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青島

場所

伊根町青島地先

みられる海藻

みられる海藻

ウニ類と海藻植生の関係

 伊根湾の湾口部に位置する青島の外海部には、わずか数十メートル離れただけで、ホンダワラ類が繁茂する場所(図1)とほとんど見られない場所(図2)があります。海藻類の多い地点には、ヨレモク、ジョロモク、ヤツマタモク(図3)などのホンダワラ類が多く、少ない地点にはコナウミウチワ(図4)が多く見られました。
 このように近接する場所で海藻植生が大きく異なる場合には、基質の大きさが異なり、波浪に対して不安定な基質には大型海藻が生育しない場合が多いのですが、青島では海藻の多い地点にも少ない地点にも、N型ブロックと呼ばれる同規格の基質が設置されています。
 これまでの研究から、この地点の植生の違いをもたらす要因のひとつとして,ウニ類の摂食が考えられています。ウニ類の中でも北方系のキタムラサキウニは活発に摂食活動を行い、藻場に対する影響が大きいと考えられています。そして、キタムラサキウニは高水温に弱いので、夏になると水温の低い深場へ移動できる急深な地形のところに多いとされています。
 ウニ類の摂食活動は海藻植生に与える影響が大きいので(図5)、ウニ類の個体数、季節的な移動や摂食活動について、地形や植生と関係づけて、より詳しく明らかにする必要があります。

ホンダワラ類が多い地点のN型ブロック
図1 ホンダワラ類が多い地点のN型ブロック(2006年8月23日調査)

ホンダワラ類がほとんど生育していない地点のN型ブロック
図2 ホンダワラ類がほとんど生育していない地点のN型ブロック(2006年8月23日調査)

ホンダワラ類が多い地点の自然石ジョロモク、ヨレモクなどが見られる
図3 ホンダワラ類が多い地点の自然石ジョロモク、ヨレモクなどが見られる。(2006年8月23日調査)

N型ブロック(図2の地点)の拡大写真。コナウミウチワが多い
図4 N型ブロック(図2の地点)の拡大写真。コナウミウチワが多い。

ウニの摂食によって、「ホンダワラ類−無節サンゴモ」前線が形成された。(
図5 ウニ(この地点ではムラサキウニが多い)の隠れ場所となる岩の割れ目付近はホンダワラ類が生育せずに、無節サンゴモに覆われている。ウニの摂食によって、「ホンダワラ類−無節サンゴモ」前線が形成された。(2006年8月23日調査)


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