとともに、若者の心意気に感謝です。ゴミがないと気持ちいいですね。

 

「ASUVID」の詳細はPDFで御覧ください。

※同志社大学登録団体「ASUVID」PDF(PDF:384KB)

 

 次にご紹介するのは、個人的に川の中を掃除して頂いている方のようです。キラキラと光る川の流れの中に少年とお母さんが足を浸けて涼んでおられました。その傍で長靴を履いて川の中のブロックの隙間に挟まったゴミを拾い上げる男性の姿がありました。

 

 一見、ごみ拾いをする服装では無い?(ワイシャツにスラックス)でしたが、見かねて川に入られたのでしょうか。キラキラ光る川面にゴミは余計ですね。

 

 

<落差を越えて気持ちいい>                   <キラキラ光る流れに囲まれて>

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<ここにもゴミがあるよ>                     <隙間のゴミを丁寧に>

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 また違う場所では、マラソン大会のランナーが走る中、川からゴミ袋を運びあげてこられた方がおられました。水を含んだゴミは相当重そうで、重労働です。「ありがとうございます」と声をかけさせて頂きました。

 

<ズッシリ重そうなゴミ袋>                           <一歩一歩運んで頂きました>

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 鴨川を少しでも綺麗にしたいという人々の活動に感謝しながら、楽しそうに過ごす皆さんの様子もご紹介させて頂きます。

 

 前出の同志社大学のサークル「ASUVID」が活動されていた下流、出町の飛び石では、多くの親子連れが飛び石を楽しんでおられます。小さいお子さんは自分で飛び石を飛ぶには少し間隔が広く、保護者に抱かれて楽しんでおられました。

<譲り合ってすれ違い>                      <元気に飛び回る子ども達>

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<お母さんにしがみついて>                    <お父さんに手を引かれて>

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 いいお天気のこの日、心も弾むようです。他府県からお越しの女性二人組の方は弾む心を体で表現したかったようです。お声を掛けてジャンプ姿を撮影させて頂きました。

<青空にジャンプ>                                            <息もピッタリ>

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<何度もジャンプを撮影されていました>

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 晴れた日に、川沿いの木陰を歩くのも気持ちのいいものです。お母さんに手を引かれた少女が、階段を登り降りする姿がありました。遊具なんか無くてもあるものでそれぞれの楽しみ方が出来ますね。

 

<おいで>                                                    <階段の登り降り>

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 適度に陽の当たる散歩道。両親と歩いた川沿いの道は、少女の記憶に残る事でしょう。

<両親に見守られながら>

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 私も新緑を感じながら、靴を脱いで木陰で休憩してみました。楽しそうに憩う皆さんをしばし眺めてみました。大文字山をバックに出町の合流点、絵になりますね。

<抜ける様な青空と共に>

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 一緒に新緑を楽しんでいた妻が、緑の絨毯となっているシロツメクサの中から、いわゆる「四つ葉のクローバー」を見つけました。新緑の気持ちよさに、「ラッキー」というおまけを添えてくれました。

 

<四つ葉のクローバー>               <あなたも探してみませんか>

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 中州では、カモに混ざって日光浴するアオサギの姿があります。普段はスッと佇むアオサギですが、この日は膝を折り曲げて休んでいました。この光景を見て、これまで違和感なく眺めていたサギの歩行を再認識しました。

 

 脚を前に出す時に、間接が人間の脚とは逆方向に曲がっています。膝を折り曲げると人間とは逆になる姿、初めて見ました。人間の正座の様な姿です。

<カモと並んで“アオサギ”の姿が>

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<真横から>                           <斜め前から>

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 中州除去で計画的に残した部分では、少年が石で遊んでいました。ごろごろ石の礫河原では、野鳥も人も憩いの場です。

<河合橋上流の中州>                                      <人の膝はアオサギとは逆方向に>

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 この日アオサギとは対象的に体を真っ直ぐに伸ばして遠くを眺めるような姿勢をしていたのは“ダイサギ”です。いつもは首を曲げて佇んでいますが、ピンと直立不動です。

<普段はこんな感じ 脚をクロスしてポージング>

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<石の上で>                                                  <気を付け>

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 初夏を迎えた鴨川では、夏の風物詩鴨川納涼床の準備も整い、営業が始まっています。その床の前に広がる鴨川の高水敷では、青々とした芝生の上で人々が集っています。

 

 少し盛り上げた芝生を背もたれにしたり、その上に寝転んだりと夕涼みの光景が、納涼床の灯りとともに京都らしさを演出しています。京都らしさの議論は時代によって変化してきましたが、現在の鴨川の京都らしさはこの風景が物語っているのかもしれません。

<四条大橋から上流を望む>                    <納涼床の灯りがともり始めます>

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<三条大橋下から下流を望む>                  <緑の芝生を楽しんで>

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 今回は、春から初夏の鴨川、高野川の街中の様子を「その1」として紹介させて頂きました。次回は「その2」として鴨川源流の様子を盛り込んでご紹介したいと思います。

                                                                                                  平成27年6月4日    (京都土木事務所Y)

 

 

 

鴨川上流を少しでも自然の姿に戻す取組(第189号)

ガレキなど撤去開始 生き物にもやさしく

 

 新聞報道やTVなどのマスコミ報道で御存知の方も多いと思いますが、鴨川上流域に散乱していた投棄物を人力撤去する取組が“鴨川を美しくする会”の主催で実施されています。

 

 その様子は新聞報道や鴨川府民会議の資料等でご確認頂ければと思いますが、今回ご紹介するのは、京都土木事務所の取組として人力では撤去が不可能な大きなコンクリートガラやアスファルトガラなどのガレキ類を重機で集めて撤去している様子です。

 

 下流からバックホウで拾い集めたガレキ類を、河川をできるだけ濁さないように右岸の河原へ集め、そこでガレキ類のみを選別し、2台のバックホウがリレーして受け渡し、対岸に止めたクレーンで吊り上げて搬出する作業が4月30日に始まりました。

 

<写真左に重機の通り道を造って上流へ>

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 雲ヶ畑へと続く道路にクレーン車を設置し、片側交互通行に規制して作業が進められました。

<片側交互通行 交通誘導員配置>

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<2台のバックホウでリレー搬出>

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土と共にすくい上げたガレキ類をメッシュ状になっているバケットを振動させて、振るいにかけます。

<すくい上げて>                                               <振るいにかける>

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 それを広げたシートの上に乗せて包み込んで搬出します。この時、混じった自然石は人力で川にもどして、中継のバックホウにリレーします。それをクレーンで吊り上げて、道路上に止めたトラックに積み込んでいきます。

 

<広げたシートにのせて>     

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<自然石は人力で選別>

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<吊り上げて>                                                 <クレーンの元へ>

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<クレーンで高く吊り上げ>                                     <トラックに積み込み>

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 ガレキ類が拾い集められて綺麗になった川の中の様子と、搬出作業の様子を併せて見てみました。

<工事看板>                                                  <川の中へ>

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 散乱していたガレキ類は拾い集められ、自然石がごろごろと転がる河原が広がり、澄んだ水が淵を充たしていました。

<自然な河原の復活>                                       <淵を満たす澄んだ水>

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 今後も作業方法を試行錯誤しながら、自然にやさしい工夫をした作業を実施したいと考えています。

 

 そんな鴨川上流で自然を感じる動植物に出会いました。三種類の花です。下唇を突き出した様な花とそれに似たような野草です。そして綺麗な色違いの花もみることができました。

 私にはなんという野草かわかりませんので、詳しい方に聞いてみました。“ラショウモンカズラ”という野草の花と、それと似た花は“カキドオシ”でした。

<ラショウモンカズラ>

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<カキドオシ>

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 そして紫系の花を咲かせているのは、サクラソウ属の花との事でした。

<サクラソウ属の花>

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 高くそびえる高木の上からは、藤の紫色の花が垂れ下がっています。ツルを伸ばして高い所まで登り詰めたようです。藤棚ならぬ藤ツリーですが、この状態が良いのか悪いのかはわかりませんが・・・。

 

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 自然を感じながら、作業現場を後にしました。その途中でも自然の営みを目にする事が出来ました。川の中の石ころの上でトカゲが繁殖行為をしていました。

<足元にトカゲ発見>                                            <よく見ると繁殖中>

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 様々な生き物の“すみか”でもある鴨川上流が綺麗になって、彼等も喜んでいる事でしょう。

                                                                                                 平成27年5月21日  (京都土木事務所Y)

【追伸】 更なる取組

    重機によるコンガラなどの一部撤去完了後の5月16日に、川の中に残された廃棄物をボランティアの方々が人力で回収すると共に、「鴨川府民会議」主催で道路沿いの不法投棄を警戒するパトロールが実施されました。

<鴨川府民会議による不法投棄パトロール開始>

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 川の中では、ウエットスーツに身を包んだダイバーが川底に沈んだ鉄筋などを拾い上げ、一般の方は河原に残されたゴミを拾い集めました。

<ウエットスーツや胴長姿で川の中へ>

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<残ったゴミを拾い上げる>

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<回収されたゴミをトラックで搬出>

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 パトロールでは、河川の不法投棄の現状や、今まで京都市や地元で取り組まれてきた対応策について現地で確認しました。今後防止策が検討されます。

<パトロールで不法投棄の現状を確認>

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 こうして行政と住民が協働する事により、鴨川源流は元の姿を取り戻そうとしています。注目を浴びる事で不法投棄させない環境が保たれていく事でしょう。

                                                                                                                                                                    (京都土木事務所Y)

  

平成26年度鴨川河川工事完成の様子をご紹介(第188号)

様々に繰りひろげられる鴨川の様子と共に

 

 鴨川真発見記では、折りにふれて鴨川の治水工事の様子をご紹介していますが、今回も平成26年度に完成した工事の様子を、春の鴨川の様子と共にご紹介したいと思います。

 暖かな日差しが届く平成27年4月22日に、工事完成箇所のいくつかの現場を巡りました。最初に向かったのは西賀茂橋の下流で補修工事をした飛び石です。

 その前に、前号でご紹介しました御薗橋左岸下流のスロープ上部に咲いている黄色い桜「ウコン」の変化を見に行きました。前号でもお知らせしましたとおり、薄黄色かった花の真ん中の部分が赤く色づき、全体的にピンクがかってきていました。

<手前「ウコン」>                       <真ん中が赤く全体的にピンクが広がる>

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<こちらの枝はまだ薄黄色>                <全体的にはピンクと同化 手前ウコン>

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 西賀茂橋に向かう途中の寄州に出来たワンドでは、アオサギが獲物を狙っています。その傍では、流れの無い穏やかなスペースで大きな鯉が悠々と泳いでいます。この場所で産卵するのでしょうか。

<寄州に出来たワンド>                  <流れの無い水面に写るアオサギ>

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<大きな鯉の姿も>                    <鯉を避けて移動するアオサギ>

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  西賀茂橋にやってきました。この場所の飛び石は、元々小さなブロックの飛び石でしたが、土砂が堆積して埋もれていました。土砂の撤去でその姿が再び現れましたが、小さくて渡りづらいのと所々破損していいましたので、大きめの四角いブロックで補修して渡りやすくしました。

 この日は前日までの雨で水量が増していましたので、少し水をかぶっていましたが、川の様子を見にきた方が渡っておられました。4月22日はまだ供用を開始していませんでしたが、ゴールデンウィークには安心して御利用いただけます。

<西賀茂橋下流の飛び石>                 <水がスレスレまで>

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<川の様子を見にこられた方>             <増水時は渡れません>

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 <夏の晴れた日には子ども達の楽しげな声が聞こえてくるでしょう>

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 ゴールデンウィーク明けには、渡り鳥として大陸に向かう「キンクロハジロ」の姿も今季は見納めです。潜っては浮上して、水玉をはじかせながら気持ち良さそうに泳いでいました。

 <名残惜しいキンクロハジロ>            <太陽の陽差しに光る水しぶきと共に>

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 四条大橋下流にある団栗橋までやってきました。鴨川夏の風物詩「納涼床」の設置工事が進んでいます。早いお店ではゴールデンウィークから営業が始まります。平成26年度は、御池大橋から順次整備した園路に引き続いて、団栗橋下流から仏光寺公園までの高水敷を「(公共空間整備)拠点整備」として園路整備(土系舗装)で整備しました。

<写真手前から下流に向かって整備>

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 写真奥の松原橋上流の護岸の白くなっている箇所は、一昨年の増水で被災した部分を災害復旧事業として補修しました。鴨川真発見記第172号でご紹介しました「生き物救出作戦」が展開された場所です。

 

<松原橋右岸上流>                   <災害復旧工事>

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<草の生えている部分は元の護岸を活用して補修>

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  右岸の園路が途絶える五条大橋から左岸へ移動して、青々とした葉の茂る桜を見ていると、僅かに残った桜の花の傍に、緑色の実がなっています。

  テマリの様に咲くサクラは満開を過ぎ、その花を散らし始めました。木の足元には、小さな黄色い花を咲かせる「コメツブツメクサ」などの野草が緑の絨毯の様に繁り、散った桜の花がバラを散りばめた様にお日様の光で照らされていました。

<一輪の花の傍に実のりが>             <満開を過ぎて花を支えるガクごと落下していきます> 

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<白い小さな黄色いつぶが”コメツブツメクサ”>

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 七条大橋左岸下流へとやってきました。塩小路橋から九条跨線橋までの間は、高水敷が整備されていませんでしたので、その間を歩く事が出来ませんでした。

 平成26年度は「(公共空間整備)高水敷整備」園路整備として整備し、九条跨線橋の手前まで800mの区間を歩いていくことが出来るように繋ぎました。

 

 途中、下水や疏水運河の放流口、JR橋の橋脚などの支障物がありましたが、ボックス状の構造物や、橋脚を避ける園路を整備して歩ける様に整備が進みました。

 

<塩小路橋から九条跨線橋方面へ>         <疏水運河の放水口>

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<疏水運河放流口を右岸から望む>                  <塩小路橋上流>

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<塩小路橋下流>                     <JR東海道・JR新幹線上流>

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<水吐け口>                        <同左>

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<JR奈良線下流> 

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<ボックスで整備>                                      <狭い橋脚の傍には手すりを設置>

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<九条跨線橋手前で階段を上がる>                     <九条跨線橋 耐震補強中>

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※この付近の整備前後比較を見るPDF(PDF:498KB) 

工事完成箇所を巡って京都土木事務所へ向かう途中でも様々な様子を見る事が出来ました。高水敷の整備されていない区間の住宅地の中を移動していると、目の前のお宅の駐車場に二羽のアオサギが佇んでいました。

<つがいとなるのか2羽のアオサギ>                      <すぐ傍は鴨川>

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 しばらく眺めていると、「ぐー、ぐー」とノドを鳴らすような鳴き声が頭上から聞こえてきました。見上げると電柱の上に1羽のアオサギが鳴いていました。
 おっと3羽目の登場です。下から撮影しましたが、逆光だったので光の当たる方向へ回り込んで撮影していると、「なにこれ!」の光景が目に入りました。
<電柱の先に留まるアオサギ>                           <脚がはみ出ています>
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 後に建つ大きなお宅の屋根に6羽のアオサギが陣取っています。いつも鴨川の中でジッと佇んでいるアオサギを目にしていますが、複数でも2羽程でそれ以上の数のアオサギが集っているのは見た事がありません。

この日はなんと合計9羽のアオサギが集っていました。人間の世界でも婚活という言葉を見聞きする今日この頃ですが、丁度この時期繁殖期を迎えたアオサギも婚活サミットでもしているかの様でした。


<思い思いのスタイルで置物の様にジッと佇むアオサギ集団>

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<太陽の光を浴びて4羽目>                             <翼を半分広げて虫干し5羽目>

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<鬼瓦の様に6羽目>                                        <つんとすまして7羽目 奥に8羽目>

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<翼を広げて羽毛を膨らませてボディービルダーの様に9羽目>

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 屋根の上から降りてきた2羽は、いわゆる告白タイムだったのでしょうか。
すぐ傍の建物に屋上からはトンビがその様子を見守っています。電柱の上のアオサギが司会進行、トンビが見届け人なんて想像が膨らみます。
<告白タイムか?>                                      <繁殖期には後ろ髪の様な羽を出して>

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<見届け人か トンビ>                                    <お次の方どうそ 司会進行役か?>

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 この後どうなるのだろうと思いつつ、鴨川の高水敷へ戻りました。みそそぎ川では、ここでも納涼床の準備中です。その横では二組のお母さんと幼い子どもが裸足になって水遊びをしておられました。
 御利用いただく皆さんの安全のためにも、川へはゴミや危険なものを投げ込まない様にお願いいたします。

 毎年お寺から鴨川へお引っ越しをするカルガモのつがいでしょうか?オスメスの区別は難しいですが、仲良く泳いでいました。

<仲良く水遊びする母子>                                 <カルガモ つがい?>
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 鴨川で雛を連れて泳いでいたのは、カルガモではなくてマガモでした。鴨川でも繁殖しているカモは数多くいます。この日はお父さんも一緒でしょうか、オスメスペアで雛2羽一緒に泳いでいました。




<父・母?に囲まれて>                                    <後から見守る母ガモ>
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 久しぶりの晴天に気持ち良さそうに目を閉じるマガモのオスがいました。しばらくするとまぶたを開いて準備運動の様な動きをしてから川の中へと泳ぎだしました。
<目を閉じて マガモ>                                    <準備運動?>
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 今度は4羽の雛を連れたカモが姿を現しました。この母ガモはカルガモの特徴とマガモの特徴を併せ持っているようです。おそらく交雑種でしょう。数多くのたまごから雛が生まれますが、大きく成長する過程では外敵に襲われて命を落とすものも少なくないそうです。
<何羽大きくなれるかな カモの交雑種>
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 二条大橋右岸上流には「冷泉橋」という橋が架かっています。コンクリート製の橋ですが、木材で化粧が施されています。26年度に老朽化した桁隠しや高欄を改修しました。

 お天気のよい日は塗料を塗った様に白く浮かび上がります。近くに行くと木の香りが漂っています。また雨の日は、濡れた木材が“木”の質感を見せてくれます。
<白く目立つ冷泉橋>                                    <京都らしいデザイン>
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<東山をバックに>                                       <雨の日の冷泉橋>
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 荒神橋上流の飛び石まできました。西賀茂橋のご紹介でも書きましたが、この日は前日までの雨で少々増水していました。
 でも荒神橋の飛び石には水が被っていません。飛び石の間をしぶきをあげて流れる鴨川の飛び石を恐る恐る渡る人が目に留まりました。

  一つ一つ慎重に渡るのはカップルでしょうか?男性の後を追う女性は、飛び移る度に両手を広げてバランスをとっておられました。この微妙に広い間隔も鴨川の飛び石の特徴の一つと言えます。

 西賀茂で改修した飛び石でも、多くの皆さんのが御利用されている様子を拝見出来る日を楽しみにしています。
<振り返って 大丈夫か?>                               <大丈夫 バランスとってるから>
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  出町から上流に向かうと、ドーナツ状にポッカリ穴の開いた寄州があります。
 少しの隙間から水が入り、湾の様になっています。その隙間から大きな鯉が数尾入り込んでいます。ここでも繁殖するのでしょうか。

 鴨川の本川と隔離された様な状態の場所を浚渫した際に、中国原産の「タウナギ」が捕獲されました。ここにもタウナギがいるような気配を感じます。生き物調査をしてみたい場所です。

<少しの隙間から流れ込む水>                                 <大きな鯉の姿が見えました>
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 今回は、春の陽差しの中平成26年度完成工事の一部をご紹介しました。新しく整備した場所もこれからの年月を経て風景に馴染んでいく事と思います。
 他の工事箇所も今後ご紹介させて頂きたいと考えております。様々な鴨川の様子と共に。
                                                                                             平成27年4月23日  (京都土木事務所Y)

 

  

 

 

 

 

刻々とリレーする遅咲きの桜を愛でる(第187号)

品種改良と交雑を感じながら

 

 前回も遅咲きの桜をご紹介しましたが、今回も鴨川沿いで花を咲かせている遅咲きの桜を追いかけてみました。

  最初にご紹介するのは、黄色いサクラです。街中の正面橋下流に、「御衣黄又の名を黄桜」と書かれた札の掛かったサクラを鴨川真発見記第179号でご紹介しました。

 このサクラは歩道の植栽として京都市が管理されているサクラですが、これまで気が付かないでいました。今年の春は花が咲いているところを見ておかねばと現地に向かいました。

 御衣黃と札の掛かったサクラは確かに薄黄色の花を満開に咲かせていました。それを確認してから、遠目にも確認しようと正面橋の上から眺めてみると、「あれれ」と声が出てしまいました。(平成27年4月15日撮影)

<黄桜>                                                    <ほぼ満開>

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<薄黄色の花びら>

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 今確認したサクラの上流側2本となりにこれまた黄色い花が咲いているではないですか。札の掛かったサクラに気を取られて、すぐ近くのもう1本の存在に気が付きませんでした。

<遠目によく見ると もう1本黄桜>

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 やはりサクラは咲いてみないとわからないと痛感しました。

<もう1本黄色く花開いています>                               <よく見ないと気がつきません>

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 その上流側には、フゲンゾウと書かれた札の掛かったサクラが満開を迎えていました。観光客の皆さんもカメラを向けて、鴨川と共に撮影されていました。

<フゲンゾウ>

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 前回ご紹介しましたオオシマザクラの元へも行ってみました。前回は満開でしたが、既に大半の花は散っていました。自然観察指導員の西村氏に教えてもらったように花から桜餅の香りがするのか試してみました。

 鼻を寄せて香りを試すと、かすかにあの桜餅の香りがしました。

<多くの花が散ったオオシマザクラ>

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<香りを確認 オオシマザクラ>                                <黄色い雄蕊が覗いています 同左>

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 京都鴨川には沢山の種類のサクラが植樹されていますが、札が掛かっているサクラ以外はどんな種類のサクラか判別出来ません。素人の私にはこの4月の一ヶ月間のみ確認する事ができます。といってもどの花が何の種類か教えてもらわないとわかりません。

 そこで、京都府立植物園の樹木係の中井技師に写真をお見せして、判別してもらおうとしましたが、品種改良された鑑賞用のサトザクラは200種類を越えるほど多いそうです。

 花ビラのカタチ、それを支えるガクのカタチ、花ビラの枚数、おしべ・めしべのカタチなどなど、少しの違いで品種が違うそうです。写真を見ただけでは確かな判別は出来ないとの説明を受けました。

 京都府立植物園では、4月17日から22日までの間、「たそがれ・桜・そぞろ歩き」を実施されています。4月17日は前出の中井技師が桜の解説をされるという事で、わたしも少し勉強させて頂くために参加させて頂きました。

 

 中井技師は桜の品種の同定はマニアックな世界と語られ、何か一つ今日の「そぞろ歩き」で知識を持ち帰ってもらえたらと話されました。桜の品種は花をひっくり返したりして、細かな違いを見極める必要がる事を知りました。

 松谷名誉園長さんの「きまぐれ散歩」と、この日の「たそがれ・桜・そぞろ歩き」から得た知識を少しご披露したいと思います。

 

<以下中井技師のお話しから>

 皆さんはサクラといえば花びらは5枚と答えられると思います。この基本の5枚が一重で、それ以上の花びらが着くと八重と呼んでいます。多いものでは200枚の花びらを着けるものもあります。

 この5枚以上の花びらは、おしべが花びらへと変化したものです。

 その変化の過程がわかる桜が「駿河台匂(スルガダイニオイ)」と札の付けられたサクラです。大きく開いた5枚の花びらの間から、6枚目の花びらが控えめに旗を揚げた様に付いています。これがおしべから花びらに変化する過程です。

<駿河台匂(スルガダイニオイ)>                               <6枚目の花ビラが小さく>

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 別の日に松谷名誉園長さんの「きまぐれ散歩」の際に教わったのが、黄色いサクラ「御衣黃(ギョイコウ)」と「鬱金(ウコン)」の違いです。ギョイコウは一番外の花びらが、くるりと反り返っています。松谷氏はこれを称して「イナバウアー」と説明して頂きました。

 

 この散歩の”ギョイコウ”の説明の際に「色は明らかに緑色、これは葉と同じ葉緑素・クロロフィルであり、花も光合成を行う。このことから、花は葉が変化したものである」

 とのサイエンスの話題もちょこちょこされる、散歩です。

<松谷名誉園長さんのきまぐれ散歩 京都府立植物園にて>

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<鴨川のウコン>                                              <府立植物園のギョイココウ>

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 さらに後日、松谷氏から桜に関する情報を頂きました。

 そのメール内容とは、

・「ギョイコウ」と「キザクラ」は別品種のはず。

・「キザクラ」と「ウコン」は同品種の可能性大。

「カンザン」という品種は花の無い時でも枝振りでわかる

・八重・濃い赤系の色・デカイ・西洋人好み

・病害虫に強い→外国に多い

・短枝が「近鉄バッファローズ」→若者にはわからない

 

 という訳で、写真だけでのサクラの品種確定は難しいので、鴨川・高野川の遅咲きのサクラを名札の付いていないサクラは名前無しでご紹介したいと思います

 

<ピンクの八重のサクラ>                                    <ベニテマリ>

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<緑の葉と共に大きな白い花びら>

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<薄いピンクの八重桜のサクラ>

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<濃いピンクの八重のサクラ>

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<存在感のあるピンクの八重のサクラ>

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 皆さんもどこにどんなサクラが植樹されているか巡ってみてはいかがでしょうか。

 

 サクラは中井技師のお話にもあった様に人間の手によって沢山の種類が生み出されています。鑑賞用のサクラとして交配を進めた結果です。

 交配とか交雑とか自然界のものに手を加える事は多く行われていて、原種が変化しています。

 

 国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオも中国種との交雑が進んでハイブリッドと呼ばれる種が出現し、鴨川水系ではその9割以上がハイブリッドとなって問題視されています。

<北山大橋下流 飛び石の傍でオオサンショウウオ>

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 源流付近に生息するとされていたオオサンショウウオも今では鴨川の最下流域まで生息範囲を広げ、そのほとんどがハイブリッドとなっているのが現状です。

 

<出町橋上流落差工に落ちる水を浴びるオオサンショウウオ>

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 その現状をなんとか改善しようと文化庁が動きはじめています。京都市の文化財保護課では、京都市域全域の河川で生息調査を実施されています。オオサンショウウオを捕獲してDNA検査を実施して種の確認とハイブリッドの隔離をして日本種の保存を試みておられるのです。

 

 京都土木事務所の実施する河川工事の際にもオオサンショウウオを確認する場面も多く、施工業者さんあてにも協力の依頼がありました。

※協力依頼文書をPDFで見る(PDF:378KB)

※目撃情報連絡先:京都市文化財保護課 TEL075-366-1498

 

 ハイブリッドのオオサンショウウオは見ただけでは判別出来ません。みなさんも目撃された場合は京都市文化財保護課へ連絡してください。捕獲したり個体を移動する事は法律で規制されていますので御注意を。

<二条大橋上流ブロックの間から呼吸をするため浮上 オオサンショウウオ>

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 また、オオサンショウウオはノソノソとしている様ですが、エサを捕る時は凶暴で俊敏です。文化財保護課の方のお話しでは、ハイブリッドとなり捕獲の力や繁殖の力が強くなっているのではと話されます。それを証明するかのような衝撃の画像が届きました。

 小学生の息子さんの生き物調査に同行されていた神谷達夫氏が撮影された写真に衝撃が走ります。オオサンショウウオが体を「つ」の字にくねらせて“マガモ”のオスの片足に食らいついています。

<逃げようともがくマガモオス>

 

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 マガモは翼を羽ばたかせて逃げようとする瞬間です。実は短いながら動画でも撮影されていて、その映像も頂きました。その映像を見ただけでは、無事逃げる事が出来たかに見えますが、神谷氏の証言ではマガモは自分の片足を犠牲にして逃げたということでした。

 

 鋭い歯で食いちぎったようです。オオサンショウウオの体の模様は一見川底の色と似ています。知らずに近寄って噛みつかれると大変危険です。撮影された場所は鴨川と高野川の合流点あたりで、水遊びする子ども達も多い場所です。

 

<ズームアップすると 体を「つ」の字にくねらせてガッチリ食いつく オオサンショウウオ>

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 皆さんも水遊びをする際には、足を覆う履き物を着用される事をお勧めします。

 

 災難にあったマガモですが、このカモ類も交雑が進んでいます。渡り鳥としての渡りを放棄した「マガモ」「カルガモ」の交雑が進んでいる事は鴨川真発見記でも何度かご紹介しましたが、今回紹介するのはどんなカモが交雑したの?と驚くような個体です。

 サクラを追いかけている途中で「なにこれ?」という模様のカモを発見し夢中でシャッターを切りました。鴨川では初めて見るカモです。また新たなカモが鴨川真発見記に仲間入りかと、早速日本野鳥の会京都支部の中村副支部長に画像を送り確認してもらいました。返って来る返事はいかに?。

 

<返信メール>

完全なるカモの交雑ですね。

何と何の交雑かわかりませんが・・・。

 

<これは何という種類のカモ?>                                 <連れ添うメスはマガモに似ているが>

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<脚まで真っ黒のオス 完全なるカモの交雑種>

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 電話でお話してみると、「こんな交雑見た事も無い。胸の白いところは“オナガガモ”にも似ているけれど・・・。カモの世界にも変なのが出てきましたね~。とお話しになりました。

※このカモをもっと詳しく見るPDF(PDF:2,030KB)

 ペットの犬や猫の世界でも、昔は雑種とひとくくりにされていた交配種もミックスと呼ばれて好まれる種類のものも多くなりました。種の保存と種の改良?改変?少し複雑な感じがします。

 サクラを愛でるとメインタイトルを付けましたが、その先に複雑なものを真発見でした。

 最後に、京都土木事務所が管理するサクラの中で唯一の黄色いサクラが満開を迎えました。サクラ情報誌にも耳寄り情報として紹介された御薗橋左岸下流スロープの一本目の「ウコン」の黄桜です。

 

 いつ頃見頃ですか?と何件かお問い合わせを頂いておりましたが、4月16日ほぼ満開となり、隣合うピンクのヤエザクラとのコントラストで見る人を魅了しています。今年が見納めかも?のウコンをご観賞ください。

<スロープの一番上にウコン>                                <スロープ上から>

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<日が経つと真ん中が赤色に>                              <そして全体的にベニ色に変化します>

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<ピンクのサクラに囲まれて ウコン(黄桜)>

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                                     平成27年4月16日 (京都土木事務所Y)

 

 

 

 

 

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