○京都府中小企業応援条例

平成19年3月16日

京都府条例第13号

京都府中小企業応援条例をここに公布する。

京都府中小企業応援条例

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 中小企業の経営の安定、再生及び承継(第4条―第6条)

第3章 中小企業の成長発展の促進

第1節 研究開発等事業計画の認定及び支援(第7条―第12条)

第2節 創業等の促進のための事業環境の整備等(第13条)

第4章 中小企業における知的財産等の活用等の促進(第14条・第15条)

第5章 中小企業を支える人材の育成等(第16条・第17条)

第6章 雑則(第18条・第19条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地域の経済及び雇用の重要な担い手である中小企業の果たす役割が、府の経済のみならず産業基盤及び地域社会の維持及び形成並びに社会の諸課題の解決にとって重要であることに鑑み、中小企業の経営の安定等に関する施策を総合的に実施することにより、中小企業の振興を図ることを目的とする。

(平24条例12・令4条例14・一部改正)

(中小企業の振興のための基本方針)

第2条 府は、中小企業の振興を図るため、次に掲げる施策を総合的に実施するものとする。

(1) 中小企業の経営の安定、再生及び承継に関する施策

(2) 中小企業の成長発展の促進に関する施策

(3) 中小企業における知的財産(知的財産基本法(平成14年法律第122号)第2条第1項に規定する知的財産をいう。以下同じ。)その他の無形資産(以下「知的財産等」という。)の創造、保護及び活用の促進に関する施策

(4) 中小企業を支える人材の育成、技術の継承等に関する施策

(平24条例12・一部改正)

(中小企業の状況に応じた総合的な支援)

第3条 府は、それぞれの中小企業が置かれた状況に応じ、中小企業が行う研究開発、設備投資、販路の拡大その他の多様な取組に対して総合的な支援を行うものとする。

 府は、前項の支援を行うに当たっては、市町村、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会その他の中小企業を支援する団体、産業界等との緊密な連携の下に行うものとする。

(平24条例12・追加)

第2章 中小企業の経営の安定、再生及び承継

(平24条例12・全改)

(経営基盤の強化等に関する支援)

第4条 府は、経営基盤の維持及び強化を図ることにより、中小企業の経営の安定、再生及び承継を図るため、次に掲げる施策を実施するものとする。

(1) 金融機関と連携して行う中小企業に対する融資その他の円滑な資金供給の確保

(2) 貸付け等による設備の導入の支援

(3) 機械器具の貸付け

(4) 技術の向上及び経営の改善に関する情報の提供及び助言

(5) 経営の承継に関する情報の提供及び助言

(6) 経営を承継する者の育成及び確保の推進

(7) 他の事業者、大学その他の研究機関等との連携に資するための支援

(8) その他必要な施策

(平24条例12・全改、令4条例14・一部改正)

(商工会等と連携した経営相談等)

第5条 府は、中小企業への訪問による相談を通じ、それぞれの中小企業が置かれた状況を的確に把握し、その状況に応じて、経営の安定、再生及び承継に取り組む中小企業を支援するため、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会その他規則で定める公益社団法人又は公益財団法人と連携して、次に掲げる施策を実施するものとする。

(1) 訪問による経営の安定等に関する相談の実施

(2) 経営の安定等に関する専門家の派遣

(3) その他必要な施策

(平24条例12・全改)

(中小企業が取り扱う業務情報の安全管理等)

第5条の2 府は、中小企業において、その業務に関して取り扱う情報の安全管理並びに当該情報に係る情報システム及び情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保に係る適切な措置が講じられるよう、当該措置の実施に必要な情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。

(平29条例17・追加)

(経営の安定等のための取組に対する補助金の交付)

第6条 府は、中小企業の経営の安定、再生及び承継のための取組を促進するため、予算の範囲内において、補助金を交付するものとする。

(平24条例12・全改)

第3章 中小企業の成長発展の促進

第1節 研究開発等事業計画の認定及び支援

(平24条例12・改称)

(研究開発等事業計画の認定等)

第7条 中小企業者は、規則で定めるところにより、研究開発等事業(中小企業者が単独で、又は他の事業者、大学その他の研究機関等と共同して、新たな事業展開等を図るために行う事業のうち、新たな技術の研究開発及びその成果の利用に関する事業その他の規則で定めるものをいう。)に関する計画(以下「研究開発等事業計画」という。)を作成し、これを知事に提出して、その計画が適当である旨の認定を受けることができる。

 前項の「中小企業者」とは、中小企業等経営強化法(平成11年法律第18号)第2条第1項に規定する中小企業者(同項に規定する中小企業者以外の者により事業活動を実質的に支配される中小企業者で、規則で定めるものを除く。)又は有限責任事業組合契約に関する法律(平成17年法律第40号)第2条に規定する有限責任事業組合(規則で定めるものを除く。)で、府内において事務所又は事業所を設置し、当該事務所又は事業所において継続して事業を実施するものをいう。

 知事は、第1項の認定の申請があった場合において、当該申請に係る研究開発等事業計画が新規性、実現性等を考慮して規則で定める基準に適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

 第1項の規定による認定を受けた者は、当該認定に係る研究開発等事業計画を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、知事の認定を受けなければならない。

 知事は、第1項の規定による認定に係る研究開発等事業計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定研究開発等事業計画」という。)に従って研究開発等事業が行われていないと認めるときは、規則で定めるところにより、その認定を取り消すことができる。

 第3項の規定は、第4項の認定について準用する。

(平24条例12・旧第6条繰下・一部改正、平29条例17・一部改正)

(認定研究開発等事業の用に供する家屋等の取得に対する不動産取得税の不均一課税)

第8条 前条第1項の規定による認定を受けた者が認定研究開発等事業計画に定める研究開発等事業(以下「認定研究開発等事業」という。)の用に供する家屋(自己の事業の用に供する部分に限る。)及びその敷地である土地(以下「適用不動産」という。)の取得をした場合における当該適用不動産の取得に対して課する不動産取得税の税率は、当該適用不動産の取得(同項の規定による認定を受けた日以降の取得に限る。)が、平成19年4月1日から令和9年3月31日までの間で、かつ、認定研究開発等事業の実施期間内において行われたときに限り、京都府府税条例(昭和25年京都府条例第42号。以下「府税条例」という。)の特例として、府税条例第43条の3の規定にかかわらず、同条に定める税率に、10分の1を乗じて得た率とする。

 前項の規定の適用を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定は、適用しない。

(1) 次項の規定による申請がなされた日(以下「申請日」という。)前3年以内において、地方税法(昭和25年法律第226号)第72条の39第2項、第72条の41第2項又は第72条の41の2第2項の規定の適用を受けていること。

(2) 申請日前3年以内において、国税通則法(昭和37年法律第66号)第68条第1項若しくは第2項の規定による法人税に係る重加算税の賦課又は地方税法第72条の47第1項若しくは第2項の規定による重加算金額の決定がされていること。

(3) 申請日前3年以内において、法人税法(昭和40年法律第34号)第70条若しくは第135条第1項又は地方税法第72条の24の10の規定の適用を受けていること。

(4) 申請日において、府税を滞納していること。

 第1項の規定は、当該不動産の取得者から、規則で定めるところにより、当該不動産の取得につき同項の規定の適用があるべき旨の申請がなされた場合に限り、適用するものとする。

 前項の規定による申請に際して、申請者が虚偽の申請をしたときは、第1項の規定は、適用しない。

(平24条例12・平29条例17・令4条例14・一部改正)

(不動産取得税の不均一課税の適用制限)

第9条 前条第1項の規定は、当該適用不動産の課税標準となるべき額に府税条例第43条の3に定める税率を乗じて得た額から当該課税標準となるべき額に前条第1項に定める税率を乗じて得た額を控除して得た額が2億円を超える場合においては、2億円を超える部分に対応する当該課税標準となるべき額については、適用しない。

 前条第1項(この項により読み替えて適用される場合を含む。)の規定を適用された者が、新たに適用不動産を取得した場合における前項の規定の適用については、同項中「当該適用不動産の課税標準となるべき額」とあるのは「既に同項の規定の適用を受けた適用不動産の課税標準となるべき額の合計額に新たに取得した適用不動産の課税標準となるべき額を加えて得た額」と、「当該課税標準となるべき額に前条第1項に定める税率を乗じて得た額」とあるのは「既に前条第1項の規定の適用を受けた不動産取得税の合計額に新たに取得した適用不動産の課税標準となるべき額に同項に定める税率を乗じて得た額を加えて得た額」と、「当該課税標準となるべき額については」とあるのは「当該新たに取得した適用不動産の課税標準となるべき額については」とする。

(平24条例12・一部改正)

(京都府雇用の安定・創出と地域経済の活性化を図るための企業等の立地促進に関する条例等に係る不動産取得税の不均一課税との調整)

第10条 京都府雇用の安定・創出と地域経済の活性化を図るための企業等の立地促進に関する条例(平成13年京都府条例第40号。以下「企業立地促進条例」という。)その他の府税条例の特例に関する条例の規定の適用があった場合の不動産取得税については、第8条第1項の規定は、適用しない。

 第8条第1項の規定の適用があった場合の不動産取得税については、企業立地促進条例その他の府税条例の特例に関する条例の規定は、適用しない。

(平24条例12・旧第11条繰上、平29条例18・一部改正)

(合併等に伴う不動産取得税の不均一課税の適用)

第11条 第7条第1項の規定による認定を受けた者について合併又は分割があった場合で、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により事業を承継した法人(以下「承継法人」という。)が、同条第4項の規定による研究開発等事業計画の変更の認定を受けた者の承継法人である場合に該当するときは、当該承継法人に対して前3条の規定を適用する。

(平24条例12・旧第12条繰上・一部改正)

(認定研究開発等事業に関する補助金の交付等)

第12条 府は、認定研究開発等事業の円滑な実施を促進するため、予算の範囲内において、補助金の交付、円滑な資金供給の確保その他の必要な施策を実施するものとする。

(平24条例12・旧第13条繰上・一部改正)

第2節 創業等の促進のための事業環境の整備等

(令4条例14・改称)

(創業等の促進のための事業環境の整備等)

第13条 府は、事業環境の整備等を図ることにより、創業等を促進するため、次に掲げる施策を実施するものとする。

(1) 研究開発、技術の実証等に必要な施設の提供その他の支援

(2) 経営又は技術に精通した人材の確保のための支援

(3) 円滑な資金供給の確保

(4) 物品等の販路の拡大のための支援

(5) 学校その他の教育機関等と連携した起業に関する教育の推進

(6) 必要な情報の提供及び助言

(7) その他必要な施策

 前項の「創業等」とは、次に掲げる行為をいう。

(1) 事業を営んでいない個人が新たに事業を開始すること(次号に掲げるものを除く。)

(2) 事業を営んでいない個人が新たに法人等を設立し、当該新たに設立された法人等が事業を開始すること。

(3) 法人等が自らの事業の全部又は一部を継続して実施しつつ、新たに法人等を設立し、当該新たに設立された法人等が事業を開始すること。

(平24条例12・旧第14条繰上・一部改正、令4条例14・一部改正)

第4章 中小企業における知的財産等の活用等の促進

(知的財産等の活用等の促進)

第14条 府は、中小企業における知的財産等の活用等を促進することにより、その経営の安定及び成長発展を図るため、次に掲げる施策を実施するものとする。

(1) 大学等の研究成果の中小企業への移転の促進

(2) 他の企業が保有する知的財産の活用の促進

(3) 知的財産等に関する情報の提供、助言及び普及啓発

(4) 知的財産等を活用した円滑な資金供給の確保

(5) その他必要な施策

(平24条例12・旧第16条繰上・一部改正)

(知恵の経営の支援)

第15条 府は、知恵の経営(中小企業が自ら保有する知的財産等の活用等により、経営の安定及び成長発展を図ろうとする経営活動をいう。)を支援するため、予算の範囲内において、補助金の交付、円滑な資金供給の確保その他の必要な施策を実施するものとする。

(平24条例12・追加)

第5章 中小企業を支える人材の育成等

(人材の育成等の推進)

第16条 府は、中小企業を支える人材の育成及び確保を図り、優れた技術及び技能の継承並びにこれに必要な他の事業者等との連携等を支援するため、次に掲げる施策を実施するものとする。

(1) 人材の育成及び確保を図るための仕組みづくりの推進

(2) 職業訓練、研修等による職業能力開発の推進

(3) 優れた技術又は技能を有する人材の活用

(4) 優れた技術及び技能に関する情報の提供及び普及啓発

(5) その他必要な施策

(平24条例12・旧第18条繰上・一部改正、令4条例14・一部改正)

(表彰)

第17条 知事は、優れた技術又は技能を有し、産業の振興及び発展に寄与した者を表彰することができる。

 知事は、特に優れた技術又は技能を有し、産業の振興及び発展に顕著な貢献をした者に対し、京都府の現代の名工の称号を授与することができる。

(平24条例12・旧第19条繰上)

第6章 雑則

(財政上の措置)

第18条 府は、中小企業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講じるものとする。

(平24条例12・旧第20条繰上・一部改正)

(規則への委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(平24条例12・旧第21条繰上)

(施行期日)

 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(失効)

 第3章第1節及び第15条の規定は、令和9年3月31日限り、その効力を失う。

(平24条例12・平29条例17・令4条例14・一部改正)

(不動産取得税の税率の特例)

 平成19年4月1日から令和9年3月31日までの間に土地の取得が行われた場合における第8条第1項及び第9条第1項の規定の適用については、第8条第1項中「第43条の3」とあるのは「第43条の3及び附則第14条の2」と、「同条に定める税率」とあるのは「この項の規定の適用がないものとした場合に適用されるべき税率」とし、第9条第1項中「府税条例第43条の3に定める税率」とあるのは、「同項の規定の適用がないものとした場合に適用されるべき税率」とする。

(平21条例22・平24条例12(平24条例21)・平27条例37・平29条例17・平30条例23・令3条例13・令4条例14・令6条例29・一部改正)

(失効に伴う不動産取得税の不均一課税に関する経過措置)

 附則第2項の規定にかかわらず、認定研究開発等事業の実施期間内において行われた適用不動産の取得については、第8条から第11条までの規定は、なおその効力を有する。この場合において、第8条第1項中「平成19年4月1日から令和9年3月31日までの間で、かつ、認定研究開発等事業の実施期間内」とあるのは、「認定研究開発等事業の実施期間内」とする。

(平24条例12(平24条例21)・平29条例17・令4条例14・一部改正)

(平成21年条例第22号)

(施行期日)

 この条例は、平成21年4月1日から施行する。

(平成24年条例第12号)

 この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(平24条例21・一部改正)

 この条例による改正後の京都府中小企業応援条例第8条第1項の規定の適用を受けようとする法人が同条第3項の規定による申請をした日前3年以内において所得税法等の一部を改正する法律(平成22年法律第6号)第2条の規定による改正前の法人税法(昭和40年法律第34号)第134条の2第1項の規定の適用を受けている場合における同条例第8条第2項第3号の規定の適用については、同号中「若しくは第135条第1項」とあるのは、「、所得税法等の一部を改正する法律(平成22年法律第6号)第2条の規定による改正前の法人税法第134条の2第1項」とする。

(平24条例21・旧第3項繰上・一部改正)

(平成24年条例第21号)

(施行期日)

 この条例は、平成24年4月1日から施行する。ただし、附則第16項及び第17項の規定は、公布の日から施行する。

(平成27年条例第37号)

(施行期日)

 この条例は、平成27年4月1日から施行する。

(平成29年条例第17号)

この条例は、平成29年4月1日から施行する。ただし、第7条第2項の改正規定及び附則第2項の改正規定(「第5条、」を削る部分を除く。)は、公布の日から施行する。

(平成29年条例第18号)

 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

(平成30年条例第23号)

(施行期日)

 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(令和3年条例第13号)

(施行期日)

 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(令和4年条例第14号)

この条例は、令和4年4月1日から施行する。ただし、第8条第1項及び附則第2項から第4項までの改正規定は、公布の日から施行する。

(令和6年条例第29号)

(施行期日)

 この条例は、令和6年4月1日から施行する。

京都府中小企業応援条例

平成19年3月16日 条例第13号

(令和6年4月1日施行)

体系情報
第7編 工/第1章
沿革情報
平成19年3月16日 条例第13号
平成21年3月31日 条例第22号
平成24年3月27日 条例第12号
平成24年3月31日 条例第21号
平成27年3月31日 条例第37号
平成29年3月28日 条例第17号
平成29年3月28日 条例第18号
平成30年3月31日 条例第23号
令和3年3月31日 条例第13号
令和4年3月18日 条例第14号
令和6年3月31日 条例第29号