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最新の府内の発生状況(2022年第○週)

今週のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎地図(京都府版)

丹後 中丹東 中丹西 南丹 京都市 乙訓 山城北 山城南
  • 発生なし
  • 発生
  • 注意報
  • 警報

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2025年第42週の報告です。

伝染性紅斑の全国の定点当り報告数が0.95件に減少しました。これにより、全国の警報レベルも終了となりました。しかし、京都府内では中丹東の定点当り2.00件報告され、警報レベルは継続しています。ほかに、眼科定点の急性出血性結膜炎が南丹で警報レベルになりました。基幹定点のマイコプラズマ肺炎の増加が続いており、今週は23件報告されました。

全数把握対象疾患は、結核が10件、レジオネラ症劇症型溶血性レンサ球菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症梅毒がそれぞれ1件、百日咳が11件報告されました。

急性出血性結膜炎が報告されましたので、今回は、感染症法に基づくサーベイランス(発生動向調査)の対象となっている3つの結膜炎──流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎について触れます。

流行性角結膜炎は最も一般的な結膜炎のひとつで、いわゆる「はやり目」と呼ばれるアデノウイルス感染症です。また、咽頭結膜熱もアデノウイルス感染症ですが、こちらは典型的には結膜炎に加えて咽頭炎と発熱を伴い、かつてプールを介して伝播することが多かったため「プール熱」と呼ばれていました。最後に、急性出血性結膜炎は、その名のとおり結膜の下で出血が起こり、眼球が赤く染まって見えること(結膜下出血)を特徴とする、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスの感染症です。

いずれの疾患も多くは軽症で、自然治癒します。特別な治療薬は存在せず、症状に応じた対症療法を行います。また、二次的な細菌感染を防ぐ目的で抗菌薬の点眼が行われることもあります。現在のところ有効なワクチンはありません。

これら結膜炎の原因ウイルスは極めて感染力が強く、主にウイルスで汚染された手指を介した接触感染で伝播します。感染予防には、眼・鼻・口をむやみに触らないこと、流水・石鹸でしっかり手を洗うこと、感染者が身近にいる場合はタオル等の共用を避けることなどが重要です。