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農作物の高温少雨対策・家畜の暑熱対策等について

   今月16日の梅雨明け以降、近畿地方では厳しい暑さが続いています。
  また、先週18日に大阪管区気象台が発表した1か月予報でも、向こう1か月は期間を通じて厳しい暑さが続き、降水量も平年に比べ少ない確率が高いと予想されており、まとまった雨も期待できないものと思われます。
  以下の事項を参考に、適切な農作物・家畜の管理と作業中の健康管理に十分注意してください。

1 水稲

(1)水稲は幼穂形成期から、出穂5日後頃までが最も水を必要とし、この間の干ばつは稔実を著しく不良にするので注意してください。
(2)特に、登熟期の干ばつは、粒の充実が悪くなり、細粒や乳白粒が多発するほか、収穫時の殻粒水分が低下して胴割れ米が発生するので、登熟期も土が湿った状態(飽和状態)になるよう、水分管理に心掛けましょう。
(3)ほ場をかんがいする際には、畦から漏水していないか、ほ場を点検するとともに、根の温度を下げるために、水温が低い夜間に水を入れましょう。
(4)地域全体で節水を心掛けながら、ほ場が乾かないように注意してください。

 2 豆類

 (1)ダイズは水稲に比べて倍近くの水が必要で、特に、開花期以降に大量の水を必要します。開花期の水不足は、落花・落莢を増長させ、稔実莢数や一莢粒数の減少に結びつくので注意してください。
(2)しかし、開花期に急激に大量の水を与えると根を傷めて落花することが多いので、「慣らしかん水」しておくなどの工夫をしてください。
(3)水不足の場合は、隔畦(1畦か2畦とばして水を通す。)でかん水します。区画の大きなほ場(30a以上)では、数日に分けてかん水しましょう。
(4)アズキでは、は種時まで好天が続くと、土壌水分が急激に低下し発芽揃いが悪くなります。
  このため、は種後適宜かん水を実施し、発芽勢の向上に努めてください。かん水の方法は明きょを活用したり、うね間に水を走らせたりするなど実情に応じて効率的に行いましょう。
(5)は種深度が浅いと高温乾燥で発芽や初期生育が極端に阻害されるので、は種機の調節を行い、適切なは種深度(3~4cm)を確保してください。

(6)開花期以降、子実の肥大に伴ってカメムシ類や子実害虫の被害が増えるので、若莢期(アズキの場合は開花期)から10日間隔で2~3回薬剤散布してください。また、この間の乾燥天候により、ハダニ類やハスモンヨトウの発生も増加してくるので、ほ場をよく観察し、発生を認めたら早期防除に努めましょう。 

 3 野菜・花き

 (1)可能なら早朝にかん水を行ってください。
(2)畝表面の中耕除草を行い、水の蒸発を抑えましょう。この場合でも、過度の中耕は根を傷付けたり、土壌の乾燥を助長するので注意してください。
(3)マルチや敷ワラを行い、水の蒸発を抑えましょう。ただし、かん水を計画的に行い、マルチ内の土が乾燥しきってしまわないように注意してください。
(4)施設では、寒冷紗等により遮光を行いましょう。
(5)施設での耕うんは、土壌の団粒構造の破壊を防ぐため適度な土壌水分の状態で行ってください。
(6)害虫、特に、ハダニ類、スリップス類等が多発しやすいので、発生初期の防除に努めましょう。
(7)害虫の発生源となる、ほ場やハウス内外の雑草を刈り取りましょう。

【品目別の管理】

(1)軟弱野菜(ミズナ・ミブナなど)

  • 強光時には寒冷紗等でハウス全体を被覆し、ハウス内の気温を下げましょう。

(2)ナス・トウガラシ類

  • マルチや敷ワラを行い、土壌の乾燥を防ぐとともに、かん水を計画的に行いましょう。
  • 整枝・剪定を行った上で、害虫の発生初期に防除を行いましょう。
  • 不良果実の摘果や果実の若取り収穫を心掛け、草勢の維持を図ってください。なお、ハウスでは昼間の遮光も効果的です。

(3)キュウリ・トマト

  • マルチや敷ワラを行い、土壌の乾燥を防ぐとともに、追肥・かん水を計画的に行いましょう。
  • 整枝・摘葉や不良果実の摘果を心掛け、草勢の維持を図ってください。

(4)コギク

  • マルチや敷きワラを行い、土壌の乾燥を防ぎましょう。乾燥による下葉の枯れ上がりが激しい場合は、かん水してください。また、害虫の発生初期に防除を行いましょう。

(5)トルコギキョウ

  • 発蕾期のほ場については乾燥させないよう、かん水を計画的に行いましょう。特に、固定種については、生育後半まで乾燥を避けましょう。
  • 抑制栽培では高温により開花が促進され、切り花ボリュームが不足するので、寒冷紗等でハウス全体を被覆し、ハウス内の気温を下げるよう努めてください。

(6)花壇苗類

  • パンジー等これからは種する品目については、寒冷紗等でハウス全体を被覆し、ハウス内の気温を下げるよう努めるとともに、早期の害虫防除の徹底を図りましょう。

 4 果樹

(1)かん水は、早めから計画的に行いましょう。スプリンクラーや散水チューブを使用して、樹冠下に集中的に10a当たり2~3トンをかん水してください。降雨が無い日が7日以上続けば、繰り返しかん水してください。この時、地下に浸透させることが重要であるため、できるだけ時間をかけてかん水しましょう。また、水量を節約するために、早朝又は夕方にかん水するようにしましょう。
  ただし、収穫2~3週間前の場合は、味や裂果の発生に影響がない程度となるよう、留意して実施してください。
(2)水分の競合を避けるため、幹の周辺(直径4m程度)の草を刈り取り、マルチを行いましょう。
  また、きれいに除草している清耕園では軽く中耕を行い、水分の蒸発を防いでください。
(3)ハダニ類の防除を行いましょう。なお、間もなく収穫を迎える樹種では、農薬の「収穫前日数」に十分注意してください。
(4)土壌水分は表面ほど変化が激しくなるので、普段から計画的に土壌の深耕及び有機物の施用を行って、地下部の保水力を高めるとともに、根群の発達を促しましょう。

 5 茶

 (1)幼木園は干ばつ害を受けやすいので、5~7日間隔で気温の下がる夕方にかん水を行うとともに、敷草によって株元の保護に努めましょう。

(2)成木茶園では、敷草などにより地温を下げ、土壌保水力の増強に努めてください。また、深刈 り、中切りなどの更新を行った茶園ではかん水を行いましょう。
(3)被覆施設のあるところでは、化学繊維資材(遮光率60~70%)、よしず等で筋掛けをしましょう。(高温による葉焼け等の被害が予想される場合、被覆資材で覆うことにより、露天に比べて株面付近の温度は3~7度低く、湿度は高く保つことができ、干ばつ害を軽減することができます。被覆資材の遮光率が高いほど、被覆内の温度は低く、湿度は高く保つことができます。)なお、被覆期間は、9月中旬までを限度とし、平年並に気温が下がった時期の曇天の日に資材を除去してください。
(5)干ばつ時にはカンザワハダニ、チャノミドリヒメヨコバイ、チャノキイロアザミウマなどの害虫の被害が増大しやすいので、的確な防除を行ってください(干ばつ年には、クワシロカイガラムシが大発生する傾向があるので、注意が必要です。) 

6 畜産

(1)壁面や窓を開放して畜舎内の風通しを良くするとともに、扇風機は自然の風を畜舎に入れる方向に設置しましょう。屋根へ水を撒いたり、屋根を消石灰等で白く塗ることも有効です。また、パドック等には、日よけを設置しましょう。
(2)日よけ資材を活用したり、つる性植物や樹木を植栽し、太陽からの熱を防ぎましょう。
(3)与える水は長時間溜めおかず、低温で新鮮な水の補給に努めましょう。また、飼料はガーリックなどを添加したり、少量を多数回に分けたり、涼しい時間帯に給与するなど、家畜の食欲を高めるよう工夫してください。
(4)栄養価・し好性の高い飼料や塩分を給与し、栄養やミネラルの摂取を高めるよう、心掛けましょう。
(5)家畜をよく観察し、異常畜の早期発見、早期治療に努めましょう。 
(6)牛では細霧システムの設置による畜舎内の気温上昇を抑制、毛刈りや夜間放牧の実施が高温・暑熱対策に有効です。
豚では母豚へのペットボトル水の滴下を行い、密飼いを避け、ストレスを防ぐようにしましょう。
鶏では、卵殻質維持のためのカルシウム強化を実施し、密飼いを避けて、ストレスを防ぎましょう。

〈参考〉

表   家畜の適温域

家畜の種類  適温域(度)
成牛 5~20
子豚 20~30
成豚 10~25 
採卵鶏 10~25
 ブロイラー 15~25 

7 作業者の熱中症を防ぐ対策

 〈作業環境面〉

(1)日除けや通風をよくするための設備を設置し、作業中は適宜散水しましょう。
(2)水分、塩分の補給のためのスポーツドリンク等でこまめに水分を補給し、また、身体を適度に冷やすことのできる氷、冷たいおしぼり等を備えておきましょう。
(3)作業中の温湿度の変化が分かるよう、温度計、湿度計等を設置しましょう。
(4)日陰などの涼しい場所に休憩場所を確保しましょう。

〈作業面〉
(1)十分な休憩時間や作業休止時間を確保しましょう。
(2)作業服は吸湿性、通気性の良いものを、帽子は通気性の良いものを着用してください。

〈健康面〉
(1)健康診断結果などにより、健康状態をあらかじめ把握しておきましょう。
(2)作業開始前はもちろん、作業中も作業者間で健康状態を観察するようにしましょう。

【救急措置】
(1)近くの病院や診療所の場所を確認しておきましょう。
(2)熱中症は、早期の措置が大切です。
少しでも異常が見られたら下記の手当を行ってください。

  • 涼しいところで安静にする。
  • 水やスポーツドリンク等をとらせる。
  • 体温が高いときは、裸体に近い状態にし、冷水をかけながら扇風機の風をあてる。また、首、脇の下、足の付けねなど太い血管のある部分に氷やアイスパックを当てる方法も効果的です。

回復しない場合や症状が重い場合等は、速やかに医師の手当を受けてください。

お問い合わせ

農林水産部流通・ブランド戦略課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4974

ryutsu-brand@pref.kyoto.lg.jp

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