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丹後の海の生き物

アユ

アユ

 丹後半島中央部を源流域とする宇川が日本海に流れ込む半島先端近くの河口域。春の陽光をうけ、まぶしい水しぶきの中、キラキラと銀鱗を輝かせながら、海で成長した稚アユが遡上してきました。年魚のアユにとって河川での生活の第1歩が始まろうとしています。手を差し入れると未だ冷たい水温ですが、産卵期である秋までの短い一生を過ごすため、速い流れに逆らって上流を目指していきます。
 河川での主な餌は岩に繁茂する珪藻等の付着藻類。アユ独特の香はこの餌のせいで、香魚と呼ばれる由縁でもあります。平成16年の台風23号の影響で宇川の河川環境が大きく変化し成育が心配されます。でも、付着藻類の大敵である浮泥が洗い流され、きれいな岩面に藻類が増殖することを期待したいものです。何しろ大きく成長した天然アユの塩焼きは絶品ですから。

 京都府立海洋センター 主任研究員 中津川俊雄
 京都新聞掲載


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