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国の委託事業であるインフルエンザ感受性調査と、京都府の独自事業である感染源調査の報告である。
2004年度に府内の病院で採取された咽頭うがい(ぬぐい)液115検体から、A香港(H3N2)型10株、B型23株が分離された。
また、2004-2005シーズンの府内における流行は、全国と同様にA香港(H3N2)型及びB型による流行であった。
府内のブタの間には新型インフルエンザの侵入はなかったものと推察された。
国からの委託を受けて毎年実施している発生動向調査のうち、2004年1月から12月までのウイルス検査結果の報告である。
府内の5定点で採取された241検体から21株のウイルスが検出され、最も多く検出されたのはロタウイルスA群であった。
季節的特徴を示したのはロタウイルスA群のみで、晩春から春期にかけて検出される傾向があった。また、ほとんどのウイルスは9歳以下の患者から検出された。
当研究所で行っている残留農薬の検査結果のうち、平成16年度の結果と平成10年度~16年度のまとめについての報告である。
16年度の結果からは食品衛生法違反となる事例は認められなかった。農薬の検出率は、輸入品はほぼ15年度と同様であったが、国内産はやや増加した。
10年度~16年度の結果から、農薬取締法上適用のない農薬が検出された場合などに、農林水産部と連携し適切な指導につなげることの重要性が示された。
これまでに、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)及びLC/MS/MS(高速液体クロマトグラフ質量分析計)による農産物中の残留農薬一斉分析法を検討し、玄米、ほうれんそう、にんじんなどについて良好な結果を得たので、年報49号で報告した。
今回、この方法を用いてかぼちゃ、きゅうり、ねぎ及びなしについて添加回収試験を行ったところ、おおむね良好な結果が得られ、これら4農産物についても一斉分析法が適用可能であることがわかった。
2003年6月から2005年5月の調査期間に京都市伏見区の当研究所構内の研究棟1階屋上のビオトープエリアで、9目36科65種の昆虫類を確認した。
屋上エリアの生物種数は順調に増加していたが、その原因として、当研究所構内のビオトープの充実や、屋上エリア部分に新たに流れを持つ水域を作ったことなどが考えられた。
長岡京市所在の京都府桂川右岸流域下水道洛西浄化センター内にあるビオトープで2001年9月から2004年12月までに確認された昆虫類は、9目46科111種であった。
陸生の昆虫相はビオトープ建設前後であまり変化はなかったが、ビオトープ建設に伴い水域を作り出したことで、新たに水生昆虫類が確認された。
平成15年度の京都府内の環境中ダイオキシン類の調査結果をまとめ、合わせて委託機関に対する精度管理上の評価を行った。
15年度の調査結果では、ダイオキシン類の毒性当量の環境基準を超える事例はなかった。いくつかの特異的なデータが報告されたが、その発生源の特定には至らなかった。
提出された資料が不十分で分析等の状況を十分把握できない事例や、精度管理指針を遵守していない事例などがあった。
指定ごみ袋制の導入により全面的に有料化に移行したある自治体について、家庭系ごみ収集有料化がごみ量に及ぼす影響を調査した。
指定ごみ袋制の導入による家庭系ごみ収集有料化はごみ全体の減量に効果があると考えられ、種類別に見ても、可燃ごみ量及び不燃ごみと不燃性粗大ごみを合算したごみ量は、有料化が減量に寄与していると考えられた。
典型的な閉鎖性水域である久美浜湾で継続的に調査されてきた溶存酸素の鉛直調査の結果を、1978年から2004年分までとりまとめたものである。
その結果、7月から11月頃までは底層が無酸素状態となっていること、経年的には大きな悪化傾向は見られなかったが、低酸素領域の拡大がやや懸念される状態となっていることなどがわかった。また、COD値やクロロフィルaの増加傾向が見られた。
平成6年度から水道水質検査機関を対象に実施している分析精度管理調査の、16年度分の報告である。
19機関について、新たに水質基準項目となったホルムアルデヒド及び1,4-ジオキサンについて精度管理調査を実施したところ、うち3機関で両項目とも低値で棄却されるという結果であった。その他、転記ミスや希釈操作ミスなども散見された。
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