丹後の海の生き物

アカモク
オクラのようなぬめり



　アカモクはホンダワラの仲間の海藻で、一年の寿命の間に大きいものは全長5mほどになります。ギザギザとした葉を持ち、細長い気胞の先にも同じような葉を持つことが特徴です。丹後の海では、比較的穏やかな宮津市から伊根町新井崎までの水深2mあたりによく生えています。また、春から夏にかけて、海面を漂う流れ藻に多く含まれています。
　新潟県や秋田県ではナガモやギバサと呼ばれ、生殖器ができる春に食用にされます。熱湯をかけた後、細かく刻んでかき混ぜると、オクラのような透明なぬめりがでます。しょう油や味噌を混ぜ、熱々のご飯にかけるのが美味しい食べ方です。丹後の海には食用となる海藻がまだまだ手付かずに残っています。

　京都府立海洋センター　技師　西垣友和
　京都新聞掲載