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丹後の海の生き物(チカメキントキ)

チカメキントキ


  丹後では釣りや定置網で水揚されますが、その量は少く、名前はあまり知られていません。キンメの煮付けと聞けば、ピンとくる方もいるかもしれませんが、チカメキントキをキンメと呼ぶのは関西だけです。関東ではキンメは別種のキンメダイを指し、チカメキントキは景清(かげきよ)と呼びます。これはチカメキントキの赤い魚体が歌舞伎の景清の衣装に似ていることがその由来です。
  金色に輝く大きな眼が特徴ですが、これはタペータムという輝板が網膜の奥にあるためです。輝板は網膜を通過した光を反射させて明るさを増幅させる組織で、ネコ科等の夜行性の動物にも備わっています。チカメキントキが棲む海域はやや深くて暗いため、このような組織が発達したのでしょう。生物の適応性には驚かされます。 

京都府立海洋センター主任 宮嶋 俊明
(平成20年10月17日、京都新聞掲載)