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鴨川真発見記<211号から216号>

 

 

ぼくのかも川さんぽ図鑑3 かも川かんきょう新聞(第216号)

京都新聞小・中学生新聞コンクール 京都市教育長賞受賞

 

 この度、ノートルダム学院小学校4年生の西山和治郎君が、京都新聞小・中学生新聞コンクール2015で京都市教育長賞を受賞されました。

<京都市教育長賞 京都新聞社2階ロビーに展示された作品>

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 西山君の鴨川に対する熱い思いが伝わってきます。彼の鴨川でのひたむきな調査の成果はこれまでにも「鴨川真発見記」でご紹介してきました。

 

 その取り組みは、さかのぼる事3年前当時小学校1年の秋から始まりました。夏休みが終わった秋から翌年の夏休み終了までの1年間生き物を調査した「ぼくのかも川さんぽ図鑑」の内容は第○○号「小学生の目で見た鴨川」でご紹介しています。

 ※鴨川真発見記バックナンバーへリンク

 

 そしてその翌年も違った視点で1年間調査した結果をまとめた、「ぼくのかも川さんぽ図鑑2 かも川生き物マップ」は、京都市環境政策局主催の「まちかど生き物マップの個人の部「最優秀賞」を受賞されました。

 

 その内容は今年の1月24日に開催された“第8回近畿「こどもの水辺」交流会”で発表されました。

 ※第8回近畿「こどもの水辺」交流会の開催結果にリンク

<ぼくのかも川さんぽ図かん2>

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<第8回近畿「子どもの水辺」交流会で発表する西山君 当時小学3年生>

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 今年は4年生になり2年間調査した生き物への視線からゴミ問題へ波及して素晴らしい新聞が完成しました。それではその内容を詳しくご紹介させて頂きます。

 トップ見出しは<身近なクールスポット“かも川” 「そうだかも川へ行こう」>

 この項目では、鴨川と高野川の合流点で水に親しむ人々の楽しげな様子が紹介されています。結びの文章では外国人観光客に着目し「冷たい川の水に足をつけ“キャーキャー”楽しいさけび声を上げるのは世界共通だとわかった」と分析されています。

 

<身近なクールスポット“かも川”「そうだ、川へ行こう!」>

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 続く項目では、「人いっぱいゴミいっぱい生き物は・・・?」の見出しで、楽しく遊ぶ人が多い中でゴミも溢れている事に注目し生き物達への影響を心配する中、自らがゴミを拾ってその内容を分析されています。

 

 たくさんの種類のゴミを分析する中で、よく考えてみると「忘れ物や落とし物」が多い事に気がつきます。それは「水着やサンダル」などのまだ使えるものの存在です。

<人いっぱい、ゴミいっぱい、生き物は・・・・・?>

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 西山君がゴミを拾っていた時に遭遇した光景をお母さんから伺いました。彼がゴミを拾って回っていた夕暮れ時、目の前で若者が花火をして遊び終わった花火を鴨川に投げ入れている場面に遭遇したそうです。

 彼は強い憤りを感じ「注意してくる」と言ったそうですが、お母さんに制止される一幕もあったそうです。

 

 続いての見出しでは「生き物からのSOS 川の水を守って!」とした上で、「寄州にはカルガモの巣があり子育てをしていたり、たくさんのサカナの卵も産まれている事知っているだろうか」と指摘しています。

 

 そして“名台詞”が誌面に踊ります。「川は水が流れているだけでは川ではない。魚や鳥や虫やいろいろな生き物がいてこそ川なのだから人も魚も鳥もみんなが安心してくらせる場所であってほしい」と川に対する熱い想いがつづられています。

<生き物からのSOS「川の水を守って!>

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 最後の結びの項目では、「美しい川が未来へのプレゼント」と題して、カワセミの絵が添えられて、京都府が制定した「京都府鴨川条例」が紹介されています。

 

 様々な約束事があるにもかかわらず、ゴミやマナーの問題がなくならないのは何故か「川が生き物の王国」であることを忘れてしまったからではないかと分析されています。

 その上で、美しい鴨川を未来に引き継ぐために何が必要か「何も特別な事をする必要はない」とし「自分がされてやなことはしない。自分がされてうれしいことをする」当たり前の事をやってみようと呼びかけています。

 

 最後に「ぼくの、ぼくたちのみんなの大切な川なのだから」と締めくくられています。

<美しい川が未来へのプレゼント>

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 鴨川真発見記的には、「京都府鴨川条例」に着目する中で、調査し分析し鴨川を美しくする行動を呼びかける内容に感動しました。小学2年生の時の「ぼくのかも川さんぽ図かん1」では、「鴨川博士」といわれる様になりたいと夢が語られていましたが、着実に成長しながらその階段を登っておられる様です。

 

 小学4年生の少年の多角的な調査と分析に脱帽です。西山君と同じ思いを持った小学生が増える事を願いつつ今回の記事を終えたいと思います。

 平成27年12月14日 (京都土木事務所Y)

 

 

 

 

 

大宮自然探検隊 渡り鳥に出会う(第215号)

「賀茂川の野鳥観察」バードウオッチング開催

 

 京都市内には古い歴史を持つ小学校が多く、近く100周年を迎える学校も少なくないようです。

 そんな古い歴史を持つ学校の1つ、京都市北区の大宮小学校も平成29年度に創立100周年を迎えます。

 100周年を記念した記念誌作りの取り組みが進められています。大宮学区に隣接する賀茂川(鴨川)の自然を観察して、記念誌に盛り込む準備をされています。

 

 その取り組みの一環の1つとして、平成27年12月6日(日)に御薗橋から西賀茂橋の間の河川敷きで「賀茂川の野鳥観察」バードウオッチングと題して探鳥会が開催されました。

<大宮自然探検隊② 渡り鳥に出会う>

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 今回は、その探鳥会の様子をご紹介したいと思います。指導は公益財団法人日本鳥類保護連盟京都の事務局長の中村桂子氏をはじめとするスタッフの皆さんです。

 

 参加者の皆さんは、午前9時30分から約30分間、野鳥観察のコツを中村氏から指導を受けて、フィールドに飛びした参加者の皆さんは、普段何気なく眺めている鴨川で、多くの野鳥を観察されました。

 

 私は、一足先に鴨川へ向かい野鳥の様子を下見です。御薗橋上流では、自然にできたワンドに小魚が群れています。

<自然にできた“ワンド”>                                      <小魚の群>

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 「今年の紅葉はあまり綺麗でなかった」という声を聞きますが、終盤を迎えた紅葉の中には、充分見ごたえのあるものもあります。見上げると真っ赤に色づいた紅葉がそこにありました。

<晩秋の鴨川>                                              <見上げると真っ赤な紅葉>

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 水中に潜っては浮かび上がる小さな野鳥は“カイツブリ”です。6羽程の“カイツブリ”が見えました。

<水面に浮かぶ“カイツブリ”>                                  <羽繕いする“カイツブリ”>

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 御薗橋の左岸上流で、大宮自然探検隊の到着を待っていると、京都学生駅伝競走大会のスタッフの方が選手達の通過を待っておられました。お声掛けして、大会のチラシを頂きました。

 そのチラシには、「箱根に次いで伝統のある駅伝」とあります。知名度は低いようですが、伝統ある大会のようです。しばらくすると、勢いよく選手の皆さんが通過していきました。

<京都学生駅伝競走大会>

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<京都学生駅伝大会>                                     <最後尾の選手>

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 選手達を見送ったところで、大宮自然探検隊の皆さんの姿が見えましたので、一行に合流する事にしました。その途中で“カワセミ”に出会いました。思わずカメラを向けてシャッターを切りました。

<“カワセミ”発見>                                        <飛び去る“カワセミ”>

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 フィールドスコープでヒドリガモを観察されている皆さんに、すぐ傍で“カワセミ”を見たけれど飛び去った事を伝えました。「もしかしたら観察する事ができるかも」と期待が膨らみます。

<フィールドスコープを覗く参加者の皆さん>

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<その先には“ヒドリガモ”の群れ>

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 御薗橋を渡り、左岸へ移動して“カイツブリ”を観察し、頭上の樹木に“コゲラ”を観察しました。

<木の幹をノックする“コゲラ”>             <尖ったク「チバシ」>

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 そして、そろそろ時間も迫ってきたので大宮小学校へと移動を開始したところ、一行の後方から“カワセミ”発見の声が上がりました。

 

 あわてて引き返すと、フィールドスコープの中に対岸の“カワセミ”の姿がありました。枯れ枝に留まりこちらを見ているようでした。しばらくすると、水面スレスレを猛スピードで飛び去っていきました。

<枯れ木の上に“カワセミ”再発見>         <再度飛び去る“カワセミ”>

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 なにはともあれ、参加者の皆様の期待に応える事ができました。やはり“カワセミ”は探鳥会の花形です。最後に“カワセミ”で探鳥会を締めくくる事ができました。

 大宮小学校横の大宮会館へと移動し、「鳥あわせ」(今日見た野鳥を確認)して、少しの時間野鳥観察しただけでも二十数種の野鳥を観察できたことは、参加してくれた小学生にも自然に関心を持つキッカケになったのではないでしょうか。

 

 数日後、探検隊で辿ったコースを歩いていると、“ヨシガモ”が姿を見せてくれました。鴨川ではこの一羽だけが居着いているようです。太陽に照らされて頭の緑色が輝いています。取ってきた草をちぎろうと盛んにその頭を振っていました。

<鴨川で一羽だけ“ヨシガモ”の雄>          <飛び散る水しぶき>

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 皆さんも寒さに負けず、双眼鏡片手に冬の鴨川の野鳥を観察してみてはいかがでしょうか。

 平成27年12月7日 (京都土木事務所Y)

 

鴨川流域に生息する生き物達(第214号)

“「虫」なの?”な生き物のお話し

 

 今回は、鴨川流域に生息する生き物のうち、現在では虫とは認識しない生き物で江戸時代は「虫」とされた生き物のお話しをご紹介したいと思います。

 最初に、動植物の名前は学術的にはカタカナ表記しますが、一般的には常用漢字表にその漢字があれば漢字、なければひらがなで書きます。

 

※常用漢字

 常用漢字は、一般の社会生活おいて使用する目安として1,945字の字種と音訓が選定されています。

 

 と前置きをさせて頂いて、生き物の漢字表記の?なお話しです。

 

 この記事を書くキッカケとなったのは、皮革の造形作家 河野 甲 氏のカタツムリのお話しの中に興味深いものを感じたからです。河野氏にはカタツムリの魅力に惹かれ、様々な資料を収集され、その生態や人との関わりの歴史などのお話しを聞かせて頂きました。

<虫の王様 スズメバチ 皮革造形(作:河野甲氏)>

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 そのお話しの中で知ったのは、江戸時代の虫という概念でした。当時の日本では生き物の分類も進んでいなくて、現在では「は虫類・両生類・甲殻類」といった分類の生き物も「虫」というくくりで認識されていたそうです。

 

<殻は本物 胴体は樹脂 カタツムリ造形の数々(作:河野甲氏)>

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 河野氏の興味の対象であるカタツムリも漢字で表記すると「蝸牛」です。

 

 そこで、これまで鴨川流域で目にした生き物の中で、現在ではそれって「虫?」という漢字名に虫をもつ生き物を写真画像と共ご紹介します。

 

蝸牛(カタツムリ

 カタツムリは、でんでん虫とも呼ばれています。まさしく「虫」の扱いです。

その名の由来は「出出虫(ででむし)」で“出ろ出ろ”と殻から出てこいという意味で、それが転じて「でんでん虫」となったようです。

「でんでんむしむし かたつむり」の歌い出しで始まる唱歌“でんでんむし”のメロディーが頭に響きませんか。

<蝸牛(カタツムリ)「♪つのだせ やりだせ あたまだせ」>

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 それでは、そのほかの生き物達を「広辞苑(岩波書店)」の解説を交えながらご紹介したいと思います。

 

蛞蝓(ナメクジ)

 カタツムリが殻を脱いだらナメクジと思っている方もおられるのではないでしょうか。ナメクジはカタツムリと同じ有肺目の仲間ですが、殻が完全に退化したものだそうです。

<蛞蝓(ナメクジ) 殻は退化して見あたりません>

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(広辞苑より)

「ナメクジに塩」

 ナメクジに塩をかけると縮むように、すっかり恐れて萎縮するさま。

 苦手のものに出会った時などにいう。

 

 

蛇(ヘビ)

 細長い生き物は「見るのも」「触るのも」「食べるのも」苦手という方も少なくない様ですが、その苦手ランクトップは「ヘビ」ではないでしょうか?

<蛇(ヘビ) くねくねと進みます><頭はこんな感じ> 

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(広辞苑より)

不吉なもの執念深いものとして嫌われますが、神やその使いとするところも多い。

古名:くちなわ、ながむし、かがら

 こちらも古名に「ながむし」と虫が出てきます。それにしても、カラスと同様に吉凶両面の扱いを持つ生き物の存在は、先人が自然から感じとった「生物多様性」の考え方が根底にあるような気がします。

 

蜥蜴(トカゲ)

<蜥蜴(トカゲ) 様々な種類がいます>

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(広辞苑より)

一種のトカゲは尾を切断して敵から逃げますが、尾はまた再生します。

「トカゲの尻尾切り」

 尾を押さえられたトカゲがそれを切り離して逃げるように、責任を下位の関係者にかぶせて逃げること。

 

 巷にあふれる不祥事関係の報道が思い浮かぶのは私だけでしょうか。

 

蚯蚓(ミミズ)

 ヘビ同様に細長いミミズです。のらりくらりと地面を這い回る姿を御覧になったことがあると思います。

<蚯蚓(ミミズ) 水分不足で少し弱りぎみ>

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<こんなに大きな“シーボルトミミズ”も>

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(広辞苑より)

漢方生薬では、解熱、鎮痛、利尿、解毒。

「ミミズ腫れ」 

 皮膚の傷跡がミミズの様に赤く腫れ上がる

 

 ミミズ腫れになるほどの傷を負えば、熱も、痛みもあるでしょう。その傷にミミズの薬効があるようです。ミミズをエサにしている他の生き物達もその恩恵を受けているのでしょうか。

 

蟹(カニ)

 皆さんよく御存知のカニです。ズワイガニのシーズンですね。海にも川にも沢にもいるカニにも虫の字が入っています。

<蟹(カニ) サワガニ>

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<蟹(カニ) モクズガニ 写真提供:京都府賀茂川漁業協同組合>

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(広辞苑より)

「カニの穴入り」

 あわてふためく様のたとえ

「カニは甲羅に似せて穴を掘る」

 人は自分の分相応の考え方や行いをするものとの意味

「分相応」心に留めて置きたい言葉ですね。

 

蝦(エビ)

 カニと共に美味しいエビも江戸時代には「虫」とされた仲間です。子供の好きな「エビフライ」も虫と聞けば「エ~!」という感じですが、反対に現在「虫」と認識されている生き物も江戸時代には「抵抗なく食されたのでは」と少し納得です。

<蝦(エビ) ヌマエビ>

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(広辞苑より)

 食用として重要なものが多く、また長寿の象徴としてめでたい動物とされる

「エビで鯛をつる」

 少しの元手で、またわずかの労力により多くの利益を得る

 魯堂雑話「才芸もなくして高官を得んとする。是もエビにてタイをつらんとする人なり」

 

 あなたの周りにもこんな人・・・。

 

蛙(カエル)

 カエルは虫を食べるから「蛙」くらいに考えていましたが、カエルそのものが「虫」と認識されていたのですね。「ゲロゲロ」「ゲコゲコ」「グワーグワー」「リンリン」カエルの鳴き声も様々ですね。

<蛙(カエル) ウシガエル>             <蛙(カエル) トノサマガエル>

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<蛙(カエル) アマガエル>

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(広辞苑より)

古来、人間に近い存在で田や雨の神様とする地域もある

「カエルの行列」

 (後足で立った蛙はその眼が背後にあって前方を見ることができないからいう)向こう見ずの人々の集合

「カエルが兜になる」

「成り上がりのたとえ」

狂言:成り上がり「さて蛙が兜虫になり、燕が飛び魚になる」

※成り上がり 低い身分や地位のものが出世すること

 

 「成り上がり」豊臣秀吉の様な人の事ですね。そこまで出世欲は私にはありませんが。

 

蝙蝠(コウモリ)

 夕暮れになると、鴨川流域でも川の上を数多くのコウモリが飛び交う姿を目にします。薄暗い空を素早く飛び回るのでカメラに収めるのは大変です。飛んでいる姿の写真でハッキリした写真は手元にはありません。

<蝙蝠(コウモリ)夕暮れ時に>                            <我が家に迷い込んだコウモリ>

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(広辞苑より)

前肢の指が長くのび、その間にある飛膜が翼に変形して哺乳類では唯一よく飛ぶ

(獣なのに鳥のようによく飛ぶことから)情勢の変化を見て優勢な側に味方するものをののしっていう言葉

 

虹(ニジ)

 最後にご紹介するのは、「そもそも生き物ではないじゃない」というニジですが、このニジにも虫がいる理由があるようです。

<虹(ニジ) 鴨川のニジ (写真提供:公益財団法人鳥類保護連盟京都)>

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(広辞苑より)

虹蜺(ニジ)

古くは竜の一種と考え、雄を虹、雌を蜺といった

 

 昔、ニジは大空を駆け抜ける「竜」という生き物とされていたようです。「まんが日本むかしばなし」のオープニングの映像を想像させるお話しです。

 かつて虫と認識されていた生き物に注目して調べてみると、先人の「ことわざ」の意味も改めて理解する事ができました。人間と生き物の関係の深さを再認識し、皆様にも「生物多様性」について考えるキッカケになればと思います。

 平成27年12月2日(京都土木事務所Y)

 

 

鴨川晩秋の早朝散歩(第213号)

清々しい空気の中で見た光景

 

 とある出版社から、京都観光案内誌に「冬の京都早朝散歩」の記事を掲載したいので、冬の鴨川早朝の写真データの提供依頼がありました。候補写真を提供し、11月末には発行されるそうです。

<提供写真 朝焼け映る鴨川>                                 <うっすら雪化粧 鴨川・高野川合流点>

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 鴨川真発見記でもこれまでに幾度か鴨川の早朝散歩で出会った様子をご紹介してきました。最近あまり早朝バージョンは少しご無沙汰しているなと思い、今回は、秋の早朝散歩で出会った光景をお届けしたいと思います。

 

 朝日が昇る前に御池大橋まで足を運び、ここから上流へ向かいます。

 御池大橋の右岸、橋の下には今月1日「鴨川ギャラリー」がお披露目されました。

<御池大橋右岸 鴨川ギャラリー> 

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 鴨川ギャラリーは、ここ御池大橋右岸が5箇所目で、他にも4箇所に設置されています。

 ※その他の設置箇所:四条大橋右岸、二条大橋右岸、丸太町橋左岸、出町橋右岸

 こちらの内容は、「河原での遊楽」と題して、江戸時代初期の三条から四条にかけての納涼を楽しむ人々の様子を描いた絵図が設置されています。

 3枚の絵図は、いずれも美術館所蔵の有名なものです。川の中の大きな中州や寄州で納涼する人々の賑わいの様子を御覧ください。

<鴨川遊楽図>

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<華洛四季遊戯図巻>                                             <四条河原遊楽図屏風>

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 芸術の秋、5箇所の鴨川ギャラリーを巡ってみるのもお勧めです。

 御池大橋を後にして、上流へと向かいます。

 東の空に朝日が登り始めました。二条大橋の西側にその朝日が当たりますが、まだまだ気温は低く肌寒く感じます。

<二条大橋を望む>

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 みそそぎ川の脇の植栽では、真っ赤な実がたわわに実っています。ピラカンサ属の鑑賞用植物です。赤い小さな実を結ぶ植物は数ある中でも、存在感のある姿です。

<ピラカンサ属の赤い実>

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 みそそぎ川の石積みの上では、寒そうに体を膨らませて羽繕いをしているのは“キセキレイ”です。朝のストレッチのように翼を整えて飛び立って行きました。

<寒そうに膨らむ“キセキレイ”>                                   <羽繕いして>

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<翼を整えて>                       <出発>

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 二条大橋まで来ました。ここにも“鴨川ギャラリー”が設置されています。ぴかぴかの展示プレートが朝日に浮かび上がっています。ここには、国宝洛中洛外図 上杉本の原寸大に近いレプリカが展示されています。

<更に明るく照らされる二条大橋>            <洛中洛外図 上杉本>

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 二条大橋の上流の橋は丸太町橋です。その下の中州に降りて上流の荒神橋を眺めると、上から青空の層、グレーの雲の層、北山の稜線と色づき始めた山々、両サイドに紅葉した桜、そして鴨川の流れがあります。山紫水明を感じます。

 

<丸太町橋下から上流を望む>                                    <同左ズームアップ>

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 丸太町橋上流右岸には、鴨川ジョギングロード案内図が設置されており、歩く人、走る人のコースの目安に役立っています。

<鴨川ジョギングロード案内図>

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 川の中に目を向けると、まだ朝日が当たらず濃いグレー色の川面にモゾモゾと動くものがいます。一見何もいないようですが、よく見ると沢山のカモ達が水に頭を潜らせてエサを食べています。

 

<一見何もいないよう>                                         <カルガモ>

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<オナガガモ>                                                <ヒドリガモ>

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 荒神橋上流の飛び石の真ん中から上流を撮影してみました。私はカメラに関しては全くの素人で、いつもオートで撮影していますが、最近知り合いに少し手ほどきを受けたので試してみました。ホワイトバランスでイメージが随分変わります。

<通常モード>          <赤を強く>          <青を強く>

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 観光情報誌の出版社の方から、鴨川を紹介する際に画像提供を求められる時に一番多くリクエストがあるのが、鴨川デルタとも呼ばれる“鴨川・高野川合流点”の写真です。

 

 賀茂大橋の下からと上からとそれぞれ撮影しました。朝日が高く登るにつれて空の青い部分が増えてきました。ホワイトバランスで青を強くした訳ではありません。

<賀茂大橋下から>                                             <賀茂大橋上から>

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 水面に朝日が届きはじめ、野鳥達にも光が当たり、その存在が一目で確認できるようになりました。

<コガモ>                                                     <オナガガモ>

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 賀茂大橋の上流にも鴨川ジョギングロード案内板が設置されています。先程の丸太町橋から1.2km余り歩いた事を確認しました。ここからは高野川へ行くも良し、そのまま北上するも良しです。

<賀茂大橋右岸上流 鴨川ジョギングロード案内図>

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 鴨川をそのまま北上して、葵橋の下から北山を眺めると、鴨川沿いの樹木の奧に北山が挟まっている感じです。その上流の出雲路橋の上から同様に眺めると、連なる北山の稜線が視界の両サイドに広がっています。

 

<葵橋下から上流を望む>                                      <同左 ズームアップ>

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<出雲路橋上から上流を望む>                                 <同左 ズームアップ>

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 出雲路橋を東に渡って左岸へ移動し、少し北西に視線を向けると、赤や黄色に色づく木々の上に送り火の“舟形”あごを乗せている様に見えます。

<出雲路橋上流左岸から北西を望む>                       <舟形を支える様に紅葉>

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 北大路橋を通過して半木の道へはいります。日陰の東側左岸から明るく照らされた西側右岸を眺めながら進みます。陽が登るにつれて気温が上昇し、少し暑くなってきました。東側の日陰は適度な気温となりました。

<半木の道 秋の主役は対岸のニレ科の紅葉>

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 ここでも川の中の様子を眺めます。ヒドリガモが綺麗に揃ってお尻を上げてエサを食べています。カモ類のこの姿を見ると「シンクロナイズドスイミング」と心の中でつぶやいてしまいます。

<ヒドリガモ>                     <見事にシンクロ>

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 カワウが泳ぎ回る周りには、沢山のコザギが集まっています。カワウが潜水して魚を追うと、逃げる魚をコサギが捕獲します。カワウが場所を移動すると、すかさずコサギも後を追います。

 

<カワウの動きを待つコサギ>                                   <カワウが移動するとコサギも移動>

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 そろそろこの日のゴール北山大橋に到着です。御池大橋から約4.5kmの秋の早朝散歩となりました。鴨川では、多くの方が鴨川の早朝散歩を楽しんでおられます。朝の苦手の方も一度は少し早起きをして早朝の鴨川を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 また別の日、鴨川冬の風物詩といわれるユリカモメの姿を求めて散歩してみました。例年は10月半ばくらいから姿を見かけるのですが、今年は11月の半ばを過ぎても姿を見かけませんでした。

 この日、鴨川真発見記的には今シーズン初お目見えです。荒神橋下流で一羽だけポツリと佇んでいました。群で行動するのでは?と思いつつ、仲間の姿を探して下流へ向かいました。

<荒神橋下流>                                             <ポツリと一羽“ユリカモメ”>

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 丸太町橋、二条大橋、御池大橋、三条大橋、四条大橋、団栗橋、松原橋を通過していきましたが、ユリカモメの姿はありません。

 五条大橋手前まできて、ようやく十数羽のユリカモメの姿を確認しました。コサギと一緒にカワウの傍でその動きを待っていました。

<カワウとコサギと共に>            <ユリカモメ>

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 数は年々少なくなっているようですが、何はともあれ今年も鴨川に“ユリカモメ”の姿を確認する事ができました。

   平成27年11月19日   (京都土木事務所Y)

おまけ 秋の昼下がりカワセミ鑑賞

 

 カワセミを見つけると何だか得した気分になるのは私だけでしょうか?秋の昼下がりに鴨川を散歩していましたところ、カワセミに出会いました。

 これまで何度もカワセミを撮影してきましたが、そのほとんどの写真は一方方向を向いたショットを撮影したところで、サッと飛び去っていきましたが、この日は少しサービスしてくれました。

<ブロックの上に“カワセミ”発見>

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 しばらくカメラを構えていると、色んな角度の姿を見せてくれました。

 

 カメラを構えている時はそんな事を考えている余裕はありませんでしたが、「あっち向いてホイ!」をしているかの様に、右に左に斜め右に首を向けてくれました。

 

<正面を向きました>                                         <あっち向いてホイ!>

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<あっちむいてホイ!>                                       <ホイ!ホイ!ホイ!>

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 次に体をねじりながら方向転換をしていきます。背中の真ん中の鮮やに光るブルーが見えてきました。そして真後ろを向いてくれました。

<体をねじりながら>                                          <背中のブルーのライン>

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<まだ回るの?>                                             <真後ろからのショット>

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 野鳥観察会でも、「今日は“カワセミ”が姿を見せてくれたらいいね」という言葉をよく耳にします。

 散歩の途中少し足を止めて川の中の様子を眺めていると、カワセミに出会えるかもしれません。都市の真ん中で「“カワセミ”ウオッチング」贅沢な時間です。

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秋深まる鴨川で御薗橋拡幅工事はじまる(第212号)

ケヤキの大木伐採に寄せられた想いも様々

 

 市街地を流れる鴨川の中でも上流域、上賀茂神社への参道の一部ともなっている「御薗橋」の拡幅工事が管理者である京都市により始まりました。

<現在の御薗橋 上流から>                               <同左 上空から> ※京都市HPより

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 現在架かっている御薗橋の南側に拡幅する工事です。拡幅する部分に当たる下流側の左右岸に生えている樹木が支障となるため、これら樹木の伐採及び移植が11月4日~6日にかけて実施されました。

<御薗橋拡幅計画図> ※京都市HPより

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<現在の御薗橋> ※京都市HPより

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<拡幅後のイメージ> ※京都市HPより

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 ※拡幅工事の詳細は京都市道路建設課のHPを御覧ください。

  京都市建設局道路建設部道路建設課 御薗橋へリンク(外部リンク)

 

 大きく成長しすぎたなど移植が不可能と判断された樹木は伐採となります。その中でも右岸側の大きなケヤキの伐採に地元住民の皆さんの注目が集まりました。

 

 地元新聞でも報道されましたが、ケヤキの伐採に寄せられた住民の惜別の声も短冊という形で伐採される樹木につるされました。

 交通渋滞の解消や、歩行者、自転車の安全確保や川の水を流れやすくするなど災害に強いまちづくりが目的で拡幅する工事です。

 人間の生活の利便性を確保する為の拡幅工事ですが、慣れ親しんだ大木を伐採するという行為に対しては複雑な想いが交錯しているようです。

<伐採されたケヤキ>                                    <御薗橋右岸下流1本目が対象>

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 公共工事、特に樹木伐採などの自然環境に手を加える場合には、様々なご意見を頂くことになります。そのご意見を最大限尊重しながら工事は進められている事もご理解いただきたいと思います。

 工事を担当されている京都市さんも、伐採は出来る限り最小限に留めるように計画されて、自然保護に対する配慮も充分にされていますが、いざ目の前で大きな木が伐採されるとなるとまた別の感情が沸いてくるのでしょう。

 

 ケヤキに吊された文章を拝見してみると

「四季折をりの眺めで私たちを慰めて頂きありがとうございました 残念ですが許してください」、「四季折々いろんな思い出がありました 夏の暑い日などには木陰で一休み 雨風が多い日にはしっかり体をはって守っていただきました 本当にありがとうございました」、「ここに大きな木があった事を忘れません」 などなど、ケヤキへのメッセージが綴られていました。

<短冊や団扇などに綴られたメッセージ>

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 ここで、御薗橋の歴史を紐解いてみますと、御薗橋は昭和10年の大水害時に流失しています。当時の資料 

昭和10年上賀茂小学校記念誌 あおい特別号「水禍」 平成25年3月1日上賀茂社会福祉協議会複刻 

によりますと、

 

「橋梁の流失」

 怒濤狂瀾、二十九日の賀茂川は、あたかも然水地獄の如く、渦巻く濁流逆巻く怒濤、大木をさげて奔り、岩石を砕いて馳せる。何物か、よく魔力に抗し得べき。

 午前六時頃まで、頑強に奔流と闘こうていた上賀茂橋も、既にさらわれた数脚が致命傷となり、一大音響と共に破壊し、激流に飲まれてしまった。

 御薗橋は、工費十数万円の予算で改築工事はほとんど成り、竣工を目前に控えながら惜しくも午前七時、礎石を破壊され原形は全く失われた。

 これと相前後して中賀茂橋も墜ち、植物園以北においては、独り北大路橋を残すのみ、東西の交通に大きな支障をきたすことなった。

 ~略~

 

 現在の御薗橋は、昭和10年に竣工目前で流失した先代に変わって架橋された橋です。

 

 昭和10年の大水害時には、御薗橋も流失しましたが、その周辺の堤防も崩壊していますので、このケヤキもそれ以後にここに根付いた事がうかがえます。

<上賀茂橋上流約2百m右岸堤防の決壊><破壊せる御薗橋(下流より)>

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<御薗橋下流右岸堤防の決壊>

 

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 地元住民の皆さんの癒しの木であると同時に、野鳥の命を育む場も提供していたようです。1年を通して鴨川・高野川の生き物を観察して記録している小学生、西山和治郎君もこのケヤキに注目していました。

 

 

 その目は、まだ新緑の葉のないケヤキの上部に“アオサギ”が営巣している様子を捉えていました。そして、新緑に包まれる巣に佇むアオサギも確認されています。地元の方からも、帰宅途中の車中から、まだ羽の生え揃わない裸同然の背の高いヒナが、自分の方を見つめる様子を目撃したとの情報がありました。

<写真中央上部にアオサギの巣> <アオサギの姿が見えます>

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<新緑に包まれる巣 アオサギもケヤキに感謝している事でしょう>

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(アオサギの写真提供:西山ファミリー)

 

 

 そして、伐採の当日11月4日となりました。そこには慣れ親しんだケヤキの大木の最後の姿を映像や画像に残す住民の皆さんの姿も見受けられます。

 

<クレーンと高所作業車で伐採作業は進みます>

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 その中に、このケヤキを学術的に見つめる方の姿もありました。京都府立植物園の名誉園長で、京都府立大学客員教授の松谷茂氏です。松谷氏は、鴨川の植生についても研究対象としておられます。

 

 鴨川の賀茂大橋以北の植生が、人の手によって植樹されたものなのか?自然に種が飛んできて生えたものなのか?という点についても関心をお持ちです。

<ケヤキの根元のサイズを測る松谷氏>

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 御薗橋から北大路橋のあたりのケヤキについては、昭和35年頃に京都鴨川ライオンズクラブの手によって植樹されたとの記録も残っているものの、植樹された一本一本がどの個体かの特定までは出来ていません。

 

 そこで、伐採されるケヤキの年輪により樹齢を調べる試みが提案されました。施工業者さん、京都市さんとの調整を経て、根本部分の幹を輪切りにして提供頂く事になりました。

<輪切りにされた根元の幹>                             <京都府立大学へ搬送>

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 直径1mを超える大木の幹が、切り取られ、京都府立大学の研究室へと運びこまれた後に年輪を丁寧に数えられます。

 正確に年輪を数えるのには時間がかかるそうですので、判明しましたら後日皆様にお知らせしたいと思います。

 

 様々な場所で、公共工事や民間工事で街の様子が変化していきます。そして10年くらいの年月が経過すると、元あった風景は忘れさられて、今目の前にある風景があたりまえとなっていく事と思います。

 この事は、鴨川真発見記第131号 10年一昔、鴨川の変化は、でご紹介させて頂いた通りです。ケヤキ伐採への惜別の思いが、後世の地元住民の皆さんに語り次がれて行く事を願って今回の記事を終えます。

 

※鴨川真発見記第131号を含むバックナンバーへリンク

<大木を支え続けた大きな切り株>

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追伸 暴風で幹が折れた樹木の伐採

 今回は、大きく育った大木を工事の支障となるため伐採しましたが、暴風により大木がなぎ倒されて、やむなく伐採する例もあります。

平成24年10月には、北大路橋下流右岸の大木がその被害がありました。

<暴風に耐えられず>                 <幹が割れた大木>

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 根がしっかりと張っていても、枝や幹の老朽化が進み暴風に耐える事が出来なくなっていました。やむなく全てを伐採しました。この際にも知り合いの方から連絡を頂くことになりました。「木陰をつくってくれる親しみ深い大木を何故伐採するのですか?」との連絡でした。

 

<青空の下伐採作業>                  <何故伐採の声も>

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<大きな幹が搬出されました>

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 事情を説明して御納得いただきました。松谷氏も今回お話しさせて頂く中でで、この伐採が倒木によるものとは思っておられなかった事がわかりました。

 事情を知らずに「何故伐採?」と思っておられる方も多い様ですので、併せてこの事もご報告させて頂きます。

 平成27年11月9日(京都土木事務所Y)

 

 

“ざぶん賞”に見る鴨川流域「長代川」(第211号)

小中学生の目が見つめる川の中の生き物達

 

 鴨川真発見記第181号では、“ざぶん賞2013”「文化賞入賞」の「鴨川とわたし」という作文を鴨川のイメージ写真と共にご紹介しました。

※バックナンバー181から186へリンク

 

 ざぶん賞について詳しくは公式ホームページを御覧ください。

 cyodai1(外部リンク)

 同じく「ざぶん賞2013」の環境賞入賞作品「長代川に生きる」という作品と出会いました。長代川は鴨川流域に流れる一級河川で、鴨川の支流高野川のそのまた支流にあたります。

 

 その川の生き物を通じて、川の状態を知る、確認するといった自然観察の目で綴られた作文が「長代川に生きる」です。

<鴨川流域「長代川」 位置図>

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 今回はそんな自然観察の目で綴られた作文を手元にある写真を添えてご紹介します。

 

<添えさせて頂く写真>

 京都府でも「鴨川探検!再発見!」と題した自然観察会を年4回開催し、鴨川の生き物を調査するイベントを開催しています。その中で子供達は川の事を知り、様々な知識を身につけていきます。その活き活きとした様子をイメージしました。

 また、作文に登場する魚の写真は、5年に一度実施している全国的な川の生き物調査「水辺の国勢調査」結果など、京都府が実施している生き物調査の資料を織り交ぜてご紹介したいと思います。

 

<作文とアーティストの画を添えて仕上げられた作品「長代川に生きる」>

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文:粟島 桜香(小学校5年)

画:コジマ ナオコ

 

長代川に生きる(ここから作文本文)

 ちょっと家から遠いけど、毎年夏休みに長代川で遊ぶのを楽しみにしている。

 わたしが住んでいる近くにも川はある。整備されたばかりで水もきれいで、遊歩道があって、飛び石もあってすごくおしゃれな川だ。

 都会のオアシスって感じでとてもすてきだけど、川底がコンクリートで残念なことに生き物がいない。

 それに比べ長代川は自然の川だ。川辺は雑草だらけだし、川底には大きな石や小さな石があってあるきづらい。うっかりすべって全身がびしょぬれになった事もある。

<長代川>                              <雑草も生い茂る>

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 流れもゆっくりなところや速いところがあるし、深いところや浅いところ、草や石で流れが止まってよどんでいるところもある。

 川辺には雑草が生い茂っているし、川底の石に混じってごみもあるから整備された川とは見た目が雲泥の差かもしれない。

<浅瀬>                          <川の中にも雑草>

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<流れが速い所>                                    <木も生い茂る>

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 だけどこの川にはたくさんの生き物がいる。それがわたしにとっては最大の魅力だ。

<綺麗な流れに>                                     <トンボもヒラヒラ>

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 川に着いたらまずはペットボトルで作ったもんどりを仕掛ける。えさのにおいにさそわれ魚が入ってくる。それから網とバケツを持っていろいろな所へ行ってみる。一番つかまえやすいのはヤゴだ。

<ペットボトルモンドリ エサ練り>                          <重りの石にくくりつけて沈める>

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(鴨川探検!再発見!より)

 

 網であたりをごそごそするとコオニヤンマやカゲロウのヤゴがたくさんとれる。沢ガニもいる。前に捕まえたカニはお母さんガニで、おなかいっぱいに子どもを抱いていた。

<何が捕れたかな?>                                <水と戯れる>

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 (出展:鴨川探検!再発見!より)

 

<コオニヤンマのヤゴ>

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<鴨川でもサワガニ>                                  <水辺の生き物>

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 魚もいろんな種類がいる。カワムツ、カマツカ、ドンコ、ヨシノボリ、オイカワ、ムギツク、ドジョウなど。ゲンジボタルの幼虫やカワニナ、トビケラの幼虫、川エビもいた。

<カワムツ>                                   <カマツカ>

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<ドンコ>                          <シマヒレヨシノボリ>

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<トウヨシノボリ>                      <カワヨシノボリ>

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<オイカワ>                         <ムギツク>

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<ドジョウ>                          <ゲンジボタルの幼虫>

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<ゲンジボタルの幼虫とカワニナ>            <トビケラの幼虫>

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<スジエビ>

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 つかまえた生き物を調べていくと、いろいろなことが分かってくる。生き物の名前はもちろんだけど、びっくりすることに水質だ。

 

 きれいな水でないと住めない生き物、多少汚れていても住める生き物、汚れた水に住む生き物で水の状態が見分けられるのだ。

 

<住んでいる生き物で水の状態が見分けられる>

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 前に大学で研究している先生に教えてもらったことだけど、薬品を使った水質検査はそのときの水の状態しかわからない。だけど生き物にはある程度の生育期間があるから、一定期間この川がどんな状態にあったかわかるらしい。

<川の生き物を調べよう 環境省水・大気環境局 国土交通省河川局 編>

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<薬品による水質調査 その瞬間の水質がわかる>

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 私は毎年夏に来てこの川で生きる生き物たちを探す。カワムツやカマツカなどきれいな水に住む魚たちを見つけると、この川がきれいな水のままだったことがわかってほっとする。

※綺麗な水に住む 

<カワムツ>                         <カマツカ>

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 だけど、この川もごみや生活排水など周辺の生活から少しずつ影響を受けているはずだ。多少汚れた水でも住める生き物も混じっているからそれがわかる。

 つかまえた生き物たちは捕まえた場所に返すことにしている。そこが住みかだからだ。

 来年もきれいな水に住むたくさんの生き物たちに会えるといいなと思っている。

 

 以上が作文の全文です。

 粟島桜香さんは、大人が準備して実施するような自然観察を毎年1人でコツコツと続けるとともに、その川の環境を確認し、そこに住む生き物の事に関心を持つという素晴らしい取り組みをされてきました。

 

 現在、中学生になられた彼女は、長代川に入る事は無くなったかもしれませんが、これからも変わらずに「川の事」「そこに住む生き物の事」「水質の事」を考えながら人生を歩んで欲しいと思います。

 

2105ざぶん賞決定

 “ざぶん賞”の作文に出会って「鴨川とわたし」を紹介した事をご縁に、“ざぶん賞関西実行委員会”のお手伝いをする事になり、私も沢山の応募作品を読ませて頂きました。

 多くの応募作品の中から、「2015ざぶん賞」の受賞作品が発表されました。

 詳しくはこちら→ 受賞作発表にリンク(外部リンク)

 表彰式は11月28日(土)に金沢市で開催されます。

 

 今年も全国から多くの素晴らしい作文が寄せられました。特に優秀な作文は表彰され、プロのアーティストの皆さんのイメージ画とともに作品として仕上げられます。

 そして、全国各地で展示されますので、皆様もお立ち寄り頂ければ幸いです。

 

 

 この“ざぶん賞”は、環境に関心があまり無い大人の方に小中学生の作文を通して少しでも「関心」と「理解」と「行動」を期待するものです。小中学生の皆さん、来年の2016ざぶん賞にあなたの水に対する想いを届けてみませんか?

 

 目頭が熱くなるような感動の作品も多数あります。作文をお読みになった皆様の胸にそのメッセージが届く事を祈りつつ今回の「鴨川真発見記」を終えたいと思います。                 

 平成27年10月28日 (京都土木事務所Y)

 

 

  

   

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