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無双

場所

宮津市栗田半島無双岬地先

みられる海藻

みられる海藻

波あたりの強い地点で優占するホンダワラ類

 栗田半島の無双地先は比較的波あたりが強く、潮間帯下部にクロフジツボ(図1)が分布し、ホンダワラ類ではエゾノネジモク(図2)、ナラサモ、イソモクなど波あたりの強い地点で優占する種が見られます。これらのホンダワラ類は、付着部や茎が水平方向にも伸張しそこから直立部を形成することができます。この繁殖方式には、一度着定した地点を長期間にわたって占有できるというメリットがあります。
 無双にはヤナギモク(図3)がホンダワラ類の中では最も多く生育していることが特徴的です。ヤナギモクはホンダワラ類の中では珍しく夏から秋に成熟・繁茂する種なので、この時期にはヤツマタモク(図4)やノコギリモク(図5)よりも目立ちます。もしかしたら、ヤナギモクは、夏から秋にかけて藻場の植食動物の餌を供給する重要な役割を担っているかもしれません。
 水深6mぐらいのところには、アカモク(図6)を中心としてホンダワラ類の幼体が多く見られました。幼体が高密度であるにもかかわらず大型個体が極めて少ないのは、小型個体が生長する間に何らかの撹乱要因で減耗するためだと推察されますが、現時点でその要因は不明です。

潮間帯下部のクロフジツボ
図1 潮間帯下部のクロフジツボ(2006年8月30日調査)

潮間帯下部のエゾノネジモク
図2 潮間帯下部のエゾノネジモク(2006年8月30日調査)

成熟期をむかえ繁茂するヤナギモク
図3 成熟期をむかえ繁茂するヤナギモク(2006年8月30日調査)

ヤツマタモク群落の全長は20から30センチメートル
図4 ヤツマタモク群落の全長は20から30センチメートル(2006年8月30日調査)

ノコギリモクとピンク色の無節、有節サンゴモ
図5 ノコギリモクとピンク色の無節、有節サンゴモ(2006年8月30日調査)

高密度に育成するアカモクなどホンダワラ類の幼体
図6 高密度に育成するアカモクなどホンダワラ類の幼体(2006年8月30日調査)


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