○京都府林地開発行為の手続に関する条例

平成23年7月15日

京都府条例第25号

京都府林地開発行為の手続に関する条例をここに公布する。

京都府林地開発行為の手続に関する条例

(目的)

第1条 この条例は、林地開発行為をしようとする者と地域住民等の間で円滑に合意が形成されるための手続等を定めることにより、生活環境の保全を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 林地開発行為 森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2第1項に規定する開発行為で同項の規定による知事の許可を要するものをいう。

(2) 林地開発行為予定者 林地開発行為をしようとする者であって、次条の規定により事業計画書を提出した者をいう。

(3) 地域住民等 林地開発行為により生活環境に影響が生じるおそれがある地域に居住する者及び当該地域に存する地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第1項に規定する地縁による団体(以下「地域団体」という。)をいう。

(4) 関係市町村 林地開発行為をしようとする地域又は林地開発行為により生活環境に影響が生じるおそれがある地域が所在する市町村をいう。

(事業計画書の作成等)

第3条 林地開発行為をしようとする者は、森林法第10条の2第1項に規定する許可を申請する前に、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した事業計画書を作成し、知事に提出しなければならない。

(1) 林地開発行為をしようとする者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 林地開発行為の目的

(3) 林地開発行為をしようとする区域

(4) 生活環境に影響が生じるおそれの有無

(5) 生活環境に影響が生じるおそれの種類

(6) 生活環境に影響が生じるおそれがある範囲

(7) 生活環境に影響が生じるおそれを減じるための措置

(8) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項

(事業計画書の公告及び縦覧等)

第4条 知事は、前条に規定する事業計画書(第13条第1項の規定によりその内容を変更した場合にあっては、当該変更後の事業計画書を含む。以下同じ。)の提出があったときは、規則で定めるところにより、事業計画の内容その他規則で定める事項を公告し、事業計画書の写しを縦覧に供するものとする。

 前項の規定による縦覧の期間は、同項の規定による公告の日から起算して1月間とする。ただし、次条第5項の規定により事業計画書の内容を地域住民等に周知させるための説明会(以下「説明会」という。)が縦覧期間満了の日を経過した後に開催される場合は、前項の規定による公告の日から当該説明会が開催される日までの間とする。

 知事は、前項ただし書の規定に該当する場合は、規則で定める事項を公告するものとする。

 知事は、第1項の規定による公告をしたときは、速やかに、事業計画書の写しを関係市町村の長に送付するものとする。

 林地開発行為予定者は、第1項の規定による公告があったときは、地域住民等に対し、印刷物の配布その他の方法により、事業計画の内容その他規則で定める事項について周知しなければならない。

(説明会の開催等)

第5条 林地開発行為予定者は、前条第2項に規定する縦覧期間内に説明会を開催しなければならない。ただし、規則で定める場合においては、この限りでない。

 林地開発行為予定者は、説明会を開催しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、開催を予定する日時及び場所その他規則で定める事項を知事に届け出なければならない。

 知事は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その写しを関係市町村の長に送付するものとする。

 林地開発行為予定者は、第2項の規定による届出を行ったときは、速やかに、その日時、場所等を記載した印刷物の配布その他の方法により、地域住民等に説明会の開催を周知しなければならない。

 林地開発行為予定者は、天災、交通の遮断その他不測の事態により、第2項の規定により届け出た説明会の開催が不可能である場合には、その旨を知事に届け出るとともに、当該不測の事態が収束した後速やかに、説明会を開催しなければならない。この場合においては、前3項の規定を準用する。

(実施状況報告書の作成等)

第6条 林地開発行為予定者は、説明会を開催したときは、速やかに、当該説明会の開催日時その他規則で定める事項を記載した報告書(以下「実施状況報告書」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。

 知事は、実施状況報告書の提出があったときは、速やかに、実施状況報告書の写しを関係市町村の長に送付するものとする。

(意見書の提出等)

第7条 事業計画書の内容について生活環境の保全の見地から意見を有する地域住民等は、第4条第1項の規定による公告があったときは、当該意見の内容を記載した意見書(以下「意見書」という。)を規則で定めるところにより、知事に提出することができる。

 前項の規定による意見書の提出の期間は、第4条第2項に規定する縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までとする。ただし、第5条第1項ただし書の規定に該当する場合においては、第4条第2項本文の規定による縦覧期間満了の日までとする。

 知事は、第1項の規定による意見書の提出があったときは、規則で定めるところにより、前項に規定する提出期間満了後速やかに、当該意見書の写しを林地開発行為予定者及び関係市町村の長に送付するものとする。

(見解書の作成等)

第8条 林地開発行為予定者は、前条第3項の規定による意見書の写しの送付を受けたときは、遅滞なく、記載された意見に配慮して、意見書に対する見解を記載した書面(以下「見解書」という。)を作成し、規則で定めるところにより、知事に提出しなければならない。

 知事は、前項の規定により提出された見解書に意見書の意見に配慮した見解が記載されていないと認める場合は、補正又は再提出を求めることができる。

 知事は、見解書(前項の規定により補正又は再提出を求めた場合にあっては、補正又は再提出された見解書。以下同じ。)の提出があったときは、速やかに、意見書とともに公表し、見解書の写しを関係市町村の長に送付するものとする。

 林地開発行為予定者は、見解書の提出後、地域住民等に対し、見解書の写しの配布その他の方法により、見解書の内容を周知しなければならない。

(生活環境の保全に関する協定の締結等)

第9条 林地開発行為予定者は、地域団体との間において、林地開発行為に関し、生活環境の保全のために必要な事項に関する協定(以下「協定」という。)を締結するよう努めなければならない。

 知事は、協定を締結しようとする者(以下「当事者」という。)から助言を求められた場合又は生活環境の保全のため必要と認める場合は、協定の締結及びその内容に係る指導又は助言を行うことができる。

 知事は、前項の指導又は助言をしたにもかかわらず、協定が締結されない場合で、その原因が当事者の著しく不当な対応にあると認めるときは、当該当事者に対し、当該指導又は助言に従うよう勧告することができる。

 林地開発行為予定者は、第1項の協定を締結した場合には、協定書の写しを知事に提出しなければならない。

 知事は、前項の規定による協定書の写しの提出があったときは、速やかに、当該協定書の写しを関係市町村の長に送付するものとする。

(手続の停止等)

第10条 知事は、前条第3項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないと認めるときは、当該者が提出した事業計画書に係る事業計画に関するこの条例に定める手続で現に知事が行っているもの又は行おうとしているものを停止することができる。

 知事は、前項の規定により手続を停止したときは、その旨を公告し、これを同項に規定する勧告を受けた者及び関係市町村の長に通知するものとする。

 知事は、第1項の規定により手続を停止している場合において、同項に規定する勧告を受けた者が当該勧告に従ったと認めるときは、当該手続を再開することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。

(公表)

第11条 知事は、第9条第3項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、規則で定めるところにより、その旨を公表することができる。

 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る者に対し、あらかじめ、その旨を通知し、その者又はその代理人の出席を求め、釈明の機会を与えるための意見の聴取を行わなければならない。

(関係市町村の長の意見の聴取等)

第12条 知事は、関係市町村の長に対して、林地開発行為に関する生活環境の保全及びこの条例に定める手続等の実施状況に関する意見書(以下「市町村長意見書」という。)の提出を求めることができる。

 知事は、前項の規定による市町村長意見書の提出があったときは、速やかに、市町村長意見書の写しを林地開発行為予定者に送付するものとする。

 林地開発行為予定者は、前項の規定による市町村長意見書の写しの送付を受けたときは、遅滞なく、記載された意見に配慮して、市町村長意見書に対する回答を記載した書面(以下「回答書」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。

 知事は、前項の規定により提出された回答書に市町村長意見書の意見に配慮した回答が記載されていないと認める場合は、補正又は再提出を求めることができる。

 知事は、回答書(前項の規定により補正又は再提出を求めた場合にあっては、補正又は再提出された回答書。以下同じ。)の提出があったときは、速やかに、回答書の写しを関係市町村の長に送付し、必要と認める場合は、回答書に対する市町村長意見書の提出を求めることができる。

(事業計画書の変更の届出等)

第13条 林地開発行為予定者は、事業計画書の内容を変更しようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該変更後の事業計画書を知事に提出しなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。

 前項ただし書に規定する軽微な変更をした者は、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。

 知事は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その写しを関係市町村の長に送付するものとする。

(事業計画の廃止)

第14条 林地開発行為予定者は、事業計画を廃止したときは、その旨を知事に届け出なければならない。

 知事は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、その旨を公告し、これを関係市町村の長に通知するものとする。

(報告の徴収)

第15条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、林地開発行為をしようとする者、林地開発行為予定者又は地域住民等に対し、必要な事項について報告又は資料の提出を求めることができる。

(指導及び助言)

第16条 知事は、生活環境に著しい影響が生じるおそれがあると認めるときは、林地開発行為をしようとする者又は林地開発行為予定者に対し、必要な指導及び助言をすることができる。

(勧告)

第17条 知事は、林地開発行為をしようとする者又は林地開発行為予定者が、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(1) 事業計画書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の事業計画書を提出したとき。

(2) 説明会を正当な理由なく開催しないとき。

(3) 第5条第2項(同条第5項において準用する場合を含む。)の規定による届出を正当な理由なく提出せず、又は当該届出に虚偽の内容があるとき。

(4) 実施状況報告書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の実施状況報告書を提出したとき。

(5) 見解書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の見解書を提出したとき。

(6) 回答書を正当な理由なく提出せず、又は虚偽の回答書を提出したとき。

(7) 第13条第2項の規定による届出に虚偽の内容があるとき。

 知事は、前項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく、当該勧告に従わないときは、期限を定めて当該勧告に従うべきことを命じることができる。

 前項の規定による命令を受けた者(第1項第1号の場合(第3条の規定による事業計画書を正当な理由なく提出しなかった場合に限る。)に該当して命令を受けた者を除く。)が当該命令に従わなかったときは、当該命令に従わなかった者が提出した事業計画書に係る事業計画は、廃止されたものとする。

 知事は、前項の規定により事業計画が廃止されたときは、速やかに、その旨を公告し、これを関係市町村の長に通知するものとする。

(罰則)

第18条 前条第2項の規定による命令に違反した者は、5万円以下の過料に処する。

(規則への委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成23年10月1日から施行する。

京都府林地開発行為の手続に関する条例

平成23年7月15日 条例第25号

(平成23年10月1日施行)