○京都府暫定登録文化財に関する規則

平成29年3月31日

京都府教育委員会規則第5号

京都府暫定登録文化財に関する規則をここに公布する。

京都府暫定登録文化財に関する規則

目次

第1章 総則(第1条)

第2章 登録(第2条―第5条)

第3章 登録の取消し(第6条―第9条)

第4章 管理(第10条―第19条)

第5章 保護(第20条―第23条)

第6章 公開(第24条)

第7章 雑則(第25条―第28条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規則は、京都府文化財保護条例(昭和56年京都府条例第27号。以下「条例」という。)第52条第5項の規定により、同条第3項の規定による登録及びその登録された文化財の保存及び活用に関し必要な事項を定めるものとする。

第2章 登録

(登録)

第2条 京都府教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、府の区域内に存する文化財(文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)若しくは条例の規定に基づき指定され、又は条例第52条第1項の規定により登録された文化財(以下「指定等文化財」という。)を除く。)のうち、一定の価値を有し、指定又は登録の基準を満たす可能性がある文化財を京都府暫定登録文化財(以下「府暫定登録文化財」という。)として登録することができる。

 前項に規定する府暫定登録文化財の種別は、次に掲げるとおりとする。

(1) 京都府暫定登録有形文化財(以下「府暫定登録有形文化財」という。)

(2) 京都府暫定登録有形民俗文化財(以下「府暫定登録有形民俗文化財」という。)

(3) 京都府暫定登録史跡、京都府暫定登録名勝又は京都府暫定登録天然記念物(以下「府暫定登録史跡名勝天然記念物」と総称する。)

 第1項の規定による登録は、教育委員会が府暫定登録文化財の種別ごとに、第26条第1項に規定する台帳に記載して行う。

(告示等)

第3条 前条の規定による登録については、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該府暫定登録文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

(報告)

第4条 教育委員会は、第2条の規定による登録について、京都府文化財保護審議会に報告しなければならない。

(登録の効力)

第5条 第2条の規定による登録は、第3条の規定による告示があった日からその効力を生じる。ただし、当該府暫定登録文化財の所有者に対しては、同条の規定による通知が当該所有者に到達した時からその効力を生じる。

第3章 登録の取消し

(登録の取消し)

第6条 教育委員会は、府暫定登録文化財が暫定登録文化財としての価値を失った場合その他特殊の事由がある場合は、その登録を取り消すことができる。

 府暫定登録文化財について指定等文化財となったときは、当該府暫定登録文化財の登録は、取り消されたものとする。

(告示等)

第7条 前条第1項の規定による登録の取消し、同条第2項の場合の登録の取消しについては、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該府暫定登録文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

(報告)

第8条 第6条第1項の規定による登録の取消しには、第4条の規定を準用する。

(登録の取消しの効力)

第9条 第6条第1項の規定による登録の取消しには、第5条の規定を準用する。

第4章 管理

(所有者の管理及び管理者)

第10条 府暫定登録文化財の所有者は、条例この規則及び教育委員会の指示に従い、府暫定登録文化財の管理に努めるものとする。

 府暫定登録文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該府暫定登録文化財を管理する者(以下「管理者」という。)を選任することができる。

 府暫定登録文化財の所有者は、前項の規定により管理者を選任したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出るものとする。管理者を解任し、又は変更した場合も同様とする。

 管理者には、第1項の規定を準用する。

(管理団体による管理)

第11条 府暫定登録文化財につき、所有者がないか若しくは判明しない場合又は所有者若しくは管理者による管理が著しく困難若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、教育委員会は、市町村その他適当と認める団体(以下この条において「市町村等」という。)を指定して、当該府暫定登録文化財の保存のため必要な管理(当該府暫定登録文化財の保存のため必要な施設、設備その他の物件で当該府暫定登録文化財の所有者の所有又は管理に属するものの管理を含む。)を行わせることができる。

 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ当該府暫定登録文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者並びに指定をしようとする市町村等の同意を得なければならない。

 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、前項に規定する所有者、占有者及び市町村等に通知して行うものとする。

 第1項の規定による指定には、第5条の規定を準用する。

 管理団体には、前条第1項の規定を準用する。

第12条 教育委員会は、前条第1項に規定する事由が消滅した場合その他特殊の事由がある場合は、管理団体の指定を解除することができる。

 前項の規定による解除には、第5条及び前条第3項の規定を準用する。

第13条 管理団体が行う管理に要する費用は、この規則に特別の定めのある場合を除いて、管理団体の負担とする。

 前項の規定は、管理団体と所有者との協議により、管理団体が行う管理により所有者の受ける利益の限度において、管理に要する費用の一部を所有者の負担とすることを妨げるものではない。

(管理団体による修理又は復旧)

第14条 管理団体が府暫定登録有形文化財若しくは府暫定登録有形民俗文化財の修理又は府暫定登録史跡名勝天然記念物の復旧を行う場合は、管理団体は、あらかじめその修理又は復旧の方法及び時期について当該府暫定登録文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者(府暫定登録史跡名勝天然記念物にあっては、権原に基づく占有者が判明しない場合を除く。)の意見を聴かなければならない。

 管理団体が修理又は復旧を行う場合には、前条の規定を準用する。

(所有者等の変更)

第15条 府暫定登録文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出るものとする。

 府暫定登録文化財の所有者又は管理者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出るものとする。

 前2項の規定にかかわらず、府暫定登録史跡名勝天然記念物について管理団体がある場合には、前2項の規定による届出は要しない。

(滅失、毀損等)

第16条 府暫定登録文化財の所有者(管理者又は管理団体がある場合は、そのもの)は、当該府暫定登録文化財の全部又は一部が滅失し、毀損し、若しくは衰亡し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、その事実を知った後、速やかにその旨を教育委員会に届け出るものとする。

(府の区域外への所在の変更)

第17条 府暫定登録有形文化財又は府暫定登録有形民俗文化財について府の区域外への所在の場所の変更(以下この条において「区域外所在変更」という。)を行おうとするときは、所有者(管理者又は管理団体がある場合は、そのもの)は、区域外所在変更を行おうとする日の20日前までにその旨を教育委員会に届け出るものとする。

 次に掲げる場合であって、当該府暫定登録有形文化財又は府暫定登録有形民俗文化財が府の区域内の場所に復することが明らかなときは、前項の規定にかかわらず、届出を要しない。

(1) 第23条第1項の規定による補助金の交付を受けて行う管理又は修理のために区域外所在変更を行おうとするとき。

(2) 第20条第1項の規定による届出をして行う現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為又は第21条第1項の規定による届出をして行う修理のために区域外所在変更を行おうとするとき。

(3) 前2号に掲げる場合以外の場合であって、区域外所在変更が30日を超えないとき。

 前項の規定により区域外所在変更の届出を行わず府暫定登録有形文化財又は府暫定登録有形民俗文化財の区域外所在変更を行った場合において、事情の変更により当該府暫定登録有形文化財又は府暫定登録有形民俗文化財が府の区域内の場所に復さないこととなったときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出るものとする。

 火災、震災その他の災害に際し区域外所在変更を行う場合その他区域外所在変更を行うについて緊急やむを得ない事由がある場合には、第1項の規定にかかわらず、区域外所在変更を行った後届け出ることをもって足りる。

 前項の届出は、区域外所在変更を行った後速やかに行うものとする。

(土地の所在等の異動の届出)

第18条 府暫定登録史跡名勝天然記念物の登録地域内の土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者(管理者又は管理団体がある場合は、そのもの)は、速やかにその旨を教育委員会に届け出るものとする。

(所有者変更等に伴う権利義務の承継)

第19条 府暫定登録文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該府暫定登録文化財に関しこの規則に基づいてする教育委員会の指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

 府暫定登録文化財について、管理団体が指定され、又はその指定が解除された場合には、前項の規定を準用する。ただし、管理団体が指定された場合には、専ら所有者に属すべき権利義務については、この限りでない。

第5章 保護

(現状変更等の届出)

第20条 府暫定登録文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、現状を変更し、又は保存に影響を及ぼす行為をしようとする日の20日前までにその旨を教育委員会に届け出るものとする。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

(1) 府暫定登録文化財が毀損し、又は衰亡している場合において、その価値に影響を及ぼすことなく当該府暫定登録文化財を原状に復するとき。

(2) 府暫定登録文化財が毀損し、又は衰亡している場合において、当該毀損又は衰亡の拡大を防止するため応急の措置を執るとき。

(3) 府暫定登録史跡名勝天然記念物の一部が毀損し、又は衰亡し、かつ当該部分の復旧が明らかに不可能である場合において、当該部分を除去するとき。

(4) 第23条第1項及び第2項の規定による補助金の交付を受けて行う管理又は修理のために現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為を行うとき。

(5) 非常災害のために必要な応急措置を執るとき。

(6) 府暫定登録文化財の保存に影響を及ぼす行為をする場合において、その影響が軽微であるとき。

 教育委員会は、府暫定登録文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し指導及び助言をすることができる。

(修理又は復旧の届出等)

第21条 府暫定登録有形文化財の修理又は府暫定登録史跡名勝天然記念物の復旧をしようとするときは、所有者又は管理団体は、修理又は復旧に着手しようとする日の20日前までにその旨を教育委員会に届け出るものとする。ただし、第23条第1項及び第2項の規定による補助金の交付を受け、又は前条第1項の規定による届出をして行う場合は、この限りでない。

 教育委員会は、府暫定登録有形文化財又は府暫定登録史跡名勝天然記念物の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理又は復旧に関し技術的な指導及び助言をすることができる。

(保存に関する指導及び助言)

第22条 教育委員会は、府暫定登録文化財の所有者、管理者若しくは管理団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、当該府暫定登録文化財の保存のため必要な指導及び助言をすることができる。

(保存経費の補助)

第23条 教育委員会は、府暫定登録文化財の管理について、所有者又は管理団体がその負担に堪えない場合、その他特別の事情がある場合は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者又は管理団体に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

 府暫定登録有形文化財若しくは府暫定登録有形民俗文化財の修理又は府暫定登録史跡名勝天然記念物の復旧につき、多額の経費を要し、所有者又は管理団体がその負担に堪えない場合でかつ緊急に保存の必要がある場合には、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者又は管理団体に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

 前2項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理、修理又は復旧に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理、修理又は復旧について指揮監督することができる。

第6章 公開

(公開)

第24条 教育委員会は、府暫定登録有形文化財又は府暫定登録有形民俗文化財の所有者又は管理団体に対し、教育委員会の行う公開の用に供するため当該府暫定登録有形文化財又は府暫定登録有形民俗文化財を出品することを勧奨することができる。

 教育委員会は、府暫定登録文化財の所有者又は管理団体に対し当該府暫定登録文化財の公開を勧奨することができる。

第7章 雑則

(適用除外)

第25条 第10条第2項から第4項まで、第15条から第18条まで、第20条及び第21条の規定は、第2条の規定による登録の際現に法第182条第2項の規定による市町村の文化財保護条例(以下「市町村条例」という。)の規定に基づき市町村指定文化財に指定され、市町村条例の適用を受けている府暫定登録文化財及び第2条の規定による登録後、市町村条例の規定に基づき市町村指定文化財に指定され、市町村条例の適用を受けることとなった府暫定登録文化財については、適用しない。

(台帳)

第26条 教育委員会は、府暫定登録文化財の登録及び府暫定登録文化財に係る記録の保存をするため、京都府登録文化財台帳その他必要な台帳を備えるものとする。

 前項に規定する台帳には、その附属資料として府暫定登録文化財に係る写真等を備えておくものとする。

(京都府文化財保護条例施行規則の準用)

第27条 第10条第3項の規定による届出には、京都府文化財保護条例施行規則(昭和57年京都府教育委員会規則第5号。以下「施行規則」という。)第3条の規定を、第15条第1項の規定による届出には、施行規則第4条の規定を、第15条第2項の規定による届出には、施行規則第5条の規定を、第16条の規定による届出には、施行規則第6条の規定を、第17条の規定による届出には、施行規則第7条の規定を、第18条の規定による届出には、施行規則第31条の規定を、第20条第1項の規定による届出には、施行規則第14条及び第20条第1項の規定を、第21条第1項の規定による届出には、施行規則第13条第14条及び第34条第1項の規定を準用する。この場合において、施行規則別記様式中「指定」とあるのは「暫定登録」と、「管理責任者」とあるのは「管理者」と読み替えるものとする。

(委任)

第28条 この規則に定めるもののほか、必要な事項は、教育長が定める。

この規則は、平成29年4月1日から施行する。

京都府暫定登録文化財に関する規則

平成29年3月31日 教育委員会規則第5号

(平成29年4月1日施行)

体系情報
第11編 育/第7章 文化財
沿革情報
平成29年3月31日 教育委員会規則第5号