２　最低基準を超えて、設備を有し、又は運営をしている一時保護施設においては、最低基準を理由として、その設備又は運営を低下させてはならない。

２　一時保護施設は、児童の保護者及び地域社会に対し、当該一時保護施設の運営の内容を適切に説明するよう努めなければならない。

３　一時保護施設は、その行う業務の質について、自ら評価を行うとともに、定期的に外部の者による評価を受け、それらの結果を公表し、及び常にその改善を図らなければならない。

４　一時保護施設には、法第33条第１項又は第２項に規定する一時保護の目的を達成するために必要な設備を設けなければならない。

５　一時保護施設の構造設備は、採光、換気等入所している児童の保健衛生及びこれらの児童に対する危害防止に十分な考慮を払って設けられなければならない。

２　前項の訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月１回は、これを行わなければならない。

２　一時保護施設は、職員に対し、安全計画について周知するとともに、前項の研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。

３　一時保護施設は、定期的に安全計画を見直すべきかどうかについて検討を行い、必要に応じて安全計画の変更を行うものとする。

２　一時保護施設においては、入所した児童に対し、その意見又は意向(法第33条の３の３に規定する意見聴取等措置において表明された意見又は意向を含む。)を尊重した支援を行わなければならない。

２　一時保護施設において、正当な理由がある場合に、やむを得ず児童の権利を制限するに当たっては、その理由について十分な説明を行い、児童の理解を得るよう努めなければならない。

２　一時保護施設において、合理的な理由がある場合に、やむを得ず児童の所持する物の持込みを禁止するに当たっては、その理由について十分な説明を行い、児童の理解を得た上でこれを行うよう努めなければならない。

３　一時保護施設において、児童の所持する物を保管する場合は、紛失、盗難、毀損等が生じないような設備に保管しなければならない。

２　一時保護施設は、職員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施するよう努めなければならない。

３　一時保護施設は、定期的に業務継続計画を見直すべきかどうかについて検討を行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うよう努めるものとする。

２　前項各号に掲げる設備の仕様等の基準は、規則で定める。

３　一時保護施設には、入所している児童ができる限り良好な家庭的環境において安全に、かつ、安心して暮らすことができるよう、ユニットを整備するよう努めなければならない。

４　一時保護施設は、児童の生活の場について児童のプライバシーの保護に十分に配慮された環境となるよう整えなければならない。

２　知事は、一時保護施設の職員に対し、その資質の向上のために、入所している児童の権利の擁護、その児童の意見又は意向を尊重した支援の実施その他必要な事項に関する研修の機会を確保しなければならない。

２　前項各号に掲げる職員の人数の基準は、規則で定める。

２　前項の職員の勤務の体制を定めるに当たっては、規則で定める職員の配置の基準によらなければならない。

２　一時保護施設には、職員の指導及び教育を行う職員(以下「指導教育担当職員」という。)を置かなければならない。

３　指導教育担当職員は、一時保護施設における業務又は児童相談所における児童の福祉に係る相談援助業務(法第13条第３項第３号に規定する相談援助業務をいう。)に通算しておおむね５年以上従事した経験を有する者でなければならない。

４　一時保護施設の管理者及び指導教育担当職員は、２年につき１回以上の割合で、一時保護施設の運営に関する必要な知識の習得及びその資質の向上のため、一時保護施設の設備及び運営に関する基準(令和６年内閣府令第27号)第20条第４項のこども家庭庁長官が指定する者が行う研修又はこれに準じる研修を受けなければならない。ただし、やむを得ない理由があるときは、この限りでない。

２　前項第１号の指定は、児童福祉法施行令(昭和23年政令第74号)第３条の２第１号に規定する内閣府令で定める基準に定める教育内容に適合する学校又は施設について行うものとする。

２　学齢児童及び学齢生徒(それぞれ学校教育法第18条に規定する学齢児童及び学齢生徒をいう。)を入所させる一時保護施設であって学習指導員を２人以上置くものには、教育職員免許法に基づく小学校の教諭の免許状を有する学習指導員及び同法に基づく中学校の教諭の免許状を有する学習指導員をそれぞれ１人以上置くよう努めなければならない。

２　前項の規定は、入所している児童の居室及び一時保護施設に特有の設備並びに入所している児童の保護に直接従事する職員については、適用しない。

２　一時保護施設は、当該一時保護施設において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、規則で定める措置を講じるよう努めなければならない。

３　一時保護施設においては、入所している児童の希望等を勘案し、清潔を維持することができるよう適切に、入所している児童を入浴させ、又は清しきしなければならない。

４　一時保護施設は、入所している児童に、清潔な衣服(下着にあっては、未使用のもの又は当該児童の所持するものに限る。)を使用させなければならない。

５　一時保護施設には、必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、それらの管理を適正に行わなければならない。

２　一時保護施設において、入所している児童に食事を提供するときは、その献立は、できる限り、変化に富み、入所している児童の健全な発育に必要な栄養量を含有するものでなければならない。

３　食事は、前項の規定によるほか、食品の種類及び調理方法について栄養並びに入所している児童の身体的状況及び嗜し好を考慮したものでなければならない。

４　調理は、あらかじめ作成された献立に従って行わなければならない。ただし、少数の児童を対象として家庭的な環境の下で調理するときは、この限りでない。

５　一時保護施設は、児童の健康な生活の基本としての食を営む力の育成に努めなければならない。

２　前項の措置の実施により児童の健康状態を把握した医師又は歯科医師は、その結果及び必要な事項を当該児童の健康に関する記録に記入するとともに、必要に応じ、一時保護の解除、医療上の措置等必要な手続をとることを、児童相談所長又は知事に勧告しなければならない。

３　一時保護施設は、一時保護施設の職員の健康状態の把握に当たっては、特に入所している児童の食事を調理する者につき、綿密な注意を払わなければならない。

２　学習等を行う室、屋内運動場、屋外運動場等における活動は、それらの面積及び利用する児童数を勘案して、児童の安全が確保されたものでなければならない。

２　一時保護施設における教育は、児童がその適性、能力等に応じた学習を行うことができるよう、適切な相談、助言、情報の提供等の支援により行わなければならない。

３　一時保護施設は、学校教育法第１条に規定する学校(幼稚園を除く。)に在籍している児童が適切な教育を受けられるよう、当該児童の希望を尊重しつつ、その置かれている環境その他の事情を勘案し、通学の支援その他の必要な措置を講じるよう努めなければならない。

４　一時保護施設は、入所している児童の家庭の状況に応じ、親子関係の再構築等が図られるよう、必要な支援等を行わなければならない。

５　一時保護施設は、入所していた児童が適切な支援を受けることができるよう、一時保護の解除後も当該解除を行った児童相談所に必要な協力をするよう努めなければならない。

２　児童相談所長は、必要に応じ警察、医療機関等関係機関と密接に連携して児童の支援に当たらなければならない。

２　知事は、一時保護施設の職員であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た児童又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

２　知事は、前項の必要な措置として、苦情の公正な解決を図るため、苦情の解決に当たっては、当該一時保護施設の職員以外の者を関与させなければならない。

(施行期日)

１　この条例は、令和７年４月１日から施行する。

(設備に関する経過措置)

２　この条例の施行の際現に存する一時保護施設に係る設備については、第15条の規定に適合しない部分に限り、同条の規定は、適用しない。ただし、この条例の施行後に全面的な改築がされたものについては、この限りでない。

３　前項本文の場合においては、児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備等の基準に関する条例(平成24年京都府条例第36号。以下「児童福祉施設基準条例」という。)第58条の規定を準用する。

(職員及び夜間の職員の配置に関する経過措置)

４　一時保護施設の職員の確保の状況その他特別の事由により、一時保護施設の職員の数及び夜間の職員の体制につき、この条例に定めるこれらに関する規定により難い場合においては、当該一時保護施設については、令和11年３月31日までの間に限り、当該規定を適用しないことができる。この場合においては、児童福祉施設基準条例第59条及び第66条の規定を準用する。