○職員の職務発明に関する規則

昭和56年5月1日

京都府規則第21号

職員の職務発明に関する規則をここに公布する。

職員の職務発明に関する規則

(趣旨)

第1条 この規則は、職員がした発明の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規則において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 勤務発明 職員がその勤務に関してした発明(特許法(昭和34年法律第121号)第2条第1項に規定する発明をいう。以下同じ。)をいう。

(2) 職務発明 勤務発明であつて、その内容が当該勤務発明をした職員が所属し、又は所属した機関の所掌する業務の範囲に属し、かつ、当該勤務発明をするに至つた行為が当該職員の現在又は過去の職務に属する場合をいう。

(3) 発明者 勤務発明をした職員をいう。

(権利の承継)

第3条 府は、職務発明について、この規則の定めるところにより、特許を受ける権利又は特許権を承継するものとする。

(発明の届出)

第4条 職員は、勤務発明をしたときは、遅滞なく、勤務発明届(別記第1号様式)により当該職員が所属する機関の長(以下「所属長」という。)を経由して知事に届け出なければならない。

 所属長は、前項の規定による届出を受けたときは、遅滞なく、当該届出に係る書類に意見書(別記第2号様式)を添えて、知事に提出しなければならない。

(職務発明の認定等)

第5条 知事は、前条第1項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る勤務発明が職務発明であるかどうかを認定し、職務発明であると認定したときは、当該勤務発明について府が特許を受ける権利を承継するかどうかを決定するものとする。

 前項の場合において、知事は、職務発明であると認定した勤務発明について発明者が既に特許権を取得しているときは、当該特許権を府が承継するかどうかを決定するものとする。

 知事は、前2項の規定による認定又は決定をしたときは、速やかに、その旨を文書により所属長を経由して当該発明者に通知するものとする。

(職務発明でない勤務発明)

第6条 知事は、前条第1項の規定により勤務発明が職務発明でないと認定した場合において、発明者から当該勤務発明について特許を受ける権利又は特許権の譲渡の申出があつたときは、当該権利を府が承継するかどうかを決定するものとする。

 前条第3項の規定は、前項の規定により決定した場合に準用する。

(譲渡の義務)

第7条 発明者は、第4条第1項の規定により届け出た勤務発明について知事が前2条の規定により特許を受ける権利又は特許権を府が承継すると決定したときは、当該権利を府に譲渡しなければならない。

(特許出願)

第8条 知事は、第5条又は第6条の規定により特許を受ける権利を府が承継すると決定したときは、遅滞なく特許出願を行うものとする。

 前項の規定にかかわらず、知事は、必要があると認めるときは、特許出願前に当該特許を受ける権利を譲渡することができる。

第9条 発明者は、第4条第1項の規定により届け出た勤務発明について、知事が第5条第1項の規定により職務発明でないと認定し、又は特許を受ける権利を府が承継しないと決定した後でなければ特許出願を行つてはならない。ただし、緊急に特許出願を行う必要があるときは、この限りでない。

 発明者は、前項ただし書の規定により特許出願を行つたときは、速やかに、個人特許出願届(別記第3号様式)に当該特許出願に関する書類の写しを添えて、所属長を経由して知事に提出しなければならない。

(外国特許権の取得)

第10条 知事は、第7条の規定により府が特許を受ける権利又は特許権を譲り受けた勤務発明について、外国特許権の取得の決定を行うことができる。

 第5条第3項の規定は、前項の規定により決定した場合に準用する。

(登録補償金)

第11条 府は、この規則の定めるところにより特許権を取得したときは、権利1件につき20,000円の登録補償金を当該発明者に支払うものとする。

(実施補償金)

第12条 府は、第7条の規定により譲り受けた特許を受ける権利又は特許権の運用又は処分により収入を得たときは、毎年1月1日から12月31日までの間の収入実績に応じ、翌年4月30日までに次の各号に掲げるところによる実施補償金を当該発明者に支払うものとする。

(1) 府が当該特許を受ける権利又は特許権に係る勤務発明の実施を府以外の者に許諾して収入を得たときは、次によりその収入額を区分し、それぞれ当該区分に応ずる率を順次乗じて得た金額の合計額

50万円以下の部分の金額 100分の30

50万円を超え100万円以下の部分の金額 100分の20

100万円を超え150万円以下の部分の金額 100分の10

150万円を超える部分の金額 100分の5

(2) 府が当該特許を受ける権利又は特許権を譲渡して収入を得たときは、その収入額の100分の30

 府は、知事が前項各号の規定により算定した実施補償金の額が著しく不適当と認めるときは、別に相当と認められる実施補償金を支払うことができる。

(登録補償金等の支払決定通知)

第13条 知事は、前2条の規定による登録補償金又は実施補償金の支払を決定したときは、速やかに、その旨を文書により所属長を経由して、当該発明者に通知するものとする。

(共同発明者に対する補償)

第14条 第11条に規定する登録補償金及び第12条に規定する実施補償金は、当該登録補償金又は実施補償金を受ける権利を有する発明者が2人以上あるときは、それぞれの持分に応じて支払うものとする。

(発明者の負担した出願費用等の支払)

第15条 府は、第7条の規定により特許を受ける権利又は特許権を譲り受けた場合において、発明者が既に特許出願等に要する費用を支出しているときは、当該発明者の申請により知事が必要と認める範囲内において当該費用に要した経費を当該発明者に支払うものとする。

(退職又は死亡したときの補償)

第16条 発明者が有する登録補償金、実施補償金又は特許出願等に要した経費の支払を受ける権利は、当該発明者が退職した後も存続するものとし、当該発明者(退職した発明者を含む。)が死亡したときは、その相続人が承継するものとする。

(不服の申立て)

第17条 発明者は、第5条第1項若しくは第2項の規定による知事の認定若しくは決定又は第11条若しくは第12条の規定による登録補償金若しくは実施補償金の支払の決定に不服があるときは、第5条第3項若しくは第13条の規定による通知を受けた日の翌日から起算して30日以内に、不服申立書(別記第4号様式)により所属長を経由して知事に不服の申立てをすることができる。

 知事は、前項の規定により不服の申立てを受けたときは、当該不服の申立てに対する決定を行い、当該不服の申立てを受けた日の翌日から起算して60日以内に、その結果を所属長を経由した当該不服の申立てを行つた発明者に通知しなければならない。

(職務発明審査会)

第18条 知事は、次の各号に掲げる場合は、職務発明審査会の意見を聴かなければならない。

(1) 第5条第1項及び第2項並びに第6条の規定による認定及び決定を行うとき。

(2) 第10条第1項の規定による外国特許権の取得の決定を行うとき。

(3) 第12条第2項の規定による実施補償金の額の決定を行うとき。

(4) 第17条第2項の規定による不服の申立てに対する決定を行うとき。

(5) その他知事が必要と認めるとき。

 職務発明審査会の組織及び運営に関する事項は、知事が別に定める。

(考案等についての準用)

第19条 この規則は、職員のした考案(実用新案法(昭和34年法律第123号)第2条第1項に規定する考案をいう。以下同じ。)、意匠(意匠法(昭和34法律第125号)第2条第1項に規定する意匠をいう。以下同じ。)の創作及び品種の育成(種苗法(昭和22年法律第115号)第7条第1項に規定する品種の育成をいう。以下同じ。)について準用する。この場合において、考案及び意匠の創作については、第11条中「20,000円」とあるのは「10,000円」と読み替えるものとする。

(その他)

第20条 この規則に定めるもののほか、この規則の施行に関し必要な事項は、知事が別に定める。

(平20規則14・旧第21条繰上)

(施行期日等)

 この規則は、公布の日から施行し、同日以降に職員が勤務に関連して行つた発明、考案、意匠の創作及び品種の育成(以下「勤務発明等」という。)について適用する。

(経過措置)

 この規則の施行の日(以下「施行日」という。)前になされた勤務発明等について、施行日現在において府が勤務発明等を行つた者(以下「勤務発明者等」という。)から特許を受ける権利、実用新案登録を受ける権利若しくは意匠登録を受ける権利(以下「特許等を受ける権利」という。)若しくは特許権、実用新案権若しくは意匠権(以下「特許権等」という。)を譲り受けていない場合又は品種登録者の名義変更を受けていない場合において、当該勤務発明者等から当該権利の譲渡又は当該品種登録者の名義変更の申出があつたときは、施行日以後なされた勤務発明等とみなし、この規則を適用する。

 施行日前に府が勤務発明者等から譲り受けた特許等を受ける権利又は特許権等は、この規則に基づいて譲り受けたものとみなし、第10条第12条から第14条まで及び第16条から第21条までの規定を適用する。

(平成20年規則第14号)

この規則は、平成20年4月1日から施行する。

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職員の職務発明に関する規則

昭和56年5月1日 規則第21号

(平成20年4月1日施行)