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丹後の海の生き物(ツバメウオ)

ツバメウオ

 

  海に潜って魚礁の効果を調べていると、アジやカワハギに混じって、三角形の魚がゆらゆらと魚礁の周りを泳いでいます。本州以南の暖かい海に生息するツバメウオです。対馬暖流に乗って丹後の海までやってきたようです。
  写真のように、幼魚の時には背鰭と腹鰭が長く伸びており、その容姿がツバメの飛ぶ姿に似ていることからこの名前が付いたそうです。成長するにともなって、長い鰭は短くなり、明瞭な横縞も薄くなっていきます。成魚になると50cm以上にまで成長し、大きな群を作って行動するようになります。珊瑚礁を優雅に泳ぐ姿から、ダイビングをする人達には人気の魚です。比較的人に慣れやすく、ダイビングスポットでは餌付けをしている所もあります。また、観賞魚としても飼育されています。
  丹後の海では、定置網で希に漁獲される程度です。南方の一部の地域では、食用に漁獲されています。美味とされていますが、個体によっては臭みが強いものもいるそうで、当たりはずれが大きい魚のようです。

京都府立海洋センター技師 白藤徳夫
 (平成20年3月12日、京都新聞掲載)

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