○社会福祉法に基づく婦人保護施設の設備等の基準に関する条例
平成24年7月27日
京都府条例第41号
社会福祉法に基づく婦人保護施設の設備等の基準に関する条例をここに公布する。
社会福祉法に基づく婦人保護施設の設備等の基準に関する条例
(趣旨)
第1条 この条例は、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第65条第1項の規定により、売春防止法(昭和31年法律第118号)第36条に規定する婦人保護施設の設備及び運営に関する基準を定めるものとする。
(基本方針)
第2条 婦人保護施設は、入所者に対し、健全な環境の下で、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員により、社会において自立した生活を送るための支援を含め、適切な処遇を行うよう努めなければならない。
2 婦人保護施設は、入所者の人権に十分配慮するとともに、一人ひとりの人格を尊重して、その運営を行わなければならない。
3 婦人保護施設においては、入所者の国籍、信条又は社会的身分によって、差別的取扱いをしてはならない。
4 婦人保護施設は、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者を設置すること等必要な体制の整備を行うとともに、当該婦人保護施設の職員に対し、研修を実施すること等の措置を講じるよう努めなければならない。
(最低基準と婦人保護施設)
第3条 婦人保護施設は、この条例で定める基準を超えて、常に、その設備及び運営を向上させるよう努めなければならない。
(構造設備の一般原則)
第4条 婦人保護施設の配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等入所者の保健衛生に関する事項、入所者に対する危害の防止及び防災について十分考慮されたものでなければならない。
(非常災害対策)
第5条 婦人保護施設は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に関する具体的計画を立てておかなければならない。
2 婦人保護施設は、非常災害に備えるため、定期的に避難又は救出の訓練その他必要な訓練を行わなければならない。
(苦情への対応)
第6条 婦人保護施設は、その行った処遇に関する入所者からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置すること等必要な措置を講じなければならない。
2 婦人保護施設は、その行った処遇に関し、売春防止法第34条に規定する婦人相談所から指導又は助言を受けた場合には、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
3 婦人保護施設は、社会福祉法第83条に規定する運営適正化委員会が行う同法第85条第1項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
(帳簿の整備)
第7条 婦人保護施設は、設備、職員、会計及び入所者の処遇の状況に関する帳簿を整備しておかなければならない。
(職員)
第8条 婦人保護施設には、施設長、入所者を指導する職員、調理員及び施設のその他の業務を行うために必要な職員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する施設にあっては、調理員を置かないことができる。
2 婦人保護施設の職員は、専ら当該婦人保護施設の職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者等の処遇に支障がない場合には、この限りではない。
3 婦人保護施設の職員は、常に自己研鑽に励み、婦人保護施設の目的を達成するために必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならない。
4 婦人保護施設は、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
(施設長の資格要件)
第9条 施設長は、施設を運営する能力と熱意を有する者であって、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
(1) 社会福祉主事の資格を有する者又は社会福祉事業若しくは更生保護事業に3年以上従事した者であること。
(2) 罰金以上の刑に処せられたことのない者であること。
(3) 心身ともに健全な者であること。
(平27条例55・一部改正)
2 前項の規定にかかわらず、知事が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建ての婦人保護施設の建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されているものと認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。
3 婦人保護施設には、次に掲げる設備を設けなければならない。
(1) 事務室
(2) 相談室
(3) 宿直室
(4) 居室
(5) 集会室兼談話室
(6) 静養室
(7) 医務室
(8) 作業室
(9) 食堂
(10) 調理室
(11) 洗面所
(12) 浴室
(13) 便所
(14) 洗濯室
(15) 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備
4 前項各号に掲げる設備の仕様等の基準は、規則で定める。
(自立の支援等)
第11条 婦人保護施設は、入所者の自立を支援するため、入所者の就労及び生活に関する指導及び援助を行わなければならない。
2 前項の指導及び援助は、入所者の私生活を尊重して行わなければならない。
3 婦人保護施設は、入所者の起床、就寝、食事、入浴その他の日常生活に関する事項についての規程を定めなければならない。
4 婦人保護施設は、入所者の自立を促進するため、各入所者ごとに自立促進計画を作成しなければならない。
(給食)
第12条 給食は、食品の種類及び調理方法について栄養並びに入所者の身体的状況及び嗜好を考慮したものでなければならない。
2 調理は、あらかじめ作成された献立に従って行わなければならない。
3 栄養士を置かない婦人保護施設にあっては、献立の内容、栄養価の算定及び調理の方法について保健所等の指導を受けなければならない。
(保健衛生)
第13条 婦人保護施設は、入所者については、毎年2回以上定期に健康診断を行わなければならない。
2 婦人保護施設は、居室その他入所者が常時使用する設備について、常に清潔にしなければならない。
3 婦人保護施設は、入所者の使用する食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じるとともに、医薬品、衛生材料及び医療機械器具の管理を適正に行わなければならない。
4 婦人保護施設は、当該婦人保護施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(給付金として支払を受けた金銭の管理)
第14条 婦人保護施設は、当該婦人保護施設の設置者が入所者に係る婦人保護施設の設備及び運営に関する基準(平成14年厚生労働省令第49号)第14条の2の厚生労働大臣が定める給付金(以下この条において「給付金」という。)の支給を受けたときは、給付金として支払を受けた金銭を規則で定めるところにより管理しなければならない。
(秘密保持等)
第15条 婦人保護施設の職員は、正当な理由なく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 婦人保護施設は、職員であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
(関係機関との連携)
第16条 婦人保護施設は、婦人相談所、福祉事務所、都道府県警察、母子生活支援施設、配偶者暴力相談支援センター、母子・父子福祉団体、公共職業安定所、職業訓練施設その他の関係機関及び婦人相談員、母子・父子自立支援員、民生委員、児童委員、保護司その他の関係者と密接に連携しなければならない。
(平26条例36・一部改正)
(暴力団員等の排除)
第17条 婦人保護施設において、施設長その他規則で定める職員は、京都府暴力団排除条例(平成22年京都府条例第23号)第2条第3号に掲げる暴力団員であってはならない。
2 婦人保護施設は、その運営について、京都府暴力団排除条例第2条第4号に掲げる暴力団員等の支配を受けてはならない。
(電磁的記録)
第18条 婦人保護施設は、作成、保存その他これらに類するもののうち、この条例の規定において書面(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この条において同じ。)で行うことが規定されているもの又は想定されるものについては、書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。
(令3条例20・追加)
(規則への委任)
第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(令3条例20・旧第18条繰下)
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成26年条例第36号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成26年10月1日から施行する。
附則(平成27年条例第55号)
この条例は、平成28年1月1日から施行する。
附則(令和3年条例第20号)
この条例は、公布の日から施行する。