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アマモ
海に帰った植物
アマモは砂や泥の海底に生える海草で、菖蒲のように緑色で細長い葉をしています。アマモの群生地は、アマモ場と呼ばれ、種々の幼魚などが集まる海の保育場としての役割を果たしています。
アマモの生育には光が必要で、生育できる水深は海水の透明度によって決まります。透明度が悪いと浅所にしか生育できませんが、透明度が良ければ深所でも生育できます。
アマモはワカメなどの海藻と同じ海で生育する植物ですが、その進化の歴史は違います。海藻はずっと海で進化し、花を咲かせることはありません。一方、アマモは海から陸上へ進化した植物が再び海に帰ったものです。その証拠に、アマモには養分を吸収する根があり、花を咲かせます。根や花は陸上の植物がはじめて進化させたものです。アマモは植物界のクジラ?と言えるのかもしれません。
京都府立海洋センター 技師 八谷光介
京都新聞掲載
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