○京都府指定文化財の指定及び京都府登録文化財の登録の基準

昭和57年9月1日

京都府教育委員会告示第5号

京都府文化財保護条例(昭和56年京都府条例第27号)第7条第1項第30条第1項第36条第1項及び第43条第1項の規定により京都府教育委員会が行う京都府指定文化財の指定及び京都府登録文化財に関する規則(昭和57年京都府教育委員会規則第6号)第2条の規定により京都府教育委員会が行う京都府登録文化財の登録の基準を次のように定める。

京都府指定文化財の指定及び京都府登録文化財の登録の基準

第1 京都府指定文化財の指定基準

 京都府指定有形文化財

(1) 建造物

建築物(社寺、城郭、住宅、公共施設等)及びその他の工作物(橋りよう、石塔、鳥居等)の各時代建造物遺構及びその部分並びに建造物の模型、子、仏壇等で建築的技法になるもの(以下「建造物」という。)のうち次のからまでのいずれかに該当するもの

 意匠的に優秀なもの

 技術的に優秀なもの

 歴史的価値の高いもの

 学術的価値の高いもの

 流派的又は地域的特色が顕著なもの

(2) 絵画、彫刻

次のからまでのいずれかに該当するもの

 各時代の遺品のうち製作優秀で文化史上貴重なもの

 絵画・彫刻史上特に意義のある資料となるもの

 題材、品質、形状又は技法等の点で特異性を示すもの

 特殊な作者、流派又は地域様式等を代表するもの

 渡来品で文化史上特に意義のあるもの

(3) 工芸品

次のからまでのいずれかに該当するもの

 各時代の遺品のうち製作が特に優秀なもの

 工芸史上又は文化史上特に貴重なもの

 形態、品質、技法又は用途等が特異で意義の深いもの

 渡来品で工芸史上に意義深く、密接な関連を有するもの

(4) 書跡、典籍

次のからまでのいずれかに該当するもの

 書跡類は、宸翰しんかん、和漢名家筆跡、古筆、墨跡、法帖ほうじょう等で、書道史上又は文化史上貴重なもの

 典籍類のうち写本類は、和書、漢籍、仏典及び洋書の原本又はこれに準じる写本で文化史上貴重なもの

 典籍類のうち版本類は、印刷史上意義ある資料で文化史上貴重なもの

 書跡類、典籍類で歴史的又は系統的にまとまつて伝存し、学術的価値の高いもの

 渡来品で文化史上特に意義のあるもの

(5) 古文書

次のからまでのいずれかに該当するもの

 古文書類は、歴史上重要と認められるもの

 日記、記録類(絵図、系図類を含む。)は、その原本又はこれに準じる写本で文化史上貴重なもの

 木簡、印章、金石文等は、記録性が高く、学術上重要と認められるもの

 古文書類、日記、記録類等で歴史的又は系統的にまとまつて伝存し、学術的価値の高いもの

 渡来品で歴史上特に意義のあるもの

(6) 考古資料

次の又はのいずれかに該当するもの

 各時代の遺物のうち学術的価値の高いもの

 渡来品で歴史上意義が深く、かつ、学術的価値の高いもの

(7) 歴史資料

次のからまでのいずれかに該当するもの

 政治、経済、社会、文化、科学技術等歴史上の各分野における重要な事象に関する遺品のうち学術的価値の高いもの

 歴史上重要な人物に関する遺品のうち学術的価値の高いもの

 歴史上重要な事象又は人物に関する遺品で歴史的又は系統的にまとまつて伝存し、学術的価値の高いもの

 渡来品で歴史上意義が深く、かつ、学術的価値の高いもの

 京都府指定無形文化財

(1) 芸能

次の又はのいずれかに該当するもの

 音楽、舞踊、演劇その他の芸能のうち次の(ア)から(ウ)までのいずれかに該当するもの

(ア) 芸術上特に価値の高いもの

(イ) 芸能史上特に重要な地位を占めるもの

(ウ) 芸術上価値が高く、又は芸能史上重要な地位を占め、かつ、地域的又は流派的特色が顕著なもの

 の芸能の成立、構成上重要な要素をなす技法で特に優秀なもの

(2) 工芸技術

陶芸、染織、漆芸、金工その他の工芸技術のうち次のからまでのいずれかに該当するもの

 芸術上特に価値の高いもの

 工芸史上特に重要な地位を占めるもの

 芸術上価値が高く、又は工芸史上重要な地位を占め、かつ、地域的特色が顕著なもの

(3) 無形の文化的所産に係る技能

次の又はのいずれかに該当するもの

 無形の文化的所産に係る技能のうち次のからまでのいずれかに該当するもの

(ア) 芸術上特に価値の高いもの

(イ) 無形の文化的所産に係る技能の歴史上特に重要な地位を占めるもの

(ウ) 芸術上価値が高く、又は無形の文化的所産に係る技能の歴史上重要な地位を占め、かつ、地域的又は流派的特色が顕著なもの

 の無形の文化的所産に係る技能の成立、構成上重要な要素をなす技法で特に優秀なもの

 京都府指定有形民俗文化財

(1) 衣食住、生産、生業、社会生活その他の民俗に係る用具、施設等の有形の民俗文化財のうちその形様、製作技法、用法等において府民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの

(2) (1)に掲げる有形の民俗文化財の収集でその目的、内容等が次のからまでのいずれかに該当し、重要なもの

 歴史的変遷を示すもの

 時代的特色を示すもの

 地域的特色を示すもの

 生活階層の特色を示すもの

 職能の様相を示すもの

(3) 他民族に係る(1) 及び (2) に規定する有形の民俗文化財又はその収集で、府民の生活文化との関連上重要なもの

 京都府指定無形民俗文化財

(1) 風俗慣習等のうち次の又はのいずれかに該当し、その伝承上特別な教習を要するもの

 由来、内容、形態等において府民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの

 年中行事、祭礼、法会等の中で行われる行事で芸能の基盤を示すもの

(2) 民俗芸能のうち次のからまでのいずれかに該当し、重要なもの

 芸能の発生又は成立を示すもの

 芸能の変遷の過程を示すもの

 地域的特色を示すもの

 京都府指定史跡

次に掲げるもののうちその遺跡の規模、遺構、出土遺物等において歴史上又は学術上価値の高いもの

(1) 住居跡、集落跡その他居住に関する遺跡

(2) 都城跡、宮跡、国郡庁跡、城跡、古戦場その他政治に関する遺跡

(3) 社寺の跡又は旧境内、経塚、磨崖仏その他祭祀信仰に関する遺跡

(4) びよう、藩学、郷学、私塾、文庫その他教育学芸に関する遺跡

(5) 薬園跡、慈善施設その他社会事業に関する遺跡

(6) 関跡、一里塚、街道、条里制跡、堤防、窯跡、鋳造跡、市場跡その他産業交通土木に関する遺跡

(7) 古墳、墳墓その他埋葬に関する遺跡

(8) 旧宅、園池、井泉、樹石、碑及び由緒のある地域の類

(9) 外国及び外国人に関する遺跡

 京都府指定名勝

次に掲げるもののうち風致景観の優秀なもの、名所として価値の高いもの又は芸術上、歴史上若しくは学術上価値の高いもの

(1) 公園、庭園、社寺境内

(2) りよう、築堤

(3) 花樹、花草、紅葉、緑樹などのそう生する場所

(4) 鳥獣、魚虫などの生息する場所

(5) 岩石、洞穴

(6) 峡谷、ばく布、渓流、深えん

(7) 湖沼、湿原、浮島、湧泉

(8) 砂丘、砂嘴さし、海浜、島嶼とうしよ

(9) 山岳、丘陵、高原、平原、河川

(10) 展望地点

 京都府指定天然記念物

次に掲げる動物、植物及び地質鉱物のうち学術上貴重で、自然を記念するもの

(1) 動物

 著名な動物としてその保存を必要とするもの及びその生息地

 自然環境における特有の動物又は動物群集

 分布の特異性が著しいもの及びその生息地

 個体数の減少が著しく絶滅のおそれがあるもの及びその生息地

 特有な畜養動物

 家畜以外の動物で海外から我が国に移殖され、現時野生の状態にある著名なもの及びその生息地

 動物の貴重な標本

(2) 植物

 代表的な名木、巨樹、老樹、栽培植物の原木、並木、社そう

 代表的原始林、希有の森林植物相

 代表的な特殊岩石地植物群落

 代表的な原野植物群落

 代表的な海岸植物群落

 代表的な泥炭形成地域

 洞穴植物群落

 特殊な水草類、藻類、蘚苔せんたい類、微生物等の生じる地域

 着生植物の著しく発生する所

 著しい栽培植物の自生地及び栽培地

 絶滅にひんした植物の自生地

 著しい植物分布の地域

 植物の貴重な標本

(3) 地質鉱物

 岩石、鉱物及び化石の産出状態

 断層、地層の整合及び不整合並びにしゆう曲など地殻変動に関する現象

 風化及び浸食に関する現象

 洞穴

 硫気孔及び火山活動によるもの

 温泉及びその沈殿物

 岩石、鉱物及び化石の貴重な標本

(4) 保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の区域(天然保護区域)

第2 京都府登録文化財の登録基準

 京都府登録有形文化財

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、考古資料又は歴史資料のうち次の又はのいずれかに該当するもの

 府又は府内の地域(以下「地域」という。)の歴史上特に意義のあるもの

 学術上価値のあるもの

(2) 建造物、絵画、彫刻、工芸品のうち次のからまでのいずれかに該当するもの

 製作的、技術的又は意匠的に優れたもの

 題材、品質、形式、形態又は技法等の点で特異なもの

 流派的又は地域的特色の著しいもの

 京都府登録無形文化財

(1) 音楽、舞踊、演劇その他の芸能及びこれらの芸能の成立、構成上重要な要素をなす技法のうち芸能の変遷又は地域的若しくは流派的特色を理解する上で必要なもの

(2) 陶芸、染織、漆芸、金工その他の工芸技術のうち工芸技術の変遷又は地域的若しくは流派的特色を理解する上で必要なもの

(3) 無形の文化的所産に係る技能のうち技能の変遷又は地域的若しくは流派的特色を理解する上で必要なもの

 京都府登録有形民俗文化財

衣食住、生産、生業、社会生活その他の民俗に係る用具、施設等の有形の民俗文化財のうちその形様、製作技法、用法の点で特色があり、府民又は地域住民の基盤的な生活文化を理解する上で必要なもの

 京都府登録無形民俗文化財

風俗慣習、民俗芸能等のうちその由来、内容、形態等の点で特色があり、府民又は地域住民の基盤的な生活文化を理解する上で必要なもの

 京都府登録史跡

第1の5の(1)から(9)までに掲げるもののうち次の(1)又は(2)のいずれかに該当するもの

(1) 府又は地域の歴史上特に意義のあるもの

(2) 学術上価値のあるもの

 京都府登録名勝

第1の6の(1)から(10)までに掲げるもののうち次の(1)から(3)までのいずれかに該当するもの

(1) 風致景観の優れたもの

(2) 名所として価値のあるもの又は芸術上若しくは学術上価値のあるもの

(3) 府又は地域の歴史上特に意義のあるもの

 京都府登録天然記念物

第1の7の(1)から(4)までに掲げるもののうち次の(1)又は(2)のいずれかに該当するもの

(1) 学術上価値のあるもの

(2) 府又は地域の歴史上特に意義のあるもの

京都府指定文化財の指定及び京都府登録文化財の登録の基準

昭和57年9月1日 教育委員会告示第5号

(平成25年2月5日施行)

体系情報
第11編 育/第7章 文化財
沿革情報
昭和57年9月1日 教育委員会告示第5号
平成25年2月5日 教育委員会告示第2号