ここから本文です。

JOHNAN株式会社(京都企業紹介)

知恵の経営元気印経営革新チャレンジ・バイの各認定等を受けた府内中小企業を紹介するページです。

京都企業紹介(業種別) 京都企業紹介(五十音順) IoT/IoE 京都府の産業支援情報 京都試作ネットバナー

プリント基板修理サービス!

(2021年10月8日、ものづくり振興課 足利)

基板修理サービス

あらゆる機器に不可欠なプリント基板。
それが壊れると、数百万円、数千万円もする機器そのものを買い換える、あるいは、高齢化する経営者の中には、それだけの負担をするなら、この際事業を辞めてしまう、などということになりかねません。

そこで登場したのがJOHNAN株式会社(外部リンク)の「プリント基板修理サービス(外部リンク)」!
電子回路がデジタル化する中で、希少な存在となってきたアナログ回路設計者の新たな活躍の場としても秀逸な取組です!
コネクターをはじめ、電機部品が手に入らない昨今の時流にも適しているのではないでしょうか!

 

学校にいる生徒のジェスチャーで、工場のロボットをリモートコントロール

(更新日:令和3年1月5日、ものづくり振興課 鴨井)

京都府立工業高等学校でのオンライン出前授業

 京都府立工業高等学校(外部リンク)のロボット技術科の2年生を対象に、先端ロボット技術について研究開発されているJOHNAN株式会社(外部リンク)による「オンラインロボット講座」を授業の一環として開催いただきました。離れた教室から会社の実験室にあるロボットを遠隔で操作するなど、生徒にとって、ロボット技術を身近に感じる良い機会となりました。

  • 実施日:令和2年12月9日
  • 場所: 京都府立工業高等学校(ロボット技術科)

201209_robot1 201209_robot2

山本光世代表取締役社長兼CEOからは会社というものについてお話しいただきました。会社は子どもたちが、将来希望を持てる社会を実現するために、アイデアを製品にして使ってもらう橋渡しをする役割をもつ。やったことがないからこそ、試して作る「試作」が重要で、たとえ失敗しても、うまくいかなったことが発見できたという大きな意味があるとのメッセージが伝えられました。 

201209_robot3 201209_robot4 201209_robot5

JOHNANイノベーションラボの皆様には従来のロボットと未来のロボットについて説明していただきました。現在、工場内では人とロボットは安全性確保の観点から、柵などで領域が分けられています。JOHNANイノベーションラボでは、協働ロボットをより便利にするために、「衝突する前に停止する」「人の意図を理解して、人が必要とするサービスを提供する」ロボット技術を開発しています。開発に使用している有用なツールの1つがROS(robot operating system)になります。ROSを使うとパソコンからロボットを制御することが可能になるため、AIなど様々な最先端の技術を使ってロボットを制御することができます。人間のスムーズな動きに合わせて、協調して働くロボットの実用化が今後期待されます。

201209_robot6 201209_robot7

ロボットのデモンストレーションでは、カメラで対象物を検知し、追従して動作するロボットアームの様子を見学しました。スムーズに手の動きについていくロボットアームの動きは圧巻です!

201209_robot8 201209_robot9 

最後に、福知山にある教室から生徒がジェスチャによってJOHNAN内にあるロボットに指示を出す遠隔操作を体験いただきました。生徒の手の動きによって、遠隔地にあるロボットが追従して動き、見事に対象物をつかむことができました。

終了後、生徒からは「人間の仕事を全てやってくれるものだと思っていたが、人間と協力してやることもできると知った」「機械やロボットの種類は多く、学校で学ぶ範囲は本当に一部だと思った」「沢山のロボットやロボットの可能性を見ることができよかった」「初めて知ることが多くロボットのことや会社のことなど、とても勉強になった」など、多くの意見をいただきました。

この出前授業が生徒の皆さんにとって様々な気づきの機会となれば幸いです。

産業用水中ドローン(ROV)「MOGOOL」動画

動画へのリンク
紹介動画(外部リンク)

詳細説明ページ(外部リンク)

 

モーションプランニング「RapidPlan」と水中ドローン「MOGOOL」

(更新日:令和元年12月19日、掲載日:令和元年12月9日、ものづくり振興課 足利)

モーションプランニング衝突回避例示写真MOGOOL外観

JOHNANイノベーションラボ(外部リンク)事業推進部長の中原様にお話をおうかがいしました。

即時性に優れるロボット・モーションプランニング「RapidPlan」

--今、世の中では次世代ロボット、具体的には「自律ロボット」の開発が進んでおり、アームロボットで言えば「モーションプランニング」ですが、「JOHNANさんのモーションプランニングがすごい」との噂を聞いて、本日改めてうかがった次第です。

中原)Realtime Robotics社(本社:米国ボストン)製のロボット・モーション・プランニング製品Rapid Planの取扱いを始めたのです。産業用ロボット分野にて衝突回避実現のボトルネックとなっていたモーション・プランニング、すなわち、障害物を認識する軌道を計算しルートを形成する経路探索機能のソリューションとなるものです。

--国内でもモーションプランニングで有名な企業もありますが、そういったところとはどう違うのですか?

中原)例えば、点群データ化して空間や障害物を認識する手法がありますが、取り扱うデータ量が膨大であるため、反応時間に数秒かかってしまいます。その間に障害物や人がぶつかってくると回避できません。

--Rapid Plan

中原)まず、予め複数の3Dカメラなどのビジョンセンサーで作業環境内の形状情報を採取するとともに、付属品にてロボットアームが取り得るたくさんの軌道、例えば、何万通りの軌道を割り出します。

ビジョンセンサー 形状情報 付属品写真

--ふむ。

中原)すると、障害物が侵入してきた場合は、ビジョンセンサーでロボットアーム及び障害物を認識するので、リアルタイムで回避軌道を自動計算しルートを動的に生成するのです。人の姿勢もカメラがリアルタイムで検出し、ロボットが一緒に働く人の作業内容を理解するのです。これまでのロボットは人の動きを意識してなかったですが、これは人にまさしく「協調」するのです。

衝突回避 衝突回避

--なるほど、いいですね!ワークやワークの運び先の把握は?

中原)3Dカメラをロボットアームに取り付けられ、不規則に動くオブジェクトをリアルタイムでトラッキングします。これにより、人の手やワークの位置、ワークの運び先のパレット等を動かしても、対応するのです。

ワーク認識 運搬先が変わる例 運搬先が変わる例

--いいですね!

中原)また、モードを変えれば、逆に人が持つワークを掴みにいくこともでき、人との共同作業も実現できます。生産現場だけでなく介護現場などでの応用も期待できます。

人の手のものを掴む風景
(「国際ロボット展2019」にて)

コンパクトでハイパワー!水中ドローン「MOGOOL」

--けいはんなロボット技術センターも、センサープラットフォームを意識して整備しており、大変共感できます。さて、もう1つ「JOHNANさんの水中ドローンもすごい」というお声を聞いています。

中原)水中ドローン「MOGOOL(モグール)」ですね。中国のベンチャー企業製ですが、開発・製造の品質管理から当社がサポートしていますし、お客様に対しても、単に販売代理をしているだけでなく、メンテナンスまでパッケージで対応しています。

MOGOOLのコンパクトな装備

--どういった構成なのですか?

中原)遠隔操作型の無人潜水機で、本体、コントロールボックス、ケーブルで構成されています。本体には暗所でも撮影可能な高感度フルHDカメラが搭載されており、水中の写真・動画を鮮明に記録することができます。また、本体とコントロールボックス、操作端末であるiOS対応端末との接続に有線接続方式を採用しており、安定した通信環境を実現しております。

--バッテリーは?

中原)姿勢制御や移動にはプロペラ(スクリュー)を使いますが、ケーブルで繋がっており、本体にバッテリーの搭載がいらないんです。写真でお分かりのとおり、プロペラは、水平方向2基、垂直方向に1基搭載しています。

--なるほど。では、MOGOOLの特徴は?

中原)まず、1つ目は、1人でも持ち運びできる小ささ、コンパクトさです。本体サイズは、長さ425mm、幅330mm、高さ220mm、重さ3.2kgです。

--それって重要なんですか?

中原)水中ドローンの使用目的、つまり、マーケットに関する側面ですが、ダムの点検、海難事故の調査、定置網等の点検など、大変様々な分野での活用が期待されていますが、それを簡単に、低コストで実現できるということなのです。

MOGOOL使用例

--なるほど。

中原)使用例の話をしますと、海難事故等の調査、特に20m以上の深い海を潜るのは大変危険ですし、専門業者のダイバーの人件費もかかります。深く潜るにはゆっくり時間をかけないといけませんから。あるいは、各漁港の組合等では定期的に海岸線の調査をダイバーが海に潜ってされています。こうしたことがMOGOOLでコンパクトに可能になります。また、定置網で捕った魚は、小さなものは捕ってからリリースしているのですが、これを使って捕る前からどんな魚が入っているかも分かります。イケスのアンカー点検もそうですが、漁業の生産性向上にも役立つものです。

--そうなのですね。では、次の特徴は?

中原)小さい、コンパクトという1つ目の特徴を実現できているのは、小さくてもパワーの大きなプロペラのおかげです。水中では波、潮流などいろんな力が働きますから、機体姿勢を制御するのに、大きなパワーを得ようと大きなプロペラにすると、それはそれで波等から受ける力も大きくなってしまい効果が打ち消されてしまいます。ですから「小さくてハイパワー」というのは大変重要なのです。

--なるほど。

中原)そして、100m潜水可能というものです。バージョンによっては最大1,000mまで潜ることができ、プロトタイプ機以外の商用ベースでここまでの深さまで対応しているのは、他にはないかと思います。

--そうなのですね。

中原)我々は、水中ドローンの日本への普及・定着を目指すことにより、環境調査や水産業、水難救助といった水に関する社会問題を解決したいと考えています。更に、海や湖等に関する情報とAIを組み合わせて活用することで様々なサービスを提供したいと思います。

JOHNAN Innovation Lab(外部リンク)

--それにしましても、医療機器分野といい、ロボット分野といい、様々なチャレンジをされてらっしゃいますね。

中原)今の光世社長の祖父が創業した会社ですが、祖母が内職のはんだ付けの腕が良く評判で、仕事が増え周囲の人たちも集めて・・・というのを見た祖父が創業しました。

--そうだったのですね。

中原)そこからスタートして、ご存知の通り、これまでも様々な分野に拡大して今日に至っています。現在「第二の創業期」-Back to a Venture-にあり、JOHNANイノベーション(JiL)は、新規事業を創出し、当社グループの変革に波及効果をもたらすイノベーション・ハブになるというミッションを掲げています。経済産業省の平成29年度補正予算 グローバル・ベンチャー・エコシステム連携加速化事業費補助金(スタートアップファクトリー構築事業)の採択を受け、これまで様々な分野を手掛けてきた当社の強みを活かし、スタートアップの製品開発から量産、市場参入まで幅広い支援を行い、国内のベンチャー・エコシステムの形成に貢献しようとしています。JiLの拠点の一つ「JiL大久保」には、工作機械も揃えています。ぜひ、従来の型にとらわれない商品開発にチャレンジしたい方、一緒にチャレンジしましょう!

ジョーナンイノベーションラボロゴ

 

顧客の事業を加速する、ものづくり・コトづくり支援業

(掲載日:平成28年9月27日、聞き手・文:ものづくり振興課 足利)

JOHNANは製造支援ソリューションを提供することで持続可能な社会の実現に貢献します

 JOHNAN株式会社(本社:宇治市)の山本代表取締役様にお話をおうかがいしました。

半導体、基板実装、機械、光学フィルムなどの多様なものづくりに関する開発・製造支援

まず、会社概要、事業概要について教えてください

山本) 現在、従業員は総数で約900名、海外も2工場が稼働しています。私の祖父が創業し、私は4代目の代表となります。創業は現パナソニック株式会社様の孫請けの仕事ではんだ付け内職に遡りまして、現在は多様なお客様に弊社のサービスをご利用頂いております。プリント基板実装・半導体組立・光学フィルム加工の受託、プリント基板修理、搬送装置・医療機器等の機械開発設計・製作の受託及び工場副資材の製造販売などを行っています。

―幅広いですね。

山本) 弊社がお客様に提供できる新たな価値は、多様な産業や製品にまつわる開発製造の経験やノウハウに根差した提案力であり、事業の一定の幅広さは意識しております。

開発・試作から量産まで一貫対応

―それぞれはどんな特長がありますか?まず、プリント基板の実装についてはいかがでしょう。

山本) まず、プリント基板実装は、船舶のエンジン制御機器や産業用ロボットの電源装置、医療機器など様々ですが、基板を取り付ける機械の構造・使用環境等の条件、例えば、コンパクトな設計が必要だとか、高温環境や電磁波の出ている環境で使用するとかといったことに応じて、チップを載せる基板材料の選定、はんだ付けの方法、その他総合的に検討しなければなりません。当社は、半導体製造(ウエハのダイシング以降の後工程)、機械設計の両方を行っており、その知見を生かした対応が可能です。IPC資格者の保持にみられる弊社のグローバルスタンダード対応から、試作から少量多品種の生産といった顧客別対応、そして国内外を含めた拠点での量産まで一貫で対応しているところは珍しく、弊社の特徴を象っています。

 

―一貫で対応していただけるとお客様も手間がだいぶ省けそうですね。光学フィルム加工はいかがでしょう。

山本) 今やスマートフォンに代表されるように、様々な分野で使われており、高機能化が進み、多様なフィルムが積層されています。それらのフィルムがずれたり、異物が混入しないように、打ち抜き加工したり、カットしたりすることが重要であり、当社は不良率が極めて低いです。刃を入れるあるいは抜くスピード・角度等、材料の選定や調整、作業者の目の位置などにも着目した徹底的な効率改善を追及しているからです。最近注目される一貫生産対応の効果の一つは、コストダウンだけではなく、製品リリースに向けて、開発から量産までのプロセス改善を速やかに行うことによるリードタイムの短縮であり、製品のライフサイクルがますます短くなる中で、必須の開発製造支援体制であると考えております。

―なるほど。プリント基板修理はいかがでしょう。

山本)生産設備や業務用機器は、新たに購入すると数千万円単位の投資が必要となる場合があります。プリント基板さえ直すことができれば、まだまだ使えるといったことがあるものの、メーカーサポートが終了していたりして故障を直せず、新たな投資をせざる得ないお客様がおられます。JOHNANでは、基板の設計図がなくとも専門チームが解析を行い、故障個所を特定するとともに、国内では既に販売されていない部品なども海外から調達することで、修理を実現させています。研究開発や生産の稼働率向上に寄与するサービスであると自負しております。

プリント基板修理の写真  

―お客様にとって、大きな稼働率アップに繋がりますね。機械の設計・製造はいかがでしょう。

山本) こちらも、試作、量産、メンテナンスまでの一貫対応や開発受託(ODM)、生産受託(OEM)等の業務を行っています。ウエハ搬送装置などは、頻繁に行われる工場レイアウト変更等にきめ細かく対応します。内視鏡洗浄機などの医療機器の開発受託に関しても、お客様の仕様変更に対しスピーディに対応します。ものづくりだけではなく、ISO13485に準拠にした開発製造プロセスや、PMDA対応力などのコトづくりにおいても当社の提供価値の一つと考えております。洗浄機を例に挙げれば、ほかの部門で水の電気分解について対応してきたので、その知見を横展開で活かせてきているわけです。

機械の設計・製造例 
(画像提供:カイゲンファーマ株式会社様 本機器はカイゲンファーマ株式会社様からの開発/製造委託によるものです。)

分社制度、「撤退」まで見越した海外進出、M&Aの各ノウハウ

―そうした異分野への横展開を成功させ、規模を拡大させていらっしゃった秘訣は何でしょうか?

山本) ITバブルがはじけた2000年代以降、人材育成に力を入れてきて、中小企業では珍しい「分社制度」を導入したことによる効果は大きいです。分社した各社の代表取締役は、資金調達も自ら行いましたし、銀行借入では自ら連帯保証も負わねばならないというリスクを取って会社を運営する経験を積みました。リーマンショック以降は、新たな価値提案をお客様にするには、分散した組織では機能しにくく、再び同一の法人に統合することを進めるという、組織間の強みを活かしたシナジーを興しやすい人事戦略を進めておりますが、そうして鍛えられた自主自立した幹部が現在一定数おり、彼らがその規模の拡大を支えてくれています。

―海外展開も積極的にされてらっしゃいますよね。

山本) そうですね。海外展開については、現地工場の「立ち上げ」だけでなく「撤退」のノウハウも有しているということです。日本で開発や試作を行い、海外で量産をするという構図となっていく中で、量産については、必ず始まりがあれば終わりがあります。顧客企業様からは、数か月でのスピード進出を求められます。それには相当な資金も、語学ができる社員も必要なわけですが、進出だけでなく撤退のノウハウも含めて積み重ねてきたことが効いています。これまで15件以上の進出・撤退があります。

 
(海外工場)

―進出時に撤退のことまで考えてらっしゃるのはすごいですね。やはり御社ほどの規模になられると、M&Aも多くあるのですか?

山本) 基本的には、オーガニックな(既存組織や事業の強化による)成長を大事にしておりまして、ご縁があれば、また三方よし(売り手・買い手・世間にとってメリットがあれば)であるような資本提携(M&A)には興味があります。他のものづくり企業様との緩やかな業務提携も大事にしておりまして、資本提携であれ、業務提携であれ大事なことは、グローバル環境でのスピードある開発・製造支援体制を作ることであります。それがいま世界に必要とされているイノベーションを支えるインフラの一つであり、そのインフラを構成する一つとして、弊社は日本を代表する企業グループでありたいと思っております。

今後の展開

―さて、今後の展望はいかがでしょうか?

山本) 開発製造受託会社に対する、メーカー様による要望は、IoT、AI、ビックデータなどの活用を念頭に置いて開発製造を支援するパートナーをお探しでもおられます。ものづくりに加えてコトづくり支援体制の充実を図り、日本のイノベーションに寄与する企業へと成長させていきます。

 

中長期的な目線で経営展開されてきた同社のお取り組みは、多くの中小企業様にとっても示唆に富むことが多く、今後の展開も大変注目ですね!

 

お問い合わせ

商工労働観光部産業振興課

京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町

ファックス:075-414-4842

monozukuri@pref.kyoto.lg.jp