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冠島

場所

冠島東地先

みられる海藻

エゾノネジモク
アオノリ類
アミジグサ ソゾ類
フクリンアミジ アヤニシキ
カギケノリ
                   
ツルアラメ ノコギリモク
ノコギリモク

ツルアラメの群落がみられます

 冠島は、舞鶴市の沖合い約10qに位置する周囲約5qの無人島で、京都府の鳥であるオオミズナギドリが2月から11月まで営巣する島として有名です。海岸から標高170mまで一気にそそり立つ断崖は圧倒的な迫力ですが、水中も陸上に負けないダイナミックな景観をみせてくれます。島周辺には波をさえぎる障害物が何もないので冬季には毎日、日本海の荒波にあらわれています。したがって、小さな石は波で吹き飛ばされてしまうので、海底には人間の力ではとてもひっくり返せないような大きな石がゴロゴロとしています。波によって吹き飛ぶのは石ばかりではなく、石に着生する海藻も石ごと飛ばされたり、切れたりします。その結果、水深5mまでの石にはホンダワラ科海藻のような大型になる海藻は少なく(一部エゾノネジモクがみられる)、緑藻類のアオノリ類、褐藻類のアミジグサ、フクリンアミジ、紅藻類のソゾ類などの小型の海藻が多くみられます。また、網目模様が美しいアヤニシキや繊細な筆先のようなカギケノリなどの非常に綺麗な紅藻類もみることができます。しかし、その景観は水深6m以深になるとがらりと変わります。まず、コンブ科海藻のツルアラメが等身大以上の石の頂上部を覆うように繁茂しています。ちなみに、京都府沿岸域ではこれほど大きなツルアラメ群落は冠島でしか確認されていません。水深6〜10mには、ホンダワラ科海藻のノコギリモクが広範囲に繁茂しています。さすがの日本海の荒波もこの水深までは力が及ばないということでしょうか。海洋センターが調査に訪れる7〜8月には、これらの海藻は生長が停滞している時期ですが、ツルアラメには栄養繁殖した胞子体を、ノコギリモク群落には種から生長した幼体をみることができます。

ツルアラメ群落
ツルアラメ群落 (2003年7月24日撮影)

ノコギリモク群落
ノコギリモク群落 (2003年7月24日撮影)

アヤニシキ
アヤニシキ (2003年7月24日撮影)

カギケノリ
カギケノリ (2003年7月24日撮影)


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