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丹後の海の生き物(シロカジキ)

シロカジキ

  頭部から剣のように鋭く突き出た吻(ふん)がトレードマークのカジキは、ご紹介するシロカジキのほか、マカジキ、クロカジキ、バショウカジキなど10種類余りが知られており、いずれも温暖な外洋域を主な生活圏にしています。
  シロカジキは、外洋域だけではなく沿岸海域を回遊する性質があり、表層水温の高い秋口を中心に日本海にもやって来ます。丹後の海では、例年定置網で数トン漁獲される程度なので、魚市場でよく目にする魚ではありませんが、体重100キロを超えるものもざらで、水揚げされた時には魚市場で存在感を放っています。
  ちなみに、カジキの名前の由来については、日本古来の木造船の梶木(かじき)と呼ばれる船底部分を、吻で突き通すことがあったからという説が有力です。いくらなんでも、現在の頑丈な動力船がカジキに穴を空けられることはないでしょうけど、カジキは餌となる魚類を吻で叩きつけて捕食することから、狩猟の道具として相当な威力を持つことは確かなようです。


京都府立海洋センター主任 熊木 豊
(平成19年8月22日、京都新聞掲載)

 

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