社会福祉法人丹後大宮福祉会 おおみや苑(京丹後市)
おおみや苑さんは、平成19年度に認定された施設です。京都府産野菜の使用頻度が他施設に比べて、非常に高いです(H26、862回/年)。田上施設長、栄養士の小谷さん、献立作成担当の山下さんにお話を伺いました
施設について紹介してください。
- 健康長寿の京丹後市の南東部、大宮町にあり、特別養護老人ホーム60名、デイサービスセンター40名、ショートステイ23名、ケアハウス20名、特養では6つのユニットごとの食堂で、食事を提供しています。
- 周辺の畑で、ご利用者さまが、丹精をこめて、土作りから季節の野菜の栽培をされたり、収穫体験をされたり。 それらを頂戴し、献立に使用させていただくこともあります。

給食を提供するに当たり心がけていることは。
- 部署ごとに、介護スタッフと連携を図り、ご利用者さまのニーズにお応えできるよう、季節に応じたイベントや行事食、誕生会、ユニット調理、選択メニューなどに取り組んでいます。ご利用者さまと一緒に調理したり、盛り付けさせていただいたりすることもあります。
- 食事を通して、季節を感じていただき、また素朴な伝統の味を五感で味わっていただくよう心がけています。
「たんとおあがり 京都府産」施設認定を申請したきっかけは何ですか。
- 元々、丹後地域は兵庫県但馬とのつながりも深く、但馬の野菜を多く使用していました。地元産の食材を使用することで、地域に根ざした、安心・安全な食の提供につながれば、よりご利用者さまに喜んでいただけるのではないかと思い、京都府の案内を見て、応募しました。

今日のメニューは何ですか。
- お昼のメニューは、ごはん、鶏のから揚げ、ブロッコリーのおかかあえ、みそ汁、フルーツミックスです。
- ごはんは丹後米、鶏のから揚げに添えてあるキャベツ、おかかあえの人参、みそ汁の聖護院かぶと九条ねぎが、丹後産です。
食材の供給業者さんとの連携についてお聞かせください。
- すべての米は丹後こしひかりです。栄養価を考慮し、ビタミン強化米を特別にブレンドしていただいています。夕食に取り入れている玄米ごはんには、もち米をブレンドしていただき、もっちり感を出すようにしています。
- 4~12月の間は、毎週土曜日、谷内地区『ひまわり会』の朝市に出向き、新鮮で安価な野菜を購入しています。人生の大先輩のご婦人方から、旬の野菜の素朴な料理の仕方や、下処理の工夫などを、対面で教えていただいています。
- 平成24年度、丹後の生産者さまからの野菜を『愛菜館』で手配していただくようになり、地元産の使用頻度が格段に多くなりました。若手スタッフさんの丁寧な仕事ぶりに、感謝しています。

利用者の反応をお聞かせください。
- ご利用者さまの中には、昔農業に携わっておられた方もたくさんいらっしゃいます。地元産ということが会話のネタになり、米作り・野菜作りのご苦労やエピソードをお教えいただくこともあります。食欲のない方でも、産地の町名をお伝えすると、もう一口お口に運ばれることも多くあります。

今後の抱負についてお聞かせください
- 地元産の食材の話がきっかけとなり、さまざまな学びの場となることもしばしなです。お教えいただいた貴重な知恵や工夫・経験を活かし、よりご利用者さまに喜んでいただける食事の提供を目指したいと思います。同時に、『食』を通して、いつまでも、そのひとらしさを持ち続けていただき、最期のときまで、お口からおいしく食べていただきたいと願っています。さらに、毎日の業務の中でのちょっとした気づきや発見・喜びを、若手スタッフと共有共感していくことで、おおみや苑厨房のレベルアップ、ひいては、丹後の食文化や伝統の継承につながれば、と思っています。
事務局から
取材を通して、利用者が毎日おいしく食事ができるように様々な工夫をこらしている施設だと感じました。今後も府内産農産物利用を通して、より利用者に喜んでいただけるような取組をしていただきたいです。