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2-5  レジーム・シフト

 レジーム・シフトのレジームとは地球環境の「基本的な構造」、シフトとは「転換する」という意味の英語です。一言でいうと、レジーム・シフトとは気候がある状態から別の状態へと地球規模で急速に変化し、その影響を受けて海の環境や生態系が大きく変化する自然現象のことです。この現象の大きな特徴は、その急速な変化にもかかわらず、ひとたび発生すればその状態は10年以上持続することです。例えば、ある場所の気温や海水温が平年に比べて低い状態が10年以上も続いたかと思えば、その持続期間に比べるとかなり短期間のうちに気温や海水温が上昇し、以後少なくとも10年以上にわたって平年よりも気温や海水温の高い状態が持続することになります。最近では、1988年から1989年にかけてレジーム・シフトが発生し、寒冷な状態から温暖な状態への遷移があったと考えられています。そこで、前段で示した日本の年間平均気温(図1)、日本海50m深の年間平均海水温(図2)及び「表面水温最低期」における京都の水深別海水温(図3の1段目)に着目すると、1987年以前はほとんどの年が平年よりも気温と海水温が低くなっていましたが、1988年〜1989年を境にして、平年よりも気温と海水温の高い年が増加しています。
 20世紀中には、前述した1988〜1989年のほかに、少なくとも1925〜1926年、1945〜1946年、1976〜1977年にもレジーム・シフトが発生したと考えられています。
  一例として、1905年から1995年までの北太平洋中部における冬季の海面水温の平年差を図4に示しました。グラフの中の細線は毎年の値、太線は毎年の値の変動傾向を示します。また、グラフの下部にはレジーム・シフトが発生したとされる年に矢印をつけています。なお、この資料は日本近海や外洋を航行する商船などの船舶が観測した膨大な量の海面水温のデータを気象庁などが集計したものです。
図4 北太平洋中部の冬季海面水温の平年差   図4をみると、レジーム・シフトが起こったとされる1940年代中頃の海面水温の上昇が特に目立ちます。それまで平年よりも海面水温の低い年が続いていましたが、1940年代中頃から次のレジーム・シフトが起こったとされる1970年代中頃まで、平年の海面水温を上回る年が多く出現するようになりました。その後、1980年代後半までは平年よりも海面水温の低い年が続きましたが、1980年代末に海水温は再び平年を上回りました。1980年代末に海面水温が上昇する現象は、すでに説明したように、水温最低期における京都の海や日本海でも確認されており、1980年代末のレジーム・シフト一つをとってみても、現象のスケールの大きさをうかがい知ることができます。
 1980年代末をピークとするマイワシの豊漁とその後の漁獲量の激減は、1980年代末のレジーム・シフトによるものであるとする説が有力です。
最近では、1998年から1999年にかけて新たにレジーム・シフトが発生したと指摘する研究者もいることから、今後の海の環境や生物資源の動向を注目していく必要があります。
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