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丹後の海の生き物(バショウカジキ)

バショウカジキ


  写真の魚は、長くて大きな背びれが芭蕉の葉っぱに似ていることから、バショウカジキと呼ばれています。
  この特徴的な背びれは単なる飾りではなく、捕食時に効力を発揮します。どういうことかというと、餌となる魚の群れを高速で追いかける時には背びれを背中に折りたたみ、魚の群れに接近すると、背びれをばっと広げて水の抵抗を受けて止まり、そのしぐさが威嚇にもなって効率よく魚を捕まえるのです。
  成長すると、全長3メートル以上、体重100キログラムに達しますが、丹後の海には主に体重30キログラム未満の若魚が、海水温の高い晩夏から秋にかけて回遊してきます。毎年、定置網で漁獲されたものが地元の魚市場に並びはじめると、秋の訪れを感じさせます。 

京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成20年10月10日、京都新聞掲載)

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