○京都府暴走族等の追放の促進に関する条例

平成15年3月18日

京都府条例第8号

京都府暴走族等の追放の促進に関する条例をここに公布する。

京都府暴走族等の追放の促進に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、暴走族等の追放に関し府、府民、保護者等の責務を明らかにするとともに、暴走族等による危険運転等、暴走行為のあおり行為等を規制することにより、暴走族等のいない社会づくりを促進し、もって府民生活の安全と平穏に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 自動車等 道路交通法(昭和35年法律第105号。以下「法」という。)第2条第1項第9号に規定する自動車及び同項第10号に規定する原動機付自転車をいう。

(2) 暴走行為 次のいずれかに該当する行為をいう。

 法第68条の規定に違反する行為又は2台以上の自動車等を連ねて通行させ、若しくは並進させる場合において、法第7条、第17条、第22条第1項、第55条、第57条第1項若しくは第62条の規定に違反する行為

 法第71条第5号の3又は第71条の2の規定に違反する行為

 道路(法第2条第1項第1号に規定する道路をいう。以下同じ。)、公園、広場、駅その他の公衆が出入りすることができる場所(以下「公共の場所」という。)において、正当な理由がないのに、公衆に危険を生じさせ、又は著しく迷惑を及ぼすような方法で、自動車等を急発進させ、若しくは急転回させ、又は空ぶかし(自動車等を走行させない状態でその原動機の回転数を増加させる行為を含む。以下同じ。)をする行為

(3) 暴走族 暴走行為をすることを目的として結成された集団をいう。

(4) 暴走族等 暴走族、暴走行為をする者及び情を知って暴走行為に係る自動車等に同乗する者をいう。

(5) 暴走族等の追放 暴走族等による暴走行為の防止、暴走族への加入の防止及び暴走族からの離脱の促進を図ることにより、暴走族等のいない社会を築くことをいう。

(6) 少年 20歳未満の者をいう。

(7) 保護者 少年に対して法律上監護教育の義務のある者及び少年を現に監護する者をいう。

(府の責務)

第3条 府は、暴走族等の追放の促進に関する総合的な施策を策定し、これを実施する責務を有する。

(府民の責務)

第4条 府民は、この条例の目的を達成するため、府が実施する暴走族等の追放の促進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(保護者等の責務)

第5条 保護者は、その監護に係る少年が暴走行為をし、又は暴走族に加入しないよう努めるとともに、当該少年が暴走族に加入していることを知ったときは、暴走族から離脱させるよう努めなければならない。

 学校及び職場の関係者並びに少年の教育又は育成に携わる団体の関係者は、その職務又は活動を通じ、相互に連携し、暴走族等の追放の促進に努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 自動車等若しくはその部品の販売又は自動車等の修理を業とする者は、府が実施する暴走族等の追放の促進に関する施策に協力するよう努めるとともに、その事業活動において、暴走行為に使用されるおそれのある自動車等の部品の販売又は取付けをすることにより、暴走行為を助長しないよう自主的に努めるものとする。

 自動車等の燃料の販売を業とする者は、府が実施する暴走族等の追放の促進に関する施策に協力するよう努めるとともに、その事業活動において、法第62条又は第71条の2の規定に違反することが外観上明らかな自動車等その他の暴走行為に使用されるおそれのある自動車等の運転者に燃料を販売することにより、暴走行為を助長しないよう自主的に努めるものとする。

 衣服、はちまき、旗等(以下「衣服等」という。)に刺しゅう又は印刷(以下「刺しゅう等」という。)をすることを業とする者は、府が実施する暴走族等の追放の促進に関する施策に協力するよう努めるとともに、その事業活動において、衣服等に暴走族の名称その他の暴走族であることを誇示する表示の刺しゅう等をすることにより、暴走行為を助長しないよう自主的に努めるものとする。

(公共の場所の管理者の責務)

第7条 公共の場所の管理者は、暴走族等が暴走行為をする際に常習的に集合する場所について、暴走族等を集合させないために必要な措置を講じるよう努めるものとする。

 道路の管理者は、暴走族等が常習的に暴走行為をする道路について、暴走行為を防止するために必要な措置を講じるよう努めるものとする。

(基本指針の策定)

第8条 知事は、暴走族等の追放を促進するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めなければならない。

 基本指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 暴走族等の追放の促進に係る啓発活動及び府民意識の高揚に関する基本的な事項

(2) 暴走族への加入の防止に関する基本的な事項

(3) 暴走族からの離脱の促進に関する基本的な事項

(4) 暴走族等の追放の促進に関する関係者の協議に関する事項

(5) 前各号に掲げるもののほか、暴走族等の追放の促進に関する基本的な事項

 知事は、基本指針を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

(関係機関等への要請)

第9条 府は、暴走族等の追放の促進に関する施策の実施について、必要に応じ、関係する機関及び団体に対し、協力の要請を行うものとする。

(情報の提供等)

第10条 府は、府民、保護者、学校及び職場の関係者、事業者等に対し、暴走族等の追放の促進に関する施策の効果的な推進を図るため、情報の提供を行うとともに、必要な指導又は助言を行うものとする。

(危険運転等の禁止)

第11条 何人も、公共の場所(道路を除く。)において、正当な理由がないのに、公衆に危険を生じさせ、又は著しく迷惑を及ぼすような方法で、自動車等を急発進させ、若しくは急転回させ、又は空ぶかしをしてはならない。

(暴走行為のあおり行為の禁止)

第12条 何人も、暴走族等の暴走行為又はこれに対する警察の取締りを見物する目的で不特定多数の者が公共の場所に集合した場合において、現に暴走行為をしている者に対し、声援、拍手、手振り若しくは身振りをし、又は旗その他これに類するものを振ることにより、当該暴行行為をあおってはならない。

(暴走行為助長禁止重点区域の指定)

第13条 公安委員会は、府民生活の安全と平穏を確保するため暴走行為をあおる行為を重点的に取り締まる必要があると認める区域を暴走行為助長禁止重点区域(以下「重点区域」という。)として指定することができる。

 公安委員会は、前項の規定により重点区域を指定するときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

 前項の規定は、重点区域の変更及び指定の解除について準用する。

(暴走行為目的での集合等の禁止)

第14条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 暴走行為をする目的で自動車等を準備し、公共の場所に集合すること。

(2) 祭礼、興行その他の催物に際し、多数の者が集まっている公共の場所で、暴走族の名称その他の暴走族であることを誇示する表示の刺しゅう等をした衣服等を公衆の目に触れるように着用又は所持をして集合し、又は行進した場合において、暴走族であることを誇示する旗を振り、奇声を発する等公衆に不安又は恐怖を覚えさせるような方法で当該暴走族の威勢を示すこと。

(適用上の注意)

第15条 この条例の適用に当たっては、府民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

(罰則)

第16条 重点区域において、第12条の規定に違反して第2条第2号アに規定する暴走行為をあおった者は、10万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 常習として、重点区域において、第12条の規定に違反して第2条第2号アに規定する暴走行為をあおった者は、3月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

第17条 第11条の規定に違反した者は、5万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

この条例は、公布の日から起算して30日を経過した日から施行する。ただし、第13条の規定は、公布の日から施行する。

京都府暴走族等の追放の促進に関する条例

平成15年3月18日 条例第8号

(平成15年4月17日施行)